新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年6月14日

(令和6年6月14日(金) 9:30~9:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、TPP大綱のフォローアップを公表いたしました。TPP大綱はCPTPPなどの経済連携協定を積極的に活用し、そして、世界経済と多層的に結び付いた経済成長を実現するために、政策目標とKPIを設定し、また、それらを実現するための施策を示したものであります。2015年の策定以来、定期的に改定やフォローアップを行ってきております。
 今回のフォローアップでは過去に設定したKPIの多くについて、既に当初の目標を達成していること、これを改めて確認しました。また、対内直接投資残高、訪日外国人旅行者の消費額や農林水産物・食品の輸出額が過去最高となるなど、施策の効果が浸透してきていると評価しております。今後もCPTPPの更なる発展と、我が国経済、これに対する一層の貢献を目指し、一般見直し、新規加入、価値を共有する国々との連携、更なる利活用に取り組んでいきたいと考えております。
 詳細については事務方にお尋ねいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)一部報道で、今回の日銀の金融政策決定会合に関しまして、国債の買入額を減額するという報道が出ています。円安に一定の歯止めをかけるためにこの減額を決定するとのことですけれども、今回の政策変更についての大臣の受け止めをお伺いできればと思います。
(答)まさに金融政策決定会合が昨日と本日行われているところでございまして、その中で議論の末に確定していくことでございますので、この時点で私から何かコメントをするということは控えたいと思います。また、この後、私も金融政策決定会合に参加をして、議論をしたいと考えております。
 新たな経済ステージへの移行に向けて、マクロ経済運営も非常に重要な局面を迎えていると承知しておりますし、政府と日銀が緊密に連携し、十分に意思疎通を図りながら政策を推進していくことが重要だと思っています。日銀については、引き続き政府と密接な連携のもと、物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営をしていただきたいと期待しております。
(問)先日、経団連の十倉雅和会長から、選択的夫婦別姓制度の導入について、夫婦別姓を認めない現在の制度が女性の活躍が広がる中でリスクになっているという御指摘がございました。また、足元で、女性をめぐるアンコンシャスバイアスの解消の必要性も指摘されているところです。
 骨太の方針等、生産年齢人口が減っていく中で、女性の活躍が今後求められるというような部分の記載もございましたが、今後、骨太の方針の原案にも明記されました女性活躍についてどのように取り組んでいく必要があるとお考えなのか、お聞かせください。
(答)私たちの国で解消しなければいけない最大の課題として挙げておりますのが少子高齢化・人口減少社会。そして、それでも成長していく日本経済を構築していきたいというのが私の願いであります。その意味において、性別や年齢に関わらず意欲のある方々が生涯にわたって活躍できる、また、安心して過ごしていける、そういう社会を実現することが必要だと思っているわけであります。
 今回の骨太の方針では、そうした新しい経済のステージというのは、新しい人口構成や、これからの私たちが受け入れなければいけない世界情勢や社会、こういったものを踏まえた将来のあるべき姿を追求していきたい、そのための新生計画という形で、今後の方針を打ち出させていただきました。
 特に、性別や年齢に関わらず意欲のある方々が生涯活躍できるという意味においては、日本人の健康年齢が非常に上がっているということ、それから、多様な働き方を可能としていく中で、性別・年齢に関わらず仕事の機会は更に受けられることになるのではないかと思っておりますし、少なくとも2012年から2023年、この11年間で生産年齢人口は660万人減少しているわけです。一方で、就業者数は逆に467万人増加をしています。そのうちの女性の就業者が393万人、65歳以上の高齢者が318万人増加しているということでございまして、既にそうした様々な方々が働く場や活躍できる場がどんどん拡大されていると思います。更にこれを工夫して、女性活躍も含めた一層の推進が重要だと思っているわけです。
