自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年3月26日

(令和6年3月26日(火) 16:23~16:41  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 3月22日、小林(こばやし)製薬株式会社が販売いたしております機能性表示食品に健康被害が発生したとして製品回収をする旨公表された件について、消費者及び食品安全担当大臣として、機能性表示食品制度を担当する立場から一言申し上げます。
 まず、お亡くなりになった方と御遺族にお悔やみ申し上げますとともに、健康被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 この表示制度を所管いたします消費者庁といたしましては、小林製薬から会見当日の3月22日になりますが、健康被害について具体的な報告を受け、同日付で、米紅麹(こめべにこうじ)を原料とする機能性関与成分の届出をした製品9件につきまして、小林製薬を含む届出者2社に対しまして、安全性に関する科学的根拠を再検証の上、4月5日までにその結果を報告するように求めたところです。
 今後、小林製薬等からの安全性の科学的根拠の再検証の結果報告を踏まえ、関係法令に即して厳正に対処してまいります。
 なお、小林製薬からは、つい先ほどでありますが、撤回の申出があったとの報告を受けております。届出撤回の申出があったといたしましても、先ほど前段申し上げました機能性表示食品制度を適切に運用していく観点から、届出者としての安全性に関する科学的根拠について再検証の結果報告を求めていくことは変わりがございません。
 また、小林製薬による3月22日の記者会見によりますと、被害の把握、これは情報を入手した日自体は本年の1月であり、それから販売の中止を決定するまで約2か月間経過をしており、当庁、我々どもへの状況報告が記者会見の直前であったということを含め、その対応は誠に遺憾であります。
 本件については、機能性表示食品の安全性そのものに大きな疑念を抱かせる深刻な事案として捉えております。
 機能性表示食品の摂取による健康被害の発生が他にもないか、現在、約7,000件ある届出製品についても緊急に点検するよう、私から事務方に指示をさせていただきました。
 消費者庁といたしましては、事業者の責任において表示を行うという機能性表示制度の趣旨を踏まえつつ、本表示制度が消費者から信頼されるものとなるよう、適切な運用を行ってまいります。
 また、消費者の皆様には、本事案の対象製品をお持ちの場合には、直ちに使用を中止し、また症状があった場合には医療機関に、また対象であります商品をお持ちの方は事業者に連絡をしていただくよう、消費者庁の公式のホームページ、またX(エックス)、LINE(ライン)にて注意喚起をいたしております。
 冒頭発言は以上になります。

2.質疑応答

(問)被害について、小林製薬が製造した一部のロットからの問題と見られていますけれども、原因についてはどのように捉えられているかというのをまず伺いたいんですけれども。
(答)御質問ありがとうございます。
 原因についてでございますが、現在のところ調査中ということで伺ってございます。また、本件は食品衛生法を所管いたします厚生労働省と、機能性表示食品の制度を取り扱ってございます。
 消費者庁の役割分担というものがございますので、密に連携しながら、この原因についても丁寧に聴取をさせていただきながら対応してまいりたいというふうに考えてございまして、現在のところ特定の原因ということを申し上げる段階には私の立場からはないということでございます。
(問)小林製薬さん以外の紅麹の原料についても、製品とか、風評被害が発生しているんですけれども、この点についてはどういうふうに考えられているのか。
(答)現在のところ、情報を集めるというフェーズだというふうに考えてございます。ですので、私どもといたしましては、先ほど繰り返し冒頭発言で申し上げたところでございますが、現在、紅麹ということではなくて、機能性表示食品制度を所管してございますので、消費者庁に届出をしてくださっております現在約7,000件ある届出の製品に関しても、緊急点検を指示したところでございます。
