城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月8日
(令和6年11月8日(金) 10:59~11:08 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
まず、科学技術政策担当大臣として御報告申し上げます。
11月6日、日本マイクロソフト社の品川本社を視察いたしました。視察におきましては、津坂(つさか)代表取締役社長をはじめとする社員の皆様から、技術の進展が速い生成AIの動向について説明を受け、意見交換を行うとともに、同社が提供しております生成AI「Copilot」の機能を体験させていただきまして、生成AIの有用性、特に、日常の仕事の高度化、効率化のために、生成AIが大変有用な技術であることを強く実感した次第であります。
また、同社からは、「責任あるAI」に向けた取組についてもお話を伺うことができました。AIのリスク対応につきましては、本年8月より、AI戦略会議の下で、「AI制度研究会」を開催し、様々な関係者や有識者の御意見を伺いながら、法制度の要否も含めて検討を行っているところでありまして、今後の検討の参考にさせていただきたいというふうに思っております。
いずれにしても、AIについては、引き続き関係府省で連携して、イノベーション促進とリスク対応の取組を一体的に進めてまいりたいと考えております。
引き続き2件目ですが、科学技術政策担当大臣として報告したいと思います。
国際卓越研究大学につきましては、これまで東北大学がその候補となっており、文部科学大臣が認定するに当たりまして、総合科学技術・イノベーション会議に対しての意見を求められましたが、本日、持ち回りの本会議におきまして、東北大学を認定することについて「意見はない」と決定したところであります。この後、文部科学大臣から正式な認定の判断があるかと思います。
ちなみに、本制度は、第6期科学技術・イノベーション計画におきまして、我が国の研究力強化のための重要な取組の一つとして位置付けており、我が国の科学技術の水準の向上、イノベーションの創出の観点から、東北大学には、世界に伍する研究大学として、我が国全体の大学の研究力の発展をけん引していただくことを期待しているものであります。
内閣府といたしましても、今後も引き続き、文部科学省と連携しながら、研究環境の整備や国際競争力の強化等の取組を推進し、東北大学をはじめ、各大学の挑戦を後押ししてまいりたいと考えております。
2.質疑応答
- (問)先日、アメリカの大統領選挙がありまして、トランプ氏が勝利しました。トランプ氏の勝利によって、日本の科学技術政策や宇宙政策に与える影響について、大臣、どのように見ていらっしゃるでしょうか。
- (答)まず、米国大統領選で、トランプ次期米国大統領が大差で勝利したことについて、心よりお祝い申し上げたいと思っております。
米国大統領選挙の結果の、科学技術・イノベーション政策や宇宙政策への影響につきましては、米国次期政権の政策の詳細がまだ明らかにならない中で、予断をもって答えることは差し控えたいと思います。その上で一般論として申し上げますが、各分野におきましては、これまで米国との間で、様々な形での協力の拡大・深化を進めてまいったところであります。
科学技術・イノベーション政策につきましては、気候変動などの地球規模課題の深刻化、地政学的な情勢の不安定化、新興技術が社会に与える影響の拡大が進む中で、米国をはじめとする同盟国・同志国との科学技術協力を更に強化していく必要があると考えております。
また、特に、宇宙政策につきましては、引き続き、米国をはじめとする関係各国との国際連携の下、前のトランプ政権で始まりましたアルテミス計画に主体的に参画するとともに、宇宙活動に係る国際的なルール整備への貢献、安全保障面での協力などの取組を進めていく必要があると考えております。
引き続き、二国間の取組はもちろん、G7などの多国間の枠組みも活用しながら、日米連携の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 - (問)一昨日のマイクロソフト社への視察で、生成AIの有用性を実感されたということですけれども、改めてその時の御感想、例えば感銘を受けられたこととか、どういうふうに思われたのかというのを聞かせてください。
併せて、AI開発をめぐっては、データであったり開発基盤をめぐって、米国中心とした、いわゆるビッグテックが独占する状況が形成されつつあることについて懸念も出ています。マイクロソフトももちろんその一角というか、非常に強い企業だと思いますけれども、一方で、国内企業や大学などに期待されること、政府としての支援などについて、科学技術政策担当大臣としてのお立場から御教授いただければと思います。 - (答)生成AIの登場からわずか2年程度で、もう人間とのまさに対話が可能となるレベルになるなど、生成AIの技術進歩の格段の速さやサービス提供までの大変なスピード感に圧倒され、感銘を受けたところであります。
また、国内企業等への期待や支援等に対するお尋ねですが、ビッグテックが独占する状況がありますけれども、今回の視察で体験しました「Copilot」のようなAIは、主にパソコンやスマホを通じた利用が進んでおりますが、今後、AIは、ロボット、医療、インフラといった様々な分野における利用の拡大が見込まれております。こうした分野で、我が国は良質なデータを保有しており、その強みを活かしました、日本の企業や研究者の活躍に期待しているところであります。
政府といたしましても、関係府省庁が一丸となって、計算資源の確保、スタートアップへの支援、先端的な研究開発の推進など、AIの開発力の強化にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
ちなみに私、超アナログ人間で、蓄音機は電気を使いませんですけれども、今は電気を使って、真空管アンプでレコードを再生しております。ですから、半導体やトランジスタを使わずに音を再生している私から見ると、何か300年先の未来に宇宙旅行をしているような感覚でありまして、もう少し自分もアナログから脱却してデジタル化したほうがいいのではないかと思いましたが、あんまりデジタル化すると、これ、右脳の感性・感覚がちょっと鈍ってくるので、そのバランスが大事だなと、個人的に思った次第であります。この点について追加質問しないでください(笑)。
(以上)