新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年3月12日

(令和6年3月12日(火) 9:36~9:43  於:衆議院本会議場議員食堂側)

1.発言要旨

 (冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)11日公表の昨年10-12月のGDP改定値はプラス成長に転換しました。設備投資が上方修正されたものの個人消費の弱さが目立つ内容で、1-3月期のプラス成長が続くかは不透明であるとのことです。改定値の結果を踏まえ、大臣の景気認識をお願いします。
(答)昨日公表の2023年10-12月期のGDP2次速報値では、実質成長率は2四半期ぶりのプラスとなって、名目GDPの金額が598兆円と、上方改定をしたわけであります。
 これは、主に、1次速報後に利用可能になりました「法人企業統計」が反映された結果、設備投資が、実質で前期比2.0%と、1次速報値から大きく上方改定され、3四半期ぶりのプラスとなったことによるものであります。
 また、10-12月期の名目設備投資金額は、年率換算いたしますと100兆円を上回ったということで、これは1991年以来の32年ぶりということになりました。
 一方で、個人消費が、賃金の伸びが物価上昇の追いついていない中で、実質前期比でマイナス0.3%ということで、1次QEのときと同じでございますが、3期連続のマイナスということで力強さを欠いた状況にあるということでございます。
 私どもは従来から申し上げておりますように、経済の力をつけるためには、まず何よりも構造的な賃上げを実現させる中で、賃上げを可能等する企業の収益、それから将来の予見性というものを高めていく。企業の収益を高めるためには生産性を上げなければならないという意味において、やはり省人化投資をはじめとしたことを思い切って応援したいと思っています。
 新しく設備を更新し、新たな生産体制や省人化体制ができたならば、それを使いこなす人材として、リ・スキリングによってそういうところに能力を備えた方には新しい仕事に就いていただく。同じ会社の中でも、また、会社を異動するなり、どちらにしても、そういう次の新しい設備投資をしたならば、それを使いこなす人材の能力を備えてもらうためにもリ・スキリングということで、三位一体の労働市場改革と。これをみんな連携させて、合わせ技の中で構造的な賃上げを大本にしながら新しい経済のステージをつくっていきたいと考えているわけであります。
(問)今のご回答と関連してくるのですが、13日の春闘の集中回答を受けて、賃上げの重要性や期待について大臣のご見解をお願いいたします。
(答)今、申し上げましたが、正に30年続いたデフレ思考、こういった中から今、脱却できるチャンスを迎えている。設備投資も32年ぶりに100兆円を目指すと言いましたが、名目の100兆円も超えました。ですから、そういういい傾向が出ているわけでありますが、まだまだ実体経済の力強さは欠いているところがございます。
 とにかく消費を伸ばさなければならないわけですから、消費を伸ばすためには、可処分所得を増やすとともに、その大本である賃金を増やさなければいけない。だから、構造的な賃上げというのは一番まずは最初にやらなければいけないことで、それがこの春闘で、明日が集中回答日となって一つの節目になります。それ以降、中小企業にずっと広げていくことになりますから、その意味において、適切な物価上昇が起こり、そしてそれを上回る賃金上昇ができると。かつ、それを可能とする業績の拡大や経済の成長があると。これが当たり前だと。
 ですから、物価が上がればそれを上回る賃金が出て、そして自分たちは安心して消費にも回せるし、また、企業も設備投資に常に回していけと。こういう社会通念、ノルムを皆で持てるかどうか、それがとても重要なことで、その意味においてもやはり賃上げが、ある取引のAからBではなくて、重層的な取引になっていますので、C、D、Eまでずっと続いていく、そこの先端まで波及できるような賃上げを構造的賃上げとして実現したいと私は考えているわけです。
(問)春闘と賃上げに関連しまして。昨日、総理が、明日政労使会議を開くということで表明されたと思いますが、いい形での回答が大手企業を中心に出てくる中で、明日の政労使会議でどういったテーマで議論して、どのように賃上げの機運を盛り上げていきたいか。明日に向けてのお考えをお伺いできますでしょうか。
(答)構造的賃上げは持続的でなければならない。その意味において、まずは物価の上昇率を上回る賃金上昇率が必要なのですが、加えて、重層的な取引になっていますから、先端まできちんと行き届く、そういう賃上げを是非お願いしたい。
 そのためには、やはり価格転嫁がなければ企業も賃上げに応じられませんから、そうした価格転嫁というものがきちんと反映された仕組みというものを社会全体に定着させていく。私はムーブメントと呼んでいるのですが、皆でそういう気持ちになって動いていく、そういったことを是非実現していただきたい。そのための私たちも応援をさせていただきます。
 特に中小企業が雇用の7割を占めますから、中小企業にまで波及できるような賃上げを実現するように、総理からもお願いをさせていただくのでないかなと考えています。

(以上)