岡田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年9月12日

(令和5年9月12日(火) 10:59~11:14  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 
 冒頭、国際博覧会担当大臣として御報告いたします。9月4日(月)から8日(金)まで、メキシコ及び米国に出張しました。
 メキシコではエルナンデス外務次官と、また、米国ではアレン国務次官と面会し、大阪・関西万博に向けた日本の準備状況を説明するとともに、パビリオン建設に向けた取組の現状や課題等について意見交換してまいりました。
 その他、公文書管理担当大臣として、令和10年度末の開館に向けて準備を進めている新たな国立公文書館の展示等の着想を得るために、米国において国立公文書記録管理院(NARA(ナラ))を訪問し、展示物や展示方法などについて意見交換を行いました。
 今回の出張において、現地で様々な方々と直接意見交換ができたことは大変有意義であるとともに、相手国との関係でも、日本のプレゼンスをしっかりとアピールすることが出来たと実感しております。
 今般の出張の成果が、今後の施策にしっかりと生かされるよう努めてまいります。
 もう一つ、デジタル田園都市国家構想担当大臣として地方創生人材支援制度についてお知らせします。
 デジタル田園都市国家構想の実現には、多様な人材の確保を通じた地方創生の推進が必要であることから、本制度における令和6年度派遣を希望する地方自治体の募集を開始いたします。
 本制度は、国家公務員、大学研究者及び民間専門人材を、副市町村長や幹部職員、アドバイザーなどとして地方自治体に派遣するもので、平成27年度の制度発足以降、357市町村に延べ598名が派遣され、地方創生の現場で活躍していただいております。
 今回からの変更点としては、民間専門人材のうち、デジタル専門人材の派遣について、派遣先をこれまでは「指定都市を除く市町村」としていたものを、都道府県、指定都市にも拡大したほか、人材紹介を行う企業が、自治体とともに必要な人材の要件整理や派遣後のフォローアップまでを行う新たなマッチングの仕組み、「人材紹介型」を設けております。
 地方自治体におかれては、本制度を積極的に御活用いただきたいと思います。
 冒頭、私からは以上です。
 

