赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年10月8日

(令和6年10月8日(火) 9:31~9:43  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

(冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)昨日、10月7日の国会の代表質問で、石破首相から金融所得課税の強化について「現時点で強化を具体的に検討することは考えていない」といったご趣旨の発言がありました。この分野について総裁選から少し発言がトーンダウンしているとも受け取れますが、金融・財政政策の面でこの点、政府として今後どういった方向で検討されるのかということを教えてください。
(答)総裁の発言を全部私がつぶさにフォローしているわけではないので、私の申し上げていることが若干正しくなければそれは正していただきたいのですが、私は、石破総理は投資大国の実現に向けて、貯蓄から投資への流れを着実なものとし、国民の資産形成を後押しする資産運用立国の政策を岸田政権から引き継ぐというポジションを否定されるような発言をしたことは一度もないと理解をしています。資産運用もそうですし、産業に思い切った投資が行われる施策を講じていくと。
 一言で言えば、企業も個人も今の日本国では現預金を持ちすぎていると。企業の場合であれば内部留保でありますし、個人の場合であれば、言い方によってはタンス預金とかいうこともあるのかもしれませんが、それをしっかり運用をしていかないと、国富を生むという意味では大変残念な状況なので、そこをやっていこうというのは変わっていないと思っています。
 総裁選においても、そこで違う趣旨を言ったことはないはずでありまして、昨日の本会議においても同様の考え方、金融所得課税について、貯蓄から投資への流れを引き続き推進していくことが重要であり、現時点でその強化について具体的に検討することは考えておられないという旨を答弁されたものと。端的に、金融所得課税の強化について具体的に検討することは考えていないという旨を答弁されたと承知しております。
(問)大臣にお尋ねしたいのは実質賃金についてです。今朝に発表された8月の実質賃金は3か月ぶりにマイナスに転じました。ボーナス支給によるプラス影響が一巡した他、長引く物価上昇などが背景にあると見られますけれども、大臣のお受け止めと、そして、物価高を上回る賃上げの実現に向けての大臣のお考えを改めて教えていただけますでしょうか。
(答)おっしゃるとおりで、そういう意味では3か月ぶりに実質賃金マイナスということで、これは明らかに良い知らせではないということです。我々からすれば、実質賃金のプラスが続かないと間違いなく国民生活は苦しくなっていくということでありますので、そこはそういうものと認識をしております。
 内容的には名目賃金について言えばプラス3.0%ですが、持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数がプラス3.5%となっているということです。そういうことでありますけれども、今後、10月1日以降、各都道府県で実施される地域別最低賃金の改定があります。非正規雇用労働者や中小企業への賃上げの波及が期待されるところでもありますので、これらも含めて引き続き注視をしていく考えであると。我々からすれば、やはり実質賃金が連続して途切れることなく上がり続ける状況をつくると。政府としては物価上昇を上回る賃金の増加を実現していくと。
 具体的に言えば、自由に働き方を選択しても不公平にならない職場づくりを目指した、個人のリスキリングなどへの人への投資を強化するとか、あるいは事業者のデジタル環境整備も含めて、生産性を劇的に向上させる将来の経済のパイを拡大する施策を集中的に強化するといったような方向で、今申し上げた物価上昇を上回る賃金の増加を実現していきたいと考えております。
(問)経済対策についてお伺いします。電気やガス代への補助金について、先日、10月6日に小野寺五典政調会長から、「冬も気温が低くなる時があるので、電気やガスなどの燃料が必要だ」と。「それに対応するための補正予算を組むべきだ」というご意見がありました。それを受けて、政府側としてはこれまで「総合的に検討する」とご発言がありましたけれども、より踏み込んでご検討される考えは今あるのでしょうか。
