新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年9月6日

(令和6年9月6日(金) 11:50~12:06  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日は先月の8月30日に人口問題、こども・子育て支援のための社会の意識改革のための気運醸成実行計画基本方針を公表したわけですけれども、今回のポイントをまとめましたので、そのご報告をさせていただきたいと思います。
 この気運醸成実行計画基本方針につきましては、まずミッションといたしまして、全世代が生涯にわたって活躍できる社会を実現しよう、そして、職場慣行を含めた働き方の見直しや社会全体の構造、意識の改革を進めていきたいということです。更には全ての人が取り組もうとする社会の気運を醸成する。これの推進のための基本方針を定めたということでございます。
 このミッションを効果的に進めるためには、気運醸成のためのプログラム、これに工夫が必要だということでして、まずはこのプログラムには行動変容に結び付く心に訴える手法、これを検討するために、リーダー層、若い世代、高齢者、独身者、子育てする方と子育てに今当事者として関わっていない方の全ての世代の皆さんが、私たちの国の社会を維持するために、人口問題、そして、その根幹にある少子化対策や、更には高齢者の問題、どうやって皆さんがそれぞれの世代で幸せを実感できるかということを社会全体として気運を盛り上げていくための計画が必要だと。また、それを是非、今回、政府の中に会議体をつくって、民間の皆さんの中にもそうした推進組織をつくって進めるべきだということを考えているわけであります。
 この前段に、私が昨年から就任いたしまして、様々な政策に横串を刺す、それから、政策の連携の中で更なる効果をもたらす、大きな国民運動のようなムーブメントを起こす。こういうことをしなければならないと思っておりまして、その中で6月21日に閣議決定いたしました骨太の方針2024の中にそのことを盛り込んだわけであります。
 私の私的懇談会である二つの組織もつくりましたし、それから、経済財政諮問会議の中でもこういう議論をいたしました。その中で、私たちとすれば、性別や年齢に関わらず意欲のある人が生涯活躍できる社会、これを実現すべきだと。そのためには全世代型のリ・スキリングや全世代型健康診断、更には働き方に中立な社会保障制度の構築、こうしたものを再三にわたって様々な場所で提言をしてまいりました。また、若年世代の安心と、結婚、出産、子育ての希望を高めて、その希望がかなう結果として出生率が向上する社会を構築するのだということです。
 こういったものを政策の方向性といたしまして、人口減少はもう避けられない、今後、100年間はそのトレンドを変えることができない、であるならば、人口減少の減少カーブをできるだけ緩め、そして、いろいろな影響を最低限に抑えた上で、どうやってこれを解決しながら乗り越えていくか。将来的には人口減少のトレンドを元に戻していかなくてはならないと思います。これは国家的課題です。このために、何よりも大事なことは、それらの状況を正しく認識し、それぞれの世代やそれぞれの立場で何をするべきなのかということをみんなで共有し、実際の行動に移していこうと。総括的な運動が必要だと思っているわけであります。
 この問題は、少子高齢化・人口減少問題、これは国難ともいわれる大きな克服すべき課題です。しかし、これを克服することが経済を新しいステージに持ち上げることになり、今、私たちは600兆円の一つの目標を達成して、次なるステージに向かって進み始めている中で、少子高齢化・人口減少を克服しながら、そして、効率の良いDX、デジタルを使った社会とか、新しい技術を徹底して社会実装する。更にはフロンティアを開拓していく。そして、一人一人がどの地域にあっても自分で納得して、満足感を持てる、そういう経済や暮らしをつくっていく。これが必要だと思っているわけであります。
 今後は、この基本方針を基に、まずは女性や若手経営者などを中心として、民間有識者の方々、アドバイザーの皆さんから意見を聞きながら、年末の予算編成に向けて検討を深めたいと思います。そして、年内までに実効性ある気運醸成実行計画を作成いたします。その上で、来年度には関連する実行予算を検証していきたいと思っています。具体的な仕事を始めるということでございます。
 これは国の根幹に関わる課題であります。こうした問題を通じながら、これは結局リ・スキリングもジョブ型も、更には、健康で長生きできる社会、誰もが様々な能力のある人や気持ちのある人がどういう状態でも働いていける、そして、企業は、消費者が減っていくわけですけれども、それでも成長していける、企業収益を出していける、そして、根本には物価が安定的に上がっていく。しかし、それを上回る実質賃金が常に確保されていて、経済は伸び、人々の暮らしも維持できると。こういう社会を実現できると思いますし、それを我々は目標として掲げているわけでありますが、それの推進に大きな国としての全体の基盤をつくるという意味で、この計画を実施していきたいと思っているわけであります。