(問)あと一点だけお願いします。機能性だけではなくて、例えばお酒とか、せんべいとか、いろんなお菓子とかにも入っているものなんですけれども、その中で総点検というのが機能性表示食品だけに絞ってというのが、消費者にとっても不安であるし、どういうふうにその辺は考えていらっしゃるのか。
(答)ありがとうございます。現在、小林製薬株式会社と正に密に連絡を取っている最中でございます。
 その中で、関連は50数社ということだと報道上も含めまして把握をしておりますが、この添加物等々で影響があることについて、それについて情報をきちんと集めている最中でございます。今、正に会議中でございますので、情報を整理してきちんと消費者にお届けしたいというふうに思ってございます。
(問)まず、冒頭発言の中から、先ほど小林製薬から撤回があったということですが、全部で幾つの商品について撤回の申出があったんでしょうか。
(答)お答えいたします。現在、小林製薬からということでございますので、今のところ8件ということでございます。
(問)ありがとうございます。詳細は担当課に確認したいと思います。
 機能性表示食品についてなんですけれども、栄養機能表示食品や特保と区別なく信頼していたという声だとか、機能性表示食品でこんな事故が起きたら怖いとか、そういう声が視聴者からも寄せられています。若干冒頭発言の中でありましたけれども、機能性表示食品の信頼が揺らいでいることについて、あと制度の周知が進んでいないことについて、大臣としてはどのように受け止めておられるでしょうか。
(答)冒頭申し上げたとおり、今回の事案をもちまして機能性表示食品の安全性に対する疑念を抱かせる、今回の事案は非常に深刻な事案だというふうに受け止めてございます。
 現在、先ほど申し上げた2点おこなっておりますが、こうした小林製薬株式会社の米紅麹を原料とした機能性関与成分の安全性に関する科学的根拠の確認対応を行うということのみならず、現在届けられている全ての機能性表示食品についての総点検をすることを指示したところでございます。
 私どもといたしましては、現時点で様々情報を収集中でもございます。また、因果関係等が確定しているものもない状況もある中で、今回の事案や、こうした点検に対する結果もしっかりと踏まえながら、機能性表示食品制度全体の検証を行っていく必要があると考えてございます。
(問)冒頭発言に絡んでお伺いします。紅麹の成分が配合された商品というのは、小林製薬さんのやつが8商品で、他の事業者が1品で、合計9商品かと思いますが、その1商品というのは特に撤回の申出というのはありませんでしょうか。
(答)現時点ではございません。
(問)ありがとうございます。
あと追加で。この機能性表示食品制度というのが始まってから健康被害が発生して自主回収に至った事例というのは、今回初めてになるでしょうか。
(答)今回初めてでございます。
(問)小林製薬に対して報告を求められたということですけれども、その報告というのはどういう法律の根拠に基づくものなのかというところについて伺えますでしょうか。
(答)今回、小林製薬について私どものほうから報告を求めましたのは、安全性に関する科学的根拠を再検証ということでございます。
 これにつきましては、私どもで所管をさせていただいております機能性表示食品は届出制ということでございますので、所管させていただきます法律の運用の中で求めさせていただいているというところでございます。機能性表示食品の根拠法令は食品表示法でございます。
(問)1点、先ほどの小林製薬の件で。総点検を指示したということですけれども、総点検の具体的なやり方としては、どのような点検で、そしてそれはいつまでに取りまとめる御予定でしょうか。
(答)総点検といたしましては、現在、細かなところ、どういう項目にするのか、どういう様式にするのかなど、急ぎ詰めさせているところでございます。
 現在のところでございますが、機能性表示食品は医薬品と比較をいたしまして恒常的に過剰に摂取する恐れが高く、毎日食べる時に飲むということがありますので、万が一健康被害が発生したときには、これ多くの方が取っているということでスケールメリットが大きい。医薬品であれば、限定した処方の方々が飲んでいるということですが、今回は食品ということで、多くの方がたくさん食べている、飲んでいるということでございます。ですので、急速に発生が拡大する恐れがあるというふうに考えてございます。
