自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年1月9日

(令和6年1月9日(火) 11:20~11:38  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、1月1日に発生いたしました令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。
 また、被災にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 消費者及び食品安全担当大臣として、先ほど総理官邸で開催された非常災害対策本部においても同様の発言をいたしましたが、今般の震災への対応状況について申し上げます。
 地震等の自然災害の発災後は、災害に便乗して、本来必要ないのに工事が必要と言われて住宅の修理工事の契約を勧誘される、「保険を利用すれば実質的に無料で修理できる」などと契約を迫られる、といった消費者トラブルが発生する傾向がございます。
 また、過去の震災時におきましては、福祉団体や公的機関などを名乗って義援金をだまし取ろうとする事案の情報も寄せられているところです。
 消費者庁では、ウェブサイトやSNS等を活用いたしまして、災害に便乗した悪質商法、義援金詐欺などについて、皆様に注意を呼びかけているところです。
 また、消費者トラブルにあった際の消費生活相談につきましては、県の消費生活センターや、あるいは独立行政法人の国民生活センターがバックアップすることにより、相談機能の継続性を現在担保しているところです。
 このほか、被災地への食品の円滑な供給に資するために、災害救助法適用地域を対象にいたしまして、アレルギー表示及び消費期限以外の食品表示につきましては、表示がない場合に取締りを行わなくても差し支えないとする食品表示規制の弾力的運用に関する通知を関係自治体に向け発出いたしました。
 引き続き、現地の状況を踏まえつつ、震災対応に万全を期してまいりたいと思ってございます。
 もう1点でございます。
 地方創生担当大臣として、令和6年能登半島地震の被害を受けた地方公共団体に対する当面の対応について御報告をいたします。
 現在、募集を行っておりますデジタル田園都市国家構想交付金におきましては、自治体に出していただく実施計画等の提出でございますが、申請の締切りが最速で1月24日(水)となっているところから、今回、災害救助法の適用を受けた地方公共団体につきましては、被災状況に応じまして個別に対応するとともに、現場のニーズを踏まえた申請作業の伴走支援を行うこととしているところでございます。
 また、企業版ふるさと納税についてですが、同制度を活用した寄附の申出が多く寄せられることが想定されてございます。同制度活用の前提となる地域再生計画に記載された寄附金額を引き上げる等の変更認定につきましては、災害対応の特例として被災した地方公共団体からの要請に応じ、可能な限り迅速に前倒し認定を行うことといたします。
 こうした対応を通じまして、引き続き、所管の各事業において今回被災を受けた地方公共団体に寄り添った柔軟な対応を進めてまいりたいと存じます。
 以上、私からは冒頭発言は以上2点になります。

2.質疑応答

(問)先ほど冒頭発言があった災害後の対応についてなんですけれども、1月1日の地震に関して、現在の地震に関して、既にもう相談やトラブルの情報は寄せられているんでしょうか。
(答)お答えをいたします。本日1月9日午前8時時点においてですが、令和6年能登半島地震関連と思われるもので、PIO―NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された悪質商法に関する消費生活相談情報は確認されておりません。
 他方で、過去の災害では、先ほど申し上げました屋根瓦の修理等の悪質商法の他、震災に便乗した義援金の詐欺も発生する傾向にあることから、被災地以外の消費者の方々も注意していただくようにお願いしたいと考えてございます。
 消費者庁におきましては、引き続き現状を注視していくとともに、必要な注意喚起情報は継続して発信することで消費者被害の未然防止にしっかりと努めてまいりたいと考えてございます。
(問)同じく令和6年能登半島地震に関連してお伺いさせていただきます。震災復興のために、今後、建築資材が必要になってくることが予想されます。万博の会場建設用に発注した資材や建設人員などの一部を被災地に送るなど、何かこの災害の被災地に対して、この万博側からアプローチするということは考えているのでしょうか。また、これにより万博の準備等に影響が出る可能性があるのであれば、それも併せて教えてください。
