新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年1月26日

(令和6年1月26日(金) 10:47~11:02  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議におきまして、「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議決定いたしました。
 昨年末に閣議了解した政府経済見通しについて、政府支出、国民所得に係る係数の追加等を行ったわけであります。
 具体的には、政府支出については、経済対策の効果や予算案を反映し、2023年度は0.9%程度の増加、2024年度は0.7%程度の増加を見込んでおります。国民所得については、2023年度は企業所得が大きく増加し、5.5%程度の増加を見込む。2024年度は賃金上昇が継続する中、雇用者報酬は2.7%程度の増加と、企業所得を上回る増加となり、国民所得全体としても2.7%程度の増加になると見込んでおります。
 経済成長率については、昨年末にお示ししたとおり、2024年度は民需が主導する形で実質で1.3%、名目で3.0%程度の成長となると見込んでおります。
 政府としては、今般お示しした経済見通しの姿を実現できるように、経済財政運営に万全を期してまいりたいと考えています。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)賃上げとデフレ脱却に関して伺います。本日発表されました東京都区部の消費者物価指数は1.6%上昇と、足下では消費者物価指数の上昇が緩やかになってきております。政府経済見通しの2024年度2.5%を下回って、もしかするとデフレに戻ってしまうリスクもあるのではないかなというふうに思います。そうした状況では賃上げの実現が重要だと思うのですが、先日開催されました経団連の政労使フォーラムにおいても、大企業では大幅な賃上げが見込まれるとのことです。
 岸田政権がデフレからの完全脱却を目指す中で、今回の春闘に向けての期待や重要性、また課題認識等を教えてください。
(答)必ず申し上げておりますが、私たちの国は今、大きな経済成長のチャンスを迎えていると、そして、新たなステージへ私たちの国の経済を持ち上げていきたいと、これが政府の願いでございます。
 その大本になるのが物価上昇を上回る賃金上昇。ですから、物価はそれぞれの状況によって変動が出ますが、どういう時点においても賃金上昇がそれを上回ると、こういうことをつくっていく。物価を安定させるとともに、賃金上昇を可能とするような力強い経済、民需主導型の、そして大企業だけではなくて中小企業も含めて、またあらゆる各層の国民の皆さんの所得が増加できるような、そういう政策を打っていかなければならないと。
 その大前提として、やはり春闘という大きな枠組みがございますから、この中で賃上げを、構造的なもので持続的なものにきちんとしていただけるように、我々も期待しているというところでございます。
 特に総理からも申し上げておりますが、全従業員数の7割が働く中小企業・小規模企業における賃金をどうやって上げていくか。それは、物件費に加えて人件費の価格転嫁が非常に重要になるだろうという意味において施策を打っているわけでございます。賃上げ税制の拡充だとか、それから省人化投資のカタログ補助金も含めまして、やはり経済を後押ししていきたいと思っているということでございます。
(問)派閥の事件を巡りまして昨日、自民党のほうで中間取りまとめが決定されました。派閥について、金と人事から完全に決別するということが明記されています。派閥の在り方も変わってくるかなと思うのですが、一方で、派閥の全廃まで踏み込まなかったという点で批判される意見もあります。派閥をなくさなかったということで、踏み込み不足だというふうに批判される意見もあります。
 大臣は茂木派の事務総長も務めておられまして、人事と金というものを切り離すということで派閥の在り方が非常に変わってくる、この中間取りまとめについて、大臣としてどのように受け止めていらっしゃるのか、ご意見をお伺いできますでしょうか。
(答)政治資金を巡る事件がございました。これについて国民からの大きな不信を招いていることは誠に遺憾であって、我々とすれば、党全体として、いかに国民の不信を払拭するか、そして信頼を取り戻すべく、改善策をしっかり打っていかなければいけないと思っているわけであります。
 その意味において、自民党の政治刷新本部で真剣な議論がなされたと承知しております。その中で、私どもとすれば今回、総務会で決定した、自民党の正式な決定を行いました、この国民の信頼回復に向けた中間取りまとめを忠実に実行していくことが重要だと思っておりますし、既にそうした意味で、これは着々と話が進みつつあるということだと思います。
 特に、今お話がございました派閥につきましては、本来これは政策集団であって、それが始まりだったのでございますが、いつの間にか、どうしても人事や金ということについて様々な問題が出てきました。もう何度もこれまでも刷新するという形で自民党が取り組んできたことでございます。
