城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年3月7日

(令和7年3月7日(金) 9:28~9:38  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
 まず1点目、クールジャパン戦略担当大臣として御報告申し上げます。
 一昨日、「クールジャパン・プラットフォームアワード2025」表彰式を開催し、私自身も出席いたしました。このアワードは、政府・自治体・民間事業者等が一体となって、クールジャパンの担い手の皆様を応援するため、我が国の魅力発信に関する優れた取組を表彰するものであります。
 今回、ムービー部門で268件、プロジェクト部門で103件と多数の応募があり、厳正な審査の結果、グランプリの3件を含む18件が受賞作として選ばれました。受賞作の詳細につきましては、お手元に配布させていただいた資料を御参照ください。
 受賞された皆様には、心よりお祝いを申し上げるとともに、大変優れた作品でございますので、私も元外務省出身者で、外務副大臣の時代もありましたが、在外公館を活用することも含めて、国内・国外に広く発信してまいりたいと考えております。
 また、御応募いただきました取組は、いずれも素晴らしいものでありますので、今後の更なる発展を期待するものであります。引き続き、こうした我が国の魅力発信を強化するための取組をはじめ、クールジャパン戦略の推進に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、科学技術政策担当及び経済安全保障担当大臣として御報告申し上げます。
 本日、経済安全保障推進会議と統合イノベーション戦略推進会議の合同会議を持ち回りにて開催し、「経済安全保障重要技術育成プログラム」、通称「K Program」における「第二次研究開発ビジョン」の一部改定を決定いたしました。
 今般の改定では、これまで第一次、第二次の研究開発ビジョンを通じて選定した50件の技術に加えて、新たに、「合成生物学、データ科学等の先端技術を利用した肥料成分の有効活用・省肥料化・肥料生産等に関する技術」を対象として追加いたしました。
 今後、肥料の国内生産の拡大や、少ない肥料での作物生産を可能とするような技術開発を進めることで、肥料の安定供給、ひいては食料自給力の確保を目指してまいります。
 現在、我が国では、肥料原料のほぼ全量を輸入に依存している状況にあり、経済安全保障推進法上の特定重要物資に「肥料」を指定し、主要な肥料原料の備蓄に取り組む事業者を支援しているところでありますが、今回の研究開発ビジョンの一部改定により、技術面からも、食料安全保障の確保に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 なお、この後、事務方よりブリーフィングを予定しておりますので、詳細は事務方にお尋ねいただければ幸いであります。

2.質疑応答

(問)K Programに「肥料」のことを加えたというところで伺いたいのですけれども、大臣から、改めて狙いと、この分野を選んだ理由について教えてください。
(答)今般の技術の選定に当たりましては、農林水産省をはじめとする関係省庁との検討や、有識者へのヒアリングなどを精力的に行ってまいりました。
 その際、我が国は食料の安定供給及び国民の生存に不可欠となる肥料につきまして、その原料のほとんどを海外からの輸入に依存していることが注目されたわけであります。例えば、主な化学肥料の原料である尿素、りん酸アンモニウム、塩化カリウムは、ほぼ全量を輸入に依存している状況にあります。
 世界的に資源が偏在していることから、輸入相手国も同様に偏在しており、尿素はマレーシア及び中国、マレーシアは全体の75%、中国は8%ですね。また、りん酸アンモニウムは中国73%、塩化カリウムはカナダ68%で、このように主な輸入国が挙げられます。
 このため、令和4年12月には、経済安全保障推進法上の特定重要物資に肥料を指定し、同月に農林水産大臣が策定した「肥料に係る安定供給確保を図るための取組方針」に基づき、りん酸アンモニウム及び塩化カリウムの備蓄などの取組を進めているところでございます。
 こうした「肥料」に関し、我が国の食料安全保障をより確かなものとするため、物資確保の取組に加え、今後育成・蓄積すべき技術の検討を進めたところ、土壌の微生物と植物の相互関係に着目した技術が、我が国において研究開発の実績があり強みとなっており、かつ有望であることが見出されたことから、今般、第二次研究開発ビジョンに追記することとしたものであります。
 今後、具体的な技術スペックも含む研究開発目標となる「研究開発構想」の策定と、科学技術振興機構(JST)からの公募を経て、実際の技術開発に進むことになりますけれども、プログラムの成果の創出に向けて、引き続き、政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。個人的に、この分野は特にしっかりやっていきたいと思っております。
(問)経済安全保障政策について伺います。本日、日英の外務・経済閣僚の経済版「2プラス2」があります。経済安全保障のテーマに当たりますけれども、米中の二大国が分断に向かうような様相の中で、経済安保政策、日本としてどのような立ち位置で臨むのかというのをお伺いします。
(答)日英の「2プラス2」は、武藤経産大臣、岩屋外務大臣が出席されますが、我が国は、これまで自由で公正な経済圏の拡大や、ルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化の取組を推進してきており、こうした取組を継続していく必要があると考えております。
 同時に、グローバル化の進展に伴う課題が顕在化する中にあり、サプライチェーンの特定少数国への過度な依存など、経済の相互依存の負の側面に対応することも重要であると認識しております。
 このため、我が国におきましては、国家及び国民の生命と暮らしの安全を確保しながら、自由貿易とグローバル化の恩恵を享受できるよう、経済安全保障推進法を活用し、自律性の向上、優位性・不可欠性の確保を進めるとともに、絶えず変化する国際情勢や社会経済構造等を踏まえ、我が国の経済安全保障政策の在り方について不断に検討・見直しを行う考えであります。
 また、国際経済秩序の更なる強化を図っていくことも必要であり、御指摘の日英経済版「2プラス2」等の機会も含め、経済安全保障に関する同盟国・同志国との一層の連携強化に取り組んでいく考えであります。

(以上)