自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年4月2日

(令和6年4月2日(火) 10:18~10:40  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 きょうからの方もおられると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、冒頭2件、発言がございます。消費者及び食品安全担当大臣として御報告申し上げます。
 昨日(4月1日)から食品衛生に関する規格基準の策定等の食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁に移管されました。
 同日付で消費者庁に食品衛生基準審議会が新設されました。これにより、移管後も、科学的知見に裏打ちされた食品衛生に関する規格基準の策定等が確保されます。食品安全基本法に即したリスク分析に基づく食品安全行政の政府内の基本的な枠組みは変更されません。
 また、消費者庁は、これまでも食品安全行政の総合調整や食品に関するリスクコミュニケーションの推進取りまとめを担ってまいりました。
 今般の移管によりまして、食品安全に関する科学的知見に裏打ちされた消費者教育の推進、また、販売現場等におけるニーズや消費者行動等の規格・基準策定の議論へのタイムリーな反映、そして、コーデックス等の国際的な対応に当たっての、食品の表示基準と衛生基準の一体的な参加、が可能となり、消費者利益の更なる増進が図られると考えてございます。
 移管後も、食品衛生に関する科学的な安全性を確保しつつ、消費者利益の更なる増進に向けて全力を尽くしてまいる所存です。
 続きまして、2点目でございます。これも、消費者及び食品安全担当大臣としてでございます。紅麹(べにこうじ)関連製品への対応について、御報告を申し上げます。
 3月29日に開催されました「紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合」におきまして、官房長官から、本事案に対応した機能性表示食品制度の在り方について、5月末を目途に取りまとめるよう指示を受けたところです。
 これを受けまして、昨日になりますが、4月1日付で、消費者庁の中に、消費者庁次長をヘッドといたしまして、食品表示担当、食品安全担当と、また加えまして、4月から厚生労働省から消費者庁に移管をされた食品衛生基準行政のこの3つの担当からなる検討チームを立ち上げ、対応体制を整備をしたところです。
 小林(こばやし)製薬からの科学的根拠に関する再検証結果(4月5日締切り)、あるいは届出食品約7000件の健康被害情報の収集・分析状況の結果確認(4月12日締切り)も踏まえまして、5月末までに本制度の在り方の方向性をとりまとめるべく、スピード感をもって取り組んでまいりたいと考えております。
 冒頭、積極発言は以上になります。

2.質疑応答

(問)まず、先週設置された紅麹使用製品に関する問い合わせ窓口に寄せられた相談件数の最新の数字と、あとは紅麹使用製品に対する消費生活相談について、それぞれの主な内容の件数を教えてください。
(答)お答えいたします。厚生労働省と共同で立ち上げました紅麹使用製品に関するお問い合わせ窓口(コールセンター)におけます相談件数でございますが、現時点では、3月29日(金)は329件、3月30日(土)は722件、3月31日(日)は527件でございます。昨日4月1日の分は、夜の9時まで(お問い合わせを)やっておりましたので、現在集計をしているところでございます。
 今、社会的にも注目を集めてございまして、当該企業の発表や報道を見て、不安を感じ、またそういった観点から御相談される消費者も大変多くございます。
 どのような形で公表することが適切か、厚生労働省と合同ですので、中身についての公表の仕方については、急ぎ検討して、皆さまに御報告したいというふうに考えてございます。
(問)機能性表示食品のデータベースについて伺います。東京商工リサーチが先週発表した調査によれば、機能性表示食品のデータベースに届出がある製品のうち、15パーセントでデータが未更新であり、さらに届け出をしたまま倒産とか廃業をしてしまったというケースも見られたとされました。大臣の受け止めと、今後どのような対応が必要であるかというところのお考えをお願いします。
(答)ありがとうございます。御指摘いただいておりますように、届け出たまま廃業した事業者がいることや、あるいは販売状況についてのデータが未更新の製品が一定数あるということは、私どもも課題として認識をしているところです。従前から認識もしていたということもございまして、機能性表示食品の届出のデータベースでございますが、令和7年度より新たなシステムに移行する予定にしてございます。この際に改善すべき事項については、しっかりと検討をしてまいりたいと思っております。
