城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月1日
(令和6年11月1日(金) 10:44~10:50 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
まず冒頭、私から御報告いたします。
本日、この後、茨城県に出張しまして、量子科学技術研究開発機構(QST)那珂(なか)フュージョン科学技術研究所などを視察することとしております。
那珂フュージョン科学技術研究所では、昨年初めてプラズマを生成し、世界最大のトカマク型装置として、先日ギネス世界記録に認定されました「JT-60SA」を視察する予定であります。
今回の視察を通じまして、フュージョンエネルギー分野における、これまでの研究開発で培った技術や人材などの日本の強みを把握するとともに、関係者との意見交換も行っていきたいと考えております。
今回をはじめ、今後可能な限り現場を視察させていただきながら、科学技術・イノベーション政策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
2.質疑応答
- (問)昨日、評価専門調査会が開催されまして、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」の主要指標のうち、「多様で卓越した研究を生み出す環境を再構築」、この項目については、達成が困難なものが数多くあると判明しました。こうした研究環境の改善に向けて、今後どのように取り組むのか、大臣のお考えを教えてください。
- (答)昨日、総合科学技術・イノベーション会議の下にあります、評価専門調査会が開催され、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」の進捗状況を確認いたしました。
その結果、まず一つ目は、博士後期課程学生の処遇向上とキャリアパス拡大。二つ目は、大学等において若手研究者が活躍できる環境の整備。三つ目は、研究時間の確保。四つ目は、女性研究者の活躍促進。こういった研究環境の改善に関する主な数値目標について、その達成状況が現時点では十分でなく、課題があると議論されたと承知しております。
現在、政府といたしましては、大学等の基盤的経費の確保、これが一つ。もう一つは、博士後期課程学生を含む若手研究者や女性研究者への支援。三つ目は、自由かつ挑戦的な研究への支援。そして、もう一つは、我が国全体の研究力をけん引する多様な研究大学の振興。これらの取組を進めているところでありますが、今般の達成状況をしっかりと分析しながら、こうした取組を強化しつつ、「第7期科学技術・イノベーション基本計画」に向けた検討を進めていく必要があると考えております。
研究環境の改善は、研究力の強化、そして、科学技術・イノベーションの推進に当たりまして、極めて重要な課題であると考えており、今後も関係府庁が連携しながら、基本計画をはじめとする各種政策や、具体的な取組の検討を進めてまいりたいと考えております。 - (問)基幹ロケットについてお伺いしたいのですが、9月、10月とH-ⅡAロケット、H3ロケットの延期が続いているところで、政府は基幹ロケットの打上げの高頻度化を目指しているところですけども、こういうふうに延期が繰り返されることを想定されていたり、織り込んではいるのでしょうか。あと、さらに、今後は気候変動の影響があって打上げ環境が変わったりとか、予定通り打上げができないことが続くということもあり得るかもしれないと思うのですが、そういったことで何か対応策は考えておられるのでしょうか。
- (答)H3ロケット4号機の打上げは、天候の悪化によりまして、11月4日に延期されましたが、元々計画されておりました予備期間の中で設定されたものと承知しております。従って、現時点では問題がないと考えております。
なお、今後の打上げの高頻度化に向けまして、本年3月に宇宙政策委員会で策定されました「宇宙技術戦略」におきまして、例えば、ロケット打上げ時の天候や風などの環境予測精度を向上させる技術が重要であるなどを掲げておりまして、今年度の宇宙戦略基金事業におきましても、こうした技術を含む民間事業者による地上系技術開発への支援を予定しているところであります。
今後、政府衛星の打上げも高頻度化することから、H3ロケットの打上げにつきましては、政府全体として、様々な条件を想定しながら、打上げが確実に実施できるよう取り組むとともに、新たな技術開発など、我が国全体としての打上げ高頻度化に向けた取組も着実に推進してまいりたいと考えております。
(以上)