岡田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年8月10日

(令和4年8月10日(水) 21:03~21:32  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 この度、内閣府特命担当大臣及び内閣の担当大臣を拝命いたしました、岡田直樹でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私の担当は地方創生、デジタル田園都市国家構想、沖縄及び北方対策、アイヌ施策、国際博覧会、クールジャパン戦略、規制改革、行政改革でございます。
 まず、地方創生についてですが、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目指しております。
 新型コロナウイルス感染症を契機とした地方への関心の高まり、テレワークなど、新しい働き方の拡大といった変化などを踏まえつつ、政府一丸となって地方創生の取組を加速化してまいります。
 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、これまで、各自治体が地域の実情に応じたきめ細やかな取組に有効に活用していただきました。4月には原油価格・物価高騰対応分を創設したところであり、各自治体の取組をしっかりと応援してまいります。
 国家戦略特区については、地域課題を解決するスーパーシティとデジタル田園健康特区等の取組を強力に推進します。デジタル田園都市国家構想についてですが、デジタル田園都市国家構想の実現は岸田内閣の最重要課題の一つです。デジタルの力を活用し、地域の社会課題解決や魅力向上の取組を加速化・深化することで、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を実現することを目指しております。このため、年内をめどに「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を抜本的に改定し、「デジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)」の策定に向けて全力で取り組んでまいります。
 沖縄及び北方対策についてですが、沖縄については本年3月に全会一致で改正された沖縄振興特別措置法等の政策手段を最大限に活用しながら、「強い沖縄経済」の実現に向けて、沖縄振興策を推進してまいります。また、沖縄の基地負担軽減のため、県民の皆様の思いを受け止めながら、関係閣僚と連携の上、最善を尽くしてまいります。
 北方領土問題については、この問題を解決して平和条約を締結することが政府の基本方針です。国民世論の啓発の強化、交流事業の円滑な実施、元島民の方々への援護等に積極的に取り組んでまいります。
 大阪・関西万博についてですが、2025年に開催される大阪・関西万博は、東京オリンピック・パラリンピックに続く国を挙げた国際イベントです。世界に向けて日本の魅力を発信する絶好の機会であり、大阪・関西はもちろん、日本の成長、活性化につなげてまいります。
 クールジャパン戦略についてですが、アフターコロナを見据え、サステナブルの視点からの日本の魅力の磨き上げやデジタル技術の活用など、クールジャパン戦略を官民連携して進めてまいります。
 規制改革についてですが、地方での人手不足などのビジネスの制約、デジタル時代における新製品、新サービスなどの制約となっている規制・制度を見直し、アップデートしていきます。規制改革により、社会課題の解決に向けた投資を喚起し、新しい資本主義の実現につなげてまいります。
 行政改革についてですが、「行政事業レビュー」を通じた国の全ての事業の見直しと予算への反映を徹底するとともに、行政の無謬(むびゅう)性にとらわれず、より機動的で柔軟な政策形成・評価を可能とする取組を推進してまいります。
 その他、アイヌ施策、地方分権改革、公文書管理、PPP/PFI、ギャンブル等依存症対策等について担当いたします。
 重要な政策課題に取り組むこととなり、身の引き締まる思いであります。岸田内閣の一員として、精一杯努めさせていただく所存でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 なお、旧統一教会との関係について、岸田総理から国民の皆様の疑念を払拭するため、個々の政治家としての責任において点検をし、厳正に見直すようご指示をいただきました。私自身について、自ら点検・確認を行ったところ、記録が残っていないので定かではありませんが、地元事務所の秘書の記憶によれば、関連団体の行事等に際して依頼を受けてメッセージ等を発出したり、地元での関係の会合に秘書が出席したことはあったとの報告を受けました。
 こうしたことについては関連団体の現状についての認識を欠いたものであり、申し訳なく思います。今後は当該団体と一切関係を持たないことをここにお約束をさせていただきます。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)北方四島のビザなし渡航について教えてください。今年4月に当面見送りと発表している北方墓参を含めて、今年のビザなし渡航は全面中止という認識でしょうか。
 また、ビザなし渡航について、2020年以降は見送られていますけれども、来年以降の見通しについて教えてください。
(答)ビザなし渡航を含む北方四島交流等事業については、現下のロシアによるウクライナ侵略も踏まえ、心ならずも当面実施できない状況となっておりまして、今後の具体的な展望について申し上げられる状況にはございません。
