松村防災担当大臣の令和6年能登半島地震に関する記者会見要旨 令和6年1月3日
(令和6年1月3日(水) 16:27~16:43 於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)
1.発言要旨
私からは1日から続いている地震に関する被害等につきまして、現在の状況を御報告いたします。まず人的被害については、自治体の情報によると、死者62名、重傷者28名、軽傷者203名などと報告を受けております。引き続き、関係省庁において被害情報の確認を行っているところです。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げたいと思います。また、浸水や多数の家屋倒壊等の被害が確認されておりますので、引き続き、被害の全容把握に向け、全力を挙げて情報収集に努めてまいります。
避難の状況については、本日13時時点で、3県で377箇所の避難所が開設され、32,680名が避難をされているところであります。ライフラインについては、停電は、本日13時30分時点におきまして、石川県の約33,700戸で発生をしております。ガスは、石川県で700戸以上の供給支障が発生をしております。断水は、石川県など3県の115,635戸以上で発生をしております。通信障害は、石川県、新潟県で固定電話及び携帯電話のサービスに支障が出ているとの報告を受けています。次に交通機関については、高速道路は、1路線10区間で通行止めが発生をいたしております。能登空港では滑走路閉鎖中であるとの報告を受けています。引き続き、被害状況の把握を進め、自治体と緊密に連携を図りながら、警察・消防・自衛隊・海上保安庁を中心に救命・救助活動を最優先に、災害応急対策に全力で取り組んでまいります。
次に、プッシュ型物資輸送については、関係事業者の協力の下、パンや、毛布、トイレットペーパー、携帯トイレなどの生活関連物資が既に被災市町に到達しているところであります。引き続き、きめ細かく被災者の方々のニーズを把握し、随時適切なプッシュ型支援を行ってまいります。今回の地震により自宅を失われた方々、避難生活の長期化が予想される方々も多数おられます。できるだけ早く安心した生活が取り戻せるよう、被災地の皆様の声を伺いながら、しっかりと寄り添い、生活必需品等の確保を含め、必要が生じる事柄を先取りし、被災者の生活支援を、政府一丸となって進めてまいりたいと考えております。
また、ボランティア・NPOのコーディネーター団体が石川県に入り、県庁と連携して、被災地支援の専門ボランティアの活動体制の受け入れを構築中と連絡を受けております。今回の地震では多数の家屋が倒壊し、ライフラインの被害も生じておりますので、ボランティアの皆様による、きめ細かで息の長い支援が必要であると考えております。まずいち早く動き始めております、専門ボランティアの活動状況もございますけれども、これらの団体と行政との連携が円滑に行えるよう、全国地域における災害中間支援組織であるJVOAD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)が政府の非常災害現地対策本部とともに、県庁内に拠点を置いて、これら連携の調整の窓口、また調整に当たっていただいているところでございます。
また、政府においては、昨日より、栗生副長官をチーム長とする「令和6年能登半島地震 被災者生活・生業再建支援チーム」を随時開催しており、引き続き、被災者の状況を踏まえながら、政府の対応を検討してまいります。
国民の皆様におかれましては、地震発生から1週間程度、震度7程度の地震の発生に注意いただくとともに、揺れの強かった地域にお住まいの皆様には、自治体の避難情報のほか、テレビ・ラジオ・インターネットなどの情報にも注意しつつ行動をいただきたいと思っております。
また、被害状況などについての悪質な虚偽情報の流布は決して許されるものではありません。こうした行為は厳に慎んでいただくようよろしくお願いを申し上げます。
次に、国家公安委員会委員長として申し上げます。警察におきましては、各都府県警察からの広域緊急援助隊、警察航空隊、警備犬、ハンドラーも併せまして約800人体制で、本日は早朝から被害の大きい輪島市、珠洲市等において、被災者の救出・救助に全力を尽くしているところであります。その中では、珠洲市内において、神奈川県警察広域緊急援助隊が、倒壊家屋の生き埋めになっていた高齢男性を無事救出したとの報告を受けております。また、被災地では、避難生活が長くなっていること等を踏まえ、パトロールカー等による警戒・警ら活動を継続して行っているところであります。現地は本日午後から雨が降り続いておりますが、警察においては、引き続き、関係機関と連携し、まずは人命第一に、救出・救助活動等に取り組んでまいります。
私からは以上です。
2.質疑応答
- (問)本日開催された非常災害対策本部ですけれども、明日とかも開催されるとか、ご予定ありますでしょうか。
- (答)まだ連絡は来ておりませんが、当然のごとく、人命救助の時間が迫っておりますので、開催されるものだと思いますし、それに向けての万全の体制と情報収集対応、これに当たってまいりたいと考えております。
