小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年3月7日

(令和5年3月7日(火) 9:31~9:52  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

(大臣)本日は3点ございます。
 まず1点目ですが、3月27日月曜日に総務省及び地方三議長会との共催で、「政治分野への女性の参画拡大に向けたシンポジウム」をオンラインで開催いたします。政治分野における男女共同参画の推進は、政治に民意をより一層反映させる観点から極めて重要と考えております。我が国におきましては、衆議院議員に占める女性の割合が10%、参議院議員に占める女性の割合が25.8%となっております。他のG7の国々では3割から4割となっており、我が国は国際的に見ても非常に低い水準となっております。地方議会におきましても、議員に占める女性割合は、令和3年12月末の時点で都道府県議会では11.8%、市区町村議会では15.4%となっておりまして、女性議員が1人もいない地方議会も市議会に24、町村議会に251ございます。
 こうした状況を踏まえて、政治分野におけるハラスメントの防止ですとか議員活動と家庭生活との両立、人材育成に資する取組等の事例を紹介するとともに、女性の政治参画の拡大に向けた方策について、地方議員のなり手不足の解消も含め、様々な観点から議論を行います。
 このシンポジウムは内閣府男女共同参画局公式YouTubeにおいてライブ配信をし、また開催後に動画も掲載いたしますので、是非多くの方に御覧いただければと思います。詳細は事務局にお尋ねください。
 続きまして2点目です。3月10日、今週の金曜日にEBPM有識者の皆様との意見交換会を実施します。当日は経済学・教育学・医学等の研究の第一線で活躍されているEBPM有識者の皆様にお集まり頂きます。それぞれの学問分野の視点から、こども家庭庁のEBPM推進に向けて踏まえるべきことを率直に伺いまして、今後の検討の方向性について幅広く示唆を頂きたいと考えております。こちらも詳細は事務局準備室にお尋ねください。
 最後、3点目になります。本年4月、来月発足いたしますこども家庭庁の働き方改革の基本方針及び行動目標について決定させていただきました。「こどもまんなか社会」の実現のため、より良い政策を持続的に立案・実現していくためには、子育て中の職員の仕事と育児の両立のみならず、全ての職員にとって介護や修学などの個々人の置かれた状況と両立を図りながら、心身ともに健康で、持ち得る能力を存分に発揮できる職場環境をつくることが必要だと考えております。
 こうした中で、こども家庭庁の発足を待たずに取組をスタートし、霞が関における「働き方改革」のトップランナーにこども家庭庁がなることを目指してまいります。詳細につきましては、こども家庭庁設立準備室におきまして、この働き方改革プロジェクトチームを率いてくれた和田副大臣から発表させていただきます。では副大臣、お願いします。
(副大臣)皆様おはようございます。副大臣の和田でございます。
 本日お示しさせていただいた基本方針と目標は、小倉大臣の御指示の下、副大臣就任以来、こども家庭庁設立準備室職員の皆様、管理職や若手の方々、子育て中の方もそうでない方も含めて、何度も意見交換を行って取りまとめたものでございます。
 まずスライド1でございます。今回の取組の目的ですけれども、先ほど大臣からの御発言にもありましたとおり、こどもまんなか社会を実現するために、より良い政策を持続的に立案・実現できるように、全ての職員が子育てや介護等、自身の生活、健康との両立を図り、十分に能力を発揮できる職場環境をつくることでございます。こども家庭庁が霞が関の働き方改革のフロントランナー兼サンドボックスになって、トライアンドエラーで高めの目標にもワンチームで挑戦をしていきたいと思っております。
 スライド2をお願いします。次に、今後の働き方改革の基本方針として5つの原則を設定いたしました。1つ目ですけれども、風通しの良い組織をつくることでございます。2つ目は仕事の在り方の最適化でございます。ここにワーク・ライフ・バランスですとかDX等々の観点が含まれてまいります。3点目、職員の心身の健康をしっかりと確保することでございます。そして4点目は、働き方改革の改善を継続する、トライアンドエラーでしっかりと継続するということでございます。最後、5点目でありますけれども、マネジメント力の強化、これは組織として取組を持続していく上でとても重要なものだと考えております。
 スライド3をお願いします。最後に、これらを踏まえた具体の達成目標と行動目標を定めました。ここでは主なものを挙げております。例えば、「1か月以上の男性育児休業・休暇の100%取得」、「勤務間インターバル11時間の確保」、それから「紙資料の削減」等を目指すことにしております。すぐに達成できるものばかりではございません。しかし、まずは挑戦をしてみて、成果を確認してみて、うまくいかなかったところはなぜいかなかったかというところを分析してまた再挑戦する、そのようなことが重要だと考えております。
 今後、小倉大臣とともに私もしっかりと実施状況を確認し、職員の皆様と一致団結してともに霞が関の働き方の改革を模索していきたいと思っております。なお、本方針、目標の詳細につきましては、こども家庭庁設立準備室までお問い合わせをいただきますよう、お願いします。以上です。

