高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年12月23日

(令和4年12月23日(金) 11:35~11:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 まず、宇宙政策担当の大臣として報告を申し上げます。
 本日、「宇宙開発戦略本部」が開催され、「宇宙基本計画工程表」の改訂を決定いたしました。総理から、特に次の4点について、御発言がありました。
 まず、来年2月12日に打上げが予定されているH3ロケットで、災害対応などに活用できる衛星を実装していくとともに、海外のロケットの打上げ需要にも応えていくこと。
 次に、宇宙の安全で持続的な利用を進める上で、大きな課題となっている宇宙デブリへの対応を加速し、世界をリードすること。
 第3に、スタートアップが我が国の宇宙活動の担い手に成長するための支援を行っていくこと。
 最後に、来年夏を目途に、宇宙の安全保障構想を策定するとともに、「宇宙基本計画」を改定することでございます。
 総理の御発言を踏まえまして、私自身、先頭に立って、関係大臣とも連携し、宇宙政策を前に進めてまいります。
 次に、科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 今般、原子力委員会では、「原子力利用に関する基本的考え方」の改定案を取りまとめました。本日より、改定案に対するパブリックコメントを開始しております。
 この改定案の取りまとめに当たりましては、原子力委員会では50名以上の有識者などから広範に御意見を聴取し、議論を行ってきました。また、本日開催されました原子力関係閣僚会議におきましても、この「基本的考え方」の改定案をお示しして共有いたしております。今後、パブリックコメントで頂く御意見なども踏まえながら、原子力委員会として、俯瞰的立場から「基本的考え方」を最終的に決定したいと思っております。

2.質疑応答

(問)今週、高市大臣のところに、自民党の科学技術・イノベーション戦略調査会が、「人への投資強化による国際頭脳循環および有志国間を中心とした連携強化に向けた提言」を手交したと思うのですけれども、大臣としてこの提言をどのように受け止めて、今後の科学技術政策に活かしたいのか教えてください。
(答)12月19日に、自民党の科学技術・イノベーション戦略調査会の渡海会長をはじめ、皆様がお越しになりまして、国際頭脳循環や博士人材の活用に関する御提言を賜りました。
 博士人材を活用して産学の基盤を変革して、富を生み出すことは重要でございます。産学が共同して課題解決に取り組むようなエコシステムの形成に向けて、内閣府としても取り組んでまいります。
 それから、コロナ禍の影響で海外の研究者との往来が大きく減少してしまいましたが、志を共有する国々との連携をより強固なものとすることで、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に立ち向かっていくことも重要でございます。来年5月にG7仙台科学技術大臣会合も予定されております。G7の同志国、友好国間の連携・協力によって、信頼、自由、発展性を重視してグローバルな研究エコシステムを構築するために、日本が率先的に取り組んでいく姿を示して、科学技術・イノベーション分野における我が国のグローバルなプレゼンスの向上を図ってまいりたいと考えております。
(問)ムーンショットのプログラムについて質問します。昨日、ムーンショットの目標9のプロジェクトマネジャーである福井大学の友田明美教授から辞任の申し出があって、当該プロジェクトの中止をJSTが決定しました。友田氏は、論文の査読の過程での不正が指摘されていて、大学が調査し、不正を認定したところです。大臣の所感と、あれば今後の対応についてお聞かせください。
(答)ムーンショット目標9については、現在、全13のプロジェクトで構成されているうちの一つを担当しておられる福井大学の友田教授から、JSTに対しまして12月22日付でプロジェクトマネジャー辞任の申し出があり、それに基づいて友田教授が担当していたプロジェクトを中止したと聞いております。制度を所管する大臣としては大変残念に思っております。
 この査読不正に関しましてですけれども、12月20日に福井大学と千葉大学が、所属する研究者に対して査読プロセスでの不適切な行為を認定する調査結果を公表したと聞いております。査読は、学術コミュニティが自律して行うことによって成り立つものでございますので、査読不正は、国民の皆様の科学技術への信頼を揺るがし、また、科学の発展を妨げるものにも繋がりますので、大変残念に思っております。
 今後、大学における研究倫理教育の実施をしっかりしていただいて、再発防止も含めて研究者コミュニティやジャーナルを運営する学会、企業などにおいて、しっかりとした取組をしていただくことを期待しております。この点は、文部科学省などの関係機関と連携して、必要な対応を検討していきたいと思います。
 ムーンショット目標9ですが、実施・執行を担当する文部科学省やJSTとも連携しまして、既存プロジェクトの研究開発の拡充などによりまして、目標達成に向けて影響が出ないように進めてまいりたいと考えております。
(問)冒頭、御発言があったH3ロケットですが、来年2月に打上げ予定ということで、改めてH3の狙いと高市大臣が期待するところを教えてください。
(答)本日、JAXAからH3ロケット試験機1号機を、2月12日に打ち上げる旨、発表がありました。
 次期基幹ロケットでありますH3ロケットは、打上げコストは半減する、そして打上げ能力も30%増ということですから、我が国の宇宙活動の自立性の確保、国際競争力強化のためにも重要だと思っております。
 冒頭も申し上げましたが、今、ロシアのロケットが使いにくい中で、他国の需要にも応えられるものになっていくのだろうと思います。
 JAXAをはじめ関係各所の皆様におかれましては、打上げの成功に向けてもう一頑張りいただいて、万全の態勢を整えていただきたいと思っております。
(問)経済安全保障の関係とは少し違うのかもしれないのですが、党の方で経済安全保障推進本部の幹事長を務めていた薗浦さんが議員辞職なさいましたけれども、今後の法整備等に影響はございませんか。
(答)経済安全保障関連ということでございますか。薗浦議員の件は大変残念に思います。しかし、その上で、甘利本部長も、それから前大臣の小林先生もメインのメンバーとして頑張っていただいております。沢山の議員の皆様が経済安全保障推進法を更にこれから良いものにしていこうと御議論いただいておりますので、影響はないと考えております。
(問)薗浦さんのことそのものについて、今、残念だとおっしゃいましたけれども、大臣として何かございませんか。
(答)特にございません。

(以上)