自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年12月26日

(令和5年12月26日(火) 11:28~11:50  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 お世話になっております。私から冒頭2つのことについて発言をさせていただきます。
 1つは、沖縄担当大臣としての御報告になります。
 本日(26日(火))の夜から明後日(28日(木))にかけまして、沖縄を訪問させていただきます。
 就任後2回目となる今回の訪問では、離島(伊江村(いえそん))を含む北部地域を訪れます。北部12市町村長などからお話を伺うほか、OIST(オイスト・沖縄科学技術大学院大学)や伊江村立診療所、人工透析施設など様々な沖縄振興の現場を視察する予定としております。
 北部地域は、世界自然遺産に登録された豊かな自然環境を始め、様々な強みが存在する一方で、過疎化が進む地域が多いなどの不利性もあるところでございます。
 今回の出張では、地元の皆様の御意見をお伺いするとともに、現場の第一線の状況を自らの目でしっかりと確認をすることを通じて、北部地域の振興にしっかりと活かしてまいりたいと考えているところでございます。
 日程等の詳細につきましては、沖縄担当部局までお尋ねいただければ幸いです。
 続きまして、2点目でございます。消費者及び食品安全担当大臣として、徳島県への出張について御報告をいたします。
 今回の出張では、まず、消費者庁新未来創造戦略本部と徳島県の消費者行政プラットホームを視察いたしました。
 続いて、徳島県の後藤田(ごとうだ)知事との意見交換を行いました。消費者庁においては、引き続き、後藤田知事をはじめといたします徳島県との緊密な連携のもと、未来に向けた取組を、積極的に進めてまいりたいと改めて感じたところです。
 その次に、フードバンクとくしまを訪問いたしまして、その取組・活動内容についての御説明をいただきました。生活に困窮する方々への支援とともに、食品ロスの削減にも寄与する取組を10年間続けられてきたことに、大変な感銘を受けたところです。
 続きまして、徳島県消費者情報センターを訪問いたしました。消費者行政に熱心に取り組まれている相談員の皆様から直接お話を伺いました。地方における消費生活相談の現場の様子や取組は、大変参考になりました。
 最後に、小松島市(こまつしまし)では、行政のみならず事業者の方々も含め、様々な見守りネットワークの構成員が、しっかりと高齢者の方々を見守るための体制を地域で構築しておられるお話を伺いました。そうした取組を今後の実効性のある消費者行政の実現に向けてしっかりとつなげていくよう努力してまいりたいと思った次第でございます。
 今回の出張では、消費者行政の最前線である地方における課題、地域での活動の重要性等について、現場の方々から大変有意義な御意見、お声を頂戴いたしました。これらを、今後の消費者行政の推進にしっかりと活かしてまいりたいと思います。
 冒頭発言は、私から以上2点でございます。

2.質疑応答

(問)万博関係でお伺いさせていただきます。昨日、万博パビリオンのタイプX(エックス)の資材のキャンセルで十数億円を協会が負担しなければいけないのではないかというところと、タイプXについて最大でも3か国しか利用しないのではないかという報道がなされました。この事実確認と、このキャンセルで費用がかかるというところであれば、更にこの万博の運営費がかさんでくるところになるかと思いますが、大臣として何かお伺いしている話があれば教えてください。
(答)お答えいたします。タイプXについては、万博開催までの工期等を勘案し、既に25棟分の資材を先行的に発注済みでございます。
 このうち、タイプXの採用を決定した国は、現在のところ2か国です。その他の参加国については現在調整中でございますので、最終的にタイプXを採用する国が何か国になっていくのか、現時点では言及できるものではありません。
 タイプXを採用する国の数が決まっていないため、現時点で、お尋ねの費用ということを見通すことは困難ですが、仮に資材が余った場合にも他の建物で有効利用するなど、無駄が生じないように努めていきたいと、協会のほうが考えているとは承知しているところです。
 また、お尋ねの費用については、会場建設費の中で賄われることになると承知をしております。
(問)キャンセルはしないということなのでしょうか。
(答)キャンセルという言葉が何を詳しく示しているかということにもなりますが、今、私どもが用意している25棟分の資材の確保はしている状況の中で、今後最終的な調整が済んで、そしてタイプXを採用する国の数が明らかになれば、当然ながら25棟分から差し引いた金額ということになろうかと思いますが、その金額と同時にそこの資材等々について、どのように博覧会協会のほうで余ったものの他の建物について有効利用するのかなども含めて検討していただくことになっていると思ってございますので、そのように理解をしていただければと思っております。
(問)話題が変わって、派閥のことについてお伺いするんですけれども。大臣は先週派閥に退会届を提出されました。その後、受理しないという発表が派閥からあったと思うんですけれども、あの後に受理はされたんでしょうか。
(答)お尋ねをいただいた件ですけれども、先週の金曜日に議員会館のほうで記者会見をさせていただいたときにも申し上げましたけれども、私の場合は参議院の志帥会の所属でございますので、参議院の志帥会の会長は中曽根(なかそね)先生でございます。
