城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月15日
(令和6年11月15日(金) 11:01~11:12 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
まず冒頭ですが、本日、三笠宮崇仁親王妃百合子殿下が薨去されました。百寿を超えられて、ますます御長寿というふうに思っておりましたが、非常に残念であります。痛恨の極みであります。この場をお借りしまして、謹んで哀悼の誠をささげたいと思います。
それでは、まず、経済安全保障担当大臣として、経済安全保障推進法の関連で御報告いたします。
本日、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。
この政令は、経済安全保障推進法のうち、「特許出願の非公開」に関する制度において、世界知的所有権機関が国際特許分類の見直しを行ったことに伴い、発明情報の保全が必要となり得る技術の分類について、国際特許分類との整合性を図るための改正を行うものであります。
今回の改正では、審査の対象となる技術の分類の範囲に実質的な変更はありません。
この政令は、来年1月1日の施行を予定しており、特許庁とも連携して、特許出願の実務に関わる方々などへの周知を徹底してまいります。
次に、宇宙政策担当大臣として御報告申し上げます。
本日正午、宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、「宇宙戦略基金」の公募に係る採択結果が公表されます。
前回、10月25日のJAXAからの1回目の公表では、輸送領域に係るテーマの採択結果が公表されましたが、今回は、探査領域に係るテーマの採択結果について、初めて公表されます。
今後も、衛星を含め、各領域の残りのテーマについて、JAXAより順次、採択結果が公表される予定であります。
内閣府としては、引き続き、関係省庁及びJAXAと緊密に連携しながら、本基金による支援をしっかりと進めていき、意欲ある民間事業者や大学の皆様の挑戦的な取組を後押ししてまいる考えであります。
2.質疑応答
- (問)先日の健康・医療戦略推進専門調査会で、第3期の医療分野研究開発推進計画の案が示されました。大臣としては、この第3期計画に対して、どのようにお考えでしょうか。
- (答)13日に開催されました健康・医療戦略推進専門調査会では、9月の専門調査会で事務局よりお示しいたしました、第3期医療分野研究開発推進計画の素案に対する、有識者の先生方からの御意見や、関係省庁及びAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)による取組の方向性、成果目標を反映させた本文案を、事務局よりお示ししたものと承知しております。
計画本文案にも示しているように、我が国の医薬品産業の国際競争力の低下、そして、創薬シーズ等の源泉となるライフサイエンス研究の研究力低下、そして三つ目は、ドラッグラグ・ドラッグロス問題の解消、これらは、私自身、喫緊の課題であると認識しております。
こうした課題の解決に向けまして、医療分野における基礎から実用化までの一貫した研究開発を進め、その際、出口への意識を一層強化し、成果の実用化を加速させ、ワクチンや医薬品、医療機器などをいち早く国民の皆様に届けられるよう取り組んでいく必要があると考えております。
第3期推進計画が、そうしたことを実現する内容となりますよう、今回の専門調査会での御議論も踏まえ、第3期推進計画の策定に向けた最終調整を進めてまいりたいと考えております。 - (問)今週、京都フュージョニアリングさんを中心としたトカマク型核融合発電プロジェクト「FAST」が始動しました。トカマクでの民間プロジェクトは国内初となると思いますけれども、発足に対する所感をお伺いできればと思います。また、掲げている30年代の発電実証の達成という目標に向けては、どのように影響するかといったところもお聞きさせていただければと思います。ポジティブな出来事だとは思うのですけれども、巨額の資金も同時に必要になるかと思われます。金銭面でしたり、政府として支援していく考えはありますでしょうか。そういったところもお聞きできればと思います。
- (答)先日、京都フュージョニアリング社から、御指摘の「FASTプロジェクト」を始める旨の発表がなされたと伺っております。
このプロジェクトは、同社を中心に、昨年3月に設立されましたJ-Fusionの参加企業や国内外の大学等が連携し、民間主導で2030年代の発電実証を目指すものと認識しており、意欲的な取組であり、私自身、高く評価しているところでございます。
現在、我が国におきましては、御案内のとおり、2030年代の発電実証の達成を目標としておりまして、この目標達成への寄与について期待をしているところであります。
政府としての支援につきましては、これまでもSBIR制度やムーンショット型研究開発制度を活用し、今回のプロジェクトに参画するスタートアップを含め、官民の研究開発力強化に努めてきたところであります。
巨額な資金が必要となるということは御指摘のとおりでありますが、いずれにしましても、世界に先駆けた2030年代の発電実証を目指し、今後、政府として、国家戦略を速やかに改訂するとともに、QST(量子科学技術研究開発機構)等の研究機関のイノベーション拠点化、あるいはJ-Fusionとの更なる連携強化による、安全確保の基本的な考え方の策定や、エコシステムの形成といった取組を進めていきたいと考えております。
いずれにしましても、産学連携をより一層加速し、フュージョンエネルギーが一刻も早く社会に実装されることをしっかり目指していく考えであります。 - (問)今の質問に関連して、国としても原型炉の開発を進めるプロジェクトを進めていて、このプロジェクトを進める上で、「FAST」とどういう連携をしていくのかということで、今のところ具体的な案があれば教えてください。
もう一点が、民間のトカマクで30年代の発電実証というプロジェクトが立ち上がったわけなのですけれども、国が進める原型炉のプロジェクトがどういう役割を果たしていくのかということについても教えてください。 - (答)まず、今回のプロジェクトにつきましては、国の原型炉をはじめ、様々なタイプの炉型開発への貢献を目指しているものと承知しておりまして、政府といたしましても、今後、必要な情報交換を実施するとともに、試験施設・設備の共用や共同研究などの取組を通じて、QST等の研究機関との官民連携を促進してまいりたいと思っております。
また、国の原型炉、この役割については、まずは実用化に向けて、商用炉に必要となる技術実証や経済的実現性を確認する役割を担うものでありまして、今後、民間の取組ともお互いに補完し合いながら、しっかりとフュージョンエネルギーが一刻も早く社会に実装されることを目指していく考えであります。
(以上)