自見内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年9月14日
(令和5年9月14日(木) 13:30~14:01 於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)
1.発言要旨
このたび、内閣府特命担当大臣及び内閣の担当大臣を拝命いたしました、自見はなこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。私の担当は、沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、地方創生、アイヌ施策、国際博覧会の担当でございます。
まず、大阪・関西万博についてです。開催まで600日を切り、準備を加速させる必要がございます。海外パビリオンの建設をはじめ、様々な課題もあり、私自身が先頭に立って、何としてでも万博をしっかりと成功させたいという気持ちでございます。危機感を持って対応に当たりたいと思います。
地方創生についてですが、地方創生は東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住み良い環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目指しております。
新たな地方創生のビジョンであるデジタル田園都市国家構想の実現に向け、昨年末に策定されたデジタル田園都市国家構想総合戦略に基づき、政府一丸となって、地域の取組を後押ししてまいります。
また、国家戦略特区におきましても、デジタル田園都市国家構想を先導することが期待されるスーパーシティやデジタル田園健康特区の取組を強力に推進していきます。
地方分権についてですが、地方分権改革の推進は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、極めて重要なテーマです。
特に地方分権改革に関する提案募集について、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って、改革を着実かつ強力に進めてまいります。
また、改革の成果を国民が実感できるよう、優良事例の普及や情報発信の強化等に努めてまいります。
沖縄及び北方対策についてですが、沖縄につきましては、沖縄振興特別措置法や沖縄振興予算等のあらゆる政策手段を最大限に活用しながら、「強い沖縄経済」の実現に向けて、沖縄振興策を推進してまいります。
また、沖縄の基地負担軽減のため、県民の皆様の思いを受け止めながら、関係閣僚と連携の上、最善を尽くしてまいります。
北方領土問題につきましては、この問題を解決し、平和条約を締結するという方針を堅持していく考えです。国民世論の啓発の強化、元島民の方々への援護等に積極的に取り組むとともに、北方四島交流等事業の再開に向けて取り組んでまいります。
アイヌ政策についてですが、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するため、令和元年にアイヌ施策推進法が施行され、令和2年には民族共生象徴空間「ウポポイ」が北海道白老町(しらおいちょう)に開業したところであり、引き続きアイヌ文化振興施策、生活向上施策、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた施策を総合的かつ効果的に推進してまいります。
消費者及び食品安全政策についてですが、消費者の安全・安心の確保は、申し上げるまでもなく、重要な課題です。消費者の自立の支援とともにしっかりと取り組んでまいります。
高齢化やデジタル化の中で、消費者取引が複雑化・多様化し、消費者を取り巻く環境は変化していることから、これらの変化にしっかりと対応するための消費者法制度のパラダイムシフトを進めてまいります。
また、適正な取引や表示、安全の確保に向けた厳正な法執行、地方の消費者行政の充実・強化、消費者教育の推進、来年度に厚生労働省から移管される食品衛生基準行政への対応、科学的知見に基づく食品の安全の確保等にしっかりと取り組んでまいります。
続きまして、独占禁止政策を中心とする競争政策についてですが、公正かつ自由な競争を確保し、市場が適切に機能するための基盤整備を図るべく、全力で職務に当たってまいります。
官報の電子化についてですが、これまで紙で発行されてきた官報を電子化する、我が国のデジタル化にとって象徴的な取組であり、できるだけ早期に法案を国会に提出することができるよう、準備を進めてまいります。
公文書管理についてですが、現在と将来の国民への説明責任を全うするため、極めて重要な公文書管理制度について、公文書の適切な管理のための取組を着実に推進するとともに、デジタル技術を活用した確実かつ効率的な公文書管理の実現に向けて取り組んでまいります。
特定秘密の指定等の適正確保についてですが、独立公文書管理監及び情報保全監察室が、運用基準に定められた権限を適切に行使しつつ、特定秘密の指定等について実効的に検証・監察を行い、法の運用の適正が確保されるよう万全を期してまいります。
PPP/PFIについてですが、公共の施設とサービスに民間の資金と創意工夫を最大限活用するPPP/PFIは、新しい資本主義における新たな官民連携の柱となる重要な取組です。
