自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年7月23日
(令和6年7月23日(火) 11:06~11:18 於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)
1.発言要旨
よろしくお願いいたします。冒頭2件、発言がございます。
まず1件目でございます。7月19日(金)から7月21日(日)にかけまして、韓国と香港(ホンコン)に出張してまいりました。
韓国におきましては、保健福祉部の長官及び韓国社会福祉協議会会長と食品ロス削減や食品寄附促進に関する意見交換を行いました。
続いて、社会福祉協議会が運営をしてございます生活困窮者への食品寄附活動を実施しているソウル市内の鍾路(ショウロ)フードマーケットを視察をさせていただきまして、食品寄附活性化法に基づいて政府主導で行われている食品寄附の現状について、多くの知見を得ることができました。
また、万博に関しましても、旅行業界の皆様と万博への集客に向けた広報等について有意義な意見交換を行うことができました。
また、香港におきましては、香港最大級のイベント第34回「香港ブックフェア」で博覧会協会が「万博」のブースを出展したところ、私も大阪・関西万博に向けた機運醸成のためにPR活動を行ってまいりました。
また、香港の旅行業関係者等との意見交換におきましては、今年は1月から6月までの上半期で、約130万人が香港から訪日をしているということでございまして、これは2019年の過去最高を記録した時の上半期と比べても、約プラス16%以上の数字でございまして、このままいけばでありますが、今年は過去最高に達する見込みという、大変うれしい説明も伺ったところでございます。
香港の皆様の万博への大変高い御関心や御期待についても直接伺うことができました。万博への来場者の増加に向けて繋げていきたいと思っております。
また、アイヌ施策担当大臣といたしまして、この第34回「香港ブックフェア」におきまして、「北海道ブース」におけますアイヌ文化の海外への発進の場も視察をさせていただきました。
バーチャルリアリティー(VR)の活用など、工夫が凝らされた展示は大変興味深く、アイヌ文化の国内外への発信を始め、今後のアイヌ施策の更なる促進に向けて、参考にしてまいりたいと思っております。
その他、各県のブースもございまして、しっかりと回らせていただきました。今回の出張で得られた知見等を、今後の施策の推進にしっかりと活かしてまいりたいと思います。
続きまして、2点目の発言でございます。
地方創生担当大臣といたしまして、地方大学・地域産業創生交付金事業の令和6年度第1回公募の採択結果を御報告いたします。
この事業は、首長のリーダーシップの下、地域の産学官が連携をし、地域における大学の振興と、これを通じた地域産業・雇用の創出などに取り組む地方公共団体を重点支援するものでございまして、これまで全国で12の取組を支援してきております。
この度、外部有識者で構成される評価委員会の審査結果を踏まえまして、静岡市(しずおかし)と静岡県からの共同提案1件を採択することといたしました。
本提案は、静岡市が中心となりまして、静岡県、また静岡理工科大学、静岡大学、地元企業等が連携をし、駿河(するが)湾・清水(しみず)港を活かした海洋研究・海洋産業の活性化を目指すものであります。
今後、内閣府におきまして、法律に基づく計画の認定等の手続きを行った上で、本交付金による支援を開始することになります。
難波(なんば)静岡市長のリーダーシップの下で、是非、本交付金を有効に活用していただき、地域の活性化や大学の魅力の向上を図っていただきたいと考えておりまして、内閣府としても、しっかりと伴走支援をしてまいりたいと考えております。
なお、本交付金につきましては、10月にも公募を行いますので、多くの地方公共団体に、本交付金の活用について御検討を是非いただきたいと思ってございます。
以上、2点でございます。
2.質疑応答
- (問)発表事項の地方大学・地域産業創生交付金事業について、お伺いいたします。地方創生や人口減対策という点においても、地方への若者の定着は非常に重要だと思いますけれども、若者の定着という点で、大臣として今回採択された事業について期待されていることがあればお聞かせください。
- (答)御指摘のとおり、若者の地方の定住・定着というものは、大変重要な観点であると思ってございまして、そういった意味において、地方大学・地域産業創生交付金も、魅力のある産業・雇用の創出や大学づくりを通じて、若者の地方定着を目指すものでございます。