 これは皆さんにとって今までにない試みだと思います。是非これを広く国民の皆さんには知っていただきたいと思いますし、こうした意識を共有していただきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)自民党総裁選についてお伺いします。先ほど、小泉進次郎さんが出馬を表明されて、立候補表明者が6人となって、過去最多となりました。闊達な政策の主張が行われている現状について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
 また、もう一点、同じ政策集団に所属されている茂木敏充幹事長が政策の発表を行いました。その中で、防衛増税停止やこども・子育て支援金の廃止といった主張を掲げられました。大臣が支えてこられた岸田政権の方針とは異なる主張をされたわけですけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)まず、今回の自民党総裁選挙が真に開かれたものとなり、そして、派閥が解消された中で、従来とは違った立候補のプロセス、志ある方が手を挙げて、それを応援する方々とともに活発な総裁選が行われることは非常に良いことだと思っておりますし、この総裁選を通して、自民党員と更にその先の日本の国民の皆様にこうした議論をしっかりと関心を持っていただきながら、今の状況で、この日本をどなたが一番良い方向に持っていけるのか、その共感を得られる方は誰なのかということを議論を聞いていただいた上で、投票権のある方には責任の1票を投じていただきたいと思っております。私どももそうしたいと思っています。
 また、自民党の総裁選挙は、結果としてその後の内閣の首班指名に深く関わります。日本の総理大臣として新しく就任される方のプロセスに関わってくるわけでありますから、その意味においても広く国民の皆さんが関心をお持ちになることは当然だと思いますし、中身というものをきちんとしっかりとした議論をした上で、それらを皆様に伝えられるようにしていただきたいと期待をしておりますし、私どもも党の一員として、そういった自覚を持って臨んでいきたいと思います。
 それから、昨日の茂木さんが会見において、防衛力の強化の話と子育て支援の話について、その財源についてのお話がございました。私はまず、今、閣僚会見で、閣僚としての立場で、  自民党総裁選の各候補者のお一人一人の提案について、それをコメントする立場にはございませんから、そこをまずご理解いただきたいと思います。
 その上で、私が報道を通して、また、聞いているお話の中で判断いたしますと、茂木さんの発表は防衛力やこども・子育て政策を抜本的に強化する、この計画は着実に推進していく、そして更に充実・強化することも含めて、これを進めていくことに何ら変更はありません。また、私どもも大元にあるのは防衛の抜本強化や、こども未来戦略に基づいて、どうやって子育て支援を強化していくか、これについて様々な議論をし、工夫しながら財源を調達してきました。その財源調達の内容については、経済や財政の状況を見ながら、柔軟に検討していくのだということを述べられたのだと思います。それは、その議論を妨げるものではないのかなと思いますし、こうした問題についてこそ総裁選の中でしっかり各候補者間で議論しながら真意を明らかにしていただければいいのではないかなと思っております。
(問)先ほどの質問に関連しまして、支援金についてですけれども、この間の国会の論戦でも、大臣は答弁をされてきたと思います。政府の立場を代表しまして、厳しい国会論戦をやってきたと思うんですけれども、茂木幹事長の支援金の停止という発言については、政府の方針と矛盾していないかどうか。その辺りについてはどのようにお考えになっていますでしょうか。
(答)まず、冒頭に、それは幹事長ではなくて、候補予定者である方が立候補表明をした中でお話しされたことですから、それについて閣僚の立場で、この場でコメントすることは差し控えたいということは重ねて申し上げておきます。
 その上で、今申し上げましたように、子育て支援は推進していきますとの方針に何ら変わりはないわけです。その中で、財源調達というのは、結局のところ防衛増税もいつからやるのか、まだ税制の議論の中でそこを検討していくことになっております。支援金についても、私どもが国会で申し上げましたように、支援金のお願いの仕方については、整理しながら考え方を進めているわけであります。しかし、それらは必要な財源を調達する中の手段の一つでございます。ですから、これらについて、経済や財政状況が変わる中で、それを柔軟に検討していくということ。ここまでは議論は妨げられないだろうと思いますし、そうしたことの是非を含めて総裁選の中でしっかり議論していただくことになるのではないかと思っているわけです。
(問)今の質問と関連して確認です。大臣は茂木派の事務総長をされていました。今回、茂木幹事長が出馬されますけれども、茂木幹事長を今回の総裁選で支援していく考えなのかどうか、確認として教えてください。
(答)誰をどういうふうに支援していくかというのは、これはそれぞれの議員の考えに基づいてやればいいと思います。大事なことは、今回の自民党の総裁選挙で一体誰がこの国の未来をきちんと皆さんに説明して、そうした未来を実現するための能力と運営体制をつくることができるのか、これを議論すべきということだと思っています。
 私自身がどなたをどのように支援していくかというのは、一議員として自分で考えていることはございますが、今、この閣僚会見の場で申し上げることは控えたいと思っています。

(以上)