 このため、既に届出されている機能性表示食品を対象にいたしまして、現在健康被害が発生していないのか、また健康被害情報の収集、評価、行政機関への報告の体制、そして健康被害があった場合の健康被害情報の評価の実施状況等、事業者に対しての確認を求め、文書で提出いただくことになるというふうに考えてございます。
 また、詳細はきちんと詰まりましたら皆様にお知らせいたします。
(問)紅麹の件で関連してですけれども。今、消費者庁の窓口には、例えばその健康被害を訴える相談などというのは寄せられているんでしょうか。
(答)我々どもPIO-NET(パイオネット、全国消費生活情報ネットワークシステム)というものを使わせていただきながら消費者の皆様の情報をいただいているところでございますが、ここについては、現在のところ報告できるものはないという状況でございます。ただ、これ逐次締めておりますので、また状況は日々更新されていくものでございます。
(問)話題が変わって恐縮ですけれども、政務についてお伺いいたします。自民党の二階俊博(にかいとしひろ)元幹事長が、派閥の政治資金問題の政治資金を明らかにするとして、次期衆院選に立候補しない意向を表明されました。大臣は二階派に所属しておりましたが、受け止めのほうをお聞かせください。
(答)私といたしましては、今回、二階先生が次の衆議院選挙にお出にならないということを記者会見されたということは、報道等でも承知をしてございます。
 現在の私の大臣という立場から、政府の立場からになりますので、一議員の先生の進退についてのコメント自体は差し控えたいと存じますが、その上で一人の議員として申し上げれば、二階先生には、これまで長年にわたりまして大変な御指導を賜ってまいりまして、親身に御指導いただきました。大変お世話になってきたところでございまして、改めて深く感謝を申し上げたいと考えております。
(問)別件で、万博関連でお伺いさせていただきます。タイプAでの参加を予定していたパキスタンがタイプCに移行するということを日本政府側に通達しているということになっているんですけれども。
 現時点での政府側の手続の進捗状況と、万博の中心的な華と言われるタイプAパビリオンからほかのタイプへの移行であったり、撤退というのが相次いでいることに対しての受け止めをお願いいたします。
(答)お答えいたします。個別の国の状況について、相手国との関係上、お答は差し控えたいと思ってございますが、その上で一般論として申し上げれば、万博の開幕まであと1年となってございますので、各国のパビリオンの準備状況に応じて、タイプAからタイプCへの移行について、日本側から提案を行っていることは事実でもございます。タイプCに移行したといたしましても、パビリオンの展示の内容が魅力的であるものになるよう、参加国と二人三脚で関係者一丸となって準備を進めてまいりたいと考えてございます。
(問)別件で失礼します。先週金曜日に東京地裁であった判決に関連してお伺いします。
 子供がベッドから転落するのを防ぐベッドガードによって生後9か月の子がベッドガードとマットレスの間に挟み込まれて死亡した事案で、御遺族の方が販売元に対して提訴して、賠償の命令を命じた判決でした。
 事故情報データバンクを見ると、ゼロ歳児の子がこのベッドガードで亡くなる事故が4件、2017年以降既に発生しておりまして、これらの事案の分析など、対象年齢が1歳半以上という注意喚起以外の消費者庁としての御対応、事故の分析などの深掘りはされますでしょうか。
(答)お答えいたします。まずは、亡くなられた当時9か月だった男の子に対しまして心からお悔やみと、また御遺族にも心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 国が当事者の訴訟ではないため、現時点で判決の詳細を承知していない状況でございますが、報道を通じ、事業者側の注意表示が不十分だったとして賠償を命じる判決が出たということは承知をしてございます。
 個別の訴訟案件でございますので、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思ってございますが、消費者庁としては従前より、乳幼児は大人用のベッドに寝かせるのではなく、満2歳まではできるだけベビーベッドに寝かせていただきたいということ、また大人用ベッドに幼児用のベッドガードを取り付ける場合には、生後18か月未満の乳幼児には絶対に使用しないでいただきたいということ、などについて注意喚起を行っておりまして、引き続き消費者への周知啓発に努めてまいりたいと考えてございます。

(以上)