 今回も、この中間取りまとめの中で派閥は解消すると、そして党のガバナンスを強化するということが大きな方針で打ち出されていて、それは自民党の各政策集団全てに関わることだと思っております。
 私どもとすれば、あくまでも政策研鑽の場であって、政策活動を行う組織として、ここのご提言にありますような、政治資金パーティーは禁止、また、夏季・冬季の資金手当の廃止、更には人事面におけるいわゆる働きかけは行わない、こういったことは、もう既に全集団がそれをやろうと。そして、それぞれ自分たちが今後、どのように活動していくかを相談しながら順次、そこが進んでいるということだと思っております。
 私どもとしても、自分が所属しているグループ、仲間と話をしながら、この中間取りまとめに沿って、きちんと新しい形をつくっていかなければならないと考えているわけです。
(問)これに関連して。森山派は昨日、解散するというような形で表明されたと思うのですが、茂木派の対応については今、どのような状況でしょうか。
(答)そこは、今申し上げましたこの中間取りまとめに沿って、どのような対応をしていくか話し合いをしているところでございます。会長が様々に考え、私たちも意見を申し上げております。そういう中で、やはりしっかりと話し合いをして、何らかの方向性を出していきたいと。
 少なくとも今までの派閥はもう解消するというこの方針は党として決めているわけですから、その中で対応を考えていきたいと考えているわけです。
(問)今の質問と関連してなのですが。個別の話になりますが、昨日、小渕さんが派閥を退会される意向を表明されました。また、青木さんも退会する方針を示されていますが、そのことについて、事務総長として、また、一緒にやってきた仲間としてどのように受け止めていらっしゃるか、お願いいたします。
(答)小渕選対委員長の件につきましては、私もご連絡を頂きました。そして、やはり今、この党の一員として、また選対委員長という役職にあって、自分はそういった決断をしたということはご本人の決断ですから重く受け止めなければならないと思います。
 これまでずっと長年一緒に活動してきた方ですから、その意味で残念な気持ちもありますが、派閥から退会されるとおっしゃいましたが、派閥自体がもう解消するのですから、そこはまた政策活動をしていく上においては、やはり今までの連携というのは、人間関係も含めてきちんとやっていけるのではないかなと思っています。
(問)関連なのですが、小渕さんは退会の理由について、自民党の政治改革大綱に記された役員の派閥離脱を重く受け止めて、自身の政治姿勢を示すと説明されました。これに関して、役員や閣僚の派閥離脱というのは今回の中間取りまとめには入りませんでしたが、大臣御自身は、大臣の任にある間の派閥の離脱について、御自身の御対応についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)まず第一に、いわゆる派閥活動は解消されるわけですから、もともとの派閥にいる間はという、その派閥が解消されるのです。そういったことがまず大前提に、これからの考え方としてはそれがあるというのが一つです。
 それから、もとより、私が閣僚に就任して以来、閣僚の職務を最優先で行っています。その職務を優先する前提において、実質的な政策集団、派閥に関する活動というのはほとんど行っていないわけです。それは、これまで私たちのグループの中でも役員に就いている方が閣僚になられているわけでありまして、そのときも、その方たちは実質的な職務は閣僚の仕事を最優先でやるものですから、役職は残っているけれども、でもその仕事はなかなかできないので、もうそれはお互いが助け合ってやっていく、そういう仕組みに今までもなってきているのです。
 形として、離脱ではなくて、今回は刷新本部の取りまとめにおいて解消するということの方針が出たのですから、その中で私の、そもそも実質的には閣僚としての仕事しかしていない、それから、これまでの派閥という存在がもう解消した以上、そのことについては整合性は取れているのではないかと考えているわけです。
(問)一つ確認なのですが、実質的に派閥は今回の取りまとめをもって解消するということですが、政治団体としての届出を取り消すかどうかは派閥の判断になると思いますが、平成研はどのように。
(答)それは、皆さんで、仲間とこれから相談していくことになるのですが、政治団体は、これはその目的に沿って集まった方たちが政治資金を、活動費をどのように経理したかを明らかにするのが政治団体ですから、会議室を借りたり、お弁当を取ったりする、そのことも政治団体の活動としてきちんとそれを経理しているということを明らかにしているものなのです。
 ですから、もう派閥が、パーティーもやらないし、資金も議員に対するものを配賦しないという時点で、これは、どちらにしても政治団体がないと無届、もしくは任意に仲間で政策活動することになります。
 ですから、私はそこはきちんと分けて、政治団体はどのように取り扱っていくかはそれぞれの政治団体において問題が違うと思います。ですから、それぞれの皆さんがご判断されていることで、私たちの政治団体である平成研究会がどのような形を取るかは今、皆と相談しながらしかるべき形が、結論が出せるのではないかと考えています。

(以上)