2.質疑応答

(問)今御説明いただいた中で、霞が関のトップランナーになるという言葉もあったんですけれども、こうした働き方5原則というようなものを設定するというのは、省庁の中で初めてなんでしょうか。何かこの中で他の省庁が今までやってこなかった、働き方5原則の設定ですとか、勤務間インターバルを目標にするですとか、新しい部分があれば確認をさせてください。
(答)(副大臣)他の省庁のところでこういったはっきりした形での原則を作っているところというのは、私としては承知をしておりません。特に勤務間インターバルのところにおきましては、これは初めてだというふうに確信をしております。
(問)ありがとうございます。続けてもう1点伺いたいんですが、男性の育休取得率なんですけれども、他省庁とか、今の準備室とか厚労省の数字だとちょっと細か過ぎるかもしれないんですが、今の現状の実績があれば教えてください。
(答)(副大臣)ありがとうございます。霞が関全体で1カ月以上の取得が87%というふうに聞いております。恐らく一般のいろいろな産業と比べてもかなり高い比率になっているというふうに認識をしております。
(問)2点伺わせてください。この100%という目標の位置付けというのはどういう意味合いか。民間企業がこういう目標を立てているのかどうか、もし位置付けがあれば教えてください。
(答)(副大臣)産後パパ育休の法律が去年施行されましたけれども、この法律ができたということは、やはり100%を目指しましょうという強いメッセージが裏に含まれていると思いますし、この法律をつくったときのチームもそういう思いでこの法案をつくっております。やはり100%を目指したいという思いは間違いないと思います。
(問)もう1つなんですけれども、働き方改革は非常に重要ですし、少子化対策をやっていく省庁は非常に重要だと思いますけれども、現状、過渡期だからだと思うんですけれども、現状だと2月の国会とか3月の引越しとか、一番大変なんじゃないかなと思ってですね。今の現状、職員の方の残業の状況とか、どういうふうな認識かということと、今後それに向けて、改革に向けてどういう試行錯誤をされていきたいか、決意をお願いします。
(答)(副大臣)ありがとうございます。御指摘のとおり、国会対応があって、こども家庭庁の準備があって、今恐らくこの手の話をスタートするには最悪の状況だと思っておりますし、準備室の方から「本当に今やるのですか」という話は正直ございました。
 ただ、今の現状を申し上げますと、8%の職員が月間100時間以上残業しており、また11%の職員が80時間から100時間未満の超過残業をしているということで、本当に設立準備に向けて、また国会対応に向けて頑張っていただいているところでございます。
 また、年次休暇の取得日数でございますけれども、平均で月1日に少し足りていない状況ということでありますので、課題は山積みでございます。また、男性の育児休業、これも2名中2名が取得しているということでございます。
 こういった厳しい状況ではありますけれども、しっかりとこれを進めていこうということを準備室の関係者とも話をしております。一度管理職の方々向けに、なぜこの男性の育休の法律ができたのか、そして何でこれが少子化にとって大事なのか、そういった説明をする機会を1時間ぐらいかけてやったという経緯があります。
 長時間労働の是正、そして柔軟な働き方を進めることというのは、少子化対策にとってとても重要なことでありますので、難しい環境ではありますけれども、何とかやはり職員の皆様の心身の健康を保つということを最優先に進めていきたいと思っております。温かい目で見守っていただければ幸いでございます。
(問)霞が関における「働き方改革」のトップランナーを目指していくということなんですけれども、今後、こども家庭庁がトップに立って霞が関の改革されたことが社会にどういう影響とか効果があったら良いなというお話ですとか、あと意気込みとかがあればお願いします。
(答)(副大臣)ありがとうございます。世間でも霞が関の働き方というのは本当に厳しいという認識が当たり前のようにあると思うのですけれども、それでも管理職、リーダーの方々のイニシアチブで変わるのだということをやはり証明して、霞が関でできたのだから、是非民間企業さんでもいろいろなところでも頑張ってくださいというふうなエールとお願いを送りたいなと思っております。
(問)細かいところになってしまうんですけれども、スタートというのはいつからになるんでしょうか。
(答)(副大臣)それはすぐ始めるというふうに考えております。日にちを区切るものでもないと思いますし、できるところから始める。こども家庭庁の設立を待たずして、もう今日から始めるというつもりでおります。
(問)育休の関係なんですけれども、100%というのは、希望される方が100%ということなのか、それとも全員取るという形なのか、どういう。
(答)(副大臣)どうしても取りたくないという方以外は是非取ってくださいと。それが家族の関係構築のためにも、周囲のためにも大事なのですというお話は管理職の方からしていただいて、それで御納得、御理解いただける方にはすべからく取っていただくよう目指すというところでございます。
