新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年11月14日

(令和5年11月14日(火) 9:02~9:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日は私のほうからご報告がございます。11月15日にサンフランシスコで開催されるCPTPP閣僚会合に出席するため、本日から17日金曜日の早朝までアメリカ合衆国に出張いたします。
 今回の会合は、新たに加入が決まった英国を含め、参加国の閣僚が一堂に会し、閣僚間で率直な議論を行う重要な会議でございます。
 先進的で野心的な貿易システムの成功例であり、また経済的な利益を越え、世界の平和と繁栄にも貢献するCPTPPの中で、私たち日本はこれまでも強いリーダーシップを発揮してまいりました。
 5月に開催された会合では、残念ながら大臣が出席できず、各国から残念だという失望の声も上がったと聞いております。
 今回の会合におきましては私が出席いたしまして、各国の閣僚と二国間関係を深めるとともに、新規加入や協定の一般的な見直し等の議論において、各国と協力しながら積極的に貢献していく姿勢を示していきたいと考えております。
 また、この機会を活用いたしまして、二国間会談、各国の閣僚と精力的に開催し関係を深めていきたいと思います。
 詳細については事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)大臣が司令塔になって取りまとめられました、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の財源の裏付けとなる、2023年度補正予算案が10日に閣議決定されました。日本経済はコロナから脱して回復に向かっているものの、今回の補正予算の歳入のおおよそ約7割を追加の国債の発行で賄うなど、日本の財政事情というのは決してよい状況ではありません。
 この経済対策を取りまとめられました大臣として、一般会計歳出総額13兆1,992億円という補正予算の規模感について、お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
(答)今回の総合経済対策は、まず物価高から国民生活を守り抜く、そして持続的賃上げを実現するための生産性向上、供給力強化を通じて日本の経済を新しい強いステージに移行させていく、そのためのきっかけであり、スタートダッシュにしたい。このような考えで、それを実現するために必要な施策を積み上げた結果であると思っております。
 経済対策は、ご指摘のようなことについて、その時々の日本経済の状況や、取り巻く環境に応じた必要な対策を講じてきているわけであります。
 例えば第2次の安倍内閣発足後の最初の経済対策は、三本の矢を一体的に推進し、落ち込んだ経済を立て直すためのものでした。それは約8兆円の予算を組んだわけであります。
 それから、消費税を5%から8%に引上げた際、この駆け込み需要の反動減を緩和している景気の下振れリスクに対応するといったことで、そのときには必要な対策を打ちました。また、コロナの直前の対策につきましては、米中の貿易摩擦に伴う海外経済の下振れリスクに対応されたということで、それぞれ、そのときの状況を踏まえながら適切な検討の結果としての積み上げがあったということでございます。
 今回は、これまでのコロナ前、そしてコロナ中のものとはまた違って、この30年間、結果的に続けざるを得なかったコストカット型の経済から脱却する、こういう、今、千載一遇のチャンスをつかみ取るための、国民生活を物価高から守ることを最初にして、その上で更に様々な課題に取り組んで、そして先の展望をつくっていこうという試みだと承知しております。
 なんといいましても、究極のところ私たちの目指すべきは潜在成長率の向上です。この引上げのための国内投資の拡大は、供給力強化、そしてフロンティアとか新しいデジタル技術の社会実装を通じて未来への投資を強化するといったことを中身に入れさせていただきました。
 かつ、私は何度も申し上げているのですが、2013年以降の経済対策において、最も多い規制・制度改革、これを36項目盛り込んでいます。更には、税制においても6項目新たにまた創設したり拡充したりする。そういったものを盛り込んで、予算措置プラスアルファで様々なものの効果が出るような仕掛けがあちらこちらにちりばめられていると思っております。
 そして、何よりも財政を健全に運営していくことが基本であります。そのためには、大前提として安定した経済成長が必要だと。こういう中で、民需主導の安定した経済成長軌道に乗せていく中で、財政健全化と経済成長の両立を図ってまいりたいと考えているわけであります。
(問)先ほど、冒頭でもお話しいただきましたが、サンフランシスコでの閣僚会合ですが、どのような議論ですとか、目的ですとか、もう少しお話しいただけることがございましたらお願いいたします。
(答)冒頭申し上げましたが、今回の会合の大きなテーマ、CPTPPの今後については2つございます。新規加入をどうしていくかを加盟国間で議論する。もう一つは、協定の一般的な見直しについてどのような方向性を持つか。こういった議論をすることが予定されています。
 そして、日本は、そもそも米国がTPPから離脱するといって混乱したときに、いち早くCPTPPとしてこれをみんなでまとめていこうと、こういうことを推進し、イニシアチブを取らせていただきました。また、イギリスがEUから離脱したその直後には、二国間の経済協定を結び、併せてCPTPPへの加入を働きかけた。そして、イギリスの加入のための作業部会の議長としてこれまでやってまいりました。
 そういう、私たちにすれば、CPTPPはハイスタンダードな非常に経済の連携協定なのです。併せて、やはり意思を共有して、そして経済の結びつきをする中で、安全と繁栄を高めていこうという意味において、私は世界に対してとても大きなメッセージを出しているという協定だと思っていますので、こういったことにつきまして、引き続き担当閣僚が参加して、この意思を明確にするとともに、更にこのCPTPPが密度を高めて、そしてよい協定になるような、そういうきっかけの一つとして今回の会合は捉えているということでございます。
(問)本日、経済・財政一体改革推進委員会の社会保障ワーキング・グループが開催されます。改革工程表について議題に挙がるようですが、工程表の検討状況と会議のほうに期待されることについて所感を伺います。
(答)経済・財政一体改革推進委員会、社会保障ワーキング・グループにおいて改革工程表、これまでのものを基に今、熱心な議論を行っています。そして、年末までに改革工程表2023を策定すべく議論しているところであります。
 本日のワーキングでは、まずは厚生労働省から給付と負担の見直しや医療介護サービスの提供体制など、これらに対する進捗状況のヒアアリングを行います。もう一つ、財務省から財政審の検討状況などのヒアリングを行うことにしております。
 まず年末に向けて改革工程表の改定を行う。そして、その中で経済・財政一体改革推進委員会と、更には経済財政諮問会議と連携させながらしっかりと議論をしていきたいと、また、よい結論を出していきたいと考えているわけです。

(以上)