城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年6月10日
(令和7年6月10日(火) 9:08~9:15 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
冒頭、科学技術政策等の担当大臣として、1点御報告申し上げます。
本日、「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」、いわゆるGSC構想について、先行的活動の実施方針を決定しました。
このGSC構想は、「世界最高水準のイノベーション・エコシステムのハブを構築する」という、過去に前例のない挑戦的な取組であります。これまで、昨年8月に決定したGSC構想の基本方針に基づき、施設の開所及び運営法人の設立に先立って行います「先行的活動」の実施方針に係る検討を重ねてまいりました。
先般、5月27日でありますが、有識者会議でいただいた御意見も踏まえて、本日、内閣官房GSC構想推進室長決定を行い、公表いたしました。
本実施方針は、世界から優れた人材・投資を集める呼び水となるような先行的活動の内容やスキームなどを定めるものであり、GSC構想の実現に向けて、極めて重要なマイルストーンになるものと考えております。
それでは、実施方針のポイントを3つ御紹介したいと思います。
まず、第一に、先行的活動は、「研究者・投資家等の集積に向けた国際研究」、「事業化支援」、「人材育成」、この3つの柱から構成されております。
第二に、その実施に当たっては、ディープテック分野の研究及び事業化支援に実績を有する、国内外の外部機関を広く公募・選定し、世界水準のプログラムの実施を目指します。
そして、第三に、外部機関の選定・評価も含め、プログラム全体を運営するために、内閣府にステアリング・コミッティを設置いたします。
このような先行的活動を通じて、GSCのフラッグシップ拠点等で実施される取組の具体化・高度化につなげるとともに、国内外のステークホルダーとのパートナーシップを構築・強化していく考えです。
今後、6月中を目途にステアリング・コミッティを設置し、7月を目途にプログラム実施の支援に重要な役割を果たす外部機関の公募を開始することで、この秋から事業開始を目指します。
本実施方針に基づく先行的活動の実施を通じて、GSC構想の具体化を加速してまいります。
2.質疑応答
- (問)GSCの先行的活動ですけれども、国際研究等、事業化支援の中核となるベンチャーディレクターの役割が重要になるかと思うんですけれども、どういったことを期待していますでしょうか。また、先日決定したスタートアップ・エコシステム拠点都市とGSC構想の関係について教えてください。
- (答)御指摘のとおり、ベンチャーディレクターが大変重要だということはまさにそのとおりでございます。ベンチャーディレクターは、グローバル・スタートアップ・キャンパスの先行的活動のうち、研究者・投資家等の集積に向けた「国際研究プログラム」において、重要な位置付けを担っていると認識しております。
ベンチャーディレクターの役割としては、例えば、世界の優れた研究者等を魅了する、革新的な研究テーマを設定するとともに、当該テーマの達成に向け、事業化を目指した研究開発を推進することを想定しております。また、世界の技術動向を踏まえて研究テーマを設定する能力等を有する者を充てる必要があると考えております。
国際研究プログラムの成否は、まさにこのベンチャーディレクターにかかっていると言っても過言ではなく、今後、このプログラム推進を支援する外部機関を公募することとなりますが、その際、世界から優れたベンチャーディレクターを発掘し、ベンチャーディレクターの活動を的確に支援できる知見や能力を有する機関を選定したいというふうに考えております。
そしてまた、スタートアップ・エコシステム拠点都市とGSC構想との関係でございますが、先般、6月4日に策定した「第2期スタートアップ・エコシステム拠点形成加速化プラン」において、世界トップレベルのスタートアップ・エコシステム拠点都市を形成するためのアクションを示したところであり、このアクションを、GSC構想と一体となって進めていくことが重要と考えております。
具体的に申し上げますと、例えば、拠点都市のネットワークとGSC構想のグローバルネットワークの連携を図っていくことや、拠点都市で創出された成果をGSC構想の事業化支援プログラムの対象とすることなどが考えられるわけであります。
この拠点都市の活動とGSCの先行的活動とを、いわば有機的に連関させていくことによって、「世界最高水準のイノベーション・エコシステムのハブの構築」を実現していく考えであります。
(以上)