 ですので、一義的には中曽根先生にまず御了解をいただくプロセス、その後に二階(にかい)会長をはじめとしたしかるべき幹部の先生方に御了解をいただいた上で事務局に提出をしたということでございます。
(問)それはもう事務局に提出して受理をされたということでしょうか。
(答)はい。事務局に受け取っていただいているとは承知をしております。その先のプロセスについては、私が申し上げるものではないと思ってございます。
(問)先日、「派閥の幹部に相談された」と大臣は説明されましたけれども、武田(たけだ)事務総長がコメントで「相談はなかった」というように話されていて、そこに食い違いがあるのかなと思うんですけど、その点はどのように説明されますか。
(答)繰り返しで恐縮ですけれども、参議院の志帥会は中曽根会長が会長でございますので、中曽根会長にしっかりとお話をして、そして御了解をいただいた上で、二階会長にもそのプロセスとして私は直接お話をさせていただいたということでございます。
(問)話題がひとつ戻ってしまって恐縮なんですが。万博の関連で、先日万博費用の全体像を公表された際に、経済波及効果の再試算など、今後の対応について言及されていたかと思いますが、改めて万博の開催に向けて国民から理解を得るためにはどのようなことが必要だとお考えか、お聞かせください。
(答)国家的プロジェクトであります大阪・関西万博の成功には、国民の皆様の御理解が不可欠であると思ってございます。そのためには透明性を持った国民に対する丁寧な説明ということや、分かりやすい情報発信が非常に重要だと考えてございます。
 こうした観点から、万博の費用対効果を国民にもいま一度しっかりとこの時期に説明できるようにすることが大切だと考えましたので、万博の経済波及効果についても再度試算をするように私のほうから事務方に指示を出したところでございます。
 また、一方で、費用の全体像についても、皆様からの様々な御指摘も今後も踏まえまして、分かりづらいところがあればしっかりと丁寧に説明をしていくなどのアップデートが必要だということは事務方には指示をしております。とにかく透明性のある情報の提供、丁寧な説明が非常に重要だと思ってございます。
 私といたしましては、今後ですけれども、そういったことを丁寧にしつつ、また9月に着任をさせていただいてから今まで3度の現場の視察、あるいは各国の大使がそれぞれの国の中で様々な検討をして、そして是非これを大阪万博で御披露したいというものを、今、各国大使からもいろいろ教えていただいております。あるいは民間パビリオンのプロデューサーの方々からの思いも直に伺っております。これを是非、多くの方々にも共有をしていくようなプロセスを来年はしっかりと踏み、また万博の意義は国民全体でその観光の誘客も含めまして、あるいはその意義の浸透も含めまして、国民みんなでこの万博を盛り上げていくというのが大きな課題であろうと思っておりますので、そのための最大の努力をしてまいりたいと考えております。
(問)万博開催時に南海トラフ地震が来ることによる来場者の被害想定、死傷者数予測はなぜ所管外なんでしょうか。避難所の規模とか、災害対応の医療スタッフの数を決めるのに重要な数だと思うんですが、これは把握すらしていないのかというのが一点。
 あと、先日発表の万博関連インフラ整備計画事業費約9.7兆円のうち、万博が終わった後にカジノIR(アイアール)業者が使える分というのは何割ぐらいなんでしょうか。これは200億円といわれている応分の負担が妥当な額だとお考えか。2点よろしくお願いします。
(答)お答えいたします。先日の会見で「直接の所管外」と申し上げた部分につきましては、一般的な南海トラフ地震が発生した際の被害想定については、内閣府の防災担当において算出されており、万博会場内の個々の建築物の耐震性については国土交通省が定める新耐震基準のもと、大阪市が構造耐力等を適切に審査しているという趣旨で申し上げたものでございます。
 なお、大阪・関西万博の来場者につきましては、その安全を確保すべく、博覧会協会において学識経験者等で構成されております「安全対策協議会」を設置し、南海トラフ地震も含めて、津波を伴う大地震等の様々な自然災害を視野に入れた検討を行っているところでございます。
 こうした様々なケースを踏まえた具体的な避難計画等の策定、あるいは医療救護体制の確保等については必要な検討が進められていると承知をしておりますが、現在、博覧会協会において京都大学の防災研究所の多々良(たたら)教授を座長といたしまして、大阪府市等にも御協力をいただきながら検討を行っておりまして、本日、防災基本計画が公表される運びになると聞いておりますので、私からの詳細なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 もう一点は、IRの関係のことでございます。IRにつきましては、万博とは別のプロジェクトでございまして、IR整備法等に基づいて適切に対応されるものとしておりますので、万博担当の私から答弁をさせていただくということは差し控えさせていただきたいと思いますが、先日も事務方から御説明をさせていただいたとおり、インフラの整備事業は博覧会の閉幕の後も「大阪・関西地域の社会経済活動を支える基盤」として継続的に利用されるものであって、大阪・関西万博のための新規又は追加的なものではないが、その上で、あえて各事業ごとの合計金額を示させていただいたという、まずその前提がございます。
 そのため、整備される施設が、IR事業を含め万博以外にどのように利用されるのか、またIR事業者の負担分について、私の立場から お答えをする性質のものではないと考えております。
