城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年10月2日
(令和6年10月2日(水) 10:00~10:20 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
この度、経済安全保障担当大臣、科学技術政策、宇宙政策、クールジャパン戦略、知的財産戦略などを担当する内閣府特命担当大臣を拝命いたしました、城内実でございます。今後とも、皆様よろしくお願いいたします。
まず、経済安全保障についてでありますが、厳しい安全保障環境の中、同盟国・同志国等とも連携しつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するとともに、経済安全保障を確保することは、我が国の平和と安全、繁栄を含む国益を守る上で重要だと考えております。
こうした考え方に基づきまして、まずは、経済安全保障推進法、これは令和4年5月に成立したものでありますが、ここで定められております、サプライチェーンの強靱化、二つ目は基幹インフラの事前審査制度、三つ目は先端重要技術の開発支援、そして特許出願の非公開制度、この4分野全てを引き続き着実に運用してまいります。
また、経済安全保障分野における情報保全のさらなる強化を図る観点から、本年5月に成立いたしました、重要経済安保情報保護活用法の施行に向けまして、運用基準の策定等に全力で取り組んでまいりたいと思います。
さらに、これらの分野にとどまらず、経済安全保障に関する様々な課題についても、幅広い関係省庁の先頭に立って、スピード感を持って対処してまいりたいと考えております。
次に、科学技術政策についてでありますが、科学技術・イノベーションをめぐる各国の覇権争い、生成AIをはじめとする新技術の急進展、経済安全保障を取り巻く環境の激変などに直面する中、科学技術・イノベーションの重要性が一層高まっております。
統合イノベーション戦略2024に示されました各種取組を着実に推進していくとともに、なかでも、フュージョンエネルギーの国家戦略の改訂や、AI制度の在り方検討などは、喫緊の課題と認識しておりますので、速やかに進めてまいります。また、次期科学技術・イノベーション基本計画に向けた検討について開始してまいります。
加えて、日本の持つ技術を活かし、先端技術から世界に通用するスタートアップを生み出すエコシステムを形成するため、「グローバル・スタートアップ・キャンパス」構想を推進してまいります。
原子力政策についてでありますが、原子力をめぐる環境が変化する中、安全性の確保を大前提としつつ、国民の理解と信頼を得ていくことが重要であり、中立的・俯瞰的観点から関係省庁ともしっかりと連携して取り組んでまいります。
また、宇宙政策についてですが、近年、世界的に、官民による宇宙の開発・利用が活発化し、国際競争が激化しております。我が国としても、世界の動きに遅れをとってはなりません。外交、防衛、経済、科学、技術など、様々な分野につながる、総合的な国力の源泉とも言える宇宙政策を、私自身が先頭に立って、関係省庁と協力し、しっかりと進めてまいります。
また、クールジャパン戦略についてですが、「新たなクールジャパン戦略」を踏まえ、クールジャパン関連産業の国際競争力の強化やインバウンド誘致などの取組を、関係省庁と連携して推進してまいります。
知的財産戦略についてでありますが、経済やイノベーションの活性化、国際競争力の強化に向けて、内閣府が司令塔となって、知的財産の創造や保護・活用について定める「知的財産推進計画」の着実な実行や、新たな「国家標準戦略」の策定に向けた検討を進めてまいります。
石破内閣の一員として、精一杯務める所存でございますので、どうかよろしくお願いいたします。
2.質疑応答
- (問)大臣、就任おめでとうございます。これまで、大臣のホームページとかを見ると、科学技術というのはあまり出てきていないのですけども、大臣御自身、科学技術について、どういうふうなお考えとか思いがあるのか教えてください。
- (答)御指摘はそのとおりだと思いますが、私自身、今、猛勉強中でございまして、科学技術・イノベーション政策の強化は、やはり成長戦略の柱であることは言うまでもありません。
高市前大臣が実施されてきたことをしっかりと引き継いで、また、今後、私自身も、可能な限り、現場の状況・取組も見させていただきながら、しっかりと、もっともっと勉強して取り組んでいきたいと思っていますので、またよろしくお願いします。
また、具体的には、就任間もない現時点の考えを私のほうから申し上げますと、次世代のクリーンエネルギーとして期待されておりますフュージョンエネルギーの早期実現には、大きく期待をしておりますし、国家戦略の改訂につきましては着実に進み続けていきたいと考えております。
また、AIにつきましては、利活用と安全性のバランスをどのように確保していくかなどが重要な課題であると認識しておりまして、AI制度の在り方の検討をしっかりと進めていく必要があると考えております。
