城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年12月20日
(令和6年12月20日(金) 12:01~12:16 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
まず、科学技術政策担当大臣として、御報告申し上げます。
一昨日、東京三田共用会議所で開催されました、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)第25回大臣級会合に出席いたしました。
FNCAは、アジア諸国との連携を通じ、原子力技術の平和的で安全な利用を促進する日本主導の枠組みであり、本年で25周年を迎えます。
この大臣級会合において、私からは、日本は、原子力の平和利用の推進を通じて、アジア地域の持続的発展に引き続き貢献していきたい旨、発言したところであります。
また、本会合を契機に、アジア諸国との連携を一層強化するとともに、アジア地域、ひいては世界の発展に引き続き貢献してまいりたいと思います。
2点目も、科学技術政策担当大臣としての御報告であります。
一昨日、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の下で実施する「Global Science Scholarsプログラム」の公募を開始したところであります。
本プログラムは、起業家精神を有する若手研究者の育成を目的としており、ポストドクターを対象に、日米間での派遣・受入を行うためのフェローシップ・プログラムとなっております。
米国側は、チャン・ザッカーバーグ財団と連携しており、派遣先となる米国の大学は、同財団と連携しているスタンフォード大学、イエール大学、コロンビア大学等の9大学となります。
第一次の募集締切は、来年1月29日となりますので、是非多くの方に御応募いただければ幸いでございます。
3点目ですが、宇宙政策担当大臣として御報告申し上げます。
昨日、宇宙スタートアップ企業の株式会社Synspectiveが、東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。国内での宇宙スタートアップ企業の上場は、同社で5社目となるものであります。
Synspective社は、衛星の性能向上に注力しており、本年11月には、国内最高レベルの分解能の画像取得成功を発表するなど、先行する欧米企業に引けを取らない成果を挙げていると承知しております。
また、同社は、内閣府の実証事業の中で、災害発生後の撮像にも取り組んでおり、本年9月の能登半島豪雨の際には、国土交通省からの要請に応じまして、撮像したデータの提供等が行われました。
本年3月には、宇宙開発利用大賞においても、内閣府特命担当大臣賞を受賞されております。
宇宙分野におきましては、今回のSynspective社に続く上場企業が、今後も出てくることを大いに期待しております。
内閣府といたしましては、引き続き、関係省庁と連携しながら、宇宙分野における熾烈な国際競争の中での市場の獲得を目指し、優れた技術を有するスタートアップ等の民間企業の取組をしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。
最後に4点目、クールジャパン戦略担当の大臣として御報告を申し上げます。
我が国のアニメやマンガなどのコンテンツ産業は、海外展開におきまして、鉄鋼産業に匹敵し、半導体産業に迫る勢いの大きなビジネスとなっております。
また、近年では、アニメに登場した場所や原作者の出身地を訪問する外国人が増えるなど、アニメ等のコンテンツは、日本への興味を喚起する「入口」として、非常に大きな役割を果たしております。
こうした中、内閣府では、大阪・関西万博を、日本の魅力を世界に発信する絶好のチャンスと捉えまして、令和7年4月30日から5月2日の3日間、万博会場内で、「クールジャパンショーケース アニメ・マンガツーリズムフェスティバル」を開催いたします。
このイベントでは、アニメやマンガのゆかりの地となっております30程度の地域が、作品と地域の魅力を掛け合わせた展示を予定しております。
内閣府といたしましては、クールジャパン戦略の推進に向けて、関係省庁とも連携しながら、引き続き、日本の魅力の発信に取り組んでまいります。
2.質疑応答
- (問)生成AIを使った悪質な性的動画がネット上で流通して、子供を含めて被害者が増加している現状があります。各国では規制が進んでいるのですけれども、日本はなかなか規制が進んでおりません。AIを担当する大臣としては、今後の法規制について、どのようにお考えでしょうか。
- (答)生成AIを用いた悪質な性的画像の流通につきましては、個別の事案ごとに、刑法や、いわゆる児童ポルノ禁止法等の既存の法令に則りまして、適正に対処されるものとして承知しております。
その上で、内閣府では、本年8月に設置いたしました「AI制度研究会」におきまして、御指摘のような、生成AIを利用した不適切なコンテンツに関するリスクを含めた、AIの様々なリスクへの対応についての議論を進めてきているところであります。
