城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年3月14日

(令和7年3月14日(金) 9:27~9:40  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)昨日、日本原子力研究開発機構が、これまで厄介者とされてきた劣化ウランを使うことのできる新しい蓄電池を開発しました。まだ基礎的な段階なのですけれども、今後への期待と、こうした基礎的な研究開発への支援について、大臣どのようにお考えかお伺いします。
(答)昨日、13日ですけれども、日本原子力研究開発機構(JAEA)が、世界で初めて、ウランの化学的特性を利用した「ウラン蓄電池」の開発に成功したという発表があったことは承知しております。
 この研究については、私が昨年、JAEA原子力科学研究所を視察した際に直接説明を受け、非常に注目していた研究だけに、今回こうした発表がなされたことは大変喜ばしく、将来、「劣化ウラン」から、新たな資源価値が創造されていくことを大いに期待したいと思っております。
 また、この分野に限る話ではございませんけれども、こうした基礎研究は、人類の新たな知の資産を創出するとともに、世界共通の課題を解決する鍵であり、その推進は、間違いなく、科学技術・イノベーションの基盤となると考えております。
 政府といたしましても、基礎研究の多様性と厚みを打ち出していくために、例えば、若手研究者が腰を据えて研究に打ち込める環境の整備、あるいは、独創的な研究への支援、科学研究費助成事業(科研費)の充実、大学や国立研究開発法人の基盤的経費の確保といった取組を進めてきているところでございます。
 また、現在、第7期の科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた議論の中で、基礎研究を含めた研究力強化に向けた検討を進めております。
 いずれにしましても、今回のような画期的な研究成果が、我が国から次々と生まれてくるよう、予算の確保も含め、関係省庁ともしっかり連携して取り組んでまいる考えであります。
(問)グローバル・スタートアップ・キャンパス構想についてお伺いしたいのですけれども、現在、本国会で運営法人に関する法案は、C法案ということで、まだ提出はされていない状況かと思います。同構想の関連基金からは、支出が少ないとして国庫返納を求める声も野党から上がっていましたが、現在の法案の調整状況と構想の進捗、そしてキャンパス構想の意義について、改めて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)グローバル・スタートアップ・キャンパス構想は、世界最高水準のイノベーション・エコシステムのハブを構築することを目指すという、これまでに前例のない取組でございます。
 御指摘の法案につきましては、昨年8月に統合イノベーション戦略推進会議で定めた「基本方針」におきまして、運営法人の成立に向けて必要な法制上の措置を進めることとされており、引き続き、必要な作業を進めているところであります。
 なお、御指摘の基金につきましては、国会でも様々な議論がございましたが、この運営法人の設立や関連施設の開所に先立ち、世界から優れた人材・投資を集めるための呼び水となる、最先端のディープテック領域の研究活動等を実施するために必要な経費であることを、改めてこの場で強調しておきたいと思います。
 是非、御理解いただきたいのは、組織文化や制度、そしてまた、言語も異なる様々な海外機関、ステークホルダーとの調整等に、しかも一つの分野、例えば半導体というような一つの分野ではなくて、量子などをはじめ、様々なディープテックの分野がありますので、そういったことで時間がかかっていることはまさに事実でありますが、現在、協議・調整等をしっかりと様々な形で加速しているところでございます。
 海外機関との調整状況についての例を幾つか挙げますと、例えば、国際共同研究の実施に向けては、スタンフォード大学などの9つの大学とのネットワークを有する慈善団体であるチャン・ザッカーバーグ・イニシアティブとの協議も進めており、また、事業化支援につきましては、マサチューセッツ工科大学創設のベンチャーキャピタルなどと調整を進めているところでもございます。また、人材育成について申しますと、チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブの協力も得ながら、日米間の若手研究者の派遣・受入事業の公募を、昨年12月から既に開始しております。
 そして、私自身も、1月20日に建設予定地を視察し、また、先月2月20日には、ハーバード大学の事業化支援機関、TECH Tokyo Hubと言うのですが、その幹部の方と直接お会いして、今後の連携に向けた意見交換を行うなど、構想の具体化に向けて、今、精力的に取り組んでいるところでございます。
