小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年2月28日

(令和5年2月28日(火) 13:10~13:19  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 本日は冒頭発言は3点ございます。
 まず1点目。3月のことですが、3月は「自殺対策強化月間」に当たります。昨年の小中高生の自殺者数は、暫定値で過去最高の512人となってしまい、深刻な状況でございます。こども政策、孤独・孤立対策の担当大臣としては、一人の人間として自殺の報道に触れるたびに身内や友人を亡くされた方の悲しみを考え、いたたまれない、そのような面持ちになります。
 今回の月間では、こどもや若者に対して、SNSを活用した情報発信ですとか相談体制の拡充を行うなど、対象に応じたきめ細かい対策を講じることといたしております。また、孤独・孤立対策Webサイトのチャットボットでは、支援制度や相談窓口の中から利用者の悩みに応じたものを自動応答により案内しており、その周知も図っていきたいと思っております。4月に立ち上げるこども家庭庁においても、こどもの居場所づくりやいじめの防止に向けた地方自治体における体制づくりを進めてまいりたいと思います。
 悩みをお持ちの方、困っている方は、どうかひとりで悩みを抱え込まずに、家族や友人など身近な人や相談窓口に一言相談をしてください。人に話してみることで気持ちが楽になることも多いはずです。家族や友人など、身近な人の様子がいつもと違うと感じた場合には、やさしく声をかけ、温かく見守るとともに、相談窓口につなげていただきたいと思います。
 この月間を通じまして、こどもや若者の皆様や周囲の方が自殺対策について理解と関心を持っていただけるよう、取り組んでいきたいと思います。
 続きまして2点目です。明日3月1日、「未就園児等の把握、支援のためのアウトリーチ及び伴走型の支援等に関する調査研究」の第4回検討委員会を開催します。本調査研究では、未就園児の支援に関する地方自治体等の取組事例の収集や、有識者等による検討委員会での議論を進めてまいりましたが、最終回となる明日の検討委員会では、報告書の取りまとめに向けた議論を行う予定であります。私自身は恐らく公務のため参加がかないませんが、改めて最終的に取りまとまった報告書の内容について、検討委員会のメンバーから報告いただく場を設けたいと考えております。詳細は事務局までお問い合わせください。
 最後、3点目です。共生社会担当大臣として御報告を申し上げます。こちらも明日3月1日から、来年2024年3月に卒業・修了する学生の就職・採用活動がスタートします。まずは説明会などの企業の広報活動を通じて企業や業種への理解を深めていく機会にしていただきたいと思います。
 就職・採用日程ルールは、学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組めること。次に、学生と企業の双方が納得し、マッチングした上で就業できること。最後に、学生の職業選択の自由が確保されるため、適切な検討の期間が設けられることなどに資するものとして、産業界、大学、政府の三者が合意して設けられたものであります。
 昨日面会を私がさせていただきましたとある企業の方からも、非常に優良な企業でございますが、きちんとルールに従って就職・採用活動を行っていくことは、学生、企業、政府それぞれにとって大変意義あることであるとの御意見もいただきまして、この取組に向けて勇気付けられたところであります。
 学生、企業の皆様におかれましては、こうした日程ルールをしっかりと遵守して就職・採用活動を行っていただくよう、働きかけてまいりたいというふうに思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)こども家庭庁に関して伺います。初代長官に、現在こども家庭庁設立準備室の室長を務められている渡辺由美子さんを起用するとの報道がありましたが、現在の検討状況はいかがでしょうか。
(答)まず、御指摘のような報道があったことは承知しておりますが、実際にそのような事実はございません。こども家庭庁は4月1日に発足いたします。それまでに適任者を選定することになりますが、人事の具体的な検討状況につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
(問)今国会でも少子化の深刻化を指摘する声が相次いでいます。この中で、少子化対策の取りまとめ、3月下旬に向けてあと一か月というとこでございますが、どういうふうに取り組まれていくか、改めてお伺いします。
(答)御指摘のように、急速に進展する少子化によりまして、昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれております。正に我が国が社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれていると認識をしております。こども・子育て支援策は、待ったなしの、先送りのできない課題だというふうに認識をしております。
 今、私の下で関係府省会議を開催してございます。既に3回開催をさせていただきまして、2回、有識者のヒアリングを行いました。これ以外にも、当然これまで「こどもまんなかフォーラム」等々で当事者や関係者の意見に耳を傾けてまいりましたし、とりわけ、「こども政策対話」ということで、総理とともに福井県、岡山県に行ってまいりまして、そちらでも座談会形式で、様々な状況の子育て世代、あるいは関係者の意見に耳を傾けてまいりました。そういう意味では、今の関係府省会議の下で3月末を目途として内容を具体化すべく今議論を重ねているところでありますが、引き続き当事者の意見にしっかりと耳を傾けながら、正に私も都度申し上げているように、これまでの課題を一気に前進させて、今漂う子育て世代の様々な先行きに関する不安、これを払拭できるような、そのようなパッケージをお示しをできるよう努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
(問)大臣、先ほど発表いただきました自殺者のところなんですけれども、こどもの自殺者が512人、過去最多ということで、一方少子化でこども全体の数が減っているにもかかわらず過去最多というのは、コロナ禍とかいろいろ理由はあると思うんですが、大臣なりの分析というのはどういうところにあるのかお伺いできますでしょうか。
(答)これ、深刻な問題でありますので、あまり軽々な背景とか原因分析は申し上げられないと思います。ただ、状況を申し上げると、不登校の児童の数も増えてございますし、児童虐待の件数も高止まりしてございます。いじめの重大件数というのも、コロナ禍で一時期減少しましたが、再び増加傾向になってしまいました。そういうことを考えると、やはりこどもを取り巻く状況というのは深刻化しているのは間違いございません。だからこそ、冒頭申し上げたように、4月のこども家庭庁、あるいはこども家庭庁の発足を待たずに取り組んでおりますこどもの居場所づくりですとか、あるいはいじめの対策会議、こういったものの議論をしっかり加速していかなければいけないと、そういう思いをこの数字を見まして新たにしているところであります。

(以上)