城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月19日

(令和6年11月19日(火) 10:28~10:37  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
 まず、宇宙政策担当大臣として御報告申し上げます。
 昨日、三菱電機株式会社・鎌倉製作所を訪問いたしまして、日米関係者によります準天頂衛星の完成式典に出席するとともに、それにあわせまして、鎌倉製作所で製造中の政府衛星の開発の様子を視察いたしました。
 今回の式典では、準天頂衛星に加えて、当該衛星に相乗りで搭載される米国の宇宙状況監視センサ、いわゆるホステッド・ペイロードの完成を祝うものであり、在京米国大使館、米国国防省関係者等が参加する中で、日本政府を代表して祝辞を述べさせていただきました。
 また、その後の視察におきましては、複数の準天頂衛星に加えまして、HTV-X、GOSAT-GW、MMX、ETS-9といった衛星の開発の様子を拝見するとともに、三菱電機株式会社の漆間(うるま)社長、さらには現場の若手技術者等とも意見交換を行いました。
 経済・社会の基盤として、また、安全保障の観点からも、宇宙分野の重要性は益々拡大しております。今回、日本の宇宙開発・利用を支える現場において、日々奮闘されていらっしゃる方々から、熱意ある御説明をお伺いし、意見交換を行えたことは、私にとりまして非常に貴重な機会となりました。
 内閣府といたしましては、引き続き、こうした現場の方々や関係各省と一丸となって、我が国の宇宙開発利用を一層強力に推し進めていけるよう、私が先頭に立って、宇宙政策に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、クールジャパン戦略担当の大臣として御報告申し上げます。
 明日の午後、TOPPAN社の「NIPPON GALLERY」を視察させていただく予定であります。
 同社は、「バーチャル・リアリティ」などのデジタル技術を活用し、文化財など日本の魅力の発信に積極的に取り組まれております。
 クールジャパン関連分野における企業の取組を視察し、日本の魅力の発信力の強化など、「新たなクールジャパン戦略」の推進にしっかりと役立ててまいります。
 3点目ですが、科学技術政策担当大臣として御報告申し上げます。
 明後日21日に、茨城県つくば市へ出張し、国立研究開発法人である防災科学技術研究所、いわゆる防災科研、そして、物質・材料研究機構、NIMS及び農業・食品産業技術総合研究機構、いわゆる農研機構、この3か所を視察する予定であります。
 今回の視察におきましては、防災・減災やマテリアル、農業といった、各法人がミッションに基づいて実施している研究内容につきまして、関係者と意見交換を行うほか、各種施設・設備等を見させていただく予定であります。
 視察を通じまして、我が国の研究開発を支える国立研究開発法人の現状をしっかりと把握し、今後の科学技術・イノベーション政策の立案に活かしていく考えであります。

2.質疑応答

(問)研究開発関連の基金について、財務省は財政制度分科会等で厳しい見方を示していますけれども、そもそも研究開発は不確実性が強くて、年度予算制度になじみにくい側面もあります。大臣としては、研究開発関連の基金について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
(答)まず、研究開発事業に関しましては、単年度会計の原則に沿って推進する事業も多々ある一方で、必要性に応じまして、研究開発法人における中長期目標期間を通じた研究開発や、基金を活用した研究開発など、複数年を通じた、弾力的かつ効率的な事業実施の仕組みを活用しているところであります。
 なかでも、基金については、時々の政策課題を効果的かつ機動的に実施する上で、極めて重要で不可欠な仕組みであると認識しており、宇宙開発、経済安全保障上の重要技術育成、革新的研究開発等において、極めて大きな成果を得るための重要な役割を果たしていると考えております。
 今後とも、特に、予見可能性の低い挑戦的な研究など、長期間にわたる機動的・弾力的な支援が成功の鍵となる事業に関しましては、基金制度の活用を含めた、適切な予算の確保・執行に努めてまいる所存であり、科学新聞の中村記者の御意見にほぼ同感であることを改めて強調させていただきたいと思います。
(問)昨日、スーパーコンピュータの計算性能を競う世界ランキングのトップ500で、理化学研究所などが開発した日本の「富岳」が6位だったという発表がありました。首位を獲得している分野もあるのですけれども、今回の受け止めはどういうふうにお考えでしょうかということと、あと、今後の開発に期待することがありましたら、教えていただければと思います。
(答)日本時間の明日、正式発表される予定の、国際的なスーパーコンピュータのランキングにおきまして、スーパーコンピュータ「富岳」が、単純計算性能ランキングであるトップ500で6位であるとともに、前回に引き続きまして、HPCG、すなわち実際のアプリケーションに近い計算性能、これと、Graph500、いわゆるビックデータ処理に関する性能、この2部門では世界1位を獲得したと承知しており、「富岳」の総合力の高さが示されたと考えております。
 また、今後も、我が国の科学技術・イノベーションの推進や経済安全保障の観点から、最先端の計算基盤を我が国としてしっかり確保していくことは重要であると認識しております。
 現在、「富岳」の次世代となる、いわゆるポスト「富岳」、この新たなフラッグシップシステムにつきまして、文部科学省において、遅くとも2030年頃の運転開始を目指した開発・整備の検討が進められておりまして、内閣府としては、最先端の計算基盤が、今後も卓越した研究成果の創出に貢献するとともに、産学官における多様な分野で活躍していくことを大いに期待しているところであります。

(以上)