新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年8月27日

(令和6年8月27日(火) 10:49~11:02  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 (冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)先週、7月の消費者物価指数が発表されて、生鮮食品を除く総合指数では2%台後半の物価上昇が続いていることが確認されました。政府はこれまで経済の現状について、デフレではないが、デフレ脱却はしていない、デフレに後戻りする可能性があるとの認識を示してきましたが、足下で物価上昇が続く現状においても政府のこの認識に変わりはないのかというのを改めて教えてください。
(答)御指摘のように8月23日に7月の消費者物価指数が公表されましたけれども、「総合」で前年同月比プラス2.8%、そして「生鮮食品を除く総合」指数も前年同月比プラス2.7%ということで、先月とほぼ同様の形になっています。デフレ脱却につきまして私たちは、再びデフレに後戻りしない、更にその先の、従来の、これまでの延長線にはない新しい経済のステージに移行させる、これを目標にしているということを再三申し上げております。ですから、まだデフレ脱却したとも言っておりませんし、現状においては状況をデータに基づいて御説明をしているわけであります。
 今、状況として、もう一回言いますけれども、「デフレ脱却しましたよ」ではなくて、デフレを脱却した上で新しい経済に移行しましょうということは、骨太方針も含めて何度も申し上げておりますから、それを着実に持続的・安定的に、かつ、更にその先の可能性が大きくなるように、そういったことを引き続きやっていきたいと思っています。
(問)政府はこれまで正式にデフレ脱却宣言をするということを検討されてきたと思うのですけれども、それはしばらくはしないということですか。
(答)検討しているのではないかという御指摘はいろいろいただいておりますけれども、それをどういう形で表現するかということについて、何か一定の計画があるわけではなくて、私とすれば、まずはデフレ状況を脱却する。その上で物価の上昇が2%を目安として、安定的に移行していきながら、それを上回る賃金の上昇率を確保する。そして、その上で所得の向上を増やしながら消費を拡大させていく。それに必要な生産性の投資を行っていく。中小企業の省力化だとか、中堅企業の国内立地の支援とか、そういったもろもろをあわせてやっていくと。これまで一連のシナリオというか、一連の流れの中で日本経済の体質改善を図りながら、そして、これまでとは違う成長軌道をつくっていこうということをずっと言い続けているわけでありまして、それがいつの時点で何がどうなったかというようなことをどこかから宣言して、これからこうなりますということではなくて、既に現状を説明しながら先をずっと見越して、次の移行していくステージの姿を示していると。こういうふうに私は心掛けているつもりです。
(問)自民党総裁選挙についてお伺いしたいと思います。先週8月20日に日程も決まり、多くの候補者の名前も挙がっていて、非常に盛り上がってきている状況だと思います。大臣、この自民党総裁選挙に向けた動きをどのように捉えているかということと、それから、茂木敏充幹事長も立候補するのではないかというような報道もあります。大臣御自身はこの総裁選にどのように向き合っていかれるか。この2点を教えていただけますでしょうか。
(答)まず自民党総裁選に関心が高まっている、そしてまた、期待というものが高まっていくならば、それは党員の1人としてありがたいことだと思っております。何よりも自民党の総裁を選ぶということは、その後に首班指名というものがありますから、やはり今までの岸田内閣を継承して、その上でより良い状態をつくり上げるための新しい内閣をつくっていく、それを引っ張っていくための自民党総裁を選ぶということですから、非常に重大な責任と意義があると思っております。
