岡田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年3月24日

(令和5年3月24日(金) 13:01~13:22  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨


 冒頭、私からまず国際博覧会担当大臣として御報告いたします。
 大阪・関西万博への招請活動はあらゆる機会を捉えまして政府一丸となって進めてまいりました。
 今般、新たに11の国から参加表明がありました。これにより累計で153の国や地域及び8の国際機関に至り、国や地域については、目標の150か国を達成することができました。
 その詳細についてはお手元に配付しておりますので、御参照願いたいと思います。
 これは2020年12月に招請活動を開始してから、ドバイ万博開催の遅れであるとか、コロナ禍による移動制限であるとか、招請活動には厳しい状況が続いたわけですが、目標を達成できましたことは、歴代の万博担当大臣をはじめ、在外公官や関係省庁の政府一丸となった取組の賜物と考え、感謝をいたしております。
 また、今般参加表明をいただいた中で、一つ申し上げると、イスラエルは私自身が万博担当大臣に就任して間もない昨年9月に、訪日された担当大臣に直接参加招請を行った経緯もあり、大変喜ばしく思っております。
 その際にイスラエルの担当大臣から、大阪・関西万博の開催を念頭に、イスラエルと日本を結ぶ定期路線を新たに就航させたいというお話もいただきましたが、この直行便も今月から運航しております。
 万博を一つの契機として、経済や交流活動が活性化されていくという一つの良い事例かと思いますので、これを大変嬉しく思い、お話をさせていただいた次第です。
 今後は、各国のパビリオン建設も含めた準備作業がございますので、各国ともよく連携をしながらしっかりと大阪・関西万博の開催に向けた準備に取り組んで参ります。
 次に、地方創生担当大臣として御報告いたします。
 本日持ち回りで国家戦略特別区域諮問会議を開催し、先日(3月16日)開催いたしました各区域会議において作成した区域計画案の認定について了承されました。
 区域計画については、会議ののち、内閣総理大臣により認定されたものです。
 詳細については、幾つかの会議がございますので、地方創生推進事務局にお尋ねいただければ幸いと思います。
 続いて、デジタル田園都市国家構想担当大臣として、3月26日の京都出張についてお知らせいたします。
 文化庁の京都移転につきましては、平成28年3月に決定された「政府関係機関移転基本方針」に基づき、取組が進められてまいりました。
 3月27日からは、文化庁長官をはじめとする一部職員が京都府で業務を開始するという運びになりまして、これに先立ち、昨年12月に完成した文化庁の新庁舎を視察させていただきます。また、同日に京都市内で開催される「文化庁移転祝賀の集い」にも出席をしたいと考えています。
 現地視察や関係者等との意見交換を通じて、「政府関係機関移転」に係る取組成果を確認してまいりたいと思います。
 次に、北方対策担当大臣として御報告します。
 本日の閣議において、独立行政法人北方領土問題対策協会の次期理事長に、元内閣府本府国際調整官の山本茂樹(やまもとしげき)氏を、4月1日付けで任命することが了解されました。
 同協会には、日露関係等の情勢変化を的確に見極めつつ、世論啓発の強化などで成果を上げていくことが求められており、山本氏の手腕に期待を申し上げたいと考えています。
 冒頭4件の御報告でございました。

