自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年5月31日
(令和6年5月31日(金) 15:09~15:36 於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)
1.発言要旨
冒頭2件、積極発言がございます。
1件目でございます。消費者及び食品安全担当大臣として、機能性表示食品制度等に関する今後の在り方の取りまとめについてご報告を申し上げます。
今朝(31日)になりますが、「紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合」の第2回が開催されました。
3月29日(金)に開催された第1回の会合におきまして、官房長官から、本事案を受けた機能性表示食品制度の今後の在り方について5月末を日途に取りまとめるよう指示されたことを受けまして、私から今回の事案を踏まえた今後の対応を説明し、そして、本日の会合におきまして、政府の対応方針が取りまとめられました。
このうちでありますけれども、機能性表示食品制度の対応といたしましては大きく三つ申し上げます。
一つ目が、事業者が医師の診断による健康被害情報を得た場合は、速やかに消費者庁長官と保健所等に情報提供することを食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準において届出者の順守事項とすること。
また、2点目でございます。制度の信頼性を高めるための措置といたしまして、機能性表示を行うサプリメント形状の加工食品につきましては、製造工程管理による製品の品質確保を徹底する観点から、GMP(ジーエムピー、Good Manufacturing Practice:適正製造規範)に基づく製造管理を食品表示基準における届出者の順守事項とすること。
3点目でありますが、この他、信頼性確保のための措置といたしまして、消費者庁ウェブサイトの情報提供のDX化、あるいは消費者教育の強化、といったものを挙げてございます。
本日の取りまとめをもとに、関係省庁とも連携しながら、機能性表示食品に関する消費者の信頼性を高めるべく、取り組んでまいりたいと考えてございます。今のが1点目の積極発言でございます。
2点目でございます。食品ロスの関係でございます。消費者及び食品安全担当大臣として御報告を申し上げます。
本日からでありますが、7月31日(水)までを予定しておりますが、消費者庁及び環境省が連携をいたしまして、「令和6年度食品ロス削減推進表彰」の募集を開始します。
この表彰事業は、食品ロス削減・食品寄附促進の取組に焦点を当てまして、消費者等に対し広く普及し、直接的な波及効果が期待できる優れた取組を実施した方を表彰するものとなります。
現在、食品ロス削減・食品寄附促進につきましては、食品ロスの半減目標の達成に向けまして、消費者庁が司令塔となって、政府一体となって取り組んでいるところであります。更なる推進のためには、国民がそれそれの立場で自発的に取り組むような社会的機運を醸成する必要がございます。
このため、事業者や団体のみならず、一(いち)消費者である個人の方々を含めまして、全国で様々な工夫を凝らして食品ロス削減・食品寄附を進める皆様にふるって御応募いただきたいと考えてございます。それらの先進的な取組の表彰を通じまして、全国で食品ロス削減・食品寄附の推進がより一層広がることを期待してございます。
なお、冒頭申し上げましたが、本年度の応募の締切は7月31日(水)を予定してございます。有識者等による審査の上でございますが、9月上旬をめどに大臣表彰等の受賞者を決定する予定としてございます。
以上2点、積極発言でございます。
2.質疑応答
- (問)機能性表示食品制度について伺います。本日の関係閣僚会議で、今おっしゃられたように、制度の見直しに向けた政府の対応が示されました。これに対する受け止め、健康食品による被害の抑止に向けた大臣の思いというのを聞かせてください。
また、消費者庁として、今後どのように制度の改善に取り組んでいかれるか、現状としての見通し、スケジュール感、分かる範囲でお答えください。 - (答)お答え申し上げます。今回の小林(こばやし)製薬によります事案は、結果として機能性表示食品制度に対する信頼が損なわれる重大な問題であると認識をしております。そのため、制度の信頼性確保のため、消費者庁に検討プロジェクトチームを立ち上げ検討を進め、また、「機能性表示食品を巡る検討会」においては、有識者の皆様に大変精力的に御議論をいただきました。あらためて短時間で大変な御議論を展開していただいたことに、感謝を申し上げたいと思います。
そして、本日お示しをいたしました対応方針では、検討会の提言や与党からの申入れ等を踏まえまして、健康被害情報の提供の義務化や、あるいはサプリメント形状食品へのGMPの要件化など、想定される対応策を整理できたと考えてございます。
この対応方針に即してでありますが、より良い機能性表示食品制度の実現に向けて、全力を尽くしてまいりたいと考えてございます。今後は、消費者庁におきまして、制度への信頼性の確保に向けまして、必要な法制面での対応や、あるいは予算や組織定員の要求等の検討も併せて進めていくことになってございます。
