岡田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年12月16日

(令和4年12月16日(金) 12:59~13:14  於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)

1.発言要旨


 本日、総理御出席の下、「第11回デジタル田園都市国家構想実現会議」を開催し、年末に閣議決定する予定の「デジタル田園都市国家構想総合戦略(案)」について、議論いたしました。
 本総合戦略は、来年度から2027年度までの新たな総合戦略であり、6月の基本方針で定めた取組の方向性に沿って、各府省庁の施策の充実・具体化を図るとともに、KPIとロードマップを位置付けたものです。
 今回の総合戦略では、地方が掲げる地域ビジョンの実現に向け、政府一丸となって総合的かつ効果的に支援する観点から、必要な施策間の連携をこれまで以上に強化することとしております。
 こうした取組等を通じて、2030年度までに全ての地方公共団体がデジタル実装に取り組むことを見据え、「デジタル実装に取り組む地方公共団体を2027年度までに1,500団体」にすることを目指すなどの指標を示しているところです。
 こうして地方のデジタル実装を加速化することで、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を実現し、東京圏への一極集中の是正を図ってまいります。
 本日有識者委員からいただいた御意見等も踏まえながら、年末の閣議決定に向けて、必要な手続きを進めてまいりたいと存じます。
 冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(問)一連の総合戦略について伺います。
 今回の総合戦略の中では、政府が掲げたビジョンを地方がどう実現していくかというところに、その具体的な方策に力点が置かれていると思うんですけれども、一方で、取材の中では自治体が「デジ田」という存在をそもそもあまりよく分かっていなかったり、認知がまだ十分でない点もあるのかなと取材の中で感じます。
 こういった政府との間にある種の温度差のようなものがまだあるのかなと思うんですけれども、今後実現を図っていく上で、こうしたものをどうやって解消していくのかということと、この地方への浸透というところにおいては、どのように進めていきたいか大臣のお考えをお聞かせください。
(答)9月末の実現会議で策定方針をお示ししてから、関係省庁で調整を進めてきて、デジタル実装の基礎条件とか、地方のデジタル実装に向けたKPIを新たに設定して、地域ビジョンについても具体的な選定数等の目標を示すことができて、本日総合戦略(案)について、有識者委員の皆様からも一定の御評価をいただいたことは非常によかったというふうに思っています。
 その上で、今の地方との関連のお尋ねですが、デジタル田園都市国家構想の主役は地方です。このことはまず申し上げておきたいところでして、全国津々浦々でデジタル実装を加速化していくことが重要と考えております。
 地方においては、今回の総合戦略を踏まえ、地方版総合戦略を改訂していただくよう努めていただくこととしておりますけれども、「デジ田」を浸透させていくために、地方版総合戦略の改訂に向けた手引きを示すとともに、総合戦略や「デジ田」の取組について、説明会の実施や相談の受付を丁寧に行う。その他に、デジタル実装の優良事例を集めたメニューブックというものを作成・周知等を行っていきたいと考えています。
 また、2027年度までにデジタル実装に取り組む地方公共団体を1,500団体にすることを目指すこととし、このため、補正予算において、新たに創設した「デジタル田園都市国家構想交付金」を800億円措置したところです。こうした取組を通じて、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を実現し、地方においても、誰もがデジタル化の恩恵を享受できるよう、全力で取り組んでまいりたいと思います。
 常々思うことですけれども、地方においてこそデジタルのニーズは大きいというふうに思っていますし、そのために先ほど申し上げたような手引きをお示ししたり、説明会を実施したり、あるいは御相談の受付を極力丁寧に行うとか、メニューブックを作るとか、そうした工夫を凝らして、しっかりと地方の皆様に御理解を深めていただき、地方と国との共同の作業ですから、これを実現していきたいと思います。
(問)今のデジタル田園の総合戦略に関連してなんですけれども。KPIの中に、2027年度に東京圏の転入・転出を均衡させるというKPIがあると思います。この実現可能性についてということなんですが、2014年に最初「まち・ひと・しごと(創生総合戦略)」を策定した時に、2020年に均衡させるという目標を掲げて、それが達成できなくて、第2期の「まち・ひと・しごと(創生総合戦略)」の時には24年度に延期したけれども、それも達成できなくて。この東京圏への転入超過は1996年から2021年まで26年連続で続いていて、新型コロナがあっても転入超過の傾向が変わらない中において、この27年度の均衡というのが本当に実現できるのかと。