 いずれにしましても、今後、海外機関等との調整を、様々なステークホルダー、様々な分野がございますけれども、それを一層加速するなど、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の実現に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
(問)もう一件、経済安全保障関連なのですけれども、福井の全樹脂電池の開発会社を巡って、中国に技術が流出しているのではないかと、国会でも指摘がありました。国が補助金を出していた経緯もあるので、経済安全保障担当大臣として、こういった事案の認識・所感についてお伺いしたいのと、経済安全保障上のこういう情報技術をどう保全していくかということを、大臣として、これまでの取組と新たに今後どういった形で保全策の強化を検討していくか、お聞かせください。
(答)事案については承知していますが、民間企業の個別案件なので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げれば、我が国の技術的優位性を確保・維持する観点から、企業における技術流出の防止は極めて重要な課題だと思っております。
 このため、政府として、不正競争防止法による営業秘密の保護や、外為法に基づく投資審査の強化や、いわゆる「みなし輸出」管理の運用明確化などに取り組んでまいりました。
 また、内閣官房及び内閣府におきまして、国家安全保障局、そして、政策統括官(経済安全保障担当)ですが、昨年6月に「経済安全保障法制に関する有識者会議」で示された「経済安全保障上の重要技術に関する技術流出防止策についての提言」を踏まえた対応を進めるよう、各府省に対して周知徹底しており、国が支援を行う研究開発プログラムにつきましては、その公募要領に技術流出の防止措置を盛り込むなど、公募要項の改正等を行い、順次実施しているところでございます。
 こうした取組を含めて、引き続き、重要な技術の流出防止に向けて、様々なリスクを継続的に点検・把握し、不断に取組の見直しや新たな取組の検討を行い、関係府省と連携して必要な取組をしっかりと推進してまいりたいと考えております。
(問)昨夜、石破総理が、衆議院の1回生に対して、お土産として商品券を手渡していたということで、国会で政治改革を議論しているさなかに、石破首相自身に政治と金に関わる疑義が生じたことを、閣僚の一人としてどのように受け止められているかを伺わせてください。また、今回の事例のように、お土産という名目で商品券を配ったり受け取ったりされた経験が、大臣自身もおありかどうかも含めて教えてください。
(答)御指摘の報道に関しましては、昨晩、総理が夜遅くぶら下がりで説明されたと承知しております。他方で、総理の個人としての行為でございますので、私からお答えすることは、この場では差し控えさせていただきたいと思います。
 また、私自身に関する御質問ですけれども、商品券の授受を含めまして、国民の皆様に疑念を持たれるようなことは、これまでなかったと考えております。
(問)関連なのですけれども、閣僚としてなかなかおっしゃれないのかもしれませんし、そうなのでしょうけれども、首相の説明をそのままこれだと認めたことになるというか、首相のそのお金に関する姿勢ですね、それに対してそれでいいということになってしまうような気がするのですけれども、いかがでしょう。
(答)今、申しましたように、昨晩、ぶら下がりで石破総理から御自身の言葉で御説明したということでありますので、それはそれとして受け止めるのかなと。いずれにしても、総理御自身のことなので、この場で私のほうからうんぬん申し上げることは差し控えたいと思っております。
(問)いや、その受け止めを伺いたいのですけれども。
(答)その受け止めについても、この場で、今、申し上げた以上のことを申し上げるのは差し控えたいというふうに思っております。ただ、いずれにしても、総理御自身が御説明された以上、それをそのものとして、閣僚として受け止めるということだと思います。
(問)私も関連でお伺いしたいのですが、例えば、国民に対してこういったタイミングで、先ほど疑義というお話もありましたが、疑念を、特に金銭面に関して、持たれるような行為に対する、大臣としての、一般論として結構なのですが、受け止めですとか、もしくは、御自身がということはもちろんないということだと思うのですけど、こういった商品券を10万円、お土産という名目で渡すということに関しては、どういうふうに、その行為についてはお考えかということをもしお聞かせいただければ。
(答)これは、いろんな国民の皆様のお考えがあるかと思いますので、それはそれとして、一般論で申し上げますと、しっかり受け止めることが必要ではないかと思いますし、総理自身も、物価高については、物価高を上回る賃金上昇に政府として全力を挙げて取り組んでいると、国民の方々の思いに反することがあったとするならば申し訳ないことと述べられたと伺っておりますので、そういうことではないかなというふうに思います。

(以上)