自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年1月12日

(令和6年1月12日(金) 11:01~11:20  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 消費者及び食品安全担当大臣として、まずお知らせがございます。
 「能登半島地震関連消費者ホットライン」の開設について、お知らせいたします。
 「消費者トラブルにあった際の相談については、現在、県や国民生活センターと連携し、消費者ホットライン「188」(いちはちはち)番等により相談機能の継続性を担保しているところです。
 今般、被災地の方々を対象に、相談の更なる利便性をしっかりと確保していくため、国民生活センターにおいて、「能登半島地震関連消費者ホットライン」を開設し、1月15日から通話料無料で相談をお受けできるようにいたします。
 石川県、新潟県、富山県、福井県の皆様におかれましては、屋根の修理の勧誘を受けた際などには、慌てて契約せずしっかり内容を確認いただくとともに、対応に困った時には一人で悩まずに、是非「能登半島地震関連消費者ホットライン」に御相談いただきたいと思います。
 詳しくはお手元の資料を御覧ください。
 続いて、2点目でございます。地方創生担当大臣として、宮城県、神奈川県及び長野県の視察についてお知らせいたします。
 宮城県、神奈川県及び長野県内の地方創生に関する特色ある取組や地域のニーズなどを把握し、今後の施策に生かすべく、来週1月15日(月)に宮城県内、1月16日(火)に神奈川県内、1月17日(水)に長野県内の地方創生の現場を訪問させていただくことになりました。
 詳細は地方創生推進事務局までお問合せいただければと思います。
 以上、2点でございます。

2.質疑応答

(問)発表事項に関連してお伺いいたします。発表のほうでも、災害に便乗した悪質商法や義援金詐欺に関して注意を呼び掛けられていますけれども、その後、被災地のほうからこういったトラブルについての報告があったのかということ。また、先々日の記者会見では、企業版ふるさと納税の前倒し認定などについても言及されましたが、その後、被災自治体からの要請などがあったかについても併せて教えてください。
(答)各地の消費生活センターに寄せられる相談は必ずしも悪質商法に関する相談に限られてはおりませんが、本日1月12日(午前)8時時点におきまして、能登半島地震関連の相談といたしまして、これは能登半島関連地震全部をひっくるめておりますが、相談としてPIO―NET(パイオネット・全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談件数は42件になっているところでございます。
 この中には「義援金を求める電話を受けた」ですとか、あるいは「屋根の修理を行うとの勧誘を受けた」との相談など、詐欺や悪質商法の疑いがある相談も含まれているところでございます。
 詳細につきましては、事務方にもお尋ねいただきたいところですが、過去の震災時には、便乗した悪質商法や義援金をだまし取ろうとする事例の情報も寄せられていることから、我々消費者庁といたしましては、必要な注意喚起情報は継続してしっかりと発信を続けてまいりたいと考えてございます。
 是非、消費者の皆様は対応に困った場合には一人で悩まず、「消費者ホットライン188」や、1月15日に開設いたします、被災された方々を対象といたしました「能登半島関連地震消費者ホットライン」に相談いただきたいと思ってございます。
 記者の皆様のお手元にもチラシがあると思いますので、是非御活用、御周知いただけたらありがたいと思っております。土日と祝日も含みます。
 また、「企業版ふるさと納税」についてでございます。同制度の活用の前提となります、地域再生計画に記載された寄付金額を引き上げる変更の認定に関しては、災害対応の特例として、可能な限り迅速に前倒し認定を行うこととしておりまして、現在、複数の地方公共団体から問合せを受けているところです。
 引き続き、今回被害を受けた地方公共団体に寄り添った柔軟な対応を進めてまいりたいと存じます。
(問)話題は変わりまして、先日の沖縄出張について伺います。大臣は宮古島(みやこじま)、石垣島(いしがきじま)を訪問されたと思うんですけれども、離島振興の必要性をどう感じましたでしょうか。
 また、下地島(しもじじま)空港なども視察されたと思いますが、防衛体制強化に向けた公共インフラ整備についての意見交換があったのであれば、可能な範囲で内容を教えていただけますでしょうか。
(答)就任後3回目となります今回の訪問では、宮古島、石垣島、竹富島(たけとみじま)を訪れまして、御指摘の下地島空港をはじめ、多岐にわたる現場を視察させていただきました。現場で皆様には大変お世話になりましたことを感謝申し上げたいと思います。