今回、採択となりました静岡市・静岡県の取組には、駿河湾のデータを駆使したサクラエビの漁業支援のシステムや、それを基に新たな地域ブランドとしても期待される大型藻類(そうるい)養殖技術の確立、また静岡理工学大学を中心とした海洋DX(ディーエックス、Digital Transformation: デジタルトランスフォーメーション)に関する研究、そして研究体制の構築といった魅力的な内容が盛り込まれているところでもあり、雇用の促進も期待できるところであります。
地域の魅力向上と相まって、若者の地方の定着が促進されるよう、地域の産学官が一体となって、計画の実現に向けて取り組んでいただくことを大きく期待しているところであります。 - (問)話題変わって、対馬丸(つしままる)の海中再調査について、3点お聞きします。
まず1点目について、1997年に位置確認調査が実施されて、それから約30年近くたった今、再調査に踏み切る意義を教えてください。
2点目に、大臣は7月18日(木)の対馬丸記念館の要請で「対馬丸の現状を視覚的に捉えて遺族に披露できればいいと思う」とお話しされていますが、再調査で現場の映像や写真を撮影して披露することは、御遺族や関係者から要望があったことなのか教えてください。
最後に、遺族や記念館は、遺品の回収も強く求めていますが、今回の再調査は遺品回収の可能性についても調査するのか、また可能であれば回収までするのか教えてください。 - (答)お答えいたします。7月18日(木)に公益財団法人対馬丸記念会の髙良政勝(たからまさかつ)理事長等に、東京のわざわざ大臣室にお越しをいただきまして、お尋ねの映像や、あるいは写真の撮影も含めまして、令和7年度に対馬丸の水中等調査を実施すること等について、御要請をいただいたところであります。
御要望をいただきました水中等調査によりまして、対馬丸の現在の姿の撮影や遺品収集ができれば、対馬丸記念館の質を高めることにつながると考えております。
また去年、大臣に着任をさせていただいて、一番初めに大臣として沖縄訪問させていただいた際にも、対馬丸記念館を訪問させていただきましたけれども、その際にも髙良理事長をはじめとした皆様から大変な思い、胸の内をお伺いする中で、悪石島(あくせきじま)の砂を当時持ち帰って、御仏前に遺骨として置いているとか、あるいは、今でも一目でもいいから、どういう状況になっているのか、やはり遺族としては大変な思いがあって、そこは見たいと思うというような切実なお話も、当時もお伺いをしたところでございます。
そういった歴史をつないでくださってる皆様に対しましての思いというものは、大変重たく受け止める必要があると、当時から考えておりました。
今回、令和7年度の沖縄の振興予算につきましては、現在来月末の概算要求に向けまして、鋭意検討を進めているところでありますが、対馬丸事件の記憶を風化させることなく次世代に継承するということは、今、沖縄担当大臣をさせていただいております私の責務であると考えております。
そういった意味もございまして、今年の夏の「骨太方針」の中には「平和学習の充実」という言葉も書かせていただいたのも、その大きな意味があってのことだと受け止めていただければと思います。
今般の御要請をしっかりと賜りまして、国として必要な支援ができるように調整をしてまいりたいと思ってございます。 - (問)機能性表示食品の関係で伺います。新規成分の届出があった際に安全性などについて意見を聞く専門家会議を設けるという一部報道がありました。事実関係を教えてください。事実の場合は、その詳細も教えてください。
- (答)お答えいたします。本年の5月31日(金)に開催をされました第2回紅麹(べにこうじ)関連製品への対応に関する関係閣僚会合における取りまとめの中で「届出資料の確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認めるものは、当該成分に係る機能性表示の裏付けとなる安全性や機能性の課題について科学的知見を有する医学や薬学等の専門家の意見を聴く仕組みを導入する等、消費者庁における届出前の確認をより慎重に行う」と、こう記載をされているところであります。
当該届出前の事前確認でございますが、食品表示基準の一部を改正する内閣府令の令和7年4月1日(月)の施行に合わせて開始できるように、検討を行っているところでございまして、その試行的な運用も含めて、今後、各種準備を進めてまいりたいと考えてございます。 - (問)今、先ほど報道されている情報なのですけれども、小林(こばやし)製薬の紅麹の関連の問題を巡って、社長と会長が辞任をされるという報道が出ております。この報道に接して大臣の、消費者担当大臣として受け止めがあればお願いいたします。
- (答)お答えいたします。小林製薬の会長と社長の辞任との報道がされていることは承知をしてございますが、同様に会社のほうからは、正式な発表ではない旨のコメントもあわせて現在出されているとも承知してございますので、そのような段階でのコメントは、大臣の立場としては差し控えさせていただきたいと思っております。
(以上)