高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年4月11日

(令和5年4月11日(火) 9:51~10:07  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)ChatGPTといった対話型AIについて懸念が広がっていますけれども、科学技術・イノベーション担当大臣として、こういった課題と、一方では活用方策についてどういった認識をお持ちなのか、教えてください。
(答)ChatGPTなど対話型のAIでございますが、その開発プロセスにおいて、大量かつ多様なデータに基づく事前学習を行うことで高い性能を発揮しています。膨大な事前学習の量が一定の規模を超えると、急激にAIの精度が向上する現象が確認されていると承知をしております。
 一方で、対話型AIにつきましては、一般的に、一定の誤り情報が含まれ得るといった技術的課題のほか、セキュリティや個人情報保護の観点での懸念も指摘されております。特に、諸外国において懸念する報道がなされておりますが、膨大な事前学習に利用するデータや、サービス提供を通じて利用者から収集するデータなどにつきましては、適切に取り扱われる必要があると思っております。
 こういった社会的な懸念や課題が払拭されましたら、対話型AIの利用によって、多くの方がより多くの情報を効率的に利用できること、それから様々なデジタルツールをより簡便に使いこなせるようになる、つまり煩わしい操作を要さず、普通の言葉で各種機器を使えるようになることなどが期待できます。特にプログラミングなどでも、技術的に馴染みのない方でもできるようになるのではないかと期待しております。
 内閣府としては、関係省庁との連携も必要でございますが、新しい技術が適切に使われるよう、取り組んでまいりたいと思っております。
(問)4月9日(日)の朝のテレビ番組で、セキュリティ・クリアランスに関連して、セキュリティ・クリアランスの資格付与された者が情報を漏えいした場合の罰則については、特定秘密保護法と同じぐらいの懲役、10年以下の懲役あたりがマストの要件だと思っていらっしゃるというふうに発言されていたと思います。細かい点になりますが、これは10年以下の懲役と同等のものを整備するという意味なのか、それともあくまでそれは下限であって、それ以上の罰則が必要だとお考えになっているのか、お伺いできればと思います。
(答)これまで有識者会議でセキュリティ・クリアランスについて議論を進めてまいりました。その御議論の内容を踏まえまして、セキュリティ・クリアランス制度について、今考え得る論点を指摘させていただきました。
 私の考えは番組で申し上げたとおりですが、罰則につきましては、日本でも政府が調査して適性評価を行うという意味でのセキュリティ・クリアランスとしては、外交、防衛、テロ、諜報活動などについて、分野限定ではあるが、制度はございます。それが特定秘密保護法なのですが、それに加えて、企業に馴染みのある不正競争防止法も違反した場合に10年以下の懲役とされており、そういったものとのバランスも考えております。
 また、セキュリティ・クリアランス制度を早く整備しなければならないと私が考えている何よりの理由は、日本企業が海外において海外の政府調達から外されてしまったり、また海外の企業との取引にクリアランスがないばかりに支障が出てしまった、契約に至らなかったといったケース、それからクリアランスホルダーしか参加できないような学会に技術者、研究者が参加できない、こういったケースも生じていること、これを解消したい、日本のビジネスチャンスを喪失させるようなことは絶対に避けたいという強い思いがあって、今、検討に取り組んでおりますので、一定程度、友好国との同等性、他国でも通用するセキュリティ・クリアランス制度にしていくべきだと思っております。
 いずれにしましても、まだ有識者会議で検討中でございますので、具体的な制度設計について決定したものというのはございません。
(問)今の質問に関連して、岸田首相は2月の会議で、クリアランス制度に関して1年を目途に検討を進めるように指示しています。現在、有識者会議では企業等へヒアリングを行っていると思いますが、今後の日程や有識者会議でどのような検討を進めるのか、スケジュール感を教えてください。
(答)セキュリティ・クリアランスに関する有識者会議につきましては、引き続き月2回のペースで開催できるように有識者の委員の皆様の日程を調整しております。取りまとめのタイミングなど、詳細についてはまだ決めてはおりません。しかしながら、岸田総理からの御指示は、1年程度を目途にできるだけ速やかに、ということであったと承知をしておりますので、作業は急いでまいりたいと考えております。
(問)日曜日にあった奈良県知事選で、保守分裂が起こって、維新の山下候補が勝つという結果になりましたが、その結果をどう受け止めているのかと、大臣御自身は奈良県連会長として平木さんを擁立して、保守分裂に至った経緯があるわけで、それについて荒井さんは高市大臣に対して非常に批判的でもありますが、御自身の責任についてはどうお考えですか。
(答)この場は大臣としての会見の場でございますが、せっかくお越しいただいての御質問ですから、あえて申し上げますが、4月9日、投票日の夜に、既に自民党奈良県連会長名でコメントを出させていただきました。