また、我が国全体の研究力強化とイノベーション創出に向けて、大学等における基礎研究や、研究成果の社会実証の取組を強化することについても、非常に重要な課題であると、中村記者と同じ認識を共有しておるところでございますので、詳細につきましては、これからよく勉強をして、状況を把握しながら検討しつつ、経済社会の構造変革の鍵となる科学技術・イノベーション政策の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 - (問)就任おめでとうございます。今ほど言及がありました、フュージョンの国家戦略の改訂の関連なのですけれども、大臣としては、例えば、早期実現であるとか、関連産業の発展とかに向けて、どのように取り組んでいくという、今時点のお考えがあればお聞かせいただければと思います。
- (答)フュージョンエネルギーは、先ほど申し上げましたとおり、次世代のクリーンエネルギーとして、環境・エネルギー問題の解決策として大きく期待されているものと承知しております。
また、昨年、日本初となる国家戦略を策定いたしました。そして、産業協議会「J-Fusion」の設立など、国家戦略の掲げる“産業化”に向けた環境の整備に努めてきておりまして、また現在は、世界に先駆けた2030年代の発電実証を目指して、国家戦略の改訂に取り組んでいるところであると承知しております。
高市前大臣が取り組まれてきたことをしっかりと引き継いで、フュージョンエネルギーの早期実現を目指して、国家戦略を早期に改訂するとともに、政府として、官民の研究開発力強化やイノベーション拠点化などの取組を加速していきたいと思っております。 - (問)経済安保分野で、冒頭、推進法やセキュリティ・クリアランス以外で様々な課題があるというふうにおっしゃっていましたが、具体的にはどういう課題があって、例えば、どのような施策を検討されているとかあれば教えてください。
- (答)安全保障の裾野が経済分野へ急速に拡大する中、やはり自由かつ公正な経済活動にも十分に配慮しつつ、国家及び国民の安全を経済面から確保することが喫緊の課題であることは言うまでもありません。
先ほどお話しした、経済安全保障推進法の着実な実施及び重要経済安全情報保護活用法の円滑な施行に加えまして、国民の生活や経済活動を支える重要な産業が抱えるリスクの点検、そしてまた、投資審査の実効性確保や先端技術の輸出管理、研究セキュリティ・インテグリティの確保等の技術流出対策、そして、経済的威圧への対応など、「国家安全保障戦略」や「骨太方針2024」にも掲げられた様々な経済安全保障の課題についても、不断の検討が必要であると考えております。
引き続き、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保等に向けまして、同盟国・同志国との連携を図りつつ、民間企業とも協調しながら、施策を講じてまいりたいと考えております。 - (問)大臣、就任おめでとうございます。経済安全保障分野であると、自民党のほうが経済安全保障推進本部でいろんな議論を主導して、先般も技術流出防止対策で提言を政府にまとめたと思うのですけれども、大臣として、どのように党と連携して議論を主導していくお考えなのかをお聞かせいただきたいのと、あと、前任の高市大臣に政策的な心情も近いと思うのですけれども、今回、後任で大臣になられるに当たって、何かやり取りされていれば、差し支えない範囲で教えてください。
- (答)まず、自民党の経済安全保障推進本部におきまして、技術流出防止対策などに関する提言が取りまとめられまして、先月9月10日に政府に提出されたというふうに承知しております。
我が国の技術的優位性を確保・維持する観点から、オープンで自由な研究環境を確保し、国際協力を一層推進する必要がある一方で、研究機関や企業における技術流出の防止が重要な課題であることは言うまでもありません。
党の提言も踏まえまして、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保等に向けまして、同盟国・同志国等との連携を図りつつ、民間と協調しながら、引き続き関係省庁と連携いたしまして、技術流出防止対策はじめ、経済安全保障分野の諸課題にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
二つ目の、高市前大臣とのやり取りにつきましては、特に、昨日、議員会館の事務所に御挨拶に伺いました。御不在でしたので、名刺に、引き続き御指導よろしくお願いしますと書いて置いてきたところであります。