 ご高齢になられた元島民の方々の思いになんとかお応えしたいという思いはございますが、このような対応をとらざるを得ないことについて、どうかご理解を賜りたいと思います。
(問)万博担当大臣としてお伺いしたいと思います。大阪・関西万博を日本の魅力発信の一つの大きな起爆剤にというところで、テーマとして「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで実施をされると思いますが、改めてこの万博について、どのような万博、イベントにしていきたいかというところを改めて具体的にお伺いしたいのと、あともう1点、今後まだいろいろ決めていかなければならない運用上のことがあると思いますが、まず手始めとして、どういったことに取り組んでいきたいのかというところの意気込み、そして、具体的なものがまず思われているところがありましたら、お伺いしたいと思います。
(答)どのような万博にしたいかというお問い合わせでありまして、2025年の大阪・関西万博では、コロナ禍を乗り越えた先の新たな時代の万博として、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにポストコロナの時代に求められる社会像を世界とともに提示していきたいと考えております。
 加えて、大阪・関西万博は「未来社会の実験場」をコンセプトとしており、様々な最先端技術の実証、実装を行う機会と考えております。新しいアイデアや最先端技術に規制改革やデジタル化などを組み合わせながら、この政府では世界中の人々に夢や驚きを与え、子どもたちがわくわくするような万博をつくり上げていきたいと考えております。
 あとの問い合わせは、万博の準備状況とか今後の課題についてということでございましょうか。本日で2025年の大阪・関西万博の開催まで残すところ977日と、1,000日を切りました。一昨年12月に大阪・関西万博に関する基本方針を閣議決定し、会場整備や参加招請活動などを着実に実施してきているところであります。
 また、大阪・関西万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を実現していくための施策をより具体化するために、本年6月10日には「2025年大阪・関西万博アクションプランVer.2」が決定されたところであります。今後はアクションプランの改定等を通じた「未来社会の実験場の具体化」、また、全国的な機運醸成、大阪・関西にとどまらない全国的な機運醸成など、万博開催に向けた準備を政府一丸となって加速していくべく、全力で取り組んでまいりたいと思っています。
(問)沖縄政策について伺います。
 まず、これまでの沖縄との関わりについてお聞きしたいので、前年の西銘議員が策定された、強い沖縄経済に向けた西銘ビジョンというのをどのように引き継いで政策実現につなげていくおつもりでしょうか。
 また、旧統一教会の言及が冒頭にございましたところですけれども、ご自身、憲法改正に前向きな姿勢を示されていると思いますけれども、改憲運動を進める教団の関連団体の国際勝共連合の行事には参加されたのでしょうか。また、自民党の党是とも共通する憲法改正について、積極的な当該団体との関係も断つおつもりでしょうか。この3点についてお伺いします。
(答)ご指摘の本年5月に取りまとめられた強い沖縄経済の実現に向けた西銘大臣ビジョンについては、視察、車座対話、各界の経営層との意見交換などの成果を活用し、未来の沖縄経済が目指す姿とその実現に向けて取り組む具体的戦略等を政府として取りまとめたものであり、担当大臣が替わろうともその内容には変化はございません。したがって、私もこのビジョンを踏まえて、適切な施策を検討してまいりたいと思います。
 そして、勝共連合の会合に出席したかということについて、私はそうした会合には出席したことはございません。
(問)今後も関係は。
(答)ええ、今後もそうした団体とは関係を持たないと、このように先ほどもお約束をしたところであります。
(問)農地の規制改革についてお伺いします。
 国家戦略特区と規制改革の両方を担当されるということで、どちらでも農地所有適格法人や、国家戦略特区の農地取得という農地の課題があります。現場では企業による過度な支配につながる部分について懸念の声も上がっていますが、その点、年内、年度内にも特区のほうは結論を得るような形ですけれども、大臣としてそのようにご対応される方針でしょうか。
(答)国家戦略特区の養父市で活用されている法人農地取得特例についてであると存じます。
 この特例については、政府として特例制度のニーズと問題点の調査を全国においても実施し、その結果に基づき、全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行うこととしておりまして、現在、本特例のニーズと問題点に関する意見を取りまとめているところであります。
 調査により把握されたニーズと問題点については、様々な問題意識によるご指摘があるところでございまして、まずはご意見を広く受け止めて、ヒアリングなどもしながら、丁寧に取りまとめてまいりたいと考えています。全国展開を含めた本特例の取り扱いについては、養父市における取組状況とともに、この調査結果を総合的に勘案しながら検討してまいりたいという考えであります。
(問)旧統一教会との関係について、冒頭発言でご自身の地元の秘書が関連イベントに出席をされたというようなお話だったと思うのですけれども、もうちょっと具体的に教えていただきたくて、いつ頃どういった内容の会合にいつからいつまで何回ぐらい出席をされたのか。また、どういう理由で出席をすることになったのか。そのあたりを教えていただいてもよろしいでしょうか。