 すみません、1個訂正させていただいてもよろしいですか。先ほど、男性の育休を、対象者2名中2名取ったと言いましたけれども、これは男の産休の方でありました。失礼しました。
(問)DXに関してなんですが、3年以内に半減ということなんですが、現状はどのぐらい使用しているのか教えてください。
(答)(副大臣)まだこども家庭庁ができ上がっておりませんので、確認してオープンにいたします。
(問)女性の政治参画についてお伺いさせてください。明日国際女性デーでもありまして、日本の政治、女性の政治参加が遅れているという指摘があります。その点、どういうふうに今後取り組んでいきたいか、もし男女共同参画担当大臣としてあればお願いします。
(答)(大臣)例えばジェンダー・ギャップ・インデックスは日本は非常に低い順位でありますけれども、やはり我が国が立ち遅れているのは、政治分野と経済分野だと認識をしております。そういう意味では、今回の政治分野における女性参画に関するシンポジウムを開催することによって、地方議会あるいは国会においてどういったところがボトルネックとなって女性の参加を阻んでいるのか、それに伴う環境整備を行政側がどのようにできるのかについて、広く有識者や当事者の話を伺いながら議論を盛り上げる、そういう契機にしたいと思っております。経済分野におきましては、これは申し上げておりますように、昨年末、私が女性活躍と経済成長の好循環実現に向けた検討会を立ち上げておりますので、我が国において、経済分野において女性役員の登用促進も含めて、どういった方策ができるか、しっかり私の下で検討を続けていきたいというふうに思っております。
(問)今の現状の御認識ってどんな感じですか。再三おっしゃっているところであるんですけど、国際的に見た時の日本の女性の状況、経済分野、政治分野それぞれ数字が厳しいですが。
(答)(大臣)いずれの分野もこれまでの様々な制度整備によって、形式的には男女性別問わず活躍できるような、そういう制度にはなっていると思います。しかし一方で、実態を見ると、まだまだ女性の進出というのは進んでおりませんので、形式的な制度整備だけではなくて、いかに実態も含めて、女性の皆様方が持てる能力を引き出して活躍していける環境をつくっていくか、こういったことを今後しっかり検討していかなければいけないというふうに認識しております。
(問)同じく女性の政治参画に関してお伺いしたかったんですけれども、昨年だったか直近に衆議院の方で、国会の方で議員にアンケートを取って、女性がなぜ政治に依然としてなかなか参画が進まないかという意向調査みたいなものを、衆議院だったと思うんですけれども、国会の方で初めてあって、その中で、例えば託児所なりを国会の中につくるとか、そういう育児、家庭と両立ということを挙げる方がかなり具体的に多かったんですけれども、大臣として、議員として国会議員として活動されていると思うんですけれども、どういったところが変われば、何か女性がもっと国会議員として働きやすくなるかなというアイデアみたいなものがもしあれば教えていただければと思います。
(答)(大臣)恐らく、経済分野もそうなのですけれども、一つの解決策では不十分だと思います。正に御質問いただいたように、子育てと議員活動が両立できるような環境整備というのもそうですし、経済分野でもそうですけれども、やはりロールモデルの存在というのは大きいと思います。やはり身近にロールモデルがいて、こういった方としっかり思いを共有すれば自分も議会で活躍できるのではないかというのを女性の皆様方に身近に思ってもらえるような、そういう環境整備というのも重要だと思いますし、これを一つ実現すれば一挙に女性の政治参加が進むというものではなくて、様々な環境整備を複合的に行っていくことによって女性の政治参加というものが進むのではないかなと思います。
 いずれにしても、そういった、今おっしゃったような託児所の整備というのは、むしろ行政の役割というよりも、それぞれの国会や議会で御判断いただいてやっていくべきものなので、我々行政府が口を挟むべき問題ではないと思いますが、その上で我々がやるべきことは、内閣府としてではありますけれども、例えばハラスメント防止研修のための動画教材の活用促進、推進であったりとか、地方議会における両立支援に係る会議規則の整備等の環境整備だったりとか、あるいは各政党の取組状況の見える化、更には諸外国の取組事例の情報提供、こういったことを、今もしておりますけれども、更に前に進めていかなければいけないというふうに考えています。
(問)シンポジウムで川﨑レナさんというのが1人、10代で非常に異色かと思うんですけども、こういった若い世代に対して、女性の政治参画で期待することがございましたら。
(答)(大臣)もちろん年齢問わず活躍をしていただきたいというのが我々の思いでありますが、加えて言えば、女性だけではなくて年齢のバランスと申しますか、やはり年齢を重ねられた方も若い方も政治に参加をしてもらって、それぞれの世代の意見をそれぞれの議会なり国会なりに反映をしてもらうことが非常に重要だと思っております。
 そういう意味では、この川﨑レナさんは非常にお若い方でありますので、女性の政治参加だけではなくて、若い人が政治に壁を感じずに参加をしてもらうにはどうしたら良いかという、そういった視点からもこのシンポジウムでいろいろな意見を賜りたいなというふうには思っています。

(以上)