小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年2月3日

(令和5年2月3日(金) 11:47~11:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 私から冒頭2点申し上げます。
 まず、明日、土曜日に総理の福井県訪問に同行いたします。これはこども政策の強化に関する取組の一環といたしまして、こどもたちの遊びや科学に対する関心と理解を深める複合施設であります「エンゼルランドふくい」において、子育ての当事者や結婚を考えている方々の意見をお伺いする場として、「こども政策対話」を行うものであります。その際、福井県及び近隣市町村の首長と子育て政策に関する意見交換も行ってまいりたいと思います。
 様々な意見に耳を傾けながら、3月末を目途として、こども・子育て政策として充実する内容を具体化すべく全力を引き続き尽くしてまいります。詳細は準備室にお問い合わせください。
 2点目、昨日、文科省とともに、「いじめ防止対策に関する関係府省連絡会議」の第2回会議を開催いたしました。会議では、第1に、いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携など、いじめ対応における改めて留意すべき事項や、第2に、いじめの重大事態への対応改善に向けた、新たな強化方策などについて対応の方向性に関し、関係府省で合意し、専門的事項については、本日のいじめ防止対策協議会でも御意見を伺いながら対応していくことになりました。
 1点目の文部科学省から発出予定の通知では、警察庁、法務省などの関係府省と連携した対応によって、学校や学校設置者だけで抱え込まずに、重大ないじめ等に対応できるようにしてまいります。
 2点目の重大事態の対応改善に向けた強化対策につきましては、今後の文部科学省の「いじめ防止対策協議会」での審議も踏まえ、今年度中を目途に結論を得たものから具体化していく予定であります。
 こども家庭庁設立準備室が文部科学省と連携しますことで、いじめの重大事態の国における状況把握や、全国の事案の対処状況モニタリング、事例分析の政策立案への活用など、従来の延長ではない形で、いじめの重大事態への対応改善の仕組みを強化し、分析を全国的な対策に繋げる好循環を構築していきたいと考えております。
 引き続き、関係府省会議で合意したいじめ防止対策の強化に向けた14の検討項目について、優先順位をつけながら、文部科学省とともに関係府省と連携し、対策を強力に推進してまいりたいと思います。
 こちらも詳細は準備室にお問い合わせください。

