岡田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年12月20日

(令和4年12月20日(火) 13:02~13:18  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨


 本日は冒頭、地方分権改革に関する御説明から申し上げます。
 本日、地方分権改革推進本部及び閣議において、「令和4年の地方からの提案等に関する対応方針」を決定いたしました。
 地方からいただいた291件の提案をしっかりと受け止めて、そのうち235件について調整・審議を行ってまいりました。
 特に、本年の重点募集テーマである「計画策定等」や「デジタル」に関するものを中心に、地方の支障の解消につながるような対応ができることになったと考えております。
 本部では、総理から各大臣に対し、対応方針に基づいて強いリーダーシップを発揮し、一つ一つの施策を着実に実現するよう御指示がありました。
 また、国・地方を通じた効率的・効果的な計画行政の進め方を示したナビゲーション・ガイドを、来年春を目途に決定できるよう、調整の御指示がありました。
 今後、ガイドの作成をはじめ、対応方針に盛り込まれた事項の実現に向け取り組むとともに、引き続き、地方分権改革の一層の前進に努めてまいります。
 次に、国際博覧会担当大臣としての御報告です。
 本日、第5回国際博覧会推進本部を、本部長である岸田総理出席のもと開催し、政府の取組であるアクションプランのVer.3(バージョン・スリー)が了承されました。
 今回の改定の目玉は、機運醸成施策として、万博交流イニシアチブの記載を加えるとともに、スタートアップの参加や宇宙関連等の新たな施策の追加を行いました。
 万博交流イニシアチブは、万博がもたらすメリットを日本全国が享受できるよう、全国の交流人口の拡大を目指すものであり、自治体、観光、教育、文化・スポーツ、ビジネス・学術の5つの交流促進を図るものです。
 特に教育交流については、私はこの万博担当に着任をしました時から、皆様にも、「子供達や若者がワクワクするような万博にしたい」と申し上げてまいりましたけれども、その方向で、永岡文部科学大臣とも直接、先日、意見交換をさせていただき、本日の本部で、私から、「修学旅行と校外学習を合わせて120万人の子供達に万博に来てもらう」という目標を表明しました。
 今後この目標達成に向けて、文部科学省や経済産業省等と連携し、教育関係者や旅行事業者にも働きかけてまいりたいと考えております。
 本日決定いたしましたアクションプランのVer.3(バージョン・スリー)については、すでに本日午前中から、ホームページにおいて公開をいたしていると聞いております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)16日の会議で、「デジタル田園都市国家構想総合戦略(案)」が示されましたけれども、今後、自治体が地方版総合戦略の改訂に取り組む際に、自治体に期待されることや、留意してほしいことなどがございましたら、教えていただければと思います。
(答)「デジタル田園都市国家構想総合戦略(案)」では、地方版総合戦略について、国の総合戦略を勘案して、地域の個性や魅力を生かした地域ビジョンを再構築し、地方版総合戦略の改訂に努めていただきたいとしているところです。
 郵便局のことにも御関心がおありというふうに聞いておりますので、その点について申し上げれば、国の総合戦略においても、「あまねく全国に拠点が存在する郵便局の強みを生かし、地方公共団体等の地域の公的基盤との連携、行政事務受託の拡大を進め、地域拠点としての有用性を生かした郵便局の地域貢献を促進する」と記述されておりまして、郵便局は行政サービスの窓口や高齢者等の見守りの拠点等としての役割が期待されると考えております。
 各地方公共団体においては、それぞれが抱える社会課題について十分御認識、御議論をいただいた上で、その解決を図っていくために、地方版総合戦略の改訂に努めて、デジタルの力を活用して地方の社会課題解決に向けた取組の加速化・深化を図っていただきたいと考えております。
 また、この国の総合戦略の閣議決定後、地方版総合戦略の改訂に向けた手引きを作成して、この中で留意事項等をお示しする予定でありまして、これも地方版総合戦略の改訂にあたっての参考としていただきたいと考えております。
(問)本日発表されました万博のアクションプランですけれども、「新たに宇宙を通じて命を感じる」という箇所が追加されたかと思うんですが、火星衛星探査計画(MMX)の展示について、現時点で具体的にどういったものを想定されているか、教えていただきたいです。
