新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年9月19日

(令和5年9月19日(火) 11:30~11:47  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

(冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)現在、コロナの感染が拡大しておりますが、担当大臣としてどのような対策を講じる必要があるとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
(答)新型コロナの発生動向につきましては、全国の定点医療機関から報告される1週間ごとの新規患者数を見ますと、お盆期間以降緩やかな増加傾向にあったが、直近の9月4日からの1週間は前週比で0.98ということで、横ばい状態というのが見えることになっています。ただ、いずれにしても患者の数が多いことに変わりありませんから、きちんと今後もより注視していかなければいけないと思います。
 今までは春夏のワクチン接種期間ということで、これは65歳以上の高齢者の方と、それから基礎疾患のある方に接種するということでございました。9月20日からは、希望する全ての方々にワクチンを接種できるという形で、来年3月までですが、冬に備えてワクチンの接種のほうも充実させていきたいと考えているわけであります。
(問)私から少子化対策の関係で1つお伺いします。週末の報道番組の際に、武見厚労大臣が、少子化対策の財源として税収増に目を付けておられる旨の発言をされました。「税収が増えていることが一つの救いだ」という御発言だったと記憶しております。
 一方で、財源に関しては大臣が先週おっしゃっているように、歳出改革ですとかそういったことをまずやっていくんだということをおしゃっています。この税収増を活用するということ、特に3か年のプランに対して税収増を活用するということに対しての大臣のお考えを聞かせてください。
(答)武見大臣がおっしゃったことは、私は目の前におりましたから、そうではなくて、子育て、少子化対策につきましては、こども未来戦略方針に基づく加速化プランで申し上げておりますように歳出改革の徹底、それから公費の節減の効果、そして社会保険の負担軽減効果、こういったものを活用することと、既存予算の執行状況をチェックしながら、まだ有効活用できることがあると、そういう様々な工夫をしますよということ。そして、その中から経済成長の取組をしっかり行うことによって経済の足腰を強くすると。そうした安定財源を図っていくんだと。更には、新たな枠組みである支援金制度、こういったものも年末に向けて今、検討中でありますが、そうしたことをやっていくということで、この方針に変わりはございません。
 税収が増えているからそれを当てにということではなくて、それは結局、基礎的な経済成長を行うと。ここの部分においていい兆しが見えているということをおっしゃったのであって、武見大臣が新たに財源策として考え方を示したものとは、私は受け止めておりません。
(問)経済対策に関連して一つ、物価高対策について伺います。物価高対策をめぐっては、影響を強く受ける低所得者世帯などに重点を絞って、きめ細かく支援すべきとの意見もあります。対策の対象であったり範囲について、大臣のお考えを伺えますでしょうか。
(答)これまでの我が国における物価高は食料品やエネルギー価格に象徴されたコストプッシュの物価高ということでございました。しかし、ヨーロッパのほうはそうではなくて、全体的なインフレに基づく物価高が発生しておりました。
 我が国においても、そういった気配は多少見えてきているわけですから、そういった中で、まずはご指摘のように低所得者世帯の家計への影響は大きいことでありますので、まずはエネルギーですとか、こういう価格の上昇を抑制し、そして低所得者世帯への給付金、こういったことで生活の下支えをしている。これは基本でございます。
 今回、まずは既に、我々とすれば本来9月で打ち止めということになっておりました燃料油価格の激変緩和事業は継続させることになります。電気・ガス料金の負担の軽減策も9月末以降も継続することとしました。ドイツやフランスではこうした事業は既に年明けぐらいで、もう終了してしまっております。
 ですから、我々とすれば、そうした家計への影響の厳しい、また家計の中で必ず使わざるを得ない、こういったものについての支援をきちんとやっていくことで、特に低所得者層への皆さんへの支援というものは継続していきたいと思うのです。
 これに加えて、やはりなんといいましても物価高への最大の処方箋は、物価高に負けない賃金上昇、これを安定的に実現させること。これが重要だと思うわけであります。
 これも良い兆しとしては、今年の春闘は30年ぶりの高い水準で答えが出てまいりました。それから、長年の課題でありました最低賃金も、これを1,000円超えにして、それがいよいよ10月から適用されることになります。
 そういった中で、所得環境の改善を継続的に、また構造的に実現できるような、そういうことを工夫していきたいと思っております。
(問)同じく日曜日の報道番組で、大臣の御発言として政策の連携について言及がございました。例えば新しい資本主義とかって、いろいろな政策が交ざっていて、私のほうも取材で分かりにくいところが大変多くて困ることも多いのですが、「実務的に、現実的に連携させられるかどうかが大事である」というふうにおっしゃっていました。
 新しい資本主義などは看板政策ではあるのですが、調整力に長けていらっしゃるということで総理からも御発言がありましたが、この辺の持ち味を生かして、どう実務的、現実的に連携させていくか。この辺、何かお考えがあれば教えていただけますか
(答)個別の事業については、これは今、積み上げを行っているところですから、そこのとこは避けますが、各省でいろいろな仕事をしているわけです。スタートアップは私が担当大臣ですが、では私の担当大臣のところでスタートアップだけの育成ができるかといえば、あらゆる分野で新しい仕事をつくりましょうということの中からスタートアップを求めたいではないですか。
