新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年1月25日

(令和6年1月25日(木) 18:41~18:47  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の概要を報告いたします。
 今月は「景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している」と、先月の判断を維持しております。
 これは、我が国経済は緩やかな回復基調にあり、企業の業況や収益の改善が続いている一方で、こうした企業の好調さが、賃金や投資に必ずしも回っておらず、消費や投資といった内需が力強さを欠いた状況であるということを受けたものであります。
 先行きにつきましては、令和6年能登半島地震の影響について、今月は追記いたしました。
 今回の震災が被災地域を中心に経済に与える影響について、十分留意する必要があります。
 加えて、私から閣僚会議で説明した内容のうちの、令和6年能登半島地震の影響について申し上げます。
 今回の地震による被害が大きかった石川県に立地している半導体メーカー等の工場の大部分は、生産再開、または具体的な再開のめどが立っていますが、一部は再開に時間を要する模様でございます。
 また、今回の地震によって、住宅や、企業の設備、社会インフラなどのストックがどの程度毀損したかについて、暫定的な試算を行ったところ、石川・富山・新潟の3県合計で約1.1兆円から2.6兆円のストックが毀損した可能性があります。
 こうしたストックの毀損に加え、今回の地震では、停電や断水が広範に発生したこともあり、生産や観光などへの影響に留意が必要です。
 引き続き、今回の地震が経済に及ぼす影響を注視してまいります。
 この他、会議の詳細につきましては、後ほど事務方からの説明がございます。私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)本日の月例経済報告では、先ほど大臣からご紹介いただきましたとおり、能登半島地震について、「経済に与える影響に十分留意する必要がある」と表現されました。
 この地域はご紹介いただいたとおり観光業も盛んなほか、半導体ですとか電子部品等のサプライチェーンの一角を担っている地域でもありまして、いまだ生産停止が続いているところもあると伺っております。
 大臣として、今回の地震が今後の同地域ですとか、また日本経済全体に与える影響やリスク等についてどう考えていらっしゃるのか、改めて教えてください。
(答)まず、今回の地震で被害に遭われ、また命を落とした方もいらっしゃるわけで、しかも、この寒空の下でいまだに苦しい厳しい状況が続いていることに胸を痛めているわけであります。お悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、まずは経済をきちんと、日本全体の経済を立て直す中で、被災地の支援に向けてもそうした力を割けるように、我々は更にやらなくてはいけないと思うわけであります。
 そして、今回の地震では、何よりも今後長期にわたって影響が出る道路や住宅、港湾施設の損壊が著しいということでございます。
 旅館やホテルなどの今後の休業だとか観光の影響というのは十分に考えられるわけでございますし、半導体メーカーの工場が数多く立地しているところでは、大部分の工場では生産の再開や具体的な生産再開のめどが立っているということもございますが、一部の工場での生産再開に時間を要する模様があると。さらには、関連の中小企業を考えると、やはりこれはかなり甚大な被害、今後の影響も出てくるだろうと思っております。
 そういった状況を踏まえて、先行きリスクとして、「令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある」と記したところでございます。
 まずは被害状況の把握、そして、何をどのように立て直していくか、これは今、全政府を挙げて、また地元の皆さんが必死で復旧、復興をしながら、また次の対策を考えることになると思いますし、我々とすれば、本日決定いたしました「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」に基づいて、被災者の生活、そして生業の再建をはじめとして、被災地の復旧、復興に至るまでの支援をしていく。また予備費なども活用して、切れ目なく対処していきたいと考えているわけです。
(問)ちょっと今の月例と変わってしまうんですけれども、本日、政府の税制調査会のほうで、日本総研の理事長の翁百合さんが会長に選出されました。多岐にわたってご活躍されている方ですけれども、その受け止めと、現下の諸問題からしてどういったことを期待されるかというご所感をお願いします。
(答)翁会長はご案内のように、経済政策に関する幅広い知識、そしてまた豊かな経験をお持ちの方でございます。会長の深い見識のもとで、今後、税制調査会をリードしていただけるのではないかと期待しております。
 毎年度の税制改正については党の税調のほうが主に行いますが、政府税調は中長期な観点に基づいた様々なご検討をいただくわけでございます。
 何よりもデフレからの完全脱却、経済の新たなステージへの移行を実現する、そのもとで一体どういう経済をつくっていくべきか。そして、税制というのは経済活動に大きな影響を与えます。また、国民生活に対しても大きな影響が出てくるわけです。
 少子高齢化、グローバル化、デジタル化、新たな設備投資、イノベーション、スタートアップ等、こうした様々な経済社会の構造変化に対応し、経済の推進エンジンに活力を与えるような、そして後押ししていただけるような、そういう税制のご検討がなされるのではないかと考えております。

(以上)