城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年2月4日

(令和7年2月4日(火) 8:38~8:45  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
 まずは、宇宙政策担当大臣として1点御報告を申し上げます。
 一昨日、H3ロケット5号機により、準天頂衛星システム「みちびき6号機」が、無事に打ち上げられました。
 実は、私自身も、当初予定通りであれば、直接現地に赴き、今回の打上げを見届ける予定でありましたが、それは残念ながら叶わずでした。改めて、打上げに御尽力いただいた関係企業、関係機関の皆様に、敬意と感謝を表したいと思います。
 H3ロケットは、我が国の宇宙活動の自立性確保と国際競争力強化のために極めて重要な基幹ロケットであります。H3ロケットとしては、4機連続の打上げ成功となりまして、我が国のロケット技術の信頼性の高さをしっかりと示すことができたと思います。
 この「みちびき6号機」は、現在、所定の軌道に向けて順調に飛行中であると伺っております。まだ引き続き、予断は許しませんが、今回の打上げ成功によりまして、他国の衛星に頼らず、「みちびき」のみで測位可能となる7機体制の実現に向けた確実な一歩を踏み出すことができたと考えております。
 来年度には、更に2機、すなわち5号機と7号機を打ち上げまして、7機体制の構築を目指してまいります。
 宇宙政策担当大臣といたしましては、関係省庁やJAXA(宇宙航空研究開発機構)、また、民間企業等の皆様と結束して、準天頂衛星システムをはじめとする宇宙開発利用の推進に、引き続き、積極的に取り組んでまいります。
 2点目も、宇宙政策担当大臣としての御報告であります。
 明日、宇宙に関する不測の事態が生じた場合におけます、官民の連携向上を目的とした「机上演習」を実施いたします。この机上演習は、宇宙システムへの依存の高まりや、宇宙システムへの脅威とリスクの拡大を踏まえまして、内閣府が、関係省庁や事業者等と協力して実施しているものであり、今回が5回目となります。
 今回の演習では、国内外の動向を踏まえ、サイバー攻撃の発生と、大規模太陽フレアの発生をテーマに取り上げて実施することとなっております。この机上演習を通じまして、宇宙システムに不測の事態が生じた場合の情報の集約や共有、対処の要領を訓練し、官民の連携向上に努めてまいります。

2.質疑応答

(問)今回の国会に提出したCSTI有識者議員の人事について、大臣の狙いを教えてください。
(答)先日、CSTI(総合科学技術・イノベーション会議)有識者議員の7名のうち3名につきまして、上山隆大(うえやまたかひろ)議員の後任として、宮園浩平(みやぞのこうへい)氏、篠原弘道(しのはらひろみち)議員の後任として、鈴木純(すずきじゅん)氏をそれぞれ任命し、また、波多野睦子(はたのむつこ)議員を再任するとの政府案が国会に提示されたところであります。この人選に当たりましては、産学の均衡などにも配慮しつつ、専門的知識を有する方を人物本位で選考したものであります。
 今回新任となる宮園浩平氏は、これまでの研究成果が高く評価されているほか、東京大学理事・副学長、理化学研究所理事などを歴任し、組織運営に精通されている方であります。
 また、同じく新任となります鈴木純氏につきましては、帝人株式会社で要職を歴任されておりますほか、APECビジネス諮問委員会日本委員を務めるなど、政府の政策推進にも貢献されておられます。
 また、再任となる波多野睦子氏につきましては、現在もCSTIの議員として、産学連携などの議論を引っ張っていただいているところであります。
 今後、国会において、この人事案に御同意いただけることを期待しております。
(問)冒頭「みちびき」の関係なのですけれど、今後7機体制への体制拡充ということで、精度の向上なども期待されておりますが、そのことによって活用面で期待されることと、今後の政府の推進に向けた取組についてお聞かせください。
(答)日本版GPSである準天頂衛星システム「みちびき」は、御案内のとおり、我が国の社会課題の解決や、産業・経済の活性化、防災・減災等に必要となる位置・時刻情報、いわゆる測位情報を提供する、デジタル社会にとって不可欠な基盤インフラであります。
 この「みちびき」は、既に、現在販売されている大半のスマートフォンやカーナビで、GPS等と一体となって、実際に利用されております。さらに、みちびきが独自に提供する高精度測位サービスを活用いたしまして、自動車やドローンをはじめとする様々な分野で、製品化への取組が行われており、内閣府では、国内外での実証事業等を通じて、これらを後押ししているところであります。
 また、みちびきの衛星測位サービスは、災害時には、被災地におきまして、場所の誘導や、状況の正確な把握にも貢献しております。加えて、地上系の通信が断絶していても、津波や地震などに関する緊急警報を宇宙から伝える「災害危機管理通報サービス」を提供して、避難行動や救助・支援が遅れる事態の防止にも貢献しております。
 なお、今回の6号機に続きまして、来年度中に残る2機、すなわち5号機と7号機でありますが、これを打ち上げ、7機体制を構築する予定としており、これにより、測位サービスの更なる高精度化と安定化が図られることを期待しております。
 さらに今後は、11機体制の実現に向けた開発にも着手しており、どの1機が故障したとしても、測位機能を維持できる万全な体制を目指してまいりたいと思っております。
 今後とも、準天頂衛星システム「みちびき」の整備と利活用が進むよう、政府をあげて、積極的に取り組んでまいる考えであります。

(以上)