今年の6月に、事業件数10年ターゲットの設定、新分野の開拓、手法の進化・多様化を三本柱として、「アクションプラン」を改定いたしました。
令和4年度から13年度までの10年間で30兆円という事業規模目標の達成に向けて、確実に諸施策を推進してまいります。
重要な政策課題に取り組むこととなり、身の引き締まる思いです。岸田内閣の一員として精いっぱい務めさせていただく所存でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
以上です。
2.質疑応答
- (問)沖縄及び北方対策大臣として御質問ですが、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、北方領土を巡っては領土返還交渉やビザなし渡航が途絶えていて、四島周辺での漁業交渉も難航しています。元島民が高齢化する中、北方墓参の再開も見通せていません。沖縄及び北方対策大臣として、北方領土問題にどう取り組んでいくお考えでしょうか。
- (答)御質問ありがとうございます。お答えいたします。
北方領土の問題は、日露間の最大の懸案でございます。
ロシアによるウクライナ侵略によりまして日露関係は厳しい状況にありますが、政府といたしましては、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという方針を堅持していく所存でございます。
そして、また私の担当でございますが、北方対策担当大臣といたしましては、国民世論の啓発、元島民の方々への援護などにしっかりと取り組んでまいりたいと思ってございます。
特に北方墓参を始めとする北方四島の交流等事業につきましては、現時点では、具体的な展望について申し上げる状況にはないところではございますが、政府としては、御高齢になられた元島民の方々のお気持ちに何とか応えたいという気持ちにいささかも変わりはございません。
北方墓参を始めとした北方四島交流等事業の再開は、今後の日露関係の中でも最優先事項の一つでございます。引き続きロシア側に対して、特に北方墓参に重点を置いて、事業の再開を求めていく。そしてまた、御高齢になられた元島民の皆様の思いを受け止めるとともに、関係団体の皆様の御意見もしっかりと受け止めて対応してまいりたいと思ってございます。 - (問)大臣は小児科医で、これまでこども政策にすごく力を入れてこられました。今回、とりわけ、例えば地方創生ですとか消費者行政ですとか、その他もろもろ、これまでの経験をどのように生かしていかれるのか、そのお考えをお聞かせください。
- (答)御質問ありがとうございます。お答えいたします。
私は小児科の医師として7年前まで勤務しておりまして、国会に送っていただきまして、このたび国務大臣という立場を頂戴いたしました。
今、御発言いただきましたように、小児科という立場から少子高齢化など、非常に重要な地域の課題と子育て政策がリンクしているという現状も、現場に足を運びながら体験をさせていただいております。
このたび、私の所管で地方創生や消費者行政という言葉を今いただきましたが、正に人口減少地域がございますので、地方に寄り添って、それぞれの地域間格差なくこども施策が実現できるよう、首長様それぞれの悩みもあると思いますし、住民の方々の思いもあると思います。私といたしましては、やはり現場にしっかりと足を運び、課題を伺って、地方創生が本当に心を一つにして行えるように頑張ってまいりたいと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。 - (問)消費者相としてお聞きしますけれども、電気、ガス、ガソリン代が高騰してる中で、激変緩和措置も入っているんですけれども、光熱費の高騰について消費者相としてどういった対応をされていくのか、お考えがあれば教えてください。
- (答)ありがとうございます。物価上昇についてということで大丈夫でございますでしょうか。ありがとうございます。
現在でありますけれども、物価上昇は本当に大きな課題として受け止めてございます。新型コロナの感染拡大防止、また地域経済や住民生活の支援のため、自治体が地域の実情に応じて、財政上の不安なく適切に対応できるようということで、所管でございますが、 地方創生臨時交付金を今まで措置をしてきたところでございます。
現状といたしましては、3月末に電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を1.2兆円追加する措置を講じたところでございまして、まずはこうした支援が速やかに現場に行き渡るよう、現在、円滑な執行に努めている、あるいはこれからも努めてまいりたいと思ってございます。
本交付金は、補正予算や予備費に基づく臨時の措置でございます。今後につきましては、経済社会情勢を踏まえながら、政府全体で適切に判断していくものだと考えております。 - (問)国際博覧会について、多くてすみません、3点大きくお聞きしたいです。
まず1点ですが、海外パビリオンの準備遅れが表面化しております。先ほど大臣も言及されていたかと思うのですが、現在、海外側に状況の聞取りを進めているところだと思いますが、まず現状について、言える範囲内で報告いただきたいのと、今後、政府として海外パビリオンについて対応をどういうふうに進めていくお考えか、教えていただければと思います。 - (答)ありがとうございます。万博についてお答えいたします。
