高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年5月16日

(令和5年5月16日(火) 16:15~16:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 5月12日から14日まで、宮城県仙台市におきましてG7仙台科学技術大臣会合が開催されました。同会合では、「信頼に基づくオープンで発展性のある研究エコシステムの実現」をテーマとして、G7各国の科学技術大臣との間で議論を行い、議長国である我が国のリーダーシップの下、本会合の成果文書として「G7科学技術大臣の共同声明」を発出いたしました。
 また、5月13日から14日までの間でエクスカーションとして各国閣僚らと共に震災遺構仙台市立荒浜小学校、東北大学災害科学国際研究所、大型放射光施設「ナノテラス」を視察したほか、G7の公式ハイレベル会合「量子技術が切り拓く未来」に出席いたしました。
 今回の会合を通じまして、科学技術分野の様々な重要課題に関するG7の政策、取組についてお互いに理解を深め、G7間の連携の更なる強化に向けた方向性が確認できたと思います。
 また、この場をお借りしてでございますが、仙台市の皆様をはじめ本会合開催に携わってくださった全ての皆様に、心より感謝を申し上げます。
 次に、健康・医療戦略担当大臣として報告をいたします。
 昨日5月15日に、インドとヘルスケアに関する合同委員会を開催しました。インドとは2018年10月にヘルスケア分野の二国間協力の覚書に署名をし、両国のハイレベルの対話の場として合同委員会を設置しております。
 今回は第2回となる合同委員会を開催したものでございます。私とインド保健・家庭福祉省のマンダビヤ大臣との間で対話を行い、ヘルスケア分野の二国間の協力の進捗を確認するとともに、今後の取組について協議を行いました。引き続き、インドとの協力に取り組んでまいります。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)全体会合、それからいろんなところに大臣と行かれたということなんですけれども、積極的にバイ会談もされたと聞いておりますが、バイ会談も含めて、改めてG7の結束も含めて感触というのを聞かせていただければと思います。
(答)バイ会談、公式の昼食会などを通じましてお互い友情を深め、個人的にも色々なことを知ることができました。
 特にバイ会談をしていて感じましたのは、それぞれ大臣によってスペシャルな関心分野があるということでございます。それは宇宙関係であったり、量子関係であったり、様々でございますけれども、各大臣の特に興味が強い分野なども理解できましたし、それぞれの国と日本がこれからどう協力し合っていけるかということについても理解を深めることができたと思っております。
 全体会合の中で私どもといたしましては、ロシアのウクライナに対する侵略、これは法の支配に基づく国際秩序に対する脅威として非難するということで、G7の科学技術大臣一同としても、強く非難するということ、そしてまた、科学技術イノベーションというのがウクライナを近代的かつ持続可能な経済として再構築する上で重要な役割を果たすといったこと、こういった発信ができたということが1つ。
 それからまた、一部の行為者が開かれた研究環境を不当に利用、歪め、研究結果を経済的・戦略的・地政学的又は軍事的な目的のために不正に流用しようという可能性があるという、この増大する懸念を共有したということで、これから一層、研究セキュリティ、またインテグリティ、これらの強化にお互い情報交換もしながら取り組んでいくということ、こういったことが確認できたことはよかったと思っております。
 もう1つは、私のこだわりでもございましたけれども、スペースデブリ対策です。これも当初は、国連などでも検討はされておりますので、そちらに任せてもいいのではないかという感触の国もあったようではございますけれども、宇宙空間を安全に、持続的に利用するということは、どのような事態になっても通信を継続させる、そしてまたしっかりと情報が収集できる、そのような環境を維持するということは、大規模災害のときにも必要なことですし、それから戦争といった非常事態にも必要なことです。
 まさにそれぞれの国の安全保障に直結することであるので、これはG7としてしっかり関与すべきだといった日本の立場を強く打ち出すことができ、これに対する賛同を得ることができたというのは非常に大きかったと思います。
 また、エクスカーションですけれども、今回、様々な閣僚会合が開かれましたが、唯一、被災地で開いたG7閣僚会合であったということで、荒浜小学校も見ていただき、閣僚の皆様それぞれ思うことがおありになったようでございます。日本の建物というのは割と強いんだねということをおっしゃった方もいらっしゃったけれども、水の力によってどれだけのものが破壊されるか、そういった現場も見ていただき、他方、東北大学にお世話になりましたが、復興に向けての歩みを着実に進めるとともに、防災に役立つロボットですとか、そういった新しい技術が開発されている、こういったことも感じ取っていただけたというのは大変意義深かったと思っております。
(問)今回の共同声明でG7の外の世界、G20だったりとかに対するオープン化と研究セキュリティ・インテグリティの両立はかなり難しいことだとは思うんですけれども、ここでしっかり団結をしましたということで、外に向けてどういうメッセージになったかというのをいただきたいというのが1点目。
 2点目が地球規模課題。前回のフランクフルトでは、脱炭素、二酸化炭素除去とか、かなりおしていたんですけれども、それがかなり減って、砕氷船とかというほうにいっています。これ自体の狙いと、手応えはいかがでしたかというのをいただけますか。
(答)G7からG20、更にはそれ以外の国々に対してもメッセージを発していくという強い姿勢というのは、例えば先ほど申し上げた宇宙環境の改善ということ、これもその1つでございます。G7を超えて対象が広がりますと合意が難しい点もあるかと思いますが、G7が結束してメッセージを打ち出したということは大きいと思っております。
 それから、今のロシアの行為に対する強い批判というものもしっかりと打ち出せたと考えております。
 また、研究セキュリティ・インテグリティの話でございますけれども、これも各国それぞれに模索をしながら取組を進めており、日本も同じでございます。例えば入国されるときの審査も強化されておりますし、みなし輸出管理なども強化している。そういった日本の取組、これも紹介しながら、各国がそれぞれに工夫している、そんなお話も全体会合や、そしてまたバイ会談を通じて伺うことができました。これもG7としては、研究成果の不正な利用、特に安全保障を脅威にさらすような、そういう利用を許さないという姿勢を打ち出せたと思います。
 それから、地球規模課題の解決ということにつきましては、極域、北極・南極の観測などについても私たちは話し合いをいたしました。気候変動にも積極的に科学技術の力を使って関与していく、こういったメッセージが打ち出せたと思っております。
(問)LGBTQの関連法案が、今日、自民党で今頃通っているでしょうけれども、与党プロセスも終わっているとは思うんですけれども、何か御見解というか御感想があれば、もともと関わりもあったでしょうし、お願いいたします。
(答)今は閣僚の立場でございます。議員立法で今検討されているものでございますので、現在、閣僚の立場でコメントすることはございません。

(以上)