 この度の奈良県知事選挙及び奈良県議会議員選挙において、自民党公認候補及び推薦候補の皆様全員がしっかりと政策を訴えて正々堂々と戦い抜かれたことは、誇らしく思っております。そして、また候補者及び支援者の皆様の懸命の御努力に、心より敬意を表します。
 その上ででございますが、日本維新の会の公認候補が奈良県知事の最適任者として選ばれたということ、それから奈良県議会議員選挙におきましても、依然、自民党が第一党ではございますが、日本維新の会が大幅に議席を伸ばしたことは事実でございます。奈良県の有権者の皆様の御判断を真摯に受け止めた上で、統一地方選挙の後半戦に向けた準備を進めるのが、今日の時点の県連会長としての私の責任だと考えております。
 その上ででございますが、日曜日が投票日で、昨日、今日もでございますが、私どもの事務所の秘書も、そしてボランティアで入ってくださっていた方も、今、平木省さんの事務所の掃除やリース品の返却など、一生懸命まだまだ頑張ってくださっております。その中で、昨日も随分、電話やメールをいただいたんですが、自民党奈良県連が分裂したように報じられることについては、平木省候補を全力で応援してくださった奈良県連の皆様からは「耐えがたい」というお声をいただいておりますので、少し説明をさせていただきます。
 平木省候補は、自民党奈良県連の推薦及び立憲民主党奈良県連の支持を受けた候補として戦われました。他方、荒井正吾候補は、国民民主党奈良県連の推薦を受けた候補として戦われました。自民党の推薦候補ではございません。
 2月から昨日までの間に、主に関西で報道されたことがもしも事実であれば、今回は奈良県内の自民党分裂ではなく、つまり自民党奈良県連の分裂ではなく、むしろ自民党奈良県連と自民党本部が別々の候補者を応援したのではないか、ということになってしまうと思います。このことをちゃんと確認してくれ、という電話が昨日は主でございました。
 例えば、2月25日付の毎日新聞奈良県版でございますが、荒井正吾氏は自民党の森山選挙対策委員長と奈良市内で23日に面会したと明らかにしたと。森山選対委員長からの言葉ですが、「正々堂々と引き続き頑張ってくださいとおっしゃってくれた。出馬して頑張れとのニュアンスと受け止めている」と語ったという、これは奈良県版の記事ですが、デジタル版の有料記事でまだ掲載されていると思います。
 また、奈良県知事選挙の告示日に荒井正吾候補の第一声について、出陣式の荒井候補の言葉を文字起こしされたものも手元に参っております。
 少しお時間をいただいて読み上げますが、「昨夜」、つまり公示日の前の日ですね、「最後の会合から帰るときに、森山選対委員長から私の携帯に電話がございました。御激励の電話だった。励ましていただき大変うれしかった。先生、やっと出陣まで行きますという報告をしたら、森山委員長は、後輩の皆さんが、参議院の後輩が、大臣になったりしている人ですが、後輩の皆さんがみんなあなたを応援している、という御報告があった。いろいろ課題もある選対委員長が私のような者に激励電話いただくこと自体、貴重でありがたいこと。最後まで精一杯頑張りますから、という誓いの言葉を返した」と、その他の新聞にも報道が出ております。
 地元から寄せられたのは、「これらの報道が事実かどうか、県連会長として確認してほしい」というお声でございました。
 県連で平木省候補の推薦を正当な手続を経て決定した後、党本部の御推薦も賜りたいということで、地元から県議会議長、市長会長、町村会長、市議会議長会会長、町村議長会会長、県連三役の皆様などが度々上京して、幹事長や森山選対委員長に党本部推薦を要請してくださいました。
 党本部が一本化に向けてお力添えをくださったのかもしれませんし、他方、先程のような報道が出てしまうということになりますと、「もしかしたら県連推薦以外の方を党本部が応援されたのかな」という疑問の声も上がっており、こういったことを検証するというのも、党本部と奈良県連の信頼をしっかりと構築して、今後、一体となって活動していくことのためには大切なことだと思っております。
 私はこれを機に、4期以上の多選候補には党本部推薦は出ないというルールがありますが、都道府県連が地元で推薦を決定した候補者を党本部で推薦するか否か、ということについて、その判断基準を明確化していただくことも課題の一つと考えております。
 いずれにしましても、まだ統一地方選挙の後半戦を乗り切らなければいけませんから、今、県連会長のお役を投げ出すということではなく、後半戦終了後に自民党奈良県連として統一地方選挙の総括をしっかりと行って、党勢の立て直しに向けた課題を検証いたします。
 もちろん、知事選のみならず、県議会議員選挙でも日本維新の会の躍進に至ったことの責任は、県連会長を務めるものとして痛感をいたしております。
(問)県連の推薦した人を推薦しなかった、党本部の森山さんの対応がおかしいということでしょうか。
(答)事実関係の確認はできておりません。これはあくまでも報道でございます。そしてまた、荒井知事が出陣式でおっしゃった言葉でございます。私がその場にいたわけではございません。ただ、信頼構築はとても大切なことですから、それらも含めてしっかりと確認して検証したい、というのが地元からの非常に強い要請でございました。

(以上)