 そのときに、例えば電子を使った、デジタルトランスフォーメーションを活用することで、負担の軽減をしながら利便性を上げてやる仕事、それは幾つもの役所でそういう仕事は成り立つわけです。自動運転にしても、キャッシュレスにしても、それから自動農業ですとか様々なことがあって、それは別々のところが所管しているわけです。
 新しい資本主義で社会的課題を解決するためには、やはり地方の過疎地であっても、きちんと生活サービスが提供できるような仕事をやりましょうと。でも、それはデジタル田園都市国家構想においては、電子基板を用いて、いる人たちでうまく動かしていける、そういったこともやっていきます。
 それから、保育士にしても、様々な事業についても、規制緩和を行うことで、その地域の社会的課題を解決しながら新しいことができる。そのツールとして電子、DXを使うというふうに。もう既に私ども政府の中でもいろいろなことが進んでいますから、これを更に有機的連携ができないかと。結果的に連携したのではなくて、おのずと連携する前提で、てこ入れしていく。どの分野がそれによって効果が上げられるか。これを私は是非追求していきたいという意味において申し上げております。
 私は大臣の就任式のときも申しましたが、少なくとも内閣府の担当大臣が連携するだけですごいことができるし、その他の各省庁の施策も連携できればということで、心がけていきたいと思っています。
(問)経済対策と、あと財政に関して1点伺いたいです。6月に閣議決定されました「骨太方針2023」のほうでは、新型コロナ禍の状況からの歳出構造を平時に戻していく、必要以上にこういった緊急時の措置を長続きさせないというような記載がされました。今回も、燃油対策ですとか、電気対策ですとか、結構お金がかかる対策が予測されると思うのですが、この骨太に書き込まれました財政健全化に向けた表現、これをどう実現しながら取り組まれて編成されていくのか、お考えを教えてください。
(答)まず、コロナの感染が急激に蔓延して、社会的な活動が極端に制限された、そういう緊急の事態に対して必要な対策は躊躇なく打ってきたと思います。
 しかし、コロナが5類になり、患者さんはいまだに多くいますが、でも一定の落ち着きとともにこの対処も見えてきた。そういう中で、やはり国の運営全体を正常化に戻していく、この工夫が必要であって。そういうことを目指しつつ、当面の課題、まずは足下の課題を解決して、そして新しい経済をつくって経済を底上げし、成長戦略をつくり、そうした暁には従来の負担と給付の問題は正常化していくという道筋をうたったものであって、急にあの一文を入れたからといって、特別にどこかの部分を何かをするということではなくて、あくまで現状に応じて必要なものはやっていきたいと思っています。
(問)そうすると、必要性というか、コロナのような危機があれば、あるたびに躊躇なく結構大規模な予算を打っていくということなのかなと思えてしまったのですが、そういうことなのですか。
(答)それはもう少し詳しく説明してもらえますか。
(問)例えばコロナのような大きな事態が起こるたびに、際限なく予算を投じていくということにも伺えてしまうのですが、そういう方針でよろしいでしょうか。
(答)今後どのようにするかは、それはそのときの状況で適切に判断しなければなりません。ただ、少なくともコロナが蔓延して、しかもそれはなぜそういった対策が必要だったかというと、病気の正体が分からずに、対策をどのようにしていいか分からない。その中で、やはりできることをまずやらなければならなかった。それが3年、4年たって、ある程度どう対策すればいいか、どういう薬が有効かといったことも見えてきました。
 そして、それを受けて、例えばコロナでいえば5類にすることによって、様々なその他の疾病と同じように、やはりそういった負担の割合というのは正常化にしつつあるわけです。
 そういったことを申し上げているのであって、今後どうするか、それはそのときの状況によって判断しなければならないと思います。骨太に一文書き込んだのは、常にそういったことは基本として念頭に置きながら、まずは当面の課題を克服して、その上で成長を維持して、そこから財政の健全化も図っていこうと、この順番に変わりはないということを申し上げているわけです。
(問)話が戻って恐縮ですけれども、物価高対策のガソリンの価格に関してです。ガソリンの補助金に関して、先日の報道番組や今の発言でもあったように、今後も支援をきちんとやっていくというお話がありました。今、年末まで補助金の延長が決まっていますが、年明け以降、補助金をどうしていくかというところで検討されている状況などがございましたら、教えていただければと思います。
(答)現状は9月いっぱいで終了のものを、現行の状況に応じて、要するに10月中にはリッター175円程度の水準をということで目標を立てました。その状況を見ながら、世界経済の動向を踏まえて、これはその後についてはその状況を見て適切に判断していきたいと考えています。
(問)先ほどの低所得者に向けた対策のところで、特に低所得者向けの給付金というのがこれまで出されてきたかと思うのですが、今般の経済対策においてどのように扱っていかれるかというか、そういったことをまた続けていかれるか、大臣の現状のお考えをお聞かせください。
(答)そこは、今、対策を打ち出すために検討しているところですから、まだつまびらかにする状態ではないと思いますが、現状を見ながら最適な状態をつくっていきたいと思っていることには変わりありません。
 経済対策は物価高から国民生活を守り抜く、そして構造的な賃上げと投資拡大の流れを加速化させる。更に、人口減少を乗り越えるための社会変革、イノベーションだとか、スタートアップ、こういったものを起動させる。更には国民の安心・安全をと。こういう大きな4つのポイントをつくっています。その中で、今のご指摘のことも含めて総合的な対策を打っていきたいと考えます。

(以上)