高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年4月14日
(令和5年4月14日(金) 12:03~12:07 於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
科学技術政策担当大臣として報告いたします。
本日4月14日に、第15回統合イノベーション戦略推進会議を持ち回りで開催しました。会議では、「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」、「量子未来産業創出戦略」の2件について決定いたしました。
「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」は、我が国初の核融合の国家戦略として、私も全ての会議に出席して議論を行ってまいりました。本戦略では、これまでの研究開発を中心としたアプローチに加えて、フュージョンエネルギーを新たな産業として捉え、産業化の推進を図るなど、多面的なアプローチを展開することとしております。本戦略に基づき、フュージョンエネルギーの実用化を一層加速できるよう尽力してまいります。
また、「量子未来産業創出戦略」は、量子技術の実用化・産業化に向けた方針や実行計画を示したものでございます。「量子未来社会ビジョン」で掲げる目標を実現するための取組を推進してまいります。
2.質疑応答
- (問)ispace社が先日、月探査船を26日にも着陸させると発表しましたが、大臣としての期待をお願いします。
- (答)早ければ4月26日に、日本のベンチャー企業であるispace社の月着陸船が月面着陸を予定しています。月面への軟着陸に成功しましたら、民間事業者として世界初の事例になります。
また、昨年11月、ispace社による月面資源開発計画について、宇宙資源法に基づき許可を行いました。ispace社が採取したレゴリスのNASAへの所有権移転が実現しましたら、月面での宇宙資源の商業取引として世界初の事例にもなりますので、成功を大いに期待しております。
今回、月面着陸船の打上げを行ったispace社が目指す月面への輸送サービスの実現は、月面や月周辺の経済活動の基盤となるものでございます。現在、多くの民間企業が月面の探査と利用に関心を持って、月面産業に関する協議会を作るなどして積極的な取組を行っておられると伺っています。今回の着陸が是非とも成功し、月面や月周辺での経済活動も含め、今後の宇宙ビジネスの更なる発展に繋がることを期待いたしております。 - (問)核融合戦略について伺います。核融合として初の国家戦略ということで、掲げたことの実効性を持たせるために、予算の拡充を含めて今後どのように取組を進めていかれるか、大臣のお考えをお聞かせください。
- (答)戦略では、フュージョンエネルギーの実用化を加速するための多面的なアプローチとしまして、産業協議会の設立、スタートアップ等の研究開発の支援、安全規制に関する議論の開始、イノベーションを起こす新興技術の支援強化、またフュージョンエネルギー教育プログラムの開発などを、新たに展開することといたしております。
内閣府は政府の司令塔という立場で、関係省庁と一丸となって様々な政策手段を総動員することによって、産学官がしっかり連携して着実に戦略を実行できるよう、尽力していきたいと思っております。
(以上)