 また、竹富島では竹富小中学校を訪問させていただきました。この子どもたちは、初回9月に訪問させていただきました時に、偶然、糸満市(いとまんし)にあります平和祈念公園で平和教育を受けているところと、たまたまお話しをすることができて、その御縁を校長先生からもいただいて、今回訪問が実現したものになります。
 子どもたち自身の言葉で自分たちの竹富島の文化や祭り、そして生活の生業(なりわい)といったものを紹介してくれたり、あるいは学校で勉強している海洋教育やエシカル教育といった取組なども具体的に紹介してもらいました。
 どの子どもたちも自分の言葉でしっかりと発表することができ、また子どもの視点から見た現状といったものの意見交換もできまして、大変有意義な機会となりました。本当に感謝をしております。
 今回の視察では、それらに加えまして、コロナ禍を越えて、今現在は観光客などが沖縄に戻っているということがありますので、賑わいを取り戻しつつあるその一方で、人手不足が大変離島においても顕著になっているということを方々で聞いたところです。
 例えば、宮古島ではそういったことが影響して、離島地域の家賃が大変に上昇しているといった実情などもお伺いいたしまして、要望もいただいたところです。こういったことも踏まえながら、引き続き沖縄の振興に力を尽くしてまいりたいと考えております。
 また、お尋ねの公共インフラの整備に関してですが、その具体的な内容や場所については、検討と調整を丁寧に進めていくこととしており、現時点で何ら決まっているものはなく、今回の訪問において意見交換も行ってございません。
 その上で、一般論として申し上げれば、本件公共インフラ整備の一環として整備をする空港・港湾等につきましては、民生利用を主とするものであり、現行法令の下(もと)に利用等が行われるものと承知しているところです。
 いずれにいたしましても内閣府といたしましては、公共インフラ整備の意義を、民生の観点から丁寧に説明するように努めてまいりたいと存じます。
(問)話題は変わって万博のことについてお伺いします。万博のアンバサダーに関して、活動休止を発表した松本人志氏や、劇団員が死亡した問題を抱えている宝塚歌劇団が現在選ばれています。現時点で交代は検討されていないのでしょうか。
(答)報道については承知しているところです。松本氏につきましては、現在事実関係自体が論点となっていると承知しております。
 また、そして宝塚歌劇団については、労働基準監督署が調査を開始したとの報道もあり、また当事者間でも協議が継続されているということから、現時点でコメントは差し控えたいと存じます。
 任命を行った博覧会協会において、適切に対応されるものと考えてございます。
 なお、現時点で両者の万博アンバサダーとしての具体的な活動は予定されていないと承知しているところです。
(問)万博について、タイプAの海外パビリオンについて、現在も約20か国が建設事業者が決まっていないというふうに聞きます。震災の影響で更に建設事業者の選定や資材の供給が困難になる状況も見込まれますが、今後の対応についてお伺いします。また、延期や中止の選択肢があるのかも併せてお伺いします。
(答)まずは現下の災害対応に全力を尽くすことが最優先でございます。
 いまだ刻々と状況が変化する災害の真っただ中にあるため、今般の地震の影響が万博の準備にどのような影響を与えるかについて、予断を持ってお話できる段階にはないと考えております。
 現時点では、我が国としては、中止や延期については考えておりませんが、災害からの復旧復興を最優先とし、個々の建設事業者や下請となる事業者の状況もしっかりと把握しながら、万博の準備に向けてどのように進めることが最適か検討してまいりたいと存じます。
(問)今回の能登地震の被害の実態を受けて、例えば建築基準法を遵守した建物も倒壊したり、軟弱地盤のところで特に大きな被害が出たりという被害実態を受けて、同じく軟弱地盤上で開かれる万博の建築物の安全性の再チェックをするお考えはないのでしょうか。
 例えば4日の毎日新聞で、金沢大の村田助教授が指摘しているのですが、珠洲市正院町(すずししょういんまち)の河川の堆積物でできたところが軟弱地盤で揺れが大きくて被害が大きかったと。
 これは前回大臣がおっしゃったことと明らかに食い違うと。夢洲(ゆめしま)は軟弱地盤だけれども、河川のしゅんせつ土で液状化の程度が低いということをおっしゃっているのですが、明らかに食い違っているので、現地調査とか専門家の意見を聞くお考えはないのかというのが1点。
 すみません、もう1点が、やけどで亡くなった5歳の男の子、金沢医科大学で入院を断られた件ですが、医療関係者によると、これは明らかに救えた命じゃないかと。隣の県に搬送して入院させていれば大丈夫じゃなかったのか、救えたんじゃないかと。明らかに石川県の広域医療支援体制が不十分なことを物語っていると指摘しているのですが、大臣の御見解と、岸田総理が現地に行かれるということで、同行されてその辺をチェックされるお考えがないのか、2点についてよろしくお願いします。
(答)お答えいたします。1点目でございます。能登半島地震の被害の分析でございますが、今後専門家によって行われることになると考えてございます。そのため、現時点で万博会場内の個々の建築物の耐震性を再検証する考えは持っておりません。
