松村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年8月27日
(令和6年8月27日(火) 10:42~10:55 於:中央合同庁舎8号館5階共用会議室B)
1.発言要旨
私からは冒頭2点申し上げたいと思います。
1点目、台風10号についてであります。
強い台風10号は、明日、8月28日(水)にかけまして、奄美地方に非常に強い勢力でかなり接近し、その後、進路を北に変えて29日(木)以降、西日本に接近するおそれがあります。
西日本では、九州南部・奄美地方を中心に猛烈な風が吹くところがあり、海はうねりを伴い猛烈なしけとなるところがあります。
また、奄美地方、西日本から東日本の太平洋側を中心に、29日(木)頃にかけて、雷を伴った大雨となるところがあります。特に東海地方では、本日午前中は線状降水帯が発生をいたしまして、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。また、台風の動きが遅いため、総雨量が多くなるおそれがあります。
防風や高波、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。また、高潮にも注意・警戒してください。
国民の皆様におかれましては、最新の気象情報や交通情報に十分に御注意をいただくとともに、地方自治体からの避難情報にも注意をしていただき、早めの安全確保をお願いをいたしたいと考えております。
台風が接近した場合には、不要不急の外出を控えるとともに、河川や用水路、土砂崩れのおそれのある斜面、海岸等には絶対に近づかないようにお願いをいたします。
続いて2点目でありますが、8月30日(金)から9月5日(木)までは「防災週間」とされており、全国各地で訓練や防災イベントが実施されます。
政府においては、9月1日(日)の「防災の日」に総合防災訓練を行います。
この訓練では、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を想定をいたしまして、全閣僚参加の下、官邸と北海道釧路市及び根室市との間でテレビ会議など、緊急災害対策本部の運営訓練を実施する予定であります。
その後、総理には、東京都で実施される九都県市合同防災訓練の現地会場にも御視察いただく予定であります。
私たちの努力によって、災害による被害を減らすことは可能です。そのためには日頃から正しい知識を学び、訓練などを通じて災害に実践的に備えることが重要であると考えております。
特に本年は、1月1日(月)に能登半島地震が発生をいたしまして、8月には南海トラフ臨時情報を発出したところでもあります。
国民の皆様にも、この機会に是非、それぞれの立場で、それぞれの地域で、防災について考えていただき、防災に備えていただきたいと思っております。また、積極的に訓練や防災イベントに御参加いただきますようお願いを申し上げます。
私からは以上でございます。
2.質疑応答
- (問)昨日、8月26日(月)が今年から「火山防災の日」になりまして、世界の活火山の約1割が日本に集中しているという現状の危機意識の啓発活動ですとか備えについて、改めて大臣の御見解とともに、全国の火山周辺地域でも防災士資格を持っている郵便局長さんたちが地域防災のために奮闘しておりまして、御期待の言葉などをいただければと思います。
- (答)御指摘のとおり、昨日、「火山防災の日」制定記念イベントを都内で開催をさせていただきました。
本イベントは、国民の皆様に火山対策について関心と理解を深めていただくために、火山研究の現状や課題、また各地における火山防災対策の取組等について、登壇者の方々から御講演をいただいたところであります。
当日は、オンラインを含めまして多くの方々に御参加をいただき、火山について正しく知り、必要な備えを行っていただくよいきっかけになったと思っております。
災害の多い我が国におきましては、地域の防災力を高めることが極めて重要であると考えておりまして、そのためには、行政による公助と連携し、地域住民等による自助・共助の取組を進めていくことが極めて重要であると考えております。
御指摘の郵便局の皆様におかれましては、正に地域唯一の存在でございまして、地域の生活のインフラの一つとして住民にとって身近な存在であり、郵便局長の皆様方が率先して防災士資格を取得し、地域に根差した防災活動に取り組まれることは、地域の防災力向上において非常に重要であり、その献身的な活動に心から敬意を表する次第であります。
内閣府といたしましても地域の防災力向上に向けた取組を進めているところでございますので、地元の防災活動で、ますます御活躍いただけることは大変心強く思っておりますし、今後とも積極的に御参加いただけることを大いに期待をしているところでございます。 - (問)南海トラフ地震対策の件でお尋ねします。
8月8日(木)に南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」の発出がありまして、その後、イベントの中止や宿泊キャンセルなどの社会経済活動への影響もありました。
大臣は先日の会見で、これらを検証して、基本計画の見直しにも言及されたかと存じますが、何らかその調査のほうは進んでいますでしょうか。
また、この臨時情報の文言やメッセージ内容についても見直しを行うというお考えでしょうか、お願いします。 - (答)まず、8月8日(木)に発生いたしました日向灘の地震におきまして南海トラフ地震情報「巨大地震注意」が発表されたことに伴いまして、政府といたしましては、8月15日(木)までの1週間「特別な注意」を、御存じのとおり呼びかけたところでございます。
この臨時情報の発表には令和元年の運用開始以降初めてのことでありましたことから、国民の皆様には大変な御心配をお掛けいたしましたが、この間、大規模地震への備えに取り組んでいただいたこと、冷静な対応をいただいたことに、私からも感謝を申し上げたいと思っております。
今般の一連の対応や社会の反応等を振り返り、十分な対応が取られていたのか検証が必要と考えております。当日の会見でも申し上げました。
昨年度より南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループでの議論を進めているところでございますので、このワーキンググループにおきまして検討してまいりたいと考えております。 - (問)そうしますと、検討の内容には、今回の臨時情報「巨大地震注意」という形で出された文言やメッセージの内容、これも見直しの対象に含まれるのかどうかというのは、現時点でいかがでしょうか。
今回こういったキャンセルや自粛というのが相次いだわけですね。これについては、そもそも、政府としては想定していたものだったんでしょうか。これだけのキャンセルが起きるということは想定の範囲内であったのかどうかということについても、できればちょっと大臣の御認識を伺いたいと思います。 - (答)お答え申し上げます。検証につきましては、申し上げたとおり、発出の在り方であるとか情報の伝え方、不備がなかったか、こういったものはワーキンググループにおいて有識者の方々も踏まえまして検討していく必要があると思っておりますので、検討してまいります。
かつ、この南海トラフ地震臨時情報は、新たな大規模地震の発生の可能性が平常時に比べて相対的に高まったことから、政府として、通常の社会経済活動を継続した上で、日頃からの地震への備えの再確認や、すぐ逃げられる態勢での就寝などといった特別な注意を呼び掛けたものでございます。
これはあくまでも自然災害のリスクが高まったことをお知らせしたものであり、補償が必要となるものとは考えておりませんが、現在、自治体でありますとか、また事業者の方々にアンケートを実施するため準備中でございます。まだ取りまとめは行われておりません。
そういったしっかりと今回の発出によってどんな対応が起きたのか、また見直す点があるのか、こういったものを検証の上、活かしてまいりたいと考えております。 - (問)防災の日の当日の総合訓練についてお尋ねします。
直近ですと南海トラフとか首都直下地震の想定での訓練が多かったと思いますが、改めて今回、日本・千島海溝を想定しての訓練をされる意義を改めて教えていただきたいのと、南海トラフや首都直下と比較して意識するべき点などがあれば、是非お考えをお聞かせください。 - (答)今回の御指摘の点につきましては、初めてでございます。今日までは南海トラフであるとか首都直下、こういったものをイメージしたところでございますけれども、こうした中、昨年5月に日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震における具体的な応急対策活動に関する計画が決定をされました。被災道県への災害応急対策活動の具体的な内容がこの中で定められたところでございます。
このため、今年度は初めて日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を想定して訓練を実施することとしたところであります。
(以上)