新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年10月25日

(令和5年10月25日(水) 19:48~19:53  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日は、まず第一の議題として、「供給サイドの強化の在り方」について議論を行いました。
 中小・小規模企業を中心として、足元で最大の課題である人手不足問題への対応が不可欠である。このため、採用強化などに加え、賃上げのためにも、省人化・省力化投資の抜本強化が必要であって、また、これに対応するリスキリング支援の強化も必要だというような議論を行いました。官民を挙げて省人化・省力化投資が進むような支援を図る。
 加えて、「70歳以上まで働き続けたい」と言われる方は、60代の4割以上に達しているという調査もございます。
 若い方もシニアの方も年齢にかかわらず、能力を発揮して働ける環境整備が重要であるということ。
 そして、ジョブ型雇用の導入等により、定年制度を廃止した企業も出てきております。その割合は中小企業のほうが高くなっております。
 人手不足の対応のためにも、経験あるシニアの就業者のリスキリングも含め、就業環境の整備に官民を挙げて努力するというようなことを今日は議論いたしました。
 また第二に、「コンテンツ産業の活性化」に向けての議論も行いました。
 日本発のコンテンツの海外売上げは、我が国の鉄鋼産業の輸出額よりも大きく、半導体産業の輸出額に迫る規模になっているわけであります。
 こうしたこのコンテンツは、特にキャラクターの世界ランキング上位の半数は日本発というような強みがございます。
 ゲーム、アニメといった日本の誇るべき分野や、映画・音楽・放送番組等の分野を含めて、クリエイターが働きやすい環境の整備に向けて、取引関係の是正や支援策の検討など、来春に向けて具体的アクションを起こしたい、取りまとめをしたいと考えております。
 総理からは、委員の皆様と私を含む関係大臣への協力要請がございました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)新しい資本主義の関連で、ジョブ型の推進について伺います。ジョブ型雇用が浸透している米国では、若手を企業がトレーニングするよりも即戦力の経験者を選ぶ傾向が強まりまして、例えばアメリカのようになりますと、日本でも若者にとって就職が高い壁となって雇用が不安定になるような、副作用が生じる懸念もあると思います。そうした副作用に対してはどのような対策が必要と考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)例えば、アメリカにおいてはAT&Tのような企業、アナログからデジタルへ、ハードからソフトへという環境変化に直面した中で、ジョブ型雇用とリ・スキリングを組み合わせた有名な改革といいますか変革を行ったということを承知しております。
 その結果、若い人でもスキルを身につけ、実力があればポストに就けるようになるということ。加えて、そういった会社の就業環境に魅力を感じる人が増えて、経験者採用を実施したということですよね。しかし、結果として8割以上は内部の若手がスキルを身につけることになってポストに就いたというような例も承知しております。
 ですから、今、ご懸念の副作用が出ないような、どなたにとっても働きやすく、そして、ジョブ型というのは自分の能力があればそれに応じて職に就けるという、これは企業内であっても、それから新たに外から入ってくる人も含めて、そういう雇用スタイルになるんではないかと考えております。
 今、我が国の企業において産業界でよくいわれていることは、年功制度、しかも最近は役職定年の一律化という問題も出てきていると思います。こういったことで、要するに職場の硬直性が高いということで、日本企業に魅力を感じなくなっている人もいらっしゃるという話があります。
 こういった日本企業の空洞化を避けなくてはいけないという意味においても、リ・スキリングとジョブ型を組み合わせして、そして皆さんがチャンスを得て、また満足できる働き方ができるような制度にしていきたいと考えています。

(以上)