2.質疑応答

(問)冒頭御発言のあった文化庁移転に関して2点伺いたいです。来週27日から文化庁が京都に移転して業務を始めるわけですけれども、政府機関の地方移転推進という観点から、この文化庁の京都移転をどう評価されるかというのが1点。
 それから2点目が、一方で政府としては「隗より始めよ」ということで、これまで政府機関の地方移転を掲げてきたわけですけれども、ただ本格的な移転というのは、文化庁ぐらいにとどまっていて、それに対する評価と今後どういうふうに政府機関移転を進めていくか、大臣のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。
(答)昨年12月閣議決定されました「デジタル田園都市国家構想総合戦略」の中で、政府関係機関の地方移転について、「2023年度中に地方創生上の効果、国の機関としての機能の発揮等について総括的な評価を行い、これを踏まえ必要な対応を行う」こととされております。
 このため、今年度は具体的な評価の方法について検討してまいりましたし、まずは2023年度中の総括的評価を着実に進めてまいりたいと考えています。
 その中で、文化庁の京都移転に伴い、食文化をはじめとする生活文化や文化観光などの推進のための体制が整備されると聞いておりまして、こうした機能強化が各地の地方創生につながるように期待をしたいと思っております。
 そうした中で、後段のお尋ねでありますけれども、政府関係機関の地方移転については、平成28年に決定した「政府関係機関移転基本方針」等に基づいて、京都における文化庁の全面的な移転や、徳島における消費者庁の恒常的拠点の設置等をはじめ、中央省庁7機関、研究機関・研修機関等は23機関、50案件に関して地方移転の取組を進めてきたところです。
 先ほども申し上げましたけれども、今年度(2022年度)は総括的評価に関する具体的な評価の方法について検討してきたところであり、2023年度には総括的評価を行い、政府関係機関移転の今後の対応については、その内容を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 なお、人口減少・少子高齢化や地域産業の衰退の観点に加えて、大規模災害時の危機管理の観点も含め、東京圏への過度な一極集中を是正し、多極化を図ることは重要な課題と、政府全体にとっての大きな課題と考えています。
 私の所管外ではありますが、政府においては、新たな国土形成計画の骨子案で、国土全体にわたる広域的な機能の分散と連結の強化等を通じて「新時代に地域力をつなぐ国土」を目指すということが掲げられているほかに、各府省の地方局が集積する都市を中心に、首都直下地震における緊急災害対策本部の代替拠点の確保等に係る検討などが行われているものと認識をしています。
 引き続き、こうした取組を政府全体として着実に実施し、東京圏への過度な一極集中の是正に、そして多様化を図っていきたいと、こういう考えを持っております。
(問)先月、地方創生SDGs金融表彰が決定しましたけれども、その受賞団体の選ばれ方とか、その観点などを伺えればと思います。
(答)地方創生SDGs金融表彰については、地域課題の解決やSDGsの達成に取り組む地域事業者への支援において特に顕著な功績を上げられ他の模範となる取組を行った地方公共団体と地域金融機関等を表彰するものとして、昨年度から開始されました。
 去る2月13日に第2回目の大臣表彰を行いまして、私自身から受賞者の皆様にお祝いを申し上げたところです。
 大臣表彰の審査に当たっては、全国から応募があった取組について、官民協働やモデル性、持続性などの評価項目に基づいて、選考委員会による審査を経て、令和4年度の受賞取組として、5件・58団体を決定いたしました。
 受賞された取組は、例えば、地域事業者のSDGs関連融資、経営支援などを官民が連携して行っているといった、地域の自立的な好循環というものに貢献をしている点を評価したものがあると考えております。
(問)万博の参加国について伺います。今回、政府が目標としている150か国を達成したということですけれども、今後の招請活動の方針についてお聞かせください。また、来月には万博まで2年という節目になりますけれども、今後起工式などがある中で、今後の準備調整を行っていただく中で、この150か国達成をどのような契機として、政府としてどう向き合っていくか、お聞かせください。
(答)今回の参加国表明の公表によって、累計で153の国や地域及び8国際機関に及んだと発表いたしました。先ほども申しましたが、コロナ禍による移動制限などの中で、目標の150か国を達成することができたことは大変喜ばしく、これも在外公館や関係省庁をはじめとして、多くの方々の御努力の賜物というふうに感謝を申し上げておきます。