 今回、大半において既に派閥が解消されております。ですから、派閥によらない選挙、いわゆる数合わせではない選挙。そして、志のある方がどんどんと立候補して、その中でこの日本をどうすれば今の経済状況を更に改善し、また、社会保障や教育、外交、安全保障、日本の様々な今持っている課題をどう克服していくか。そのための具体的な政策と、それを実行できる能力と体制を誰が備えているのか。そのことは是非、総裁選を通じて党員の皆様、そして国民の皆様に訴えて、また広く共有を得たいと思います。そういう共有を得られた方が議員と党員の、また、国民の皆様の世論の中から選ばれていくのではないかと。
 本来あるべき総裁選の姿、私はずっと同じような趣旨で、初めて総裁選に臨んだ時からそういう気持ちでこれまでも総裁選に携わってきましたけれども、しっかりとした政策論議をすることが大事です。それは、総裁選の告示があって、候補者となって、その時に初めて皆さん各候補者が何をやろうとしているのか、詳細が明らかになり、そしてこの総裁選の最中の議論を通じて、そこがより具体的になっていくと。この経緯をきちんと皆さんにも関心を持っていただいて、チェックしていただきながら、この日本をどう変えられるのか、私はたくさんの可能性があると思っているのですけれども、それを広く共有できるような、そういう機会にしたいと。
 私としても、この国を変えていく政策を持ち、それを実行できる能力を兼ね備えている、かつ、自民党を良い状況で動かしていける、その方は誰なのかをよく考えながら、自分自身としても考えを整理していきたいと思っています。
(問)総裁選について続いてお伺いしたいのですが、先日、弊紙の世論調査で、8月23日から8月25日に行われたのですが、その中で次の首相、自民党総裁にふさわしいのは石破茂氏が22%、続いて小泉進次郎氏が20%、高市早苗氏が10%で、その後、茂木さんは残念ながら1%だったのですけれども。こういうふうに総裁候補の方々について国民の支持というか、世論が出てきている中で、大臣御自身としては具体的にどういう資質を持った方とか、どういう政策を重視している方が総裁にふさわしい、御支持したいとお考えなのか教えてください。
(答)どういう方を支持したいと考えているかは今申し上げましたとおりですけれども、大事なことは、私が従来からもずっとそのことは記者さんたちに申し上げているのですけれども、総裁選が始まる前に、何をするのか、どういう体制をつくろうとするのかが具体化していないうちに、誰がいいのかとか、そこに関心が集まるのは、私はどうしてなのかなと思っているのです。
 選挙というのは、本来、告示されて、そこで政策が出て、そして、その中の選挙戦を通じて皆さんの理解を得て、投票に行くわけです。もちろん今の段階でどなたに関心が高いかということをいろいろと紹介していただくのは駄目だと言っているわけではなくて。しかし、それはイメージ、そして、事前の様々なそういう考え方だと思いますが、これまでの総裁選においても、総裁選の告示前は人気最低とか、選挙中も当初は駄目だったけれども、選挙戦をやっているうちに、ああ、やっぱりこういう人なのかというようなことで、事前の調査とは違う結果が出たのは何度もあります。
 それから、安倍晋三さんが2回目に立候補した時、私はあの時に行動を共にして、勉強会をやりながら安倍さんと一緒に日本を取り戻すための政策を作って発表しました。だけど、あの時、総裁選前の安倍さんの評価はほぼ泡沫、今頃2回目に出てきてという話だったではないですか。でも、告示されて、演説したら、私もその時にいて周りの人たちを見ても反応が明らかに違ったわけですよ。自民党の中の仲間のことですから、誰がなっても仲間の中からなるのです。でも、今の日本にとって、自民党にとって最も変革させ、刷新できる、そういう政策と遂行能力を持っているということは、総裁候補にならないときちんと皆さんにアピールできないのです。
 普通の選挙であっても議員になる前にその人のキャリアとか人となりだけで投票を決める人はあまりいないと思うのです。総裁選挙もそのような本来の形をしっかりと訴えるべきだと思いますし、前回、私は選挙管理委員でしたから、個別にどなたかということは、一切そういった活動はいたしませんでしたけれども、でも、より広くそういった候補者の政策や人となりを知ってもらうためのオンラインの全国の候補者懇談会を私が企画して、司会もして、運営もしました。そういう中から、やっぱりこの人が地力があるのだなということを分かっていただいて選ばれると。こういう総裁選をやるべきだと思いますし、そうなると思いますよ。

(以上)