伊東内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年10月4日
(令和6年10月4日(金) 11:01~11:06 於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)
1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
- (問)アイヌ関連について、お伺いします。北海道が2013年度より実施し、先日、結果が公表された、「アイヌ民族生活実態調査」では、「アイヌ民族であることにより差別を受けたことがある」と答えた人は3割を上り、前回の5年前の調査より5.8%増加しました。差別を受けた場面は、SNS(エスエヌエス、Social Networking Service:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の書き込みなどが31.6%と最も多かったです。
自民党の国会議員によるアイヌ民族への差別的投稿が問題になりましたが、アイヌ民族への国民理解をどう深めていきますでしょうか。 - (答)私自身も地元が釧路(くしろ)地方でありますので、アイヌの皆さんと非常に深いお付き合いをさせていただいております。差別がこんなに増えてきたというのは、本当に心外な話であります。
北海道庁が実施をいたしました、令和5年度の北海道アイヌ生活実態調査、過日、報道もされたところでありますが、「差別を受けたことがある」と答えた人が29%というふうに聞いております。今、お話がありましたように、前回の調査よりも5.8%増加し、差別を受けた場面は、SNSの書き込み等が31.6%ということで、最も多かったといわれているところでもあります。
アイヌの方々に対しまして、アイヌであることを理由として差別することは、これはもちろんあってはならないことであります。政府として、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するために、引き続きアイヌ文化振興施策、生活向上施策、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた施策を、総合的かつ効果的に推進してまいりたいと思っております。
私も地元で釧路のアイヌ協会、そして阿寒(あかん)のアイヌ協会等、白糠町(しらぬかちょう)、弟子屈町(てしかがちょう)、自分の住んでいる周辺にたくさんの方々がいらっしゃいますので、その交流を深めながら、アイヌ政策については力を入れていきたいというふうに考えているところであります。 - (問)関連して、アイヌ新法についてお伺いしたいと思います。現在、国はアイヌ新法の見直しに向けて、アイヌ民族との意見交換を進めています。
一方、アイヌ新法には、差別禁止の罰則規定などがないことから、アイヌ民族の関係団体などが、同法に罰則規定を設けるなどの対応を求めています。大臣は、罰則規定についてどのようにお考えでしょうか。 - (答)お尋ねの罰則規定につきましては、法の制定当時でありますが、差別には様々な形態のものがあり、罰則の構成要件とするほど厳密に定義することはなかなか難しい、このようにいわれていたところであります。刑法におきまして、既に名誉毀損罪あるいは侮辱罪等の罰則規定が整備されていることなどの理由から、当時これを規定しなかったものと承知をしているところであります。
アイヌの方々に対して、アイヌであることを理由として差別することは、あってはならないというふうに私も考えているところであります。アイヌ政策担当大臣として、アイヌの方々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現に向けて力を尽くしていきたいと思っております。政府としても、ウポポイの充実強化をはじめ、各地域のアイヌの方々のお話をよく伺いながら、引き続き、アイヌ施策の充実に力を入れてまいりたいと思っております。
(以上)