 そして、骨太方針の2024、6月11日の経済財政諮問会議で出した原案においては、プライム市場や上場企業の女性役員に係る数値目標の達成に向けた女性の採用や育成、登用の強化とか、女性起業家の支援、また、女性の所得向上やリ・スキリングの推進など、そうした女性活躍推進に向けた意識啓発などを盛り込みました。
 6月11日には、「女性版骨太の方針」というものも決定されておりまして、関係省庁と連携しながらそうした問題に政府を挙げて取り組んでいきたいと考えています。
(問)今の質問に関連して、最初の質問にもあったのですけれども、経済財政諮問会議の有識者議員にも入られている経団連会長が、女性活躍の根本の部分で選択的別姓制度ができていないことが企業のリスクになるというところまでおっしゃっているわけですけれども、今、いろいろな政策で、女性版骨太の方針とかがある中で、その根本がまだできていないということを指摘されているわけですが、それについてはどうでしょうか。
(答)経団連の中でこれまで議論が行われてきましたが、私はその詳細を承知しておりませんし、そうした問題を提起されたことは承知しておりますが、かねてそうしたことも含めて、これからの日本の社会の在り方は議論がなされてまいりました。それはいろいろな場面でこれからも議論がなされるのではないかと思いますが、少なくとも経済財政諮問会議においてそうしたことは明示的な課題となって議論している状態ではございません。
 我々とすれば、様々な要素を含めた中で、いかに活躍しやすい、また、安心して自分の生活、そして人生を過ごすことができる、こういう制度は常に時代とともに議論しながら変わっていくものではないかと思っています。
(問)新型インフルエンザ等対策政府行動計画について伺いますが、3月26日に開催された第10回会議の議事録が公開されました。それを読みますと、3月25日時点案という素案が提示されていたことが読み取れました。また、それ以前にも、3月25日時点案以前の案も委員の皆さんに配られて、それに基づいて議論されている様子が窺えました。何ページにこういう記載があるというような議論をされているのです。ただ、その議論の基になっている案、これが公開されていません。ですので、何を基に議論しているのかが議事録を読んでも分かりませんでした。委員の皆さんが議論の基にした資料は基本的に公開していただくのが筋ではないかと思うのですが、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)推進会議の資料は原則公表としております。また、議論の透明性を確保するための議事録も公表しております。しかし、それは委員の同意を得ながら、そうしたルールの中で進められてきたと思っておりますし、検討の過程における素案やたたき台といった資料の取扱いについては、推進会議における自由な議論を適切に行うために活用しているものであって、公開の範囲も推進会議の議論の中で定めていただいております。そして、最終的な議論の成果は従来より公表させていただいているということでございまして、必要な資料を適切に対応しているのではないかと考えています。
(問)委員の皆さんが「これを非公開にしてくれ」と言っているのでしょうか。おそらくそうではないと思うのです。事務方が判断して非公開にされているのだと思うのですが、私も電話で事務方に伺いましたけれども、理由は、「混乱するから」とおっしゃいました。誰が混乱するのかと聞いても、お答えになりませんでした。
 議論のプロセスを明らかにするためにも、やはり公開を原則としていただくのが筋ではないかと思うのです。今後の会議についても、何が公開されていて何が公開されていないのかが今の状況だと分からないです。委員にいろいろな資料が配布されているのに、それが国民の目には分からないというのはいかがなものかと思います。大臣から事務方に、基本的に全部公開しようというふうに指示をしていただけませんでしょうか。
(答)まず、事務方が一方的に決めてということではないと承知しています。それは、一定の指針を示しながら委員の皆様に御議論いただき、御同意をいただいた上で資料の取扱いは決定しています。この推進会議だけではなくて、私が主催しております会議、その他の政府の関連の会議においても、それは同じルールです。
 今、問題意識というか、できる限り国民も知りたいと、これは重要なことだと思いますが、それを踏まえた上で、やはりたたき台であったり最初の原案は、結局、何の議論もなしに作っているものですから、やはり議論の結果、適切なそういった内容のものを出していくというのは、ある程度一定のルールは必要だろうと思います。ですから、程度の問題だと思うのですけれども、私とすればできる限りそうしたものは皆様方に知っていただけるような、そういうことを前提にしながらいろいろ工夫をしていきたいと考えています。

(以上)