自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年1月30日

(令和6年1月30日(火) 10:24~10:37  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)高市大臣の万博延期に関する発言について伺います。現職閣僚からこのような発言が出ていることに対する受け止めと、万博の中止、延期、縮小は選択肢の一つとして考えていないのか、改めてお聞かせください。
(答)ありがとうございます。能登の復興に万全を期するというのは当然のことだと考えてございます。そのために、政府といたしましても、緊急に実施すべき新パッケージを取りまとめ、令和6年度の予備費を1兆円に倍増するなど、財政制約で対応を躊躇することがないように、その対応を強化しているものと承知をしてございます。
 また、電線などの一部資材に経済産業省つきましては、万博での需要が復興の妨げになるのではという声に関しまして、需給を丁寧に把握し、復興に支障がないよう、万博関連の調達を計画的に進めるよう、先週、総理から指示があったところです。
 具体的取組といたしまして早速、必要な物資等の供給の円滑な確保を図るべく、の中に窓口が設置され、石川県との連携体制が構築されたと承知をしてございます。
 現時点におきましては、経済産業省からは万博関連の資材調達等によって能登の復興に具体的に支障が生じるとの情報には接していません。
 そのため、2025年4月に予定されております大阪・関西万博を中止・縮小・延期させる必要があるとは現時点では認識しておりません。今後も関係省庁と連携しながら、資材等の需給をきめ細かく把握させていただきながら、万博関連の工事・調達等によって能登の復興に支障が生じることがないように、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
(問)同じく、高市大臣の発言内容などについてお伺いさせていただきます。高市大臣は、「既に万博の仕事を受けていたゼネコンが、被災地の復旧を頼まれて、万博班と能登班に分けて対応しているものの、配電盤を始め資材不足、人手不足で困っていて、万博延期を希望していた」という旨のコメントをされております。そういったゼネコン側からの声が上がっているということは、大臣としては御承知をされているのかということをお伺いさせてください。
(答)現在でありますけれども、経済産業省を中心に、資材の需給につきましては調査を行うとともに、博覧会協会において万博の建設を担当するゼネコンや下請け事業者の皆様に、復旧・復興に伴う万博工事への影響の確認を細かくしているところです。
 復興に支障がないよう、今後も資材等の需給を細かく把握するとともに、万博の工事・調達を計画的に進め、万博の準備に取り組んでまいりたいと思ってございます。
 なお、御存じかと思いますが、石川県庁の中にも国土交通省や経済産業省のリエゾンが現地に入って、石川県庁の方々や、当然ながら石川県の中のゼネコンの方々と密なコミュニケーションを日常的に取りながら対応をさせていただいているところでございます。
 そういった中で、お尋ねの班という言葉についての単語までは存じ上げませんが、当然ながら同じ緊張感を持って対応に当たっているということでございます。
(問)関連して、高市大臣の発言についてお聞きします。まず確認なんですけれども、こちらは閣内不一致というふうには捉えていないということでよろしいでしょうか。
(答)はい。大丈夫です。
(問)その上でお聞きしたいんですけれども。高市大臣は「支障がある場合には延期や縮小を」というふうに御発言をされております。閣内不一致でないということであれば、自見大臣も同じような考えをお持ちということでよろしいでしょうか。
(答)高市大臣の発言は、いち国会議員ということだということを御本人も前置きをされておられますが、「能登の復興に支障がないようにしてほしい」との趣旨であるというふうに認識をしてございます。そして、「能登の復興に支障が生じることのないように取り組む」ということ自体は「政府としての方針」でございますので、閣内不一致という認識はしてございません。
(問)「支障がもし生じた場合には」という部分については、同じ考えをお持ちですか。
(答)繰り返しになって恐縮ですが、能登復興に支障が生じることのないように細かく事業者とのコミュニケーションをしながら対応をしていくということでございますので、政府としての方針ということは同じだと思っておりますので、閣内不一致とは認識していないということでございます。
(問)もう一点万博関連でお聞きいたします。被災地復興との関連で、今後、万博の建設費、資材費高騰などを受けて工事費用の増加も考えられます。万一こうした増加が生じた場合に、会場建設費に設けられている予備費でこういった増額は賄えるとお考えでしょうか。現時点でのお考えをお聞かせください。
(答)会場建設費につきましては、今後の物価上昇も見込んだ上で必要な金額を見積もってございます。そういった議論をしてお認めをいただいたものが昨年末の補正予算でございます。
 そういったこともございますので、いわゆる予備費を活用することになるかについては、現時点で確定的なことは言える状況にはございませんが、いずれにいたしましても、会場建設費の更なる増額というものは想定しておりません。