 かなり高いハードルではないかと感じているんですが、その辺の実現可能性というか、そのあたりの御所感をお願いいたします。
(答)東京圏への過度な一極集中の是正や、地方の人口減少への対策として、これまで「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づいて様々な取り組みを進めてまいりました。
 その中で、地方への人の流れの観点から申し上げれば、東京圏から移住が進んだ市町村は約1,300市町村に達しております。
 もちろん、まだ均衡には至っていないわけですけれども、これをデジタルの力を活用して、先ほども申し上げたような地域の社会課題の解決とか、あるいは魅力向上ということを図ることによって、大きな目標ですけれども、このことを成し遂げていきたいというふうに思っております。
(問)先ほど大阪府の吉村知事と懇談されまして、万博に関する要望などを受け取られたと思いますが、具体的にどういったやりとりがあったのか。そして、その要望を受けて、何か大臣として実現できそうなものがあるというふうにお感じになられたら、それも併せて教えていただけますでしょうか。
(答)吉村知事の他に、関西広域連合長の三日月滋賀県知事、それから関経連の代表、また大阪商工会議所の代表、こうした地元の経済界の方々、そして博覧会協会の石毛総長、また大阪市副市長もお見えになっておられました。
 我々は今、アクションプランの改定、バージョン3を作ろうとしているわけですけれども、様々な万博の中身について、さらに、例えば吉村知事からはスタートアップの取組というものを特に万博の中で、あるいは大阪・関西で強めて欲しいという御要望もありましたし、様々な御提案を頂きました。
 関西の経済界から、関西が強みと考えている水素の活用をさらに進めて欲しいとか、様々な御提案がありました。
 我々はそれを半年に1回ずつバージョンアップしていくアクションプランの中に、各省庁などともしっかりと今日頂いた御要望も検討させていただいて、できるだけ盛り込んでいくと、こんな姿勢です。
 また、お互いに話し合った中では、やはり全国的な機運の醸成ということが今の時点で非常に重要であると。
 万博まで残すところ849日。こういう時点において大阪・関西のみならず、日本全国のオールジャパンの万博にしていくためにどういう工夫が必要か。いろいろ温めてはおりますけれども、そういうことも含めて、今日、大阪・関西の方々がお見えになったわけですけれども、これを全国に広げていくべくお互いに努力しようではないかと、こんなことを話し合いました。
(問)デジタル田園都市国家構想の総合戦略についてですけれども、今はまだ案ということで、総理のほうから、それから有識者の方の意見も踏まえて、閣議決定までに修正される点があるのかどうか。もし修正されるのであれば、どのあたりを修正されるのかということについて教えていただけますでしょうか。
(答)与党のプロセスというものもありますので、それを経た上で23日に閣議決定を行う予定ということは、先ほど総理からも発言がありました。そこを目指していくことになると思います。
 今日、有識者の方から様々な御意見とか評価も頂きましたが、かなりの部分は今の総合戦略案に盛り込まれていることではないかなというふうに思いました。
 しかし、今日の御発言もいま一度吟味して、その上で与党プロセスを経て23日に閣議決定と、そのように運んでいきたいと思っています。
(問)前後して申し訳ないのですが、再び万博関係でお伺いをさせていただきます。
 博覧会協会のほうでも発表されているんですが、入札の不成立がかなり今、相次いでおりまして、テーマ館であれば8つのうち6つ公募を出して、全てが不成立という形になっておりまして。
 再入札を検討されているということになりますが、さらに現在、不成立が相次いでいることについて、大臣としての受け止め、所感をお願いいたします。
(答)博覧会協会が実施した会場整備に係る入札において、不調不落となった案件があることはもとより承知しております。皆さまも御承知のとおりです。
 会場整備については、博覧会協会が整備計画を行っているところであり、予算の範囲内に収めるべく知恵と工夫を重ねていくものと考えています。
 いずれにせよ、政府としても開催までに確実に間に合うように工事の進捗管理をしっかりと行うとともに、博覧会協会と協力しながら、かねて申し上げている1,850億円という予算の範囲内に収まるように全力を尽くしてまいりたいと考えています。このことに変わりはございません。

(以上)