- (問)2点お尋ねいたします。まず、プッシュ型支援、先ほど発言にもありましたところについてお尋ねいたします。プッシュ型支援でどういった物資をお送りするか、輸送するかということについては、説明があったんですけれども、具体的にどれぐらいの量をどういった地域にお送りしているもしくはお送りする予定であるか、取りまとまってるものがあれば教えてください。
- (答)まず、プッシュ型支援につきましては、政府から昨日御報告をしたと思いますが、石川県金沢市にございます拠点の方に一旦お送りをしております。その上で、県の対策本部に仕分けをしていただいて、現地に、輪島市であればまだ道路が通れない状態でございますので、空輸であったり、或いは珠洲市であれば、昨夜途中まで行きましたけれども、なかなか道路事情がよくありませんでしたので、朝から空輸に切り換えた形であるとか、そういった形で、現地への輸送をやっております。その上で、ニーズを踏まえながら、数字については随時でございますので、確かな数字は、後程事務方にもお尋ねいただきたいと思いますが、なかなか情報が錯綜しておりまして、例えばある市の市長さんからは水が届いていないというような、会議中の発言があったように聞いておりますけれども、その時点では、空輸がもう既に現着をしていたとか。それから、これは現場の状況、熊本地震の経験もでありますが、物は届くものの、おろす人、それから配送する人、ラストワンマイル、こういったもののマンパワーの不足等もございます。したがいまして、いろんな情報が錯綜すると思っておりますが、着実に確実に支援物資を届けて参りたいと思ってます。
- (問)もし、お話しいただけるならという範囲で結構なんですけども、金沢の広域物資拠点の方にですね、どういったものをどれぐらいお送りしてるかっていうことがあればいただきたいんですが、いかがでしょうか。
- (答)整理して、しっかりした数字を出しましょう。よろしいでしょうか。
- (問)はい。もう一点。御発言ありましたボランティア活動体制の構築というところについてお尋ねします。こちらについて内閣府防災として主導して何かをされてるという認識なんでしょうかちょっと聞き漏らしがあれば。
- (答)まず内閣府防災とすれば、今日までの災害の経験を踏まえまして、中間支援組織として申し上げました、JVOADと連携をさせていただいているところでございます。ボランティアの方々、それぞれに自己完結で被災地に行っていただきました。こういった横串を刺す形での連携が取れないかというのを、現在模索し、こういう体制を築いてきたところであります。例えば私の地元の熊本であれば、KVOADという形で、このJVOADと繋がっていただいて連携いただいた。そういった形で、現在自主的に、昨日には石川に入っておられまして、自ら県庁とコンタクトをとられ、県庁での受け入れ体制の相談に乗られていたようであります。そのことをしっかりと現場に派遣しております古賀副大臣・現地対策本部長とも連絡を取っていただきながら、どういう調整ができるか、どういったニーズがあるか、今構築をやっているところであります。
- (問)2点お伺いします。先ほど言及ありましたがSNSのデマの問題に関して、例えば救助行動に支障が出たと具体的な何か実害として確認されたケースがあるかどうかという点をまず一つお聞きしたいのと、2点目としては週末に雪や冷え込みが予報されておりますが、その点における対策や支援などで考えられていることや、提示されていること、あるいは被災者への呼びかけなどございましたらお願いいたします。
- (答)まず、虚偽の情報につきましては、手元に詳細な情報はございませんが、熊本地震でありましたような「動物園からライオンが出た」とか、そういった類のものが発生するやもしれないという意味では、啓発的なものもございますし、詳細については現在把握をしておりません。ただ110番の通報によって、そのことがちょっと違っていたというようなお話は少し、具体的な事例は申し上げられませんが、あったやに聞いております。まだ私も詳細の確認をしておりませんので、今のようなお答えでしかできません。それからもう一つは、寒い状況というのはよく理解をしております。したがいまして、まずは暖を取っていただき、できる限り温かい食事を届けるようにしたい、というふうにいろいろな工夫をしております。特に自衛隊がお持ちの食事の支度ができる炊事車等も、木原防衛大臣と協議をしながら、それを運ぶ道路であったり経路といったものを模索しつつ、準備中でございます。それから毛布でありますとか、いろいろな下着でありますとか、そういうニーズがございますので、適切に対応できるように進めているところであります。もちろん、暖房器具は当然のことでございます。加えて申し上げれば、体育館に避難されている方々には、床が冷とうございますので、段ボールベッドであるとか、段ボールベッドが行き届かなければ、逆にどういったものができるのか、そういった工夫をしておりますが、準備中であります。現在、珠洲市においても輪島市においても、どちらにどれだけの数の方々が避難をなさっているのか、現地の方でも、市役所自身もまだ把握ができていないような状況でございますので、こちらから積極的に情報を取りにまいりまして、どのような対応ができるのかと、継続して、人命最優先の中で準備をさせていただいております。
(以上)