2.質疑応答

(問)万博についてお伺いします。海外パビリオンについて、先日、タイプXに決定した国が1か国あるという報道がありました。現時点で正式にタイプXに決定した国は何か国あるでしょうか。
 また、タイプXを検討する国は先日の会見では5か国とのことでしたが、その後、増減はありましたでしょうか。
(答)現時点でタイプXに関心を示している国は5か国で、関心を示す国は更に数か国増えているということです。
 また、そのうち1か国がタイプXに決定したと聞いております。
(問)協会による精査が続いている会場建設費についてですけれども、どれほどの増額の規模を想定されているかというのは出てきましたでしょうか。また、公表のめどはいつごろを予定されていますでしょうか。
(答)会場建設費については、現在、博覧会協会において精査を行っている段階でして、しかるべきタイミングで御説明させていただくものと考えております。
(問)現状、いつごろというところはまだ言えないというところですか。
(答)そうですね。今、精査を行っている段階ですから、一定の結果が出た時点で御説明をさせていただきたいと思います。
(問)2点お伺いしたいと思います。
 1点目は、万博が1年ほど延期になったことをどのようにお考えなのかということ。
 もう1点が、日本維新の会の馬場代表が、万博が遅れていることについて、「国の事業だから」という、文脈としては国が遅らせているという発言をしましたが、受け止めをお願いします。
(答)すみません。今、万博が1年延期になったというのは、ドバイの万博が1年延期になったということでしょうか。
(問)1年延期を考えているということを大阪の首長が発言していると。するじゃないですね。なるという状況です。
(答)私はこの大阪・関西万博を延期するという考えは持っておりませんし、そのような御発言を大阪のほうでなさっているということも聞いておりません。
(問)すみません。失礼しました。
(答)後段の御質問については、馬場代表の発言の詳細については承知しておりませんけれども、大阪・関西万博は条約上、開催者である博覧会協会による義務の履行を国が保障することとなっておりまして、日本国として責任を持って進めるプロジェクトであることは事実であります。
 そのため、これは国に責任を転嫁するという意図の発言ではないと考えております。
 大阪・関西万博の成功に向けては、政府と地元自治体である大阪府・市など、関係者が一体で取り組む必要があり、この点については先月末の「大阪・関西万博に関する関係者会合」において、吉村知事と横山市長も参加されて、認識の共有を行ったところです。
(問)出張の関係でお伺いさせていただきます。メキシコ及び米国に関して、日本の準備状況などの説明をして意見交換をしたということですが、開幕に向けて建設の準備が遅れている件に関して、何か意見交換であったりだとか、メキシコや米国側から課題の提示であったりだとか、こういうところをどうにかしてほしいというような要望などがありましたら、もう少しこのあたりのやりとりを具体的に教えていただけますでしょうか。
(答)まず、メキシコにおいては、先ほど申し上げたエルナンデス外務次官と会談し、大阪・関西万博に向けた課題や展望について意見交換を行いました。
 メキシコでは、大統領選挙が来年に控えておりまして、私からは「大阪・関西万博は新大統領のもとで初の大きな国際イベントとなり、メキシコにとって絶好のアピールの機会となる」ということを強く訴えて、両国が連携して課題に取り組むことで一致をいたしました。
 詳細のやりとりは、交渉あるいは外交に属することでもありますから控えたいと思いますけれども、両国、力を合わせて立派なメキシコのパビリオンも実現したいと。この大きな方向性では一致しているところです。
 その後(のち)、米国ワシントンDC(ディーシー)において、アレン国務次官と会談し、万博担当大臣として、大阪・関西万博に向けた米国の着実な準備の進展を確認するとともに、一層の協力を要請いたしました。
 アレン次官からは、万博の成功に向けた大変力強い回答を得ることができました。次官はバイデン大統領の副大統領時代から広報戦略を担当してきた経験を持つ方でもありますので、米国の取組を世界に発信していただくことで、他の参加国の機運も一層高められることと期待いたしております。
 昔話になりますが、1970年の大阪万博では、米国パビリオンでアポロ宇宙船が持ち帰った「月の石」が展示されて、これを一目見ようと連日長蛇の列ができました。
 2025年大阪・関西万博でも、やはり米国館、あるいは米国の出展というものは世界の注目を集めることは間違いのないところだと思っておりますし、立派なパビリオンがアメリカによって着実に整備され、多くの方々の関心を集めることを期待しております。
 以上です。
(問)(※)万博予定地の夢洲(ゆめしま)は軟弱地盤で地盤沈下が進行中だと。南海トラフ地震でパビリオンが倒壊するリスクなど、防災対策は十分だとお考えでしょうか。
 ちなみに隣のIRカジノエリアは80メーターの杭打ち工事、基礎工事をするのですが、万博エリアはやらないと。豆腐のような軟弱地盤の上にプレハブのようなパビリオンを建てて大丈夫なのかという点について、お伺いしたいと思います。
(答)大阪・関西万博における建築物については、建築基準法で定める構造耐力を夢洲において発揮できるよう、大阪市が「2025年日本国際博覧会における建築基準法に基づく仮設建設物許可基準」を定めており、当該基準に基づき、パビリオン設置者が大阪市へ申請し、構造耐力などにについて適切に判断いただいていると考えております。
 これにより、国土交通省が定める建築基準法における新耐震基準の「震度5強程度の中規模の地震に対してはほとんど損傷を生じず、震度6強から震度7程度の極めてまれにしか発生しない大規模の地震に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊の被害を生じない」という目標を満たせると考えております。
 また、防災対策については博覧会協会において「2025年日本国際博覧会安全対策協議会」を設置し、津波を伴う大地震等の様々な自然災害を想定の上、来場者の安全を確保するための避難計画、備蓄計画等を含む防災基本計画の策定等に向けて検討を進めていると承知しております。
 政府としては、国際博覧会推進本部の下に設置した分科会において、博覧会協会における検討も踏まえ、入場者の安全を確保するための検討を進めていくことといたしております。
 また、杭打ち基礎のお話がございましたが、万博会場では、御指摘の「杭基礎」と合わせて「浮き基礎」を採用しております。なお、「杭基礎」であっても、「浮き基礎」であっても、建設するパビリオンに求められる耐震性能は変わらないと承知いたしております。
 そのため、「杭基礎」であるか否かにかかわらず、建築基準に関する法令を遵守される安全なパビリオン建築が進められることが肝心であると考えております。
(※)本年9月に掲載しました本会見要旨について、(※)以降が記載漏れであったことが外部からのご指摘で判明したことから、12月11日付で追記して掲載させていただきます。

(以上)