 併せまして、現在、約7000件の点検作業をしておりますので、こういったものの中の作業と踏まえまして、早急に対応できるものについては、新システムの移行を待たずに改善することも検討する必要があるというふうに考えてございます。真摯に受け止めております。
(問)万博関連工事でのメタンガス爆発を受けて、万博開催時の危険性について、どうお考えなんでしょうか。大地震の時にメタンが地上に出て、爆発、火災などを引き起こすリスクもあると思うんですが。大臣のお考えをお伺いしたいのと。
 関連して、今回の事故を受けて、万博開催に間に合わないパビリオンが、工事が遅れて出てくる可能性もあると思うんですけど、その辺含めて、建設業界に聞き取り等をされているのか、2点、お伺いしたいんですが。
(答)お答えいたします。3月28日、万博工事会場におきまして、会場建設中に可燃性ガスが原因と見られる事故が発生したと承知をしてございます。
 現在、当該事故が発生した工区における火花を用いた工事を停止し、消防や労働基準監督署の現場検証を行っていただいているところです。引き続いて、博覧会協会が発生原因の解明を現在、行っているところであり、再発防止策の検討を行っているというふうにも聞いてございます。
 今現在、それらの作業がオンゴーイングのところということでございますので、現時点から、私からのコメントは差し控えさせていただきたいと思ってございます。
 また2点目の万博に間に合うのかということで、パビリオンの話でよろしいですか。現在、海外パビリオンについては、合計約160か国の国のうち、100か国以上が入っているタイプBおよびタイプCについては、博覧会協会が建設するものでございまして。既に建設事業者は決定をし、着工をしているところでございます。3か国が自前で建設をいたします50数か国のパビリオンにつきましては、36か国が建設事業者を決定し、既にシンガポール等、12か国が着工してございます。他の3か国についても、順次、建設が始まっていくものと承知をしてございます。
 全てのパビリオンが開幕に間に合うよう、建設事業者が決まった国につきましては、博覧会協会が、建設工程のヒアリングを、建設事業者に対して行い、いわゆるマスタープラン、全体工事工程表と照らし合わせながら、全体の工程管理を進め、残りの国につきまして、3か国につきましては、マンツーマンでの個別伴走支援や、施工環境の改善といった対策により、引き続き関係者一丸となって準備を進めていくということでございます。
 私自身も、建設業界のかたがたとは、コミュニケーションを取らせていただいておりますので、みんなで一丸となって頑張ってまいりたいと思っております。
(問)去年11月29日の福島瑞穂(ふくしまみずほ)さんの質問に対して、万博開催時に危険はないというふうに、大臣お答えになってますが、この認識は変わってないということなんでしょうか。第三者事故検証委員会入れて、ちゃんとした御用学者じゃない人を含めて、今回の事故を受けて、本当に危険性はないのか、検証するべきではないかと思うんですが、そのお考えはないんでしょうか。
(答)お答えいたします。昨年の11月の国会での、メタンガスのってことでよろしいですよね、答弁でございますが、過去、国会におきましてはメタンガスの発生ということで、答弁をさせていただきました。その際もですが、現場でメタンガスが発生をしているということは、確認をしているという旨、あるいは発生しているガスを、大気放散しているということは、お答えをさせていただいてございます。
 その際にも、「仮に今後工事に伴って、メタンガスが発生した場合には、施工者が直ちに必要な対策を行うと同時に、博覧会協会を始めとする関係者間で情報を共有するなど必要な適切な対応を取るものと認識」しているというふうに、申し上げたとおりです。
 今回の事故を踏まえまして、直ちに関連の工事を停止するとともに、博覧会協会にて、今回の事故に対する発生原因の解明と、必要な対策を行った上で、安全を最優先とした取組を継続実施していただけるものと、承知をしてございます。
(問)認識は変わってないんですか。危険はないという、万博開催時の。
(答)繰り返しで恐縮でございますが、まずは今回の事故につきましては、直ちに関連工事を停止してございます。その上で博覧会協会ににおいて、今回の事故に対する派生原因の解明、今オンゴーイングでやっていただいております。そして必要な対策を行って、安全を最優先の取組をするということでございますので、そういったことで、御理解をいただければと思ってございます。
(問)この間の答弁、揺らいでいるんですか。
(答)何が揺らいで?