(問)閣内不一致は明らかじゃないですか。高市大臣と自見大臣の今の発言は全く正反対というか、大きく食い違っていると。高市大臣は、もう既に電線、配電盤が不足して、人材不足、人手不足が起きているという現状認識、能登の厳しい状況を受けて岸田総理に縮小、延期を提言したと。
 今の自見大臣だと全然その危機感がないじゃないですか。被災地は今はしょうがないという認識なんですか。
 復興にもう既に支障が出ているじゃないですか。どこかから回さないともう復興に悪影響を及ぼすと、遅れてしまうという現状は、高市さんと何で一致しないんですか。
(答)お答えいたします。電線などの一部資材について、万博での需給が復興の妨げになるのではないか、高市大臣もそうおっしゃっておられましたが、そこにつきましては需給を丁寧に把握をし、万博に支障がないよう万博の関連の調達を計画的に進めるように総理からも指示があったところでございます。具体的に経済産業省の中で窓口も設置され、また県との連携体制もより一層強化をされている状況でございます。
 我々も一つ一つの業種、業態につきましても細かく状況を把握しながら、支障がないように現在取り組んでいるところでございます。
 繰り返しになって恐縮ではございますけれども、現段階といたしましては、経済産業省のほうから「支障があるというような声は聞こえていない」ということの報告を受けてはおりますが、引き続き緊張感を持って対応してまいるというところは一致をしていると思っております。
 いずれにいたしましても、私たちが非常に重要にしておりますのは災害からの復旧・復興が最優先でございまして、関係省庁と連携をして資材の需給の丁寧な把握に真摯に取り組んでいるところです。
(問)高市大臣とどういう話をされましたか。
(答)話はしてございません。
(問)高市大臣は、被災地はもう困っていると。人手不足、資材不足が起きていると言っているにもかかわらず、自見大臣はそういう認識ではないんですか。
(答)当然ながら様々な声があるということは承知をしてございまして、その上で客観的に、かつ正確な情報をそれぞれの業態、業種の方々と連携しながら把握をして対応しているという状況だということを御理解賜ればと思ってございます。
(問)関係省庁と連携して資材の需給環境を把握すると前回の会見でおっしゃいましたが、具体的にどういう組織体、協議体で、高市大臣の言っているような話を議論しているんですか。していないんですか。教えてください。
(答)現時点におきましては、いわゆる新しく何らかの機関を設置するという、そういう予定はございませんが、先ほど申し上げたように、当初からでございますが、様々な事態を想定して、石川県庁の中に経済産業省の方、国土交通省の方、それ以外の関係省庁の方もリエゾンとして多くの方が現地に入られて、今、一緒に県の対策本部と連携しながら政府の対策本部と一体的に活動をしていらっしゃる、そういう最中でございますので、デイリーベイシス(日常的に)、日々そのやりとりが行われているという状況でございます。
 ですので、繰り返して恐縮ですが、現時点においては御質問の趣旨にあります何か新しく機関を設置するということの予定はないわけでございますが、当然ながら経済産業省をはじめとした関係省庁との密な連携というものを図りながら、資材の需給を丁寧に把握し、万博関連の工事、調達等によって能登の復興に支障が生じることがないように計画的な調達などを含めまして、予定どおりの万博の開催に向けて取り組んでまいりたいということでございます。
(問)資材不足の報告は受けてないんですか、現地から。高市さんのところには行っているじゃないですか。情報をキャッチしているじゃないですか。何で自見大臣のところに来ていないんですか。資材不足についてどういう報告が行ってたんですか。
(答)繰り返しになって恐縮でございますけれども、つぶさに客観的な情報はいただいているものの、それらの経済産業省で統合していただいております状況によりまして、話といたしましては、現時点において明らかなもの、経済産業省から万博関連の資材調達等について能登の復興に具体的に支障が生じるという情報はないということでございます。
(問)今、その新しい機関を設置するわけではないというお話がありましたけれども、石川県庁に派遣されている職員というのは、今は災害復興に大変忙しい状況にあって、それが万博の資材とどうかということを考えている暇が果たしてあるのかなというふうに疑問を感じました。
 改めてその新しい機関を設置するなり、どのように本当に需給を把握するおつもりなのかということを聞かせください。
(答)これにつきましては、国土交通省の建設(担当の部)局など関係するところと日常的なやりとりを密に繰り返し行わせていただいてございます。
 その中で、基本的に今はどういうフェーズで、どういう工事の種類が必要か、あるいは土木もですが、どういう土木の種類が必要で、多分地域によってもフェーズは異なってくると思いますので、どの地域が今はどのフェーズで、そしてどういう種類の業者が必要でということもかなり細かく、当然ながらTEC‐FORCE(国土交通省緊急災害対策派遣隊)の皆様が入られておりますので、一元的に情報を把握する仕組みというものが既に今までのたび重なる震災の中で日本には構築しているものがございますので、そういったところの皆さんと日々連絡しながら対応しているという状況でございます。

(以上)