城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月22日
(令和6年11月22日(金) 11:00~11:23 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
まず1点目ですが、クールジャパン戦略担当大臣として御報告を申し上げます。
先日11月20日でありますが、TOPPAN社の「NIPPON GALLERY」を視察いたしました。
今回の視察では、クールジャパン官民プラットフォームの副会長を務めていただいている同社の麿(まろ)社長に御案内をいただきまして、TOPPAN社の「バーチャル・リアリティ」などのデジタル技術を活用しました、大変臨場感や没入感のある日本の文化財や観光資源などのデジタルコンテンツを体験いたしました。
TOPPAN社では、これまで印刷テクノロジーで培ってまいりました高度な技術力やVR等のデジタルを活用して、国宝や文化財、史跡など、日本の魅力の発信に積極的に取り組んでおられます。私も海外の友人の議員などといった方々にこうした取組を是非紹介したいと強く感じた次第でございます。
また、本年6月に策定いたしました「新たなクールジャパン戦略」では、新たな技術を活用した価値体験の創出等が重要との考え方が示されております。
今回の視察を通じまして、日本の魅力の発信力強化に向けたデジタル技術の可能性について、超アナログ人間の私としては改めて強く認識したところであり、クールジャパン関連産業で日本企業がしっかり稼いでいけるよう、こうした民間の取組とも連携しながら、クールジャパン戦略を推進してまいる所存でございます。
2点目でございますが、科学技術政策担当大臣として御報告を申し上げます。
昨日11月21日でありますけれども、茨城県つくば市へ出張し、国立研究開発法人である防災科学技術研究所(防災科研)、物質・材料研究機構(NIMS)及び農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、この3か所を視察いたしました。
まず、防災科研では、災害関連情報を電子地図上に取りまとめて情報提供するシステム「SIP4D」などを拝見いたしました。SIP4Dは、本年発生しました能登半島地震対応においても実際に活用されたとのことでありますが、災害時を見据えた研究開発を平時より行っていくことが、社会インフラ、ひいては国民の生活を守っていく上で重要であることを強く認識いたしました。
また、大型降雨実験施設につきましては、企業等の外部のニーズにも対応する重要な基盤施設であり、更なる機能強化に向けて現在改修中ということでありました。可能であれば、体験できなかったので、改修が完了した後に改めて訪問し、豪雨だけではなくて暴風も体験してみたいと思っております。
次に、物質・材料研究機構(NIMS)でありますが、こちらでは非常に複雑な造形を、金属粉末をレーザー加工することによって実現できる三次元金属積層造形技術や、40年以上もの長期実験でデータを蓄積し、ギネスの世界記録も保有しているクリープ試験機等を拝見いたしました。
NIMSの研究開発の成果が、今までになかった材料や、より高性能な材料として社会に実装されていく事例を拝見するとともに、NIMSの数多くの、一見目立たないものの極めて重要な取組が、我が国の産業競争力の基盤を支え、また、国民生活の安全・安心に貢献していることを実感した次第であります。
最後に、3か所目の農研機構ですけれども、遺伝資源の戦略的な確保のための遺伝資源保存施設、いわゆるジーンバンクや、AIを活用して優れた性質を持った大豆へ効率よく品種改良をすることのできるスマート育種システムなどを拝見いたしました。
我が国における農業生産者の減少・高齢化や、気候変動といった課題がある中で、食料安全保障を強化していくために、スマート農業技術等を進める農研機構の取組に対する重要性がますます高まっていることを強く認識しました。
いずれにしましても、今回の3機関の視察を通じまして、各研究機関におきまして、我が国がこれまでに培った技術や人材を活かしながら、世界からも注目される成果を着実に創出していることを実感いたしました。
特に、防災・減災、食料安全保障の確保といった重要課題の解決や、マテリアルのような我が国が強みとする技術の発展に当たりましては、今回訪問したような国立研究開発法人が、その分野における我が国の中核的機関として一層発展いただくことが重要であると考えております。
しかしながら、いずれの機関も行ってみますと、非常に限られた予算と人員の中で、しかも老朽化した建物の中で、研究を実施されていることを、残念ですが実感いたしました。
やはり、我が国が科学技術・イノベーションにおいて世界をリードしていくため、これからも各機関の所管省庁とも連携しながら、国立研究開発法人の成果の最大化に向けた取組や予算のしっかりとした確保等に向けて、私自身も尽力してまいる所存でございます。
