自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年7月26日

(令和6年7月26日(金) 10:55~11:05  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 よろしくお願いいたします。まず冒頭1件、発言があります。
 消費者及び食品安全担当大臣として、令和6年7月23日(火)に、小林(こばやし)製薬から発表された事実検証委員会の調査報告書に関してコメントいたします。
 小林製薬の報告書につきまして、内容を確認させていただきましたところ、一般的な衛生管理に基づく基本的な製造の管理がなされていなかったということを改めて認識をいたしました。
 また、機能性表示食品の届出等に関するガイドラインにおいて、私どものガイドラインの中で、「万が一、健康被害が発生した際には、急速に発生が拡大するおそれが考えられる。そのため、入手した情報が不十分であったとしても速やかに報告することが適当である」旨、加えまして、「届出者は、評価の結果、届出食品による健康被害の発生及び拡大のおそれがある場合は、消費者庁食品表示課へ速やかに報告する」と規定しているところでございまして、「因果関係が明確に限る場合」としている場合ではございません。
 報告書の中では、消費者庁を含む行政機関への報告につきまして、「因果関係が明確な場合に限る」という解釈に基づき判断されたとされておりまして、こうした独自の判断のもとに健康被害情報を入手してから行政機関への報告までに、約2か月を要したことは、誠に遺憾でございます。
 さらに、報告書の中でもう1点、私どもの立場として、しっかりと申し上げたいことがございます。
 その中で、報告書におきましては、「国内品質保証監査グループの機能性表示食品の担当者は、3月21日(木)の夕方、消費者庁へ電話連絡を行い健康被害報告を行いたい旨申し入れ、同庁との日程調整の結果、面談は同月22日(金)に設定された。併せて、消費者庁からは、大阪市(おおさかし)保健所へ連絡するよう指示を受けた。」と、このような記載がございます。
 この記載に関しまして、事実とは異なってございます。消費者庁といたしましては、3月21日(木)同日中の面会を、大変しっかりと求めさせていただきましたが、小林製薬側から、御自分の会社の「準備があるため、3月22日(金)15時より早い時間で対応することは困難である。難しい。」という旨の回答であったことから、やむを得ず、翌日3月22日(金)の15時からのオンラインで面談をすることとなったものでございます。
 消費者庁といたしましては、「日程調整」をしたという認識は当然ございませんので、この記載自体、事実と異なると考えており、遺憾であります。
 この点については、小林製薬にも強く申し入れを既に行っております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問) 
 先ほどの冒頭発言に関連して、確かにガイドラインの中では、「速やかに」という記載があるということだったのですが、小林製薬のような解釈をする企業がいても不自然ではない記載、特に補足として何か啓発されていたような形跡もないということで、その点について、消費者庁としてどのようにお感じか、改めて責任などはないというお考えか、改めてお聞かせください。
(答)繰り返しになる部分は割愛して、お答えの重複を避けさせていただきますが、今回、小林製薬が独自の解釈に基づき判断したということは、冒頭に申し上げたように大変遺憾であります。
 当該届出ガイドラインにおきましては、今申し上げたように届出者が「評価」を経て報告をすることとなっているものの、健康被害の発生の未然防止及び拡大防止を図るというガイドラインの趣旨に鑑みますと、行政への報告が2か月を要したということは適切ではなかったと考えてございます。
 一方で、「評価の結果」とある趣旨が必ずしも明確ではない、また、健康被害の情報提供が食品表示基準における遵守事項となっていないなど、現行のガイドラインに改善すべきであった点ということも、認識をしてございます。
 このため、繰り返しになって恐縮でございますが、今までも幾度も述べさせていただいておりますが、5月31日(金)の関係閣僚会合でとりまとめた政府の対応方針を踏まえた機能性表示食品制度の見直しにおきまして、医師の診断を受け、当該症状が当該食品に起因する又はその疑いがあると診断された健康被害について、健康被害の発生又は拡大のおそれがある旨の情報を得た場合には、因果関係が不明であっても、速やかに、当該情報を都道府県知事等及び消費者庁長官に提供することを届出者の遵守事項とすることとしてございます。
 まずは当該仕組みを含めまして、今回改正する食品表示基準の早期の交付、そして施行を目指して手続きを進めてまいりたいと考えております。
(問)関連してお伺いさせていただきます。機能性表示食品のガイドラインについてなのですけれども、元々の当時の制度ですと、「症状、重篤度、因果関係の健康被害の評価を行った上で、届出食品による健康被害の発生及び拡大のおそれがあると判断した場合には、速やかに報告を行う」というふうになっております。
 2か月、この確知から、小林製薬は届出までに時間を要しているわけですが、この2か月間の間に、この評価、因果関係の健康被害だったり、重篤度、症状などを行っていた、というふうに考えることもできるのかなと思うのですが、このあたりはいかがでしょうか。
(答)繰り返しの部分は割愛をさせていただきます。食品衛生法自体をよく理解をしていただければ、こういった対応はなかったものだと考えてございます。
 また、調査報告書の中では、御指摘の「医師から腎疾患に関する症例報告があったにもかかわらず、消費者に対する注意喚起も行わなかった」旨、また「2022年に紅麹(べにこうじ)の培養タンクに青カビが付着していたこと」の旨などに加えまして、「健康食品の安全に対する意識が欠けていたこと」、「行政報告や回収決定が遅れたこと」、「有事における危機管理が遅れたこと」等の問題が指摘されていると承知をしてございます。
 今までも申し上げたとおりでありますが、一般的な衛生管理に基づく基本的な製造の管理がなされていなかったと理解してございます。食品の製造を行う企業として、食の安全と安心の確保といった基本的な知識、意識、ガバナンス、いずれも欠如していたと言わざるを得ません。
 小林製薬には、再発防止策を早急に策定していただき、企業としてのガバナンスの立て直し、倫理観に基づいた立て直しや、消費者を見た上での立て直しというものにしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。以上です。
(問)ありがとうございます。もう1点、すいません。詳細な部分なのですが、調査報告書を見ますと、医師から腎機能障害の報告が上がった際に、2件目だったにもかかわらず、1件目の報告が上がっていたということを隠したのか、そこが情報共有不足だったのかは分かりませんが、そういった報告が「上がっていない」というような回答を、小林製薬が医師に対してされたということも指摘をされております。
 このあたりについて、こういった対応されていたことについて、消費者担当大臣として、受け止めをお願いいたします。
(答)繰り返しになって、大変恐縮でありますけれども、私どものガイドラインにも書いてございますが、まず、もちろん食品としての食品衛生法を守っていただくというのは、当然でありますけれども、加えましての機能性表示食品という、それ以上のものを加えて販売していただいている時においても、これ同様に健康被害が発生した際、そしてまた、更に急速に発生が拡大するおそれがある場合には、その情報が不十分であったとしても、速やかに報告していただくことが適当であるというふうに書かせていただいております。
 細かな、あった、ないという話について、私はこの場で言及することは避けさせていただきますが、いずれにしても、一連の小林製薬の対応については、大変、大いに反省をしていただきたいと思っておりますし、今一度、消費者のほうを向いて、行政としても対応していただくように求めてまいりたいと思っております。

(以上)