(答)冒頭申し上げたとおり、被災された皆様の安全と、被災地の一日も早い復旧・復興のため、内閣の一員として全力を尽くしてまいりたいと考えてございます。
 現時点では、被災者の救助活動や、あるいは水・電気といったライフラインの給水車や電源車等による応急体制の強化等に取り組んでいる状況でございます。
 今回の震災の復旧・復興の方針が万博の準備にもたらす影響について、今、この瞬間申し上げる段階にはないと考えてございます。
(問)年末の沖縄訪問で代執行が決まった辺野古(へのこ)予定地の視察や、玉城(たまき)デニー知事との面談をしない一方、美ら海(ちゅらうみ)水族館を視察した理由が1点目と、万博の協会が発表した防災基本計画についてなんですが、これ夢洲(ゆめしま)が液状化しない想定になっているのがおかしいんじゃないかと。夢洲内でも東側と西側で液状化の程度が違うという、非常に信頼性を疑う結果になっているんですが、この信ぴょう性についてどう考えるのかということ。追加ですいません、3問目。能登地震でヘリのピストン輸送にシフトするべきだと。能登空港を拠点にしてヘリを中心に輸送するべきなのに、いまだに陸路中心になって、非常に大渋滞で時間がかかってると。この辺についての問題意識を持たれてないのか。3点お願いします。
(答)1点目でございます。昨年12月26日(火)から28日(木)にかけまして、伊江村(いえそん)を含みます離島、離島は伊江村でございましたが、離島を含む沖縄の北部地域を訪れまして、かつ北部12市町村長などから貴重な現場の声をお伺いしたほか、御指摘の美ら海水族館や伊江の製糖工場、また今帰仁(なきじん)歴史文化センター等も視察をさせていただいたところでございます。
 北部地域には、世界自然遺産に登録された豊かな自然環境をはじめまして、様々な強みが存在する一方で、過疎化が進む地域が多いなどの不利性も存在してございます。
 先般の出張の具体的な視察先等については、こうした観点を踏まえ、沖縄振興事業と関わりのある現場の第一線の状況を自らの目で確認するとともに、地元の皆様からの生の声を伺うという観点から選定をしたものでございます。
 そのため、御指摘の辺野古等への訪問や県知事との面会は行っていないということでございます。
 2点目でございます。万博の件でございます。昨年の12月に博覧会協会が公表した「防災基本計画」でございますが、学識経験者等で構成されております「2025年日本国際博覧会安全対策協議会」での意見を参考に、南海トラフ地震も含めて、津波を伴う大地震等の様々な自然災害を視野に入れ検討した上で策定したものと承知しております。
 この防災計画におきましては、夢洲では主に港湾や河川を採掘した際に生じた粘土質のしゅんせつ土砂で埋め立てるという対策が講じられておりまして、少なくとも夢洲の西側の万博会場の大部分においては、液状化が起こらないとの判断になったというふうに承知しているところです。
 3点目についてでございます。「能登空港のヘリの」というのは、どういう問題意識からおっしゃっているでしょうか。
(問)陸路が大渋滞をして、往復で10時間ぐらいかかると。能登空港は損傷しているけれども、ヘリの拠点にはなると。ヘリだったら着陸できるんで、ヘリをもっと活用して、救援活動をするべきじゃないかと。せっかくDMAT(ディーマット・災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム)の方がいっぱい現地に行っているのに、十分に生かされていないという医療関係者の声を聞いたもんですから、その点について問題意識を持っていないのかどうかをお聞きしたいのです。
(答)ありがとうございます。直接はDMATは厚生労働省、あるいは全体の統括は松村大臣でございますので、具体的なコメントは差し控えますが、問題意識は現場の方々も十分に持っているということや、空路の可能性というのも常に模索しているとはお伺いしておりますので、現場での問題意識ということは十分対応されているというふうに承知をしております。
(問)夢洲が液状化しないということなんですが、すぐ隣のカジノIR予定地は杭を打って液状化対策をすると。何ですぐ南側の万博のエリアは液状化しない想定になるのか。この結果を見ると、明らかに信ぴょう性は疑わしいと大臣はお感じになっていないんでしょうか。
(答)博覧協会自身が民間の調査会社に委託をいたしまして、令和4年11月に地質調査を実施しております。その結果として、博覧会の会場における液状化については危険度は低く、程度も軽微なものだったと推定されたというふうに聞いているところです。
(問)地方創生に関してお伺いいたします。国立社会保障人口問題研究所が昨年の12月に発表した地域別将来推計人口でも、地方の人口減少に歯止めがかかっていない状況が浮き彫りになっています。昨年末の記者会見でも関連した質問が出ましたが、政府が2014年に地方創生を掲げてから10年になります。新年に改めて大臣として地方創生にどのように取り組みたいか、意気込みなどがあればお願いいたします。
(答)地方創生の取組について一定の効果が現れているものもありますが、地方には仕事や交通や教育、医療、福祉など、様々な社会課題が残っており、地域別将来推計人口においても、地域によっては厳しい見通しが示されていると認識しております。
 人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えることは容易ではないものの、地方創生担当大臣としては、意欲ある人々や地域に寄り添って地域の課題解決を後押しする立場から、新しい発想も取り入れつつ地方の取組を支援していくことが重要だと考えております。
 私といたしましては、令和6年能登半島地震が発災したところであり、現在、政府を挙げて、自治体、関係団体、皆さんと一丸となってその復旧・復興、救助活動等に取り組んでいるところですが、こういった防災・減災、国土強靭化の取組等とも連携をしつつ、特に以下の4点は引き続き重要であると考えております。
 1点目が、進学を契機に地方から東京圏に流入する若年層、若者の方たちを地方に還流するため、地方への就職活動に係る交通費の支援と、地方への就職に際しての移転費の支援。
 2点目は、女性、若者、子育て世帯にとって魅力ある雇用を創出するため、地方拠点強化税制について、制度の対象となる部門の拡大や子育て施設の対象への追加。
 3点目が、地方で安心して子育てができる環境づくりのため、遠方の分娩施設で出産する妊婦への交通費等の支援、里帰り出産を含めた効果的な周産期医療体制の確保。
 そして4点目が、買物困難者に対する移動販売車による移動販売や、高齢者等の移動手段の確保による買物支援。
 こういった取組を、以上4点挙げましたが、進めていくことは非常に重要だというふうに考えております。
 こういった取組を積み重ねることと同時にですが、やはり広域連携の重要さというものが高まってくるというふうに認識をしております。それは、県内の中での広域連携であったり、県と県を超えた広域連携であったりということも含まれると思ってございます。
 そういった観点、視点も十分に踏まえつつ、地方創生を力強く、全国としてオールジャパンで進めていきたいと思ってございます。
 以上です。
(問)質問に挙げさせていただいていないので恐縮ですけれども、冒頭の発言もなかったものですから、確認の意味も込めて。
 明日10日(水)から沖縄を訪問と。これは予定どおり行われるのかというところと、この沖縄訪問の趣旨を御説明いただきたいのと。
 先ほどの御質問とも関連するんですけれども、今回は玉城知事との面談は御予定されていないのかなと思うんですけれども、そちらも併せて理由をいただければと思います。
(答)ありがとうございます。大臣就任以来、これまで多くの地元関係者の方々とお会いする中で、離島の実情についても、様々なお話を伺ってきたところです。近年、離島においては人口減少や過疎化などが深刻な課題となってございます。今回の出張は明日からでございますが、伺います。
 今回の出張では実際に宮古島(みやこじま)、石垣島(いしがきじま)、そして竹富島(たけとみじま)を訪問いたしまして、離島ゆえの強みや、あるいは困難性について、地元の皆様からの生の声をお伺いするとともに、振興事業などの現場の第一線の現状を自らの目で確認することを通じて、今後の沖縄振興に活かしていきたいと考えてございます。
 知事との面会は予定されてございません。詳細については、担当部局までお尋ねください。
(問)政治資金の関連で1点お伺いします。大臣御自身は退会届を出されているということですが、派閥の会長である二階俊博(にかいとしひろ)元幹事長が東京地検特捜部に事情聴取されたとの報道があります。また、一昨日には池田佳隆(いけだよしたか)衆議院議員が政治資金規正法違反容疑で逮捕されました。こうした事態をどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。         
(答)捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、お答えは差し控えたいと思ってございます。いずれにいたしましても、政府の政治の信頼が損なわれる事態はあってはならない。また、国民の皆様の真摯な声をしっかり受け止めなければいけないという岸田内閣の方向性、内閣の一員として私もしっかりと職務に邁進してまいりたいと感じております。

(以上)