小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年3月24日

(令和5年3月24日(金) 9:30~9:39  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 今日もよろしくお願いします。
 こども政策に関する取組について冒頭3点お知らせをいたします。まず1点目、お手元に資料を用意していると思います。こども基本法やこども家庭庁について分かりやすく紹介する動画やパンフレットを作成し、本日公表させていただきました。
 こども基本法の理念に基づいて、こども・若者から意見を聴きながら作成したコンテンツとなっております。私も動画を見ましたけれども、大変見やすい内容、そしてこどもや若者へもしっかり分かりやすい内容となっているのではないかと思います。是非御覧いただくと同時に、周りの方にも御紹介いただければ幸いに存じます。
 2点目、「こどもの意見」についてであります。お手元の資料どおり、「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する調査研究」の報告書を今日公表いたしました。本報告書の内容は各省庁はもとより、こどもや若者にとってより身近な施策を担う地方自治体での取組の参考としていただけるよう広く周知をしていきたいというふうに思っております。
 3点目であります。今日の正午より、こども・若者意見反映推進事業、通称「こども若者★いけんぷらす」の登録受付を開始させていただきます。この事業はこども家庭庁が新たに始める、小学生から20代までのこどもや若者から広くこども施策に対する意見を聴くものでありまして、再三御説明をしたとおりであります。お手元の資料のとおり、事業の名称も、こどもや若者の意見やアイデアも参考にしつつ、「こども若者★いけんぷらす」とさせていただきました。
 この事業の主なポイントでありますが、これも繰り返し御説明申し上げておりますが、第1に、対面やオンラインでの意見交換のほか、WebアンケートやSNSなど様々な方法を用意し、こどもや若者の皆様が自分に合った方法を選んで参加できるようにすること。第2に、大人が聴きたいことについて聴くだけの仕組みではなく、こどもや若者がテーマを設定したり、事業の企画運営にも主体的に参画したりして、こどもや若者の視点でこども家庭庁と一緒にこの事業をつくっていくものであること。第3に、聴いた内容・意見をどのように検討し反映したのか、反映できなかった場合はどうしてなのか、こどもや若者に対して分かりやすくそれを伝え、そうしたプロセスを社会にも広く発信していくことなどであります。
 こどもや若者の意見を正面から受け止めて、「こどもまんなか社会」をつくっていくための中核となる、そういう事業にしたいと考えております。詳細は事務局にお尋ねください。

2.質疑応答

(問)こども家庭庁について伺います。こども家庭庁の発足まで残り1週間となりましたが、改めて発足の前に大臣の御所感というか、発足が近づいてきたということでどういうふうにお考えなのか伺いたいのと、もう一つが勧告権について伺います。
 こちらの勧告権は他省庁に改善を求めることができるという内容ですけれども、これは発足後どういうふうに運用していきたいのか。そちらについても伺えますと幸いです。
(答)ありがとうございます。
 こども家庭庁の発足まであと10日を切りました。こども家庭庁はこども政策を我が国社会の真ん中に据える「こどもまんなか社会」を実現するため、児童虐待、いじめ、こどもの貧困など、こどもを巡る様々な課題に常にこどもの視点に立って、こどもの最善の利益を第一に考え、縦割りを排した行政を進めるための司令塔であるべきだと考えております。
 私自身、こども家庭庁の発足を非常に緊張感を持ちつつも楽しみであると考えていると同時に、先ほど申し上げたように、緊張感とその責任の重さ、これを改めて受け止めながら、気を引き締めて職務にこれからも当たってまいりたいと考えております。
 御指摘のとおり、こども家庭庁を担当する内閣府特命担当大臣は政府部内の統一を図るため、必要と認める時に関係行政機関の長に対して勧告をする権限を持っております。政府を挙げてこども政策を強力に推進するためには、こども家庭庁が司令塔機能を発揮し、政府部内の総合調整を適切に行うことがまず不可欠だと考えております。その上で、常にこどもの視点に立って各省庁より一段高い立場からこども政策を主導するとともに、必要があると考えた時にはちゅうちょなく勧告権を行使していく考えであります。
 いずれにいたしましても、こども家庭庁の発足が残り10日を切った中で、更に円滑に進むようしっかりと準備を進めていきたいと考えています。
(問)こどもの意見反映について伺います。こどもの意見というのは、例えば日本の社会だとこれまでも民俗学の世界とかでなかなか若年者の意見が尊重されにくいというのが日本については指摘されてきたと思います。そういったところで、この事業を進めていく上でのチャレンジと、あともう一つ、それによる意義というのがどういうところにあるかをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)これまでのこども政策は「こどもにとってはこうした方が良い」、「こうすればこどもは喜ぶだろう」という大人の考えを中心に作られてきた面があるのではないかと感じております。
 こどもや若者は保護者や社会の支えを受けながら、自立した個人として自己を確立していく意見表明と自己決定の主体、いわば権利の主体だと考えております。「こども若者★いけんぷらす」は、こどもの視点で、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据える「こどもまんなか社会」を実現するための根幹となる取組と考えております。
 私も着任以来、丁寧にこどもや若者の皆様の意見を聴いてまいりましたが、特に印象深く感じておりますのは、こどもたちの話を同じ目線で真剣に聞くことができると、こどもたちの方も「これまでは大人は自分たちの意見を聞いてくれないと思っていたけれども、きちんと聞いてくれた」と、ものすごく良い表情になってくれることであります。こどもをこども扱いせずに、一人の人間として対等に話し合い、政策を作っていく。このプロセスこそがより良いこども政策につながっていくという確信を持っております。
 また、こどもや若者を「将来を担う」という存在でのみ捉えるのではなく、「いまを生きる市民」として捉え、その意見を聴きながら共に社会を創るパートナーだという意識が社会に広がっていくことは、そうしたこどもや若者が意見を表明できる大人になっていくことに加えまして、大人にとっても意見を表明しやすい社会となり、ひいては民主主義全体の成熟にも寄与するものであるというふうに考えております。
 そういった意味でも、先ほど紹介した「こども若者★いけんぷらす」の事業、更にこども家庭庁の取組というのは非常に大きな意味をなすものだというふうに私は考えております。
(問)先日行われた第4回のこども政策の強化に関する府省会議の件について伺います。今後の府省会議についてヒアリングが追加されるということですけれども、それについての意図や思いについてお聞かせいただけますか。
(答)これまで1月に総理から頂いた3つの基本的方向性に沿って、有識者からのヒアリングを進めてまいりました。岸田総理は常に「個々の政策の内容や規模はもちろんでありますが、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、更には地域社会、高齢者や独身の方も含めて社会全体の意識変革を含め、次元の異なる対策を講じていく」と述べております。1つは社会全体の意識の変革は大事なポイントであると考えておりまして、その観点から追加でヒアリングをする必要があると考えたところであります。
 加えまして、これまでは全てのこどもや子育て家庭を対象とした支援について議論を進めてまいりましたが、子育ての不安、子育てにまつわる不安を払拭するといった観点からもこどもの貧困、障害のあるこどもや社会的養護が必要なこどもなど、様々なニーズへの対応も重要だと考えております。
 こうした状況を踏まえまして、たたき台の取りまとめに入る前に、先ほど申し上げた「こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革」、そして第2に、後半申し上げたような「多様な支援のニーズへの対応」について追加でヒアリングを行うことにしたところであります。

(以上)