(答)ご指摘の報道については承知しております。電気・ガス料金については酷暑乗り切り緊急支援を岸田政権のもとで行い、8月から10月分の使用分に限って支援を実施して、10月末で終了という、一応のポジションを取っていたということであります。また、燃料油の激変緩和対策については年内に限って支援継続ということで、当時の岸田総理は経済対策の策定とあわせて、骨太方針2024を踏まえ、早期の段階的終了に着手すべく取り組むと表明されたのもご案内のとおりであります。
 エネルギーコストを含めた物価高対策については状況を丁寧に見ていく必要があると思っています。先ほどの実質賃金の話もそうですけれども、原油価格がまた少し上がり始めているようにも見えるということがありますので、その辺りも気にしながら、状況を見極めつつ、低所得者世帯向けの給付金とか、重点支援地方交付金など、こういったものを含めて、今後、経済対策について議論していく中で、総合的に検討していくというポジションは特に変わっておりません。
 小野寺政調会長のご発言も承知はしておりますけれども、政府としてはそういうことでございます。
(問)防災庁の設置について伺います。これまで第1ステップとして内閣府防災の司令塔機能の強化、人員や予算などの大幅な拡充が挙げられていますが、こうした拡充をいつまでに行いたいか、現時点でお考えがあればお願いします。
(答)総裁にも総裁選の最中にご発言をいただきましたし、私自身が思うのは今の事態対処ですね。大きな災害が起きると、役所は決して認めないと思いますけれども、役所とすれすれ折り合える言い方をすれば、パンク寸前であると。実際には、私はパンクしているようなものだと思わなくもないです。内閣府防災だけで、今は150人の体制で対処しきれずに、都道府県から、あるいは他の役所の部署から助っ人に入ってということを繰り返していることは事実と認識しています。一方で、そういうことが起きた時には、肝心の備蓄、市町村ごとのばらつきを国のほうで整えるとかいう事前防災などは全部中断するわけです。一言で言うとですね。
 そんなことをやっていていいのかという思いはあるので、先ほどの質問に対するお答えは、できるだけ早くということではあるのですが、内閣府防災の司令塔機能の強化、組織・人員・予算等の大幅な体制強化というのは、工程表の中で第1ステップですので、とにかくできるだけ早くやりたいということです。その中で令和8年度中には防災庁を設置する検討を進めていくということであります。
 ただ、具体的な体制や進め方についてはまだ検討中でありまして、体制整備とあわせて経済対策も考えていかなければいけなくて、能登半島地震の教訓も踏まえて、今後の災害への備えに万全を期すため、総理が視察先でお話をされた、避難所環境を抜本的に改善するための新たな支援策、どこまでお話しされたかですけれども、今のデジタル田園都市国家構想交付金の中に新たな防災のタイプをつくったりみたいなこともあり得るかもしれません。必要な施策を経済対策に盛り込むべく坂井大臣と連携して検討を進めているところであります。令和7年度予算編成や組織・定員要求のプロセスの中で必要な体制強化が可能となるように検討していきたいと思っています。
(問)先週の石破総裁が自民党の裏金問題で不記載の議員を非公認や比例重複を認めないなどの方針を発表されました。この件について、石破内閣を支えるお立場として何か受け止めやコメントがあればお願いいたします。
(答)せっかくの質問なのですが、この会見は閣僚の立場で行わせていただいているので、党の執行部のほうでしっかり判断される自民党の公認の在り方などについては、申し訳ございませんが、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)激変緩和で改めて質問です。電気、ガス、ガソリン、これまで何度も延長をしてきたと思いますが、事業者の都合があって、延長する時は締切の1か月前までには必ず発表がありました。電気・ガスは10月末でおしまいなので、もう間に合わないということで、事実上、打ち切りが決まっているということなのか、それとも延長は簡単に事業者さんが対応できますということなのか、ご説明いただければと思います。
(答)実際に、私は経緯を必ずしもつぶさに承知しているわけではないですけれども、酷暑乗り切り緊急支援も間が1回空いてますよね。さあやろうとなった時に、物理的に対応するのに必要な時間がありますので、現時点で言えることは、実際、物理的に対応できないと7月分が手当てできなかったようなことは起こったことが現にあるわけですので、起こり得るということで、それ以上でも以下でもないということです。総合的な対応を考えていく中で今後決めていきますので、今、ご質問があったように、今の時点でやめてしまうことが決まっているかと言われれば、総合的な対応を考えていくというのがお答えになると思います。

(以上)