(答)その火星衛星探査についてもこの中に盛り込み、かつ永岡文部科学大臣との会談の中でも、万博にちょうどタイミング的にも合う計画であるということから、どのような形で火星衛星探査というものを体感していただくかはまだこれから詰めていかなくてはいけないと思いますけれども、非常に夢のある話です。
 昔1970年の大阪万博では、アメリカの月面着陸、そして「月の石」というものを万博会場に展示したわけでして、それは子どもや若者のみならず、全国民の夢をかき立てて、非常に注目を集めました。
 今回もそうした形で宇宙というものを、ここに盛り込むということを、このアクションプランのVer.3(バージョン・スリー)で実現をしていこうというわけでして、これから具体的にしっかりと進めてまいりたいと思います。
(問)同じく、万博のアクションプランにつきまして、今大臣がおっしゃられた修学旅行と、それから校外学習を合わせて120万人の来場をという話ですけれども、具体的には、多分近郊の学校だけでなく、全国の各地域からの修学旅行先からということもあると思うんです。
 先日文科大臣ともやりとりがあったかと思うんですが、改めてどういった旅行にして欲しいかとか、若者に向けてどういうふうに万博をアピールしていくかについて、お聞かせください。
(答)冒頭も御報告を申し上げた本日決定したアクションプランのVer.3(バージョン・スリー)の目玉として、万博交流イニシアチブというものを、機運醸成策として新たに打ち出したわけです。
 先ほども申し上げたように、5つの柱として、自治体、観光、教育、文化・スポーツ、そしてビジネス・学術の5つの交流促進を図るものであり、特に教育交流として、大阪・関西万博への修学旅行等に係る情報発信の施策を盛り込みました。
 今後、文部科学省と連携して、全国の教育委員会等への通知の発出や教育関係者向けの会議を活用した周知を実施してまいりたいと考えています。また、経済産業省と連携して、修学旅行商品を扱う旅行事業者に対して働きかけを実施するほか、全国知事会等にも働きかけをしたいと考えております。
 先ほども申し上げたように、やはり若い方、特に児童生徒、こうした子供さんにやはり万博会場に足を運んで、自分の目で見たり、耳で聞いたり、もう五感で感じていただくということは非常に大事なことだと思っています。
 そういう意味では、修学旅行や校外学習というものを活用して、それもひとつ、やはり目標を掲げて120万人という数字、これがそれ以上になればいいなと思っているわけですけれども、文科大臣とも御相談の上、今日申し上げました。
 これから様々な課題もあって、やはり万博会場が非常に混み合う場合には待ち時間を極力少なくしなくてはいけないし、あるいは児童生徒の健康管理とか、あるいはここはこれからの御相談ですけれども、いろんな割引をするということも念頭に置いて、たくさんの子供さん、若い人にやはり大阪夢洲(ゆめしま)のあの万博会場に足を運んでもらいたいと。また、先生方にもお願いをしたいと、こういうふうに思っています。
(問)同じく、アクションプランについてお伺いさせていただきます。
 今回、そういった修学旅行であったり、宇宙関連であったり、新たな施策が盛り込まれた一方、例えば空飛ぶ車であったり、従来これまでのアクションプランのVer.2(バージョン・ツー)と比べても、そこまで大きな変化もなかった部分もあったのかなというふうに思います。
 来年の夏頃、6月頃、半年後にまたアクションプラン改定が予定されていると思いますが、次の半年を見据えて、特にここをこれから進めていかなければならないなど、大臣が感じられたものがありましたら、教えていただけますでしょうか。
(答)今おっしゃったような、例えば空飛ぶ車であるとか、自動翻訳などのすでに盛り込まれている施策については、関係省庁の御協力もいただいて、おおむね順調に進んでいるというふうに思います。
 他にも、先日から大阪・関西の地元知事あるいは経済団体の代表の方々からも御要望いただきましたけれども、関西が強みとする水素とか、そういう水素、アンモニアによる発電ですとか、あるいは天然ガスの主燃料になるメタンを合成するメタネーション、そういう新しい技術であるとか、様々なカーボンニュートラルも意識したモビリティーの在り方とか、そういう様々な施策がすでにこのVer.2(バージョン・ツー)までの間に盛り込まれたものはしっかりと着実に進めていくということが大事であろうと思います。
 私、先ほど申し上げた、すでにこの盛り込まれている未来社会の実験場としての様々な施策については、今後もさらに盛り込むべきものがないか、そういう検討は続けていきたいと思います。
 何よりもこの半年ごとにバージョンアップするわけですから、次のVer.4(バージョン・フォー)に向けて、どういう課題というか、新しい弾込めというものができるのかというようなことも、しっかりと考えてまいりたいと思っています。

(以上)