最後、3点目ですが、経済安全保障担当大臣として御報告をさせていただきます。
来週の月曜日、25日ですが、石川県に出張いたしまして、加賀東芝エレクトロニクス株式会社の半導体工場を視察させていただく予定であります。
半導体は、我が国のあらゆる産業に必要不可欠な物資であり、デジタル化や脱炭素化に伴って、今後も需要が大きく伸びていくことが見込まれております。
こうした中、昨年12月、経済安全保障推進法のサプライチェーン強靱化の制度に基づきまして、加賀東芝エレクトロニクス社の半導体の供給確保計画が認定され、計画に沿って、パワー半導体の生産基盤の整備が現在進められているところであります。
今回の視察では、経済安全保障の観点での半導体製造の重要性を、地域の状況や地方創生の取組も含めて把握し、サプライチェーン強靱化に向けた取組を一層推進してまいりたいと考えております。
2.質疑応答
- (問)SCARDAが取り組んでいる感染症研究についてお聞きします。厚労省が指定する重点感染症リストには、ダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)が入っていませんけれども、国内では感染が広がっていて、静岡県も昔はいなかったのに、SFTSの患者が出たりしています。健康・医療戦略担当大臣として、SFTS等の感染症対策につながるワクチン開発を加速するようなお考えはありますでしょうか。
- (答)私の地元も中山間地域がほとんどですので、マダニによくかまれたり、特に次男などは何度もかまれて、このSFTSになったら大変だということはよく認識しております。
このSFTSにつきましては、マダニが媒介する感染症でありまして、九州地方、四国地方、そして中国地方を中心に流行しておりまして、死亡例も報告されております。過去数年を見ますと、例えば、昨年ですと132名の方がかかって9名の方が亡くなり、一昨年ですと116名の方がかかって12名と、そういう死亡例も出てきているところであります。
現在、このSFTSのワクチンにつきましては、AMED(日本医療研究開発機構)のSCARDA(先進的研究開発戦略センター)が実施する「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」において、長崎大学が弱毒生ワクチンの開発を目指した研究を行っておりまして、また、治療法につきましては、AMEDの「新興・再興感染症研究基盤創生事業」において、同じく長崎大学が、SFTS治療法の探索等を行っていると承知しております。
こうしたAMEDにおけるSCARDAの取組と感染症対策領域の取組を、今後はより密接かつ一体的に運用していくことが重要と考えており、その方向性は、第3期医療分野研究開発推進計画の案文でもお示ししているところであります。
引き続き、関係省庁と連携しながら、国産のワクチンや治療法の開発に取り組み、国民の皆様が安心して生活できるように尽力してまいりたいと思います。 - (問)斎藤知事が再選された兵庫県知事選について、21日の朝日新聞が、『立花氏、当選を目指さず兵庫知事選に立候補。「2馬力」の選挙戦、フェアと言えぬ』という専門家の指摘を紹介しているのですが、立花孝志氏が立候補して、当選は目指さずに斎藤氏を応援したと。選挙カー、選挙ポスターなどが他候補の2倍、貼ったり、活動できたと。これは2馬力の明らかな不公平な選挙ではないかと。三浦博史さんは、公選法の改正、そういう立候補は禁止するという改正をするべきだとおっしゃっているのですが、石破政権の全閣僚、全国会議員に関する重大な問題だと思うので、是非、大臣の御見解をお聞かせください。
- (答)私もその朝日新聞の記事を拝見させていただきましたし、三浦博史さんをよく存じ上げておりますが、ただ、個別の地方選挙の結果や個別の候補者の選挙運動について、政府としての立場でこの場でコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
また、一般論として申し上げますと、地方選挙については地方経済の発展、住民生活の向上といった様々な地域の課題に対しまして、各候補者がその実績や今後の取組を訴え、それに対して、地元の皆様が判断しているものと承知しております。 - (問)これ、明らかな脱法行為で、不公平な選挙が横行して、民主主義や選挙制度への破壊につながる悪しき事例だと思うのですが、立法府・行政府が総力を挙げて改善に取り組むべき問題ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
- (答)今の、立法府・行政府が総力を挙げて改善に向けて取り組むべきという御発言がありましたが、他方で、私はこの担当ではございませんので、担当でない以上、この点について、今の御指摘されたことについて、政府の立場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