今日、私も、午後、引継ぎをするということでありますけれども、この度、自民党の総裁選で大健闘された高市前大臣、また知見も大変ございますので、そういった方の後任となることは、本当に、非常にプレッシャーになっておりますが、しっかり勉強して、頑張って、この自分の担務、所掌事務に取り組んでまいりたいと考えております。 - (問)本日、就任会見でございますので、石破内閣の閣僚の一員として、主要な政策や論点についてのお立場やお考えについて少しお伺いしたいという趣旨で2点お伺いします。1点目が、選択的夫婦別姓制度についての考え方についてです。大臣、これまで、夫婦別姓制度の導入に慎重な立場を示していらっしゃると思うのですけれども、そうした立場の議連のメンバーでもあられると思います。一方で、石破総理は、総裁選中に、選択的夫婦別姓制度に賛同を示すような発言がございました。夫婦別姓制度は今回の総裁選でも大きな論点の一つではありましたけれども、こうした主要な論点で意見が異なる首相の内閣で大臣を務めることについてどのようにお考えでしょうか。これが1点目です。2点目が、旧統一教会との接点についてでございます。2022年に、朝日新聞のアンケートに対して、大臣が、旧統一教会の関連イベントに祝電を送ったというふうに回答されております。改めてなのですけども、いつ、どのようなイベントに、どういう経緯で祝電を送られたのか、改めて御説明をいただければと思います。また、このほかに、旧統一教会と接点がその後ないかどうかについてもお願いします。
- (答)いわゆる選択的夫婦別氏制度につきましては、私の担当でございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、自民党内においても様々な議論があると承知しております。いずれにしましても、石破内閣の一員として、私自身の職責に全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
また、旧統一教会との関係ですが、私が知り得る限り、旧統一教会との接点はございません。御指摘の祝電につきましては、株式会社海洋平和が主催するイベントに祝電を送付した事実があり、そのことを党の調査においても回答いたしました。
その結果、党の発表した「旧統一教会及び関係団体との接点・関係について」に示されている議員のリストには、私の名前は入っていなかったと承知しております。
これは、鈴木エイトさんという方が、週刊誌に、祝電を送ったというような指摘がありましたので、それを踏まえて、朝日新聞のアンケートに答えました。しかし、今、申しましたように、繰り返しになりますけど、党の調査において回答したとおり、党の発表した「旧統一教会及び関係団体との接点・関係について」に示されている議員のリストには、私の名前は入っておりませんでした。以上です。 - (問)御就任おめでとうございます。科学技術政策は国民に直結するような重要な施策だと思います。次期基本計画の検討も開かれた場での議論というのが不可欠になると思いますが、何か、レクチャーも含めて、今、大臣の中で、今後の次期基本計画の策定に関する検討のスケジュール感が分かれば教えていただければというふうに思います。
- (答)すみません。この点につきましては、まだ就任したばかりでありまして、この場で適切なお答えができかねますので、後ほどちょっと。
- (問)次回。
- (答)次回で。宿題にするということでよろしいでしょうか。すみません。ありがとうございました。
- (問)御就任おめでとうございます。今日から本格始動ということで、改めまして、石破内閣の経済安全保障担当大臣として意気込みをお伺いしたいです。
- (答)意気込みと申しますと、非常に極めて重要な分野でありますし、しかも広範多種にわたる担務がございます。一つ一つしっかりと事務方の皆さんと協議をしながら、そして逆に教えていただきながら、早くしっかり仕事ができるように頑張っていきたいと思います。いずれにしましても、経済安全保障担当以外の分野もございますので、この幅広い分野を何とかしっかり勉強して、そして取り組んでまいりたいというふうに思います。以上です。
- (問)エネルギーに関する科学技術政策で、追加でお聞きできればと思うのですけれども、先ほどフュージョンに関してはおっしゃっていただいたかと思うのですが、原子力に関して追加でお聞きできればと思います。カーボンニュートラルに向けて、GX基本計画などでも、原子力の最大限の活用が言われているかとは思いますけれども、先ほど、安全確保を大前提に関係省庁ともというふうにおっしゃられていたかとは思うのですが、詳細についてどのように進めていくか、詳細、もしございましたらお聞きできればと思います。
- (答)原子力政策の詳細ですが、原子力政策につきましては、原子力委員会におきまして、「原子力利用に関する基本的考え方」を作成しておりまして、これに基づき、その推進に当たっては安全確保を大前提としつつ、国民の理解と信頼を得ていくことが重要だと考えております。その際、内閣府におきましては、中立的・俯瞰的視点から関係省庁としっかり連携して、検討と取組を進めていくことが重要だと考えております。
私が所管する原子力委員会においては、基本的考え方を踏まえ、原子力委員会自らが関係機関の取組状況について確認し、専門的見地や国際的知見等を踏まえつつ指摘を行うとともに、横断的な課題について、原子力委員会による調整の下、関係機関とも取り組んでいただきたいと。
また、我が国のプルトニウムの利用の透明性の確保など、原子力の平和利用にもしっかりと取り組んでいく所存であります。
(以上)