岡田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年4月28日

(令和5年4月28日(金) 9:28~9:39  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨


 まず、アイヌ施策担当大臣として御報告します。
 昨年7月のアイヌ政策推進会議で報告されたオーストラリアに所在するアイヌの方々の御遺骨について、このたび、日本への返還が実現することとなりました。
 まずはアイヌの方々の御遺骨が、長きにわたりその故郷を離れることになったことに対し、遺憾の意を表したいと存じます。
 5月2日から8日にかけて、内閣官房の担当部局が、北海道アイヌ協会大川(おおかわ)理事長、エンチウ遺族会田澤(たざわ)会長などの皆様とともに、オーストラリアの2つの博物館を訪問し、およそ100年間にわたり故郷から離れていた4体の御遺骨の返還を受けて、アイヌの方々の御遺骨の日本への帰還を果たしてまいります。
 その後のアイヌの方々への返還等の進め方など、今回の返還に関する詳細につきましては、本日の会見の後に事務方から発表させますので、お尋ねいただきたいと存じます。
 引き続き、アイヌの方々の思いに寄り添い、アイヌの皆様の心情などをよく踏まえながら、アイヌ施策の着実な推進に取り組んでまいります。
 次に、国際博覧会担当大臣として御報告します。
 来週5月1日から6日まで、大阪・関西万博の開催に向けた準備等のため、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、フランスを訪問いたします。
 オーストリアは明治日本政府が初めて参加した1873年のウィーン万博から150周年という節目の年を迎え、現地でも大阪・関西万博に対する関心が高まっております。先方政府・経済界が会する「Road to EXPO(ロード・トゥ・エクスポ)2025」というイベントに参加し、大阪・関西万博をしっかりPRしてまいります。
 現状、153か国、地域から参加を表明いただいておりますが、スウェーデン及びデンマークはいまだ参加表明をいただいておりません。このため、北欧の万博参加に関する議論を指導している両国に対して、政府関係者と資金を供出する産業界に対して参加の働き掛けを行いたいと思います。
 フランスでは、博覧会国際事務局(BIE)の事務局長と会談をする予定です。
 残り2年を切りました大阪・関西万博に向けた準備の進め方等について幅広く意見交換をしたいと存じます。
 また、オーストリア・デンマーク・フランスでは各国の公文書館を訪問し、令和10年度末の開館に向けて準備を進めている新たな国立公文書館の展示等の着想を得たいとも考えております。
 今後の施策の推進に向けて、充実した出張となるように努めてまいります。
 冒頭、御報告は以上です。

2.質疑応答

(問)博覧会協会関係でお伺いさせていただきます。昨日、チケットの入場券についてですが、6,000円基準で検討されていたものから8,000円に値上がりするのではないかという報道が出ております。この報道についての大臣の所感と、現在の入場料についての検討状況があればお願いいたします。
(答)その報道については承知しておりますが、そのように決まったということは承知しておりません。入場券価格を含む、大阪・関西万博の入場券制度の詳細については、現在博覧会協会で検討を進めているところであり、現時点で決定していることは何らないと認識しております。
 いずれにせよ、大阪・関西万博が、多くの方々に御参加いただける盛大な万博となるよう、引き続き、全力で準備を進めてまいる考えです。
(問)先日、「地方創生☆政策アイデアコンテスト2023」の開催が発表されましたけれども、このコンテストに対する大臣の御期待やお考えをお願いいたします。
(答)内閣府では、地域経済分析システム、RESAS(リーサス)を使って、データの力で地域を元気にする政策を考える「地方創生☆政策アイデアコンテスト」を2015年度から毎年度開催しております。
 今年度の開催に向けて、現在準備を進めているところですが、コンテストに向けて応募者が十分な準備期間をとれるように、例年のスケジュールをベースに「地方創生☆政策アイデアコンテスト2023」の日程概要をお示ししたところです。
 詳細が決まり次第、改めて御案内を申し上げたいと思います。
 なお、これに関連して、先日、2021年度のコンテストに出場した、愛媛県の松山東(まつやまひがし)高等学校の生徒さん方が私のもとをお訪ねいただいて、地元の真珠を用いたお菓子の商品化が実現したという報告をいただきました。
 これはRESASで地元の水産業の状況といったものを調べられて、その課題解決を探った結果、地元の真珠を用いたお菓子の商品化ということが実現したということで、若い方々がふるさとをよくしたい、という思いを持って地方創生に取り組む姿に触れて、大変頼もしく、心強く感じた次第です。
 こうしたデータに基づく地域の社会課題解決や魅力向上の取組の広がりは大変重要ですので、今後も地域経済に関するデータの利活用の拡大を通じて、地方創生の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
(問)アイヌ遺骨についてお聞きします。アイヌ遺骨の地域返還手続に関するガイドラインでは、地域が明確であるアイヌ民族の遺骨は地域返還の申請を受け付けますが、適切な返還先が確認できない場合や地域が不明確な場合は、北海道のウポポイの慰霊施設に集約するとしています。
 今回、樺太で収集された遺骨の1つは、現在のサハリン、ロシア領にあったものですが、ロシアの土地に返還されることになるのでしょうか。それともウポポイに集約されるのでしょうか。教えてください。
(答)まずは冒頭でも申し上げましたように、関係するアイヌの方々と御相談の上、その御理解と御協力の下に、オーストラリアの2つの博物館から、日本政府に御遺骨を返還いただくこととしております。
 その上で、アイヌの方々への返還等に向けては、今、御指摘がありました、「大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン」に基づき、関係省庁と協力しながら必要な対応を進めていくことといたしております。
 今後の具体的な進め方については、この後、事務方から詳細を発表させますし、そこでお尋ねいただければと思います。
(問)同じくアイヌの御遺骨の件ですが、オーストラリアで御遺骨が4体あるという話があったのは、恐らく2016年とか17年ごろの話だったかと思うのですが、今日まで時間を要した主な理由を教えていただけますでしょうか。
(答)まずは、アイヌの方々の御遺骨が、長きにわたりその故郷を離れることとなったことに対して、遺憾の意を表したいと存じます。
 その上で、オーストラリア側の博物館が、保管する全てのアイヌの方々の御遺骨の返還に応じられ、オーストラリア連邦政府共々、日本への返還の実現に向けて御尽力いただいたことに感謝も申し上げたいと思います。
 時間がかかったということは、様々な課題を乗り越えて今日に至ったということでありまして、今後とも御遺骨を巡るアイヌの方々の思いや心情などに寄り添いながら、引き続き、アイヌの方々への返還等の取組、これは着実に、そしてできるだけ速やかに前に進めていきたいと考えています。

(以上)