また、法制面での対応につきましては、食品表示基準の改正につきまして、今後になりますが、消費者委員会への諮問やまたパブリックコメントといった手続きを経るということが必要でございますので、それらの手続きを可及的速やかに行うということ、重要だと思ってございますので、可及的速やかに交付をし、そして届出者の準備期間を確保するための周知期間を設けた上で、速やかに施行できるように、事務方に準備を急がせたいというふうに考えてございます。 - (問)今の話と関連するところなんですが。巡る検討会でも出た論点で、機能性表示食品を巡っては、機能性の根拠であるシステマティックレビューや臨床研究の質の低さを指摘する研究ですとか、パッケージの任意表示や広告などで、機能性を強調して消費者の誤認を招いている製品が多いと指摘する声も上がっています。
この2点の指摘について、どのように受け止めていて、どのような対応策を考えているか教えてください。 - (答)お答えいたします。2つ御質問があったかと思います。
1点目でございますが、質の問題であります。機能性表示食品のシステマティックレビューの質ということの御指摘かと思いますが。この「機能性」の科学的根拠の質の論点。これは非常に重要だと思ってございます。消費者庁の検討会では、機能性の根拠となる論文の選定プロセスの客観性を厳格に求める「プリズマ2020」の準拠を求めることが有効との指摘がございました。
こうした御意見を踏まえまして、本日の閣僚会合の報告におきましては、「令和7年度からの届出につきまして、「プリズマ2020」の準拠を求める」ことは明記したところであります。
また、2点目のお尋ねでございます。これは誤認ということのお尋ねだったと思いますが。この点につきましては、検討会においては、届出をした機能性表示の内容を超えるような広告等の表示の規制の必要性が指摘をされてございます。
この点については、事前と事後、それぞれ規制がございますが、事前規制であります食品表示基準上の誤認表示禁止措置と、また事後規制でございます景品表示法に基づく優良誤認や、健康増進法に基づく誇大広告規制といった規制を、引き続き適切に運用し、また同時にでありますけれども、届出表示の内容を超えるような広告等の表示の適正化を図っていく必要があると考えてございます。
加えまして、本日発表いたしました政府の対応方針におきましても、今回の事案を踏まえた更なる検討課題の一つといたしまして、機能性表示食品制度に対する信頼回復に向けた届出者による法事の適正化等の自主的な取り組みを促す、促進するということを書かせていただいております。これらに必要な施策については、関係団体とも連携をいたしまして検討してまいりたいと考えてございます。 - (問)機能性表示食品に関する今後の対応に絡んでというところなんですが、機能性表示食品と同様に、特定保健用食品、トクホについても、健康被害の情報提供や、GMPの認証っていうのは義務化をする方向なんでしょうか。その検討状況を教えていただきたいです。
- (答)お答え申し上げます。本日の閣僚会合では、本事案に対応した機能性表示食品制度の今後の在り方の取りまとめに加えまして、「さらなる検討課題」といたしまして、「消費者庁長官の許可を得て食品自体の特定の保健目的が期待できる旨の表示ができる「特定保健用食品」いわゆるトクホにつきましても、健康被害の情報提供の義務化及びGMPの要件化と同様の措置を許可制度の運用上講ずることを速やかに検討する」旨を報告したところでございます。
トクホでございますが、健康増進法第43条第1項に基づく特別用途表示の許可制度として運用している制度でございまして、本日の取りまとめを踏まえまして、機能性表示食品と同様の措置をどのように講じていくか法制面の検討を事務方に検討させていきたいと思っております。 - (問)話題変わりまして、万博関係でお伺いさせていただきます。
万博会場のメタンガスの爆発について、先週10か所以上の損傷箇所であったりだとか、今週月曜日(5月27日)に新たに写真3枚などを公開するなど、博覧会協会の対応がちょっと後手後手になっているような印象も見受けられます。政府として、このような協会の対応姿勢についてと、昨日も協会、会見を行っておりまして、パビリオンのエリア内には4か所からメタンガスの発生が確認されたというような趣旨の報告がありましたけれども、このメタンガスの安全性について、今、非常に不安視される中で、この部分、担当大臣としてどのようにお考えかというところをお聞かせください。 - (答)お答えを申し上げます。大きく二つあったかと思ってございます。
まずは、写真公表等に関する協会の対応ということだったかと思います。5月22日(水)に博覧会協会が公表した内容につきましては、施工事業者が改めて現場を詳細に確認したところ、一部天井等の凹み、くぼみがあるなど未報告の損傷があることが判明をしたということで、5月20日(月)に博覧会協会にその旨報告を行ったことから、改めて5月22日に公表したと聞いてございます。