現状の課題感も含めてですが、本日で大阪・関西万博の開催まで残すところ577日となってございます。
現在、目標となる150か国以上の参加国の招聘などにつきましては、開催に向けて確実、着実に取組が進んでいる一方で、御案内のように参加国が建設する海外パビリオンの建設を加速化する必要があると考えてございます。
また、今年の11月30日にはチケット販売が開始されるということも踏まえまして、万博のコンテンツの充実化や、全国的な機運上昇などが重要な課題であると私も認識をしております。
今後、自らが先頭に立って、しっかりと成功に向けまして、政府、博覧会協会、地元自治体、産業界など関係者と一丸となって全力で取り組んでまいりたいと思っております。
また、御質問がございました具体的な海外パビリオンの遅れについてでございます。
海外パビリオンの中で150を超える参加する国のうち、約100か国が入るタイプBとタイプC、これらについては博覧会協会が建設するものでございますので、既にこちらについては施工業者が決まっており、準備が進められているところでございます。
ただ、現在焦点になってございます、参加国が自前で建設する、約50か国ということでありますが、タイプAのパビリオンにつきましては、現時点で14か国は施工業者を決定いたしております。
また、博覧会協議会が全体の骨組みの部分を建設し、主体を建設し、外観や内装を参加国が行うタイプXも提案しておりまして、現時点ではタイプXに関心を示している国は5か国でございます。関心を示す国は更に数か国増えているということでございますので、またそのうちの1か国がタイプXに決定したということでございます。関心を示しているのが5で、そのうち1が決まったということでございます。
いずれにいたしましても、パビリオン建設につきましては決して楽観視できる状況ではないと認識しております。
引き続きまして、関係省庁を挙げて、参加国、政府、建設業者等の契約の締結に向けた取組を加速していくとともに、建設業界からの要望をしっかりと踏まえつつ、施工環境の改善に向けて必要な措置を早急に検討、実施することで、パビリオンの実施を促進してまいりたいと考えております。 - (問)消費者担当大臣としてお伺いします。昨年の臨時国会で岸田政権の重要法案として成立しました、不当寄附勧誘防止法についてお伺いします。
この法律は近年の消費者庁の中でもとても大きな山場だったと思うのですが、法律の内容としては実効性とか救済の範囲などに疑問の声もまだあります。国会審議や報道などを通じて、大臣として旧統一教会の問題として、出来上がった法律に関してどのように見ていたのか、そして今後、施行から2年への検討に向けてどのように対応していきたいのか、お伺いできればと思います。 - (答)ありがとうございます。消費者庁におきましては、不当寄附勧誘防止法について情報を今申し受け、そして、寄せられた情報を今現在、整理、集約をしているところでございますので、これらの情報を踏まえて法を適切に運用してまいりたいと考えております。ありがとうございます。消費者庁におきましては、不当寄附勧誘防止法について情報を今申し受け、そして、寄せられた情報を今現在、整理、集約をしているところでございますので、これらの情報を踏まえて法を適切に運用してまいりたいと考えております。
- (問)沖縄担当大臣として伺います。大臣の義理の父に当たる橋本元総理は、沖縄問題に強い思い入れを持って取り組んできたと思いますけれども、大臣は沖縄振興策にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。また、就任に際して総理から何か御指示などがあれば教えてください。
- (答)ありがとうございます。沖縄政策という非常に重要な政策を担当することとなりました。地元の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、沖縄の一層の発展に向けて、全力で取り組みたいと思ってございます。
また、沖縄は東アジアの中心に位置いたします地理的な特性や、日本一高い出生率といった優位性・潜在性を有してございます。
こうしたことを生かしながら、「強い沖縄経済」の実現に向けて、誠心誠意、私も担当大臣として沖縄振興策を国家戦略として総合的・積極的に推進してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。 - (問)万博関連でお伺いさせていただきます。大臣の御出身だったりとか、これまで育ったところは九州だというふうにお伺いしておりまして、関西とのゆかりであったりだとか大阪へのゆかりはあまりないのかなというふうにも見受けられるのですが。何かまず関西、大阪についての印象であったり、万博、今、建設遅れというところも心配されるところではありますが、2025年4月という開幕時期が決まっている中で、どういったものを世界や日本国内に発信できる万博にしていきたいのかという、ちょっと理念的な部分も含めてお伺いさせていただけばと思います。
- (答)ありがとうございます。私自身は九州の出身でございますけれども、私の大おじに当たる人間が、もう亡くなったんですけれども、大阪で泌尿器の開業をしておりまして、また私自身も全国区でございますので、大阪は非常にゆかりのある場所でございまして、様々な御縁を個人としてもいただいているところでございます。