(問)危険はないとおっしゃった答弁は、ちょっと怪しいんじゃないかと、疑わしいんじゃないかと、御自身で疑ってはないんですか。
(答)そういうことはございませんで、当時の答弁におきましても、メタンガスが一部の、夢洲(ゆめしま)の一部においてメタンガスの発生を確認しているということは、申し上げております。またその発生しているガスを大気放出しているということも、申し上げてございます。その上で、先ほどの答弁でございまして、繰り返しで恐縮ですが、それぞれの、今後の事故に伴ってメタンガスが発生した場合には、施行者が直ちに必要な対策を行うと同時に、博覧会協会をはじめとする関係者間で、情報を共有するなど必要な対策を採るものというふうに、認識をしてございますので、安全を最優先した取組を、引き続き継続していただくということだと認識してございます。
(問)冒頭の対策チームについてお伺いします。このチームでどんなことを検討すべきか、現状、大臣が制度に関連して、課題と思っていることに関連して、お伺いできればと思います。
(答)対策チームでございますが、官房長官からの指示を受けまして、4月1日付になりますが、消費者庁に先ほど申し上げました、消費者庁次長をヘッドといたしまして、食品表示担当、食品安全担当、そして4月から厚生労働省から移管されてきました、食品衛生基準行政担当からなるチームを、今まさに立ち上げたところです。
 作業といたしましては、二つです。1つは、4月5日締切りの小林製薬に対して行った、安全性に関する科学的根拠の再検証の結果を刈り取るということ。そして4月12日を締切りといたしておりますが、約7000件の届出製品について求めた、健康被害の情報の有無等の刈り取り。この二つを、まずはしていくということだと思います。
 ただ全体観のある見直しということ、在り方ということですので、そこについても、専門家の意見をしっかりといただきながら、省庁として対応してまいりたいと、考えているところです。また進捗等が進みましたら、随時、皆さまに、お知らせしてまいりたいと思ってございます。
(問)今の質問に関連してですけども。これから対策チームを立ち上げて、検討されていくということですが、大臣御自身は、この機能性表示食品制度の、どこに問題があって、どういうポイントで、どういう方向で見直すべきだと思っていますでしょうか。国民の不安に応えるためにも、御自身の言葉でお願いします。
(答)ありがとうございます。機能性表示食品自体ですが、販売前の届出というものを導入して、そして安全性および機能性の根拠の情報を、当該食品の販売前から開示することによって、科学的根拠が不十分な製品の流通の防止を図るとともに、誰もが当該食品の安全性及び機能性に関する、科学的根拠情報を得られるということが、大きな目的として創設をされたものでございます。
 このこと自体につきましての検証ということ、あるいは見直しということの、御議論だというふうに思って、御質問されているというふうに思っております。まず一つは、小林製薬の紅麹の事案に関わる事象を、因果関係等がはっきりしていない中で、推定をしながら物事を言える部分と、言えない部分とがありますが、やはり科学的な見地に立って、因果関係等は、ある程度証明をしながら、物事を冷静に判断していく必要があるとも思ってございます。
 私どもの所管している、機能性表示食品の、いわゆる「安全性」というところを、「機能性の成分の安全性」というところの安全性という意味と、それから、「全体の製造工程の安全性」という、二つの意味が混同して議論されているとも、認識をしておりますので、そのあたりも含めて、論点整理をしていく必要があるんだと思ってございます。
 また御指摘をいただいております、データベースの信頼性ということも、問われていると思ってございますので、緊張感を持って対応してまいりたいと思ってございます。