 一方で、御指摘のとおり、来月には起工式も予定されておりまして、パビリオンの建設をはじめとした準備を一層加速させていく必要がございます。
 引き続き各国と一つ一つ緊密に連携を取りながら、関係者一体となって準備を進めてまいりたいと考えています。
(問)関連で伺います。万博に関して、今回153という政府目標を達成したわけですけれども、大臣が考えられている今後の課題と、あと地域によって参加国が多いところ、少ないところもあると思うんですけれども、こうした地域というのは政府の狙いどおりになったのかということについてお願いします。
(答)先ほど冒頭の発言でも、今の御質問でも申し上げましたけれども、やはりなかなかコロナ禍であるとか、あるいはドバイ万博の開催の遅れとか困難な状況もあった中で、目標の150か国を超えることができたということは大変喜ばしいことです。
 また、私の見るところ、世界の各地域から満遍なく多くの国が大阪・関西万博の趣旨に御賛同いただいて参加表明をいただいたことに改めて感謝をしたいと思っています。
 課題といたしましては、今後開催まであと約2年となり、パビリオンの建設をはじめとした準備を加速させていく必要があります。引き続き各国と、先ほども申しましたけれども、きめ細かく一か国一か国と連携をよく取りながら、関係者一体となってこうした建設をはじめとする準備を進めてまいりたいと考えています。
(問)今の質問とかぶるところもあるんですけれども、機運醸成ですとか、今大臣が課題と考えていることを、改めて教えてください。
(答)機運醸成は再三申し上げてまいりましたけれども、やはりこれは、会場は大阪の夢洲(ゆめしま)であると。そして大阪・関西万博という通称があるように、それは大阪をはじめとする関西の方々の熱意というものが、この万博を成功させていただきたいという、そういう願いはあります。究極は正式の名称が「日本国際博覧会」であるがごとく、やはりオールジャパンの取組です。
 去年の末にバージョン3を作ったアクションプランの中に、「万博交流イニシアチブ」ということで、私、相当思いを込めて人的な交流、これは世界から日本を訪れ、万博会場を訪れるのみならず、やはり日本全体を旅していただきたい。
 あるいは日本の各地、47都道府県全てが、この万博に参加意識を持って交流を深めていただく。
 あるいは教育旅行として、修学旅行や校外学習120万人という大きな目標を掲げましたけれども、こうした様々な交流を、文化、スポーツ、いろんなイベント等も絡めて2025年の大阪で成功させたいと。
 それが大きな課題であり、そこに至るまではまだまだ努力が、一層の努力が必要だろうと考えています。
(問)すみません、もう一問だけ。この参加表明した国・地域を見ると、ロシアの名前があります。このロシアについては、ウクライナ侵攻を念頭に参加させるべきではないんじゃないかという声もありますが、この辺り検討状況を教えてください。
(答)ロシアについては、以前も申し上げたとおり、今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難するというのが日本政府の一貫した立場です。
 国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会と結束して、日本としても毅然として行動をすることになると考えています。
 その中で、ロシアによるウクライナ侵略は、我々の大阪・関西万博のテーマであります「いのち輝く未来社会のデザイン」という理念とはおよそ相容れないと考えていまして、今の状況が変わらなければ、ロシアが大阪・関西万博に参加することは想定されないと思いますが。いずれにせよ、今後の情勢をしっかりと踏まえた上で、政府として対応をしてまいりたいと考えています。
(問)関連して、万博関連でお伺いさせていただきます。参加表明国の中に、今言及ありましたロシア、ウクライナの中のウクライナが今の時点では入っていない状況になっているかと思いますが、このウクライナの参加について、検討状況であったり、パビリオン以外に何か参加の形を模索されているものなど、何かありましたらお知らせ願いますでしょうか。
(答)ウクライナについては、2020年12月に参加招請状を発出したところであり、我が国として積極的に働きかけを行ってきており、ウクライナにおいても、大阪・関西万博への参加は検討中であるという説明を受けておりましたが、そうした中でロシアによる侵略が行われたわけです。
 このために、現時点でウクライナの参加表明はなされておりませんが、ウクライナは、我が国と普遍的価値を共有する重要なパートナーであり、大阪・関西万博にも是非御参加を頂いて、「いのち輝く未来社会のデザイン」について、ウクライナの思いやウクライナの魅力をどんな状況にあっても発信していただけるように取り組んでまいりたいと考えています。

(以上)