このたびの大阪、そして関西万博でございますけれども、テーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」ということや、また、「未来社会の実験場」というようなコンセプトでございます。バックグラウンドといたしまして私も医師でございますので、今回の命というテーマ、あるいは小児科医でもありますので、やはり未来社会というところ、子どもたちに夢と希望をしっかりと示せるというところは非常に素晴らしいものだと思っておりますので、全力でこれは成功させなければいけないと思っております。
もちろん開催に当たりましては国内全ての皆様が、これは日本国がしっかりと責任を持って行う万博になりますので、国内の方々はもとよりでありますが、世界中の人々の交流ということも非常に重要だと思ってございます。
是非、この国際イベントを、私たちといたしましては世界に向けて日本の魅力も発信する絶好の機会にしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 - (問)万博相としてお尋ねいたします。今、会場建設費、最大1,850億円の上振れが懸念されている中で、政府は博覧会協会側に金額の精査をお願いしていると思うのですが、いつ精査が終わるか、今後のスケジュール感でもし言及していただけるものがあれば教えてください。
併せまして万博相として、大臣のお立場ですと、政府間、省庁の調整であったり、大阪府・市との連携であったり、いろんな方々とのコミュニケーション、要は調整力が問われるポジションであろうかと思います。そういった重責をどのように全うしていきたいかというのも併せて教えてください。お願いいたします。 - (答)ありがとうございます。御案内のように8月31日の大阪・関西万博に関する関係者会合の中で、岡田前万博担当大臣、西村経産大臣より発言のあったとおり、これまで基盤インフラの整備などの会場建設費につきましては、1,850億円に収めるべく最大限の努力をしているところです。
一方で御指摘いただきましたように、昨今の資材の価格や労務費の高騰等の影響を踏まえまして、増額の懸念が高まっているということも事実でございます。ですので、改めて建設費の精査を行うこととなりました。
また、会場の運営費については平成29年4月11日の閣議了承に基づきまして、適切な入場料の設定等により補っていくということを現在想定しているところでございます。
細かなところにつきましては、現在精査を行っているところでございますので、現段階で申し上げられるものではございません。ここについてはしかるべきタイミングと思いますが、今日の段階ではコメントはできない状況でございます。
また一方で調整力ということでございました。私に課せられた仕事は本当に重たいものであると思っております。総理からも1~2か月が非常に重要だということも御指示もいただいておりますので、とにかく現場にも足を運んで、そして関係者皆様がこの現段階で何が一番喫緊の課題なのかということもお伺いしつつ、ただ、全体を成功させるという立場でございますので、ソフト面も含めた運用というところにもしっかりと心を配ってまいりたいと思ってございます。
様々な関係者がございます。もちろん大阪府、そして大阪市ということ、そして経済界ということ、そして近隣の都道府県、そしてまたこの万博は日本国全体でおもてなしをするという意味もございますので、地方6団体も含めまして、ありとあらゆる関係者、首長さん、行政の皆様、そして何より楽しみにしてくださる国民のために最大限の調整をあらゆる努力をさせていただきたいと思っております。 - (問)医師国家資格をお持ちの大臣というのは非常に久しぶりの誕生となるかと思うんですけれども、地方創生担当相として地方の医療維持というのが課題になってくる中で、医師としての御経験をどのように生かしていくおつもりなのか、お聞かせください。
- (答)御質問ありがとうございます。地方創生の直近まで政務官をさせていただいておりまして、各首長さんたちからいろんな要望をいただく中で、やはり人口減少と同時に基盤的なソフトのインフラでもある医療についての御懸念もたくさん伺ったのも事実でございます。
そんな中でございますので、私、この立場をいただきました地方創生といたしましては、国民がどの地域に住んでいてもまず安心だということ、そして、自分の子どもたち、お孫さんがいればおじいちゃん、おばあちゃん、家族、そして地域社会の中で安心な生活を送れるということも非常に重要な要素だと思ってございます。そういった地方のお声、不安もたくさんまだまだあると思いますので、そういったお声にも真摯に耳を傾けたいと思ってございます。
また、医療も非常に重要なインフラでございますが、それ以外の例えば買い物ニーズとか、そういった生活に密着したところからお困り事もたくさんあるということも同時に認識をしております。様々な関係省庁と連携していかなきゃいけない部分もあるかと思いますが、諸先輩方や、あるいは関係省庁の皆様とも連携を取らせていただきながら、そういった側面で医師としての経験や知見を生かして頑張っていきたいと思っております。ありがとうございます。
(以上)