AI制度の在り方につきましては、現在、年内を目途に「中間取りまとめ案」の公表を目指しておりまして、鋭意検討を加速しており、今後この中間取りまとめ案の中で、AIの様々なリスクに対して取るべき対応をお示ししてまいりたいと考えております。 - (問)第7期科学技術・イノベーション基本計画について伺います。日本学術会議が、基本計画に向けての提言を公表しました。広範かつ多様な研究分野を支援することや、人材の育成など、重要な提言も盛り込まれています。この学術会議からの提言について、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。また、基本計画にどのように反映させていくのかお聞かせください。
- (答)令和8年度から開始となります、第7期科学技術・イノベーション基本計画につきましては、総理からの「総合科学技術・イノベーション会議」への諮問後、専門調査会において検討を進めていただく予定となっております。
今般の学術会議からの御提言にもありますように、「研究力の強化」や「人材育成」といった観点は、我が国の科学技術・イノベーション政策の検討に当たりまして、極めて重要な課題であると認識しておりまして、専門調査会におきまして、今後しっかり御議論いただくことを期待しております。
いずれにしましても、次期基本計画は、今後の我が国の科学技術・イノベーション政策の根幹を成すものでありまして、学術界をはじめ、様々な方の御意見を踏まえながら、しっかりと検討を進めてまいる考えであります。 - (問)12月19日、渡邉恒雄(わたなべつねお)・読売新聞グループ本社代表取締役主筆が98歳で死去しました。大臣の受け止めと、大臣御自身との接点等がありましたら、お聞かせいただければと思います。
- (答)渡邉恒雄主筆が亡くなられたという御報道に接しまして、心よりお悔やみを申し上げたいと思います。
私の担務の関係では、平成26年に発足いたしました、特定秘密保護法の適正な運用を図るための「情報保全諮問会議」の座長を務めていただきまして、我が国の情報保全の信頼性の向上に向けて、大変な御尽力をいただきました。本当に心から感謝しております。
渡邉氏のこれまでの御功績に改めて敬意を表し、謹んで哀悼の誠を捧げたいと思います。
なお、個人的には、たまたま高校の大先輩でありまして、平成19年に、落選中にもかかわらずお会いいただき、1時間ぐらい色々なお話をお聞かせいただきました。
その後、復活当選してから、何度か御挨拶にお伺いしているうちに、国会議員で同窓の者も何人かおりますので、代表としては岸田文雄元総理でありますけれども、「夕食会をやりましょう」という話をしましたところ、年に2回、多くて4回、ちょっと調べてみましたら、平成26年から始まり、コロナなどがありまして、2022年の6月で途切れておりますが、18回、読売新聞社屋の33階でしたっけ、ビューラウンジで、色々なお話を聞かせていただきました。
私は、言い出しっぺということで、ずっと幹事を務めさせていただきまして、世間ではすごい権力を、みたいな人のように映っているように聞いておりますが、大変ユーモアあふれるちゃめっ気というか、そういう方でありまして。
私自身は、昭和30年代から昭和40年代の日本の政治の荒波にどのような関わりがあったかという話をお聞かせいただいて、特に、大野伴睦副総裁とのやり取りについては、こういうことをされたのだなということで、私は自民党所属ですけれど、自民党の昭和30年代から40年代にかけての色々な流れについて、歴史をしっかり学ぶことができて大変勉強になったということでありますし、また、権力を振りかざすような方ではなく、むしろ権力を振りかざすような立場の者に対しては、しっかりと反論し、立ち向かうような姿勢も、私は感じた次第であります。
色々な形で御指導いただきまして、まだまだ過去の政治の話をお聞かせいただきたい、昔話を聞きたいという気持ちはありますが、大変残念でありまして、改めて、心から哀悼の意を表したいと、誠を捧げたいと思います。 - (問)AIに関連する法案について、内容がまとまり、来年の通常国会提出を目指すというような一部報道がございましたが、この辺りの事実関係を、もしお話しいただける範囲でございましたらお願いします。
- (答)まず、AIに関する制度の在り方につきましては、御案内のとおり、現在、松尾座長の下での「AI制度研究会」におきまして、年内を目途に「中間取りまとめ案」の公表を目指して、鋭意議論や検討を加速しているところであります。
ただ、今まさに議論をしているところでありますので、御指摘の報道にあるようなAI法について、具体的な方針が決定した事実はございません。
AI制度研究会におきましては、必ずしも法整備を前提に議論や検討を行っているものではありませんでして、政府として、現時点で法案提出を決定したものではないということも付け加えさせていただきたいと思います。 - (問)関連して、近く、城内大臣がトップを務められる、局長級のAI制度についての会議を新設するという報道もあります。これにつきましても、元々AI戦略チームというものもありましたけれども、なぜこの設置をされるのか、狙いと役割等について、可能な範囲で教えてください。
- (答)先ほど私から答弁したとおり、局長級の会議の新設というのは、私もよく分かりませんが、いずれにしましても、AIに関する制度の在り方につきましては、AI制度研究会におきまして、年内目途の「中間取りまとめ案」の公表を目指しており、まだその大詰めの議論を進めている段階でありまして、御指摘の報道にあるような具体的な方針は全く何も決まっておりません。従いまして、そういう状況であるということで御理解いただければと思います。
(以上)