(答)これは地元のスタッフに点検、確認の対応を指示して、その結果について、私自身も含めて各人の記憶の上で思い当たるものはないか確認をしたところでありますが、先ほど申し上げたように、限られた時間の中でできるだけ点検はしたのでありますが、そうした秘書本人もこれらのことがあったということ以上の詳しいことをなかなか正確に覚えていないということでありました。
 いずれにしても、こうしたことについては、そういう関連団体の現状についての認識を欠いたものと言わざるを得ず、申し訳なく思う次第であります。
 今後、先程も申し上げましたが、こうした団体と関係を持たないことを改めてお約束したいと思います。
(問)関連ですけれども、資料がないというお話だったと思うのですけれども、少なくとも何年間ぐらいは事務所として関係を持っていないとか、そういったところは分からないんでしょうか。どれぐらい前までの資料を遡って関係がないというのが分かったのかというか。
(答)これについては今申し上げたように、地元のスタッフに対応を指示して、その結果について報告を受けたわけでありますが、今ご説明申し上げた事実等について、私も相談とか報告を受けておりませんでした。そういう認識であります。
 ただ、繰り返し申し上げますが、いずれにしても、こうしたことについてはそういう認識を欠いたものであり、今後は総理の指示もあるとおり、厳正に見直す、すなわち、こういう団体に対してメッセージの発出とか、あるいはそうしたスタッフが会合等に出席をするということはいたさないと。そうしたいと考えております。
(問)大臣自身の個人的な関係はなかったということでよろしいですか。
(答)はい。私自身の知り得る限り、あるいは記憶の限りで、そうした出席はなかったと認識をしております。
(問)政治と宗教という観点で1点別サイドで質問させていただきたいと思います。
 15日の終戦の日に、靖国神社を参拝するというお考えは今の時点であるかどうか、お聞きかせください。
(答)これは8月15日に靖国神社に参拝するかということは個人として適切に判断したいと、このように考えております。
(問)万博についてですけれども、前任の若宮大臣は万博へのロシアの参加について、ウクライナ侵攻が今こういう状況にある場合においては想定されないという発言を最近されていたんですが、岡田大臣ご自身としては、ロシアの万博参加について、どのような認識かお聞かせください。
(答)ロシアによるウクライナ侵略であります。これは2025年日本国際博覧会、いわゆる大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の理念とは相容れないと考えております。現下の状況が変わらなければ、ロシアが大阪・関西万博に参加することは想定されませんが、いずれにせよ、今後の情勢をよく踏まえた上で政府として適切に対応するという立場であります。
(問)沖縄・北方大臣として伺いますけれども、今回、大臣就任に当たって、総理から何かご指示などはありましたでしょうか。また、併せて、大臣として早期に沖縄を訪問される意向はございますでしょうか。
(答)沖縄についてはできるだけ早期に日程を調整してお訪ねをしたいと、このように考えております。
 総理から特段この件に限定してのご指示というのはありませんでしたけれども、もちろん沖縄振興であるとか、そうした沖縄担当大臣としての責務を果たすように、こういうご下命はございました。
(問)地方創生についてお伺いしたいんですけれども、今、物価高とか、地方分権、東京一極集中の解消といったことで、沢山の課題が山積されていますが、岡田大臣が考える今最も解消しなければいけない課題というのは何でしょうか。
(答)やはりコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分として、令和4年度予備費においても0.8兆円を確保したところでありますけれども、やはりその他の例えばロシアのウクライナ侵略、こうしたことが引き金となって、諸物価の高騰といったことがあります。
 そうしたところに機動的に地方創生臨時交付金というものを活用していくというようなことが大切ではないかと考えています。
(問)アイヌ民族政策についてお聞きします。
 今回、アイヌ政策担当が官房長官から変わりましたけれども、この理由と、アイヌ民族を巡っては差別や経済活動が解消されないといった問題がありますけれども、このアイヌ民族政策をどう進めるのかお聞かせください。
(答)アイヌ政策の推進、また、その意気込みというものでありますが、アイヌの方々が民俗としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことは多様な価値観が共生し、活力ある共生社会を実現するために重要であります。
 政府としては、アイヌ施策推進法に基づき、アイヌ文化の復興、創造等の拠点である、もう重々ご承知のとおりのウポポイの運営、アイヌ政策推進交付金の活用等、様々な政策ツールを総動員し、アイヌの皆さまに寄り添って、アイヌ施策の推進に全力で取り組んできたところであります。
 担当大臣として、アイヌの方々の誇りが尊重される社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますし、私としてもできる限り早く北海道を訪れて、アイヌの関係者の皆様とお会いもして、ウポポイにも足を運びたいと考えております。
 アイヌ政策の特命担当大臣を今回設置することになりました。これはアイヌの方々の誇りが尊重される社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでいくという岸田政権の方針に何ら変わりはないということもお誓いを申し上げておきます。

(以上)