そして、その公表した際に、より詳しい写真があったほうがいいという御指摘を報道機関からあったということを踏まえまして、5月27日(月)に博覧会協会が報道機関に対して、情報提供を行ったこの追加の写真につきましては、博覧会協会が追加の写真の有無を施工業者に照会した際に、施工事業者側から追加提供を受けた写真であると聞いてございます。
全体といたしまして、やりとりの中で必要なものが追加的に出てきたということかとは思いますが、やはり迅速、速やかに必要な情報を国民の皆さまにお届けするという責務があると思ってございますので、改善を求めていきたいと思ってございます。
また、事故防止自体につきましては、今般の事故の発生を受けまして、博覧会協会及び施工事業者におきまして、第三者の専門家の意見を聞きながら、原因究明と防止策の検討を行い、労働基準監督署及び消防署の確認を受けた上で、再発防止を公表しているところであります。
いずれにいたしましても、博覧会協会におきましては、安全対策に万全を期すことと同時に、リスクコミュニケーションといいますか、しっかりした丁寧な説明、情報提供というもの、迅速性と正確性と、そして丁寧であるということ、とても大事だと思っておりますので、あらためて、そこは私のほうからも確認をさせていただきたいと思ってございます。
また、すみません、ちょっと長くなって恐縮ですが、大きく二つ目のお問い合わせについてでございます。これまででありますけれども、パビリオンワールドのほうで、メタンガスというものが確認、検出されたということが確認されたということで、私のほうもその話を知っているところでもございます。
なお、今回検出されたメスタンガスの最大の濃度というものが、0.35パーセントということでございまして、労働安全衛生規則の基準値である1.5パーセントの4分の1以下ということでございまして、工事作業自体を中止する濃度ではないということから、計測して工事を行っているとも承知しておるところでございます。
引き続き、安全に留意をしながら工事を進めていっていただきたいと思っておりますし、そのために必要な対応ということについては、私自身もしっかりと心に留めてまいりたいと思ってございます。 - (問)今の質問にも関連して、今回のメタンガスの再発防止、原因解明については万博協会や大阪府市、開催地の行政機関だと何が何でもやりたいということで、チェックが甘くなる可能性があると。国として別途に検証する専門家に検証を依頼するお考えはないんでしょうか。先ほど、第三者の専門家という言葉があったんですが、これも大阪府市の、いわゆる御用学者というか、忖度専門家に限られている可能性もあるので、その点についてはいかがでしょうか。
- (答)3月28日(日)の火災事故の発生を受けまして、労働者の安全を確保するという観点から、改めて外部の専門家にも安全性の担保を確認いただくように、私からも再度でありますけれども、指示を行ったところであります。
これを受けまして、4月19日(金)に博覧会協会が公表した事故の内容と再発防止につきましては、専門家や労働基準監督署及び消防署の確認を受けたものとなってございます。
一方、事故が発生したグリーンワールド工区のみならず、低濃度ではございますがパビリオンワールドでもメタンガスが検出されていたことを受けまして、追加の安全対策について、専門家の意見も伺って、その上で取りまとめ、6月中に公表予定だというふうに聞いてございます。
引き続き、博覧会協会及び施工事業者が連携をして安全を徹底していくように指導してまいりたいと考えてございます。
なお、専門家について具体的に御質問もあったかと思います。危険物保安技術協会で火災の予防に長く従事された専門家というふうに聞いてございます。
詳細については、博覧会協会に御確認いただきたいと思います。 - (問)大臣が推薦した、指名した、外部の専門家は入っていないのでしょうか。
- (答)私自身はこのガスのことについて、個人的に見解があるわけでもございませんので、然るべき、オーソライズされた方に聞くということは、当然だと思いますが、個別具体的な名前をもって、私のほうからこの方でということの推薦ということは特段行っておりません。
- (問)今の専門家がちゃんとまともな専門家かどうか、チェックしたんですか。名前は確認したんですか。
- (答)詳細については博覧会協会に御確認いただきたい。
- (問)大臣自身が。
- (答)今、答えている最中でございます。
- (問)大臣自身が知ってるかどうか。
- (答)よろしいでしょうか、お答えしても。詳細については博覧会協会に御確認いただきたいと思ってございますが、私のほうで確認をさせていただいておりますのは、個別名も、もちろん確認をさせていただいておりますし、また、危険物の保安技術協会で火災予防に長く従事された専門家と聞いてございます。もしお伺いになりたければ。
- (問)何て人ですか、言ってくださいよ、この場で。
- (答)私の所管といたしまして、博覧会協会がお答えするものでございますので、もしよろしかったら、博覧会協会に。
- (問)大臣、今、知ってるのに答えないんですか。
