小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年2月14日

(令和5年2月14日(火) 9:17~9:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 冒頭1点です。明日15日、「こども政策の推進に係る有識者会議第7回」を開催いたします。昨年9月から今年の1月にかけて、私自ら「こどもまんなかフォーラム」など、数多くのこどもや若者、子育て当事者、支援者の方々などから御意見を伺ってまいりましたが、当日はこれまでの実施報告を事務局から行った上で、今年度末に有識者会議でまとめていただく報告書の骨子などについて議論を行っていただく予定であります。
 この報告書は、4月以降にこども家庭庁の下で検討を進める「こども大綱」の論点を整理し、基本的な考え方を示すものであり、当日、精力的な議論が行われることを期待いたしております。詳細は準備室にお問い合わせください。
 以上です。

2.質疑応答

(問)NHKが実施した世論調査についてお伺いします。児童手当の所得制限を撤廃することに賛成か反対か尋ねたところ、賛成が34%、反対が48%で、反対が賛成を上回りました。この結果の受け止めと大臣の所感をお願いします。
(答)ありがとうございます。まず、お調べいただきましてありがとうございます。
 御指摘いただいたNHKが実施した世論調査は、全国2,483人に電話による聞き取りを行い、そのうち1,229人、約半数の有効回答が得られたものと伺っております。質問には児童手当に関するものも含まれ、おっしゃったように、児童手当の所得制限の撤廃について、全体では「賛成」が34%、「反対」が48%。年代別に見ますと、40代以下では「賛成」が40%を超えるといった結果になったものと承知しております。
 児童手当をはじめ、こども・子育て施策については、御指摘の世論調査も含めて様々な意見があると承知しておりますが、重要なのは子育て当事者がまずどのように考えているのかで、地域によってもかなりばらつきがあると思います。地域ごとの子育て世帯や関係者にどのようなニーズがあるのか、更には子育て支援を行っている方々が何を必要としているのかなどを踏まえた上で、丁寧にそういったお考えを伺い、総合的に必要なこども・子育て施策を考えていくことが重要なのではないかというふうに考えております。
(問)3月末にまとめる少子化対策のたたき台についてお伺いします。総理が指示した論点の一つに、幼児教育や保育のサービス拡充がありますけれども、安倍政権時代に財源不足で実現せずに課題として残っている、いわゆる0.3兆円メニューに含まれている保育士の配置基準や処遇改善は、少なくとも実現させるという理解でよいのでしょうか。それとも、このメニューが実現するかどうかも現段階では全く未定ということなのか、大臣のお考えをお伺いします。
(答)いわゆる御指摘いただいた「0.3兆円超」の事項につきましては、これまでも保育士等の処遇改善などに取り組んできたところであります。また、令和5年度、来年度予算案におきましても、大規模な保育所においてチーム保育推進加算の充実を行うなど予定をいたしております。現在、関係府省会議において、御指摘いただいた保育の量・質両面からの強化など、3つの基本的な方向性に沿って議論を進めているところであります。
 ただこれも、国会で繰り返し私が御説明を申し上げているとおり、たたき台の取りまとめに当たっては、社会全体の意識を変え、こども・子育てを応援するものとなるよう、個別の施策ではなく、ライフステージを通じた施策のパッケージを示す必要があるというふうに思っております。
 また、関係府省会議、全体の5回のうちまだ2回を消化したところでありまして、これからも様々な意見を持ってくださっている有識者や当事者の方々から御意見を幅広くお伺いをして、議論を進めていく予定であります。
 そういったこともありまして、現時点では個別の施策が含まれるか否かを述べる段階にはないと考えておりますが、いずれにしても様々な意見に耳を傾けながら、来月末を目途として、こども・子育て施策として充実する内容をしっかりと具体化していきたいという考えは変わりございません。
(問)世論調査の関連で伺います。大臣の先ほどの御回答の中で、地域ごとの子育て世帯の関係者というお話で触れられていたかと思うんですけれども、先週、加藤厚労大臣がやはり地方では所得制限の基準を超える世帯が少ないというようなお話の言及もありましたけれども、地方の子育て世帯の意見の取り入れ方について、今後の方針というか何かお考えがあればお願いします。
(答)加藤大臣がおっしゃったこともそのとおりでありまして、例えば、所得制限の本則給付の対象外の方は全国で10%でありますが、東京だと4分の1を超えておりますし、例えば都内の世田谷区などでは4割を超えているという話も伺っております。全体で10%なので、恐らくその他の地域、都市部でないところは、全体の多分3%とか4%とかそういったところにとどまる話でありまして、この所得制限の話というのは、恐らく地域によっては大多数の子育て世帯にとってはあまり関係のない話になってくるのではないかというふうにも考えております。ですから重要なのは、個別の政策の是非について議論をするというよりも、むしろそれぞれの地域の子育てニーズをきちんと酌み取った上で、全国どこででも子育てがしやすい環境をいかにつくっていくかということだと思っております。
 お尋ねの地方の声に関しましては、つい先日も福井に出張してまいりまして、総理と一緒に実際に当事者からお話を伺ったところであります。ほかの地域と比べても、子育て当事者がおっしゃってくださっていることに大きな違いはないのかなと思います一方で、やはり、例えば福井などは同居世帯が非常に多くございますので、両親による子育て―孫育てと彼らは言ってましたけれども、そういったものをどうやってバックアップするかという話もありました。あるいは、福井県は地域で子育てをする意識が非常に強いというふうにも伺っております。そういう地域による子育てのバックアップをいかに行政として考えていくかということも、その地域ならではの大きな論点なのではないかなというふうに思っております。
 そういったそれぞれの地域、地方、あるいは都市部の子育てのニーズや、更なる子育ての充実の在り方というのはまちまちだというふうに思っておりますので、先ほど申し上げたように、それぞれの声を丁寧に聞いた上で、3月末のたたき台にしっかりと反映をしてまいりたいなというふうに思っております。
(問)関連でお伺いします。やっぱりどうやって社会的なコンセンサスを醸成していくのかというのが重要な点だと思うんですけれども、子育て当事者であり、また今後幅広い世代で政策を理解してもらってやっていくと思うのですが、その社会的コンセンサスの醸成の仕方で大臣のお考えがあればお願いします。
(答)それについても、総理がやはり次元の異なる少子化対策というのは、個別の政策の内容や規模は当然のこと、やはり社会、企業も地域も全体で子育て応援をしていくという社会意識を高めていかなければいけないということであります。そういった意味では、御指摘いただいたように、子育てに対する理解をどうやって社会で調整していくかというのは非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、それについても、現時点で具体的にどうこうということは当然まだ案を練っている段階ですから申し上げる段階ではないと思いますが、しっかり、様々なこういう取組をされている方にお話を伺った上で、こちらについてもそういう機運が高まるようなやり方をしっかり考えていきたいなと考えております。

(以上)