(問)万博関連でお伺いさせていただきます。先週金曜日に、イスラエルが大臣宛に、万博に参加する意向を示す文書を送られていると思います。イスラエルの参加について、今の時点で、万博の大臣としては、参加認められるのかという点と。特にロシアについては、ふさわしくないんじゃないかというようなところがあり、このテーマに対して、今、戦争という言い方は難しいですが、武力衝突があるような状態の国の参加を認めるのかという議論もあると思いますが、この観点についていかがか、お願いいたします。
(答)お答えいたします。まず万博への参加につきましては、各国が自ら判断するということが、原則になってございます。
 その上で、例えばロシアによるウクライナ侵略は武力の行使を禁ずる国際法及び国連憲章の重大な違反でありまして、大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマとは、相容れないというふうに申し上げてきたところです。
 一方で今般の、ガザ地区におけますイスラエルの行動は、ハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものであり、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うということは適当ではないというふうにも考えております。
 いずれにいたしましても、イスラエルの行動に対する、国際法上の評価については、所管外でございましてコメントは差し控えたいと思ってございます。
(問)防衛体制強化のインフラ整備で、沖縄県からは那覇(なは)空港と石垣(いしがき)港が、「特定利用空港・港湾」に指定されたんですが、大臣としての受け止めを。
(答)お答えいたします。昨日(4月1日)、持ち回りで開催をされました「総合的な防衛体制の強化に資する研究開発及び公共インフラ整備に関する関係閣僚会議」におきまして、全国で5か所の空港と11か所の港湾が、「特定利用空港・港湾」とされ、沖縄県につきましては、那覇空港と石垣港が、その対象とされたところです。
 特定利用空港、そして港湾におきましては、民生利用を主としつつ、自衛隊や海上保安庁の円滑な利用にも資するよう、必要な整備又は既存事業の促進が図られることとなります。
 政府といたしましては、引き続き、自治体との調整を丁寧に行い、公共インフラ整備の取組を推進していくこととなりますが、内閣府といたしましても、公共インフラ整備の意義を民生の観点から丁寧に説明するように努めてまいりたいと考えております。
(問)アイヌ民族の遺骨を巡り、日本文化人類学会が、過去の不適切な取り扱いについて、謝罪の声明文を1日に発表しました。大臣の受け止めをお聞かせください。
 また政府は、海外に持ち出されたアイヌ民族の遺骨返還に向けた調査事業費について、新年度予算でも計上されていますが、今後の具体的な取組についても、お聞かせてください。
(答)お答えいたします。日本文化人類学会が、アイヌの方々に関する過去の研究等について、謝罪の意を表明する声明を発表するとの報道があったということは、承知をしております。
 この声明は、まだ正式には公表されていないと伺っておりまして、われわれもまだ見ておりませんので、現時点で、具体的なコメントは差し控えたいと思いますが。
 その上で申し上げれば、政府としては、これまで大学や博物館などで保管をされてきた、アイヌの方々の御遺骨につきましては、アイヌの方々の御意向を踏まえ、その返還を進めるとともに、直ちにお返しすることができない御遺骨については、民族共生象徴空間(ウポポイ)の慰霊施設において適切に保管するなどの取組を進めてきたところです。
 また、海外の博物館などに所在をいたします御遺骨につきましても、返還に向けた取組を、鋭意進めているところでございまして、これまで、平成29年にはドイツから1体、そして令和5年にはオーストラリアから4体の、返還を実現したところでございます。
 その他の海外に所在するアイヌの方々の御遺骨につきましても、その故郷に戻ることができるよう力を尽くしていくことが大変重要だと考えてございまして、関係省庁ともしっかりと緊密に連携をし、更なる返還の実現に向けて、引き続き、着実に取組を進めてまいりたいと考えてございます。

(以上)