- (問)最後に。閣議で問題提起されるお考えはないのでしょうか。
- (答)その点についても、やはり、今、閣議の場で提案・提議する意向はあるかないかというふうにお尋ねされましたけれども、いずれにしましても、私の担当ではございませんので、そのことについてもお答えすることは、すみませんが、差し控えさせていただきたいと思います。
- (問)20日に城内大臣が開催されました政治資金パーティーについてお伺いします。パーティーの参加者の人数と、パーティー券販売を通じた収入額をまず教えてください。その上で、2001年に閣議決定された大臣規範では、大規模なパーティーは自粛するとされております。今回、パーティーを開くに当たって、この大臣規範の規程をどのように認識され、どのような理由で開催するという判断に至ったのか教えてください。
- (答)まず、今回の、11月20日に開催しました「衆議院議員 城内実 政治経済懇談会2024」、これの人数や収入額につきましては、正確な数字が把握できておりませんので、お答えはこの場で差し控えさせていただきたいと思います。
なお、今回のこの私の政治経済懇談会は、大臣に任命されました10月1日よりも前に開催を決定したものであり、また、従来から定期的に開催しているものでありまして、大臣等規範にいうところの、国民の皆様の疑惑を招きかねないような大規模なものには当たらないと考えております。
なお、今回のこの私の政治経済懇談会の収入・支出につきましては、法令に基づき、これまでどおりしっかりと報告させていただきまして、国民の皆様から疑念を持たれることのないように対応してまいる所存でございます。 - (問)岸田前政権でもパーティーを開かれた閣僚の方がおられまして、会見の場で参加人数を説明する方もいれば、説明されない方もおられました。今、大臣の説明ですと、今のところはまだ明らかになっていないので、というお話でしたけれども、収支報告書を公開されるのは、まだずっと先ですので、それまで大臣が大臣でいらっしゃる保証はないので、収入と人数について、早めに説明されるお考えはございますでしょうか。
- (答)先ほど申しましたように、まだその人数、収入額については、正確な数字を把握しておりませんが、いずれにしましても、大臣等規範の趣旨を踏まえて、しっかりと対応していく考えであります。
- (問)一点だけ確認ですけれども、大規模に当たらないという判断をされたというのは、大臣になる前から定期的に開いているパーティーで、その人数とか収入の規模を超えなかったから大規模ではないと・・。
- (答)今、申しましたように、従来から定期的に開催していたということと、それを超える、今までの従来の規模を超えるものではなかったということであります。そしてまた、大臣等規範にいう「国民の疑惑を招きかねないような大規模なもの」に当たるか否かについては、大臣等規範の趣旨を踏まえて、各国務大臣等が適切に判断すべきものというのが政府の見解であると承知しておりますが、いずれにしましても、従来から定期的に開催しているということが一つと、また、10月1日、私が大臣に任命される前に開催決定をしたということでありますし、また、私は元々外務省職員でありまして、外務大臣政務官、外務副大臣、衆議院の外務委員長、そして、二国間議員連盟の事務局長を多数しておりまして、こういった経験を活かしまして、外交活動に力を入れている関係上、これまで私のこの催し物については、数多くの在京大使等を来賓として招待して開催しているところであります。したがいまして、大臣等規範にいう「国民の疑惑を招きかねないような大規模なもの」には当たらないと認識している次第であります。
- (問)選択的夫婦別姓に対するお考えを一言お願いします。
- (答)選択的夫婦別氏制度、これにつきましても、私の担当ではございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、私の承知している限りでは、私の所属する政党、自民党内でも、様々な議論があると伺っております。
- (問)経済安保上も、大企業、日本企業の魅力がアップするとプラスだと思うのですけども、担当大臣としてどうお考えなのでしょう。選択的夫婦別姓で、日本企業の魅力度アップになれば、これは経済安保上もプラスなのではないかということで、所管と言えないこともないのではないかと。
- (答)この選択的夫婦別氏制度については、やはり様々な意見がございますので、繰り返しになって申し訳ありませんが、その経済安全保障に資する、資さないも含めて、担当でない大臣の私が、政府の立場で、しかも私が所属する自民党内、そして他の政党においても、様々な意見・議論がある中で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
(以上)