- (答)これは博覧会協会がお答えをする立場でございます。協会のほうも別に、答えるつもりはあるので、質問されたらよいと思います。
- (問)いやいや、だから、それまともな学者かどうかと、チェックしたのかって聞いてるんですよ。
- (答)(司会者)博覧会協会に聞いてください。
- (問)機能性表示食品による健康被害情報の行政機関への報告義務についてですが、内閣府令である食品表示基準に盛り込むといわれることです、という方針だということですが、これに違反しても、指示ができる、指示に従わない場合は命令ができる、命令に従わない場合は、罰則が1年以下の懲役または100万円以下の罰金、または併科という状況です。
これって2か月も報告が遅れて、報告が遅れたことによって、健康被害が拡大した事実を踏まえ、あまりに甘い措置ではないでしょうか。これで十分と言えますでしょうか。
それからもう1点、大臣は、お医者様でもあるということで、今回のこの問題は、医薬品と同じ効果をうたって、しかも医薬品と同じ成分が入ったものが、濃縮されて食品ということで、認定をされて販売され、基礎疾患がある人の接種を誘引して、更に健康被害を悪化させているという現状があることが、明らかになりました。
この問題を検討せずに、このまま放置して、禍根を残すことはないのでしょうか。この現状があることについての大臣の見解もお聞かせください。 - (答)ありがとうございます。お答え申し上げます。機能性表示食品につきまして、届出者は、健康被害と疑われる情報を収集し、医師が判断した健康被害と疑われる情報を把握した場合は、当該食品との因果関係が不明であっても、速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等に情報提供することを、食品表示基準において届出者の順守事項とするとしてございます。
これによりまして、順守しない場合でありますが、機能性表示食品としての要件を満たさなくなり、当該表示ができなくなることを、明確化することでございます。なお、提供の期限につきましては、重篤度等に対応した、明確なルールを設けるという方針でございます。
また、後半のお問い合わせでございます、御質問でございます。サプリメントについてという、全般のことでのお問い合わせでもあったかと思ってございます。ここも第2回の検討会で議論があったと承知してございますが、医薬品として国内外で承認されている成分を含んでいるものであっても、食品として食経験があり、食品として認識されるものは、食品と医薬品の区分に係る基準に従い、医薬品としての規制を行っていないと、承知してございます。
他方、今回の取りまとめでは、本制度の信頼性確保の観点から、新規の関与成分を中心に、届出時点における消費者庁での安全面の確認をより慎重に行うような手続を導入することを検討することとしております。より慎重な手続きといたしましては、医学、薬学といった専門家の意見を聴くような仕組みも検討いたします。
また、表示につきましてでありますが、「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」の表示事項について、「医薬品ではないこと」を明記するなどの改善を検討していくことで対応したいと思ってございます。 - (問)地方創生に関してお尋ねをします。大臣、昨日(30日(木))、女性や若者にとって魅力的な町づくり、地域づくりに関して、女性の首長の皆さんと意見交換されましたけれども、それぞれ自治体の取り組みをお聞きになって、どのような感想を持たれたか。成果を今後どのように生かしていくお考えか、お聞かせください。
- (答)お答えいたします。昨日でありますが、地方創生担当大臣といたしまして、「女性・若者にとって魅力的な地域づくりに係る意見交換会」に参加をいたしました。大変有意義でございました。
東京圏への一極集中の主な要因といたしまして、女性や若者が地方を離れて、そして東京圏などの都会、都市部への生活を選ぶ傾向が顕著に見られております。
このため、女性の首長さんの言うことでございますので、その皆様から、女性ならではの視点も含めまして、現場で実践されている、女性や若者にとって魅力的な地域づくりに向けた取組や課題などの御紹介、具体的な政策群も含めまして、かなり細かく御紹介をいただきました。
この意見交換では、各地域における取組を伺う中で、やはり生活者としての目線ですとか、あるいは子育てをする時の目線ですとか、あるいは防災に女性を入れるということを、仕組みとして構築するですとか、大変、全国に参考になる取組がたくさんあったと思ってございます。
こうしました、いただいた御意見もしっかりと参考にしながら、6月でございますが、地方創生10年の振り返りでございます。様々なステークホルダー、特に地方行政や地方議会を預かっておられる皆様、現場で大変な御苦労や取組をしてくださっている、皆様との間で、信頼と対話ということが、キーワードではなかろうかと思ってございますので。この信頼と対話を通じて、特に小規模自治体のお悩みにも寄り添って、今後の地方創生を力強く進めていくために、国民的な議論に持っていきたい、つなげていきたいと思ってございます。
(以上)