 また、前回の発言でございますが、「夢洲では主に港湾や河川を採掘した際に生じた粘土質のしゅんせつ土砂で埋め立てるという対策が講じられており、少なくとも夢洲西側の万博会場の大部分については液状化は起こらないとの判断となった」と回答を行ったところであり、御指摘の内容と齟齬があるとは考えておりません。
 いずれにいたしましても、液状化については、博覧会協会が令和4年11月に地質調査を実施しており、また、その結果を基に専門家を交えた検討を行った結果として、博覧会の会場における液状化の可能性は低く、程度も軽微なものであると推定されたことから、博覧会に係る液状化対策は不要と判断したと聞いております。
 よって、現時点では、液状化対策を前提とした現地視察や特定の方からの聞き取りは検討していないということでございます。
 2点目でございます。まず、改めてですけれども、今回の能登半島の地震でお亡くなりなられた方々へ心からの御冥福をお祈りするとともに、また被災された方々へのお見舞いを申し上げたいと思います。
 「5歳の男の子が・・・」という事案についてでございますが、本件についての報道は承知しておりますが、詳細については存じ上げず、コメントは差し控えたいと思います。
 また、被災地の医療体制の整備については厚生労働省が対応されておりますので、私から具体的なコメントは差し控えたいと思います。
 また、前回の会見の冒頭に述べさせていただいたとおり、私の立場でも消費者及び食品安全担当大臣、そして地方創生担当大臣として被災者に寄り添った対応を行っているところですが、現時点で私が現地訪問を行うということは予定していない状況でございます。
(問)能登地震で軟弱地盤で大きな被害が出ているのに、なぜ夢洲で出ないと考えているのでしょうか。おかしいと思わないですか。同じ軟弱地盤じゃないですか。夢洲で被害が出なくて能登半島でこんなに被害が出ている事実を、何で向き合わないのですか。
(答)繰り返しになって恐縮でございますが、液状化については博覧会協会が令和4年11月に地質調査を実施しておりまして、その結果をもとに専門家を交えた検討を行った結果としての御結論ということで、博覧会の会場における液状化の危険性は低く、程度も軽微なものであると推定されたということから、博覧会に係る液状化対策は不要と判断したと聞いておりますので、よって現時点では液状化対策を前提とした現地の視察や特定の方々からの聞き取りは検討しておりません。
(問)北方領土の関係でお尋ねします。昨日、ロシアのプーチン大統領が千島列島と北方領土を指すクリル諸島に関して、必ず行ってみると述べ、北方領土への初めての訪問に意欲を示しました。
 大臣の受け止めを。今回の発言が領土返還交渉ですとか交流事業に与える影響ですとか、政府として対応が必要かどうかですとか、そのようなものも併せてお伺いできればと思います。
(答)御指摘の報道については承知しておりますが、政府として今後の状況を注視していくが、詳細については外務省までお尋ねいただきたいと思います。
 政府としては、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという方針を堅持していく考えです。
 元島民の方々が御高齢となられる中、領土問題の解決や、一日も早い北方墓参等の再開を強く望まれております。
北方墓参を始めとする北方四島交流等事業の再開は、今後の日露関係の中でも最優先事項の一つです。
 引き続きロシア側に対して、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を求めていく考えである旨を改めて申し上げたいと思います。
(問)話題は戻って万博について、先ほどの質問に関連してお伺いします。現在、万博の中止、延期は考えていない、そこは変わらないというお答えでしたけれども、まず機運醸成の動きについてはスケジュールどおりに進めていくというお考えでしょうか。
 また、災害対応に全力を尽くすのが最優先だというお話もありましたけれども、災害対応のいかんによっては延期だったりを考えること、これ自体は否定しないというように理解してよろしいでしょうか。
(答)1点目でございますが、機運醸成のスケジュールということのお尋ねがございました。機運醸成のスケジュールについては、個別の機運醸成のイベントなど取組が多数ございますので、それぞれのイベントにつきまして適切に判断していくものだと思っているところでございます。
 2点目につきましてでございますが、現時点では我が国としては中止や延期については考えておりませんが、災害からの復旧復興を最優先としながら、きめ細かく個々の事業者、特に建築の災害事業者や、あるいは下請の方々も関係してまいりますので、そういった事業者の状況も把握することにしっかりと努めながら、万博の準備に向けてはどのような進め方が最適かを検討していきたいということで、繰り返しで恐縮でございますが、中止や延期については考えていないということでございます。

(以上)