新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年9月22日

(令和5年9月22日(金) 11:02~11:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

(冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)先般、自民党の世耕参院幹事長が、経済対策について15~20兆円規模の対策が必要だとの考えを示されましたが、政府としてのお受け止めなどあれば教えてください。
(答)何よりも私たちの日本経済は30年近くデフレマインドが支配的だった中で、力強く新たなステージへ移っていく、そういう様々な動き、変化、こういったものをつくりたいと思っておりますし、そういった兆しが見えてきていると思っています。
 このような変化を加速し、日本経済の力としていくために、労働市場や内外の投資環境の変革を推進するとともに、構造的な賃上げや官民による投資拡大に重点をおいた大胆な内容の経済対策をスピーディーに実施していくことが必要だと思っています。
 この新たな経済対策におきましては、まずは物価高から国民生活を守る。それから物価高に負けない構造的な賃上げと投資拡大の流れを強化する。そしてデジタル技術や制度・規制改革も活用し、人手不足の課題に対応し、人口減少を乗り越えるための社会変革を起動する。更には、災害対策を含めて国民の安心・安全を確保するという考え方に立って施策を取りまとめることになると思います。
 現状ではGDPギャップが解消に向かっているということではありますが、我が国全体の供給力は伸び悩んでいる、そして構造的な賃上げの環境整備と供給力強化につながる投資拡大への支援が重要と、様々なこういう要素があって、道筋をこれからつくろうというところでございます。
 これらの経済対策の考え方・趣旨にふさわしい効果的な施策をしっかり盛り込むことが重要だと。そして、その施策を取りまとめた段階で、規模というのは結果として形ができてくると思いますので、今、これは正に作業を準備しているところでございますし、来週前半には総理から経済対策の柱立ての指示があると私は思っています。
 そして、10月中を目途に取りまとめを目指すことになると思いますので、30年ぶりに今、前向きの変化が見えていると、こういうその変化を加速して日本経済を新しいステージに上げるために、思い切った経済対策の取りまとめに取り組んでまいりたいと考えています。
 
(問)今朝、総務省のほうで8月のCPIのほうの公表がありまして、生鮮食品を除く総合指数は前月比プラス3.1で横ばいで高止まりしておりますが、消費者物価についての御所見をお願いできればと思います。
(答)8月の消費物価指数は、総合で前年同月比プラス3.2%ということを承知しております。この要因を見ると、激変緩和対策による補助やこれまでの資源価格の落ち着きを背景に、電気・ガス代が下落している一方で、足下の原油価格の上昇によって、ガソリンなどの石油製品の価格が上昇していると。また、食料については、やはり高い伸びが続いているということで物価高が国民生活に引き続き大きな影響を与えていると認識しています。
 その上で、ただ今申しましたが、これから取りまとめる経済対策において、何よりも物価高から国民生活を守る、そして物価高に負けない構造的な賃上げとそれを促すための投資拡大。この流れを強化したいと思っておりますし、デジタル技術や制度・規制改革も活用して、人手不足、こういう課題に対応し、人口減少を乗り越えるための社会変革を起動させていきたい。加えて、災害対策を含めた国民の安心・安全を確保するという大きな方針の下に、しっかりとした対策を打ちたいと考えています。
(問)今の質問に関連するんですが、消費者物価の高止まりも反映して実質賃金がマイナスになっているという状況がかなり長引いています。ボーナス月でもマイナスになりましたし、経済対策を検討する上でも、実質賃金の厳しさというのは一つ論点になってくるんだろうと思います。この実質賃金の状況に対する受け止めと、経済対策、特に大臣は先ほど来、賃金のことを強調しておっしゃっていますが、とりわけ賃金のところにどういった対策を打っていくお考えがあるか、そうしたことを教えてください。
(答)名目一人当たり賃金は、前年比で増加が続いている一方で、食料品を中心に消費者物価が名目賃金を上回るペースで上昇している。それによって実質一人当たり賃金は前年比で減少している。ご指摘のとおりです。やはり、そこは厳しい状況は認識しなければいけないと思います。
 そうした中で、今、GDPギャップ解消に向かっている。そして、これは2023年4-6月期には、小幅でございますがプラスに転じました。この2023年4-6月期の実質GDPの成長率は、外需の高い伸びといったものが要因だと分析しております。一方で、物価高の影響があって、個人消費は2022年7-9月期以来、3四半期ぶりに減少するなど、内需はいまだ不安定ということが言えるわけであります。
 今後、金融引締めに伴う欧米における経済の動向、それから中国経済の先行き懸念、こういったものを考えると、海外景気の下振れリスクというものも十分注意していかなければならないと。
 こういう中で、先ほどから申し上げているような、物価高から国民を守るための物価高対策、そして来年度以降の賃上げの流れを拡大していくための環境整備。そして、それには、賃上げを持続的、継続的なものにするには、構造的な賃上げを実現するとともに、供給力強化のための投資拡大の流れを力強いものにするものが重要だと考えておりますし、それも含めて、やはりデジタル技術とか新しい技術、それから制度、更には規制改革を活用して社会変革を起動していく。新しい資本主義の根本でもありますが、そういう中で国民の安心・安全を確保していく。こういう総合的なものによって、将来の経済の見通しが見える中で構造的な賃上げというものは、やはり力強いものになってくるのではないかと思っているわけであります。
 したがって、そうした観点も含めた経済対策にしっかり取り組めるように、まずは目前の対策に取り組んでいきたいと考えているわけです。

(以上)