 しかし公表されている情報によりますと、IR事業者が大阪市によって実施される公共インフラ事業の一部として202億円、そして5,000万円を将来負担すると公表されているということは承知をしているところです。
(問)一点だけ確認。南海トラフ地震時の来場者の死傷者数予測の数は把握されていないんですが。把握しているかどうかなんですが。
(答)本日防災計画が博覧会協会の多々良座長の下で公表される運びと聞いておりますので、私からその内容についての詳細コメントはここでは控えさせていただきたいと思います。
(問)地方創生の関連で2点お願いします。
 政府は2014年に地方創生の旗を立ててから来年2024年で10年となります。当初、人口減の克服と東京一極集中の是正ということを目的に始まったと思いますが、現状はいずれも達成しているとは言い難いような状況かと思います。
 こうした現状に対する認識と、成果が上がらない要因、今後に必要な取組についてお願いします。
 もう一点。地方創生にあわせて各自治体が人口ビジョンというものを策定しましたけれども、そちらも10年たって見ているとなかなか推計どおりにはいっていないところが多くて、現実と推計の乖離のようなものが生じていますが、この点の要因についてのお考えもお聞かせください。
(答)地方創生の取組について、一定の成果が表れているものもありますが、地方には仕事・交通・教育・医療・福祉などの様々な社会課題が残っておりまして、このたび公表された「地域別将来推計人口」においても、地域によっては、秋田県も含めてですが、大変厳しい見通しが示されていると認識をしているところでございます。
 この人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えることは容易ではないものの、地方創生担当大臣といたしましては、意欲ある人々や地域に寄り添って、地域の課題解決を後押しする立場から、新しい発想も入れつつ、地方の取組を支援していくことが非常に重要だと考えております。
 私からは、特に以下4点でございますが・・・。
 1点目が、進学を契機に地方から東京圏に流入する若年層を地方に還流するため、地方への就職活動に係る交通費の支援と地方への就職に際しての移転費を支援すること。これが1点目です。
 2点目ですが、女性・若者・子育て世代にとって魅力のある雇用を創出する、そのために地方拠点強化税制について、制度の対象となる部門の拡充や、あるいは子育て施設の対象への追加といったこと。
 また、3点目ですが、地方で安心して子育てができる環境づくりのために、遠方の分娩施設で出産をする妊婦の方々に対して交通費等の支援、あるいは里帰り出産を含めた効果的な周産期医療体制を確保すること。
 そして、4点目が、買物困難者の方々に対する移動販売車による移動販売や高齢者等の移動手段の確保による買物支援です。
 こういったものを進めることが重要だと感じているところです。
 しっかりと地域の声に耳を傾けながら、共に地方創生を力強く進めてまいりたいと思ってございます。これが1点目でございます。
 2点目につきましては、人口ビジョンの話でございます。国につきましては、直近の状況を見ますと、推計していた人口とおおむね国としては変わらないという水準でございます。また、一方で地方公共団体ですが、地方の実情に応じて将来の人口を推計していると承知しておりますが、実際の人口と推計の関係については出生、そして死亡や転入・転出の状況により様々であると認識をしております。特に地方自治体においては、一番近々のデータを取り入れてくださっておりますので地域の実情に応じて推計の仮定を変更することで、将来の人口を推計し直した結果、推計値が下方に修正されたところもあるということです。
 いずれにいたしましても、地域によっては厳しい見通しが示されているということは認識をしておりまして、政府といたしましては先ほど言った4点の事柄や、あるいはデジタルの力、そういったことも含めて地域の皆様のお声をしっかりと聞いて取組を深化させてまいりたいと考えておるところです。
(問)主に2つの点に関してお伺いします。
 1点目が派閥の関係です。先ほど参議院志帥会の中曽根会長、二階会長には派閥を抜けられるという話をされたということですが、武田事務総長とは話をされていないということなんでしょうか。また、衆参両院の派閥の議員をまとめる幹部の一人である事務総長からこうしたコメントが出されていること自体については、どのように受け止められているんでしょうか。
 また、退会届を出されて以降、派閥の理解を求めるために大臣として何らかの対応を取られたのか、また今後対応を取られるお考えはあるのか、お聞かせください。
(答)繰り返しで恐縮ですけれども、私のほうは参議院志帥会でございますので、一義的に中曽根先生に御了解をいただくというプロセス、その後に二階会長をはじめとした先生方ということでございましたので、答えとしては先ほど答えたとおりでございます。
 また、2点目のお尋ねでございますが、何らかの対応をされるかということですが、特段予定はしておりません。
(問)では、武田さんとは話をされていないということでいいのかということと、武田さんのコメントに関する受け止めをお願いします。
(答)一義的に中曽根会長にお任せをして諸々していることでございますので、私のほうからそこから先のことについて申し上げることはしないということでございます。
(問)最後の1点。話題が変わりまして、来年は辰年ということで、大臣は年女でいらっしゃいますが、辰年の抱負についてお聞かせください。
(答)ありがとうございます。私の場合は毎年変わらず淡々と丁寧にお仕事を一所懸命したいと思っております。またよろしくお願いいたします。

(以上)