2.質疑応答

(問)一部報道で児童手当の所得制限撤廃で調整に入られた、また、公明党の方に説明されたとの報道があります。事実関係についてお願いします。
(答)昨日の共同通信の記事であったと思います。また、産経新聞も追随して今朝方、報道があったことだと思います。
 政府が児童手当について所得制限を撤廃し、支給対象年齢を18歳までに引き上げることについて段階的に実施する方向で調整に入り、また、私がこうした考えを公明党幹部に伝えた旨が報じられておりますが、こうした事実は一切なく、現時点で政府として何らかの方針を決定しているものではありません。
 国会でも繰返し申し上げておりますとおり、現在、こども・子育て政策の強化に向けて、総理から示されました「児童手当を中心に経済的支援を強化すること」などの基本的方向性に沿って、まさに私の下に設けた関係府省会議において、議論をしている真っ最中でもございます。
 そういった中で、私の全く心当たりのない言動も記事に記載されておりますが、そういったことについて本人に確認取材をせずに、こうした報道がなされてしまったことは非常に残念でなりませんし、大変違和感を感じている次第であります。
 とりわけ、これから関係府省会議におきまして様々な当事者や有識者から御意見を頂戴しながら、3月末、特に明日も地方に視察に行って、総理と共に当事者の御意見を伺ってまいります。そういった意見を積み上げる中で、3月末にたたき台をつくる予定でありますので、そういった方々から意見を聞く前に、何か一定の方向性で政府が調整を進めているということはございませんので、ここら辺はどうか御理解いただきたいと思います。
 政府としては、そういう意味では3月末を目途に、こども・子育て政策として充実した内容を具体化すべく、先ほど申し上げたように、力を尽くしていく所存であります。
(問)続いて何点かお伺いしてよろしいでしょうか。
 この件なんですけれども、基本的には所得制限を撤廃する、しないということは決められていないということでいいんですか。
(答)所得制限を撤廃するかしないかということでありますが、現在、こども・子育て政策の強化に向けて、総理が示された「児童手当を中心に経済的支援を強化すること」などの基本的方向性に沿って、まさに私の下に設けた関係府省会議において議論している最中でありまして、現時点で政府として何らかの方針を決定しているものではありません。
(問)今、与党内で幅広い意見が出ているかなと思うんですけれども、この件に関しては。検討事項に挙がっていると思うんですけれども、もしこれを実現するために、どんなことがネックになっているというふうに感じられますか。撤廃を検討しているとすれば、ネックになるというのはどういうことになりますか。
(答)撤廃するかしないかも含めて、今何ら方針を定めておりませんので、撤廃することを前提に仮定を置いてお話をすることは、この場では差し控えたいと思います。
(問)最後に、大臣御自身の所得制限に対する御認識というか、考え方というのがあれば、お願いします。
(答)こちらも正に私は関係府省会議の座長を務めさせていただいております。一個人の意見というよりも、この場では大臣としてお答えをしておりますので、私が国会の場でも申し上げておりますように、これをやる、あれをやると言った時点で、当然、関係府省会議の決定にも近いものになりますので、そういった御質問を含めて慎重にお答えをさせていただきたいと思います。
(問)今国会でフランスのN分N乗方式への言及が出ておりまして、これまで導入を求めてきた野党に加えて、自民党の茂木幹事長からも画期的な税制との発言がありました。
 これは社会全体でこどもを育てるという理念に基づいた制度で、フランスの出生率回復に寄与した政策の一つとされていますけれども、大臣のお受け止めと、検討対象になり得るかどうかも含めて教えてください。
(答)このN分N乗税制につきまして、税制でありますので、国会でもそうでありますように、基本的には財務省、財務大臣の所管だというふうに思っております。
 その財務大臣の国会等々での発言を引用する形にはなりますが、いわゆるN分N乗方式につきましては、世帯構成人数に応じて課税所得を分割し、より低い税率を適用するため、子育て世帯に配慮した仕組みであると認識をしております。そうするに当たっては、それこそ戦後、シャウプ勧告で我が国が個人単位とした課税の在り方を世帯単位にこの時代に改め直すのをどう考えるかとか、あるいは今日の国会の場でもありましたように、非常に我が国は最低税率のいわゆるブランケットと言われております対象者が5%で、たしか全体の6割を占めておりまして、655万の年収の家庭ということでありますので、非常に多くの方々がこの最低税率のブランケットに入るということであります。
 そういったN分N乗税制の効果がフランスと比べてどうかということも考えなければいけないと思っておりまして、こういったところに課題があるのではないかというふうには承知をいたしております。
(問)孤独・孤立対策で伺います。内閣官房孤独・孤立対策担当室は6日から、ソフトバンク、ワイモバイルと連携して、料金を滞納している利用者の通知にウェブサイトのURLを掲載する取組を始めます。
 料金滞納の背景にはどういう困難があるかなど、取組の大臣の所感と、今後ほかの民間会社との連携を深めるかなどの方針についてお考えをお願いします。
(答)ありがとうございます。先日でありますが、孤独・孤立に関する各種支援制度や相談先を紹介する孤独・孤立対策ウェブサイトの周知を、ソフトバンクと連携して実施するということを公表したところであります。
 具体的には、携帯電話の料金の支払いが御指摘のように遅れている方に対して、ソフトバンクが送付するショートメッセージの案内の中で、孤独・孤立対策ウェブサイトを紹介してもらうものであります。
 孤独・孤立の問題を抱える方々に支援制度や相談先の情報をタイムリーにプッシュ型で発信をすることについては、孤独・孤立対策の重点計画の基本方針にも定められているところであります。
 実際に、事前にテストでショートメッセージを送付したところ、約1割の方はウェブサイトを閲覧しているということであります。非常に他のメッセージの応答に比べても応答率が高いというふうに聞いておりますので、これまで情報を届けることができなかった多くの方に支援制度や相談先の情報が届けられるようになることを期待いたしておるところであります。
 また、今回のこうした取組の状況も踏まえながら、孤独・孤立で悩んでいる方へのプッシュ型での情報発信に更に